4. Beware of the temptation to perceive yourself unfairly treated.
- beware [biwέər] : 「注意する、用心する、警戒する」
- temptation [temptéiʃən] : 「誘惑、衝動、誘惑物」
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
- unfairly [ʌnfέərli] : 「不当に」
- treat [tríːt] : 「扱う、取り扱う、処理する、待遇する」
❖ "Beware of the temptation ~ "「あなた自身が不正に取り扱われていると知覚したくなるような誘惑に注意しなさい」。自分は何も悪くないのに、自分が悪いように取り扱われているに違いないと思いたがる傾向に注意しなさい。
In this view, you seek to find an innocence that is not Theirs but yours alone, and at the cost of someone else's guilt.
- view [vjúː] : 「見ること、視界、視野、意見、見識、物の見方」
- in this view : 「この観点から考えると」
- seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める」
- find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
- innocence [ínəsəns] : 「無罪、潔白、無邪気、無垢、純潔」
- alone [əlóun] : 「独りで、単に」
- at the cost of : 「〜を費やして、〜を犠牲にして」
- guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
❖ "In this view, you ~ "「こういう見方をすることで、あなたは、他者の罪を犠牲にして、相手の潔白さではなく、自分だけの潔白さを探し求めているのだ」。"at the cost of someone ~ "「他者の罪を犠牲にして」とは、他者に罪をなすりつけて、あるいは、他者の罪の意識をかき立てて、という意味合い。他者の心に罪の意識を起こして、その罪の意識を利用しようとすることだ。つまり、他者を黒だと決めつけることで、自分の白を主張しようとするのである。他者に罪をなすりつけ、他者を犠牲にすることで、自分の潔白さを証明しようとするのである。
Can innocence be purchased by the giving of your guilt to someone else?
- purchase [pə́ːrtʃəs] : 「〜を買う、購入する、仕入れる、獲得する」
❖ "Can innocence be ~ "「他者に、あなたの罪を与えることで、潔白さが買えるだろうか」。他者に自分の罪をなすりつけることで、自分の潔白さが立証されるだろうか。他者に黒い色を塗ることで、自分の白さを誇れるだろうか。そんなちゃちなトリックが、本当に通用するとでも思っているのか。
And is it innocence that your attack on him attempts to get?
- attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
- attempt [ətémpt] : 「〜しようと努力する、〜を試してみる、〜を企てる」
❖ "And is it innocence ~ "「他者へのあなたの攻撃が得ようと試みているものは、潔白さではないのか」。あなたが、他者を攻撃しようとする心の奥には、潔白さを求める動機が隠されているのではないだろうか。他者の罪を攻撃することは、心の奥に、自分の潔白さを求める動機が隠されているのだから、実は、あなたの心に罪の意識が隠されているのだ、という意味合いである。完全に無辜(むこ)なる者は、自分に潔白性を求めたりしない。罪の意識に嘖まれた者だけが潔白性を求めるのだ。その罪の意識を自分だけでは処理しきれないので、他者を悪者に仕立てて、自分の無罪を主張しようとするのである。
Is it not retribution for your own attack upon the Son of God you seek?
- retribution [rètrəbjúːʃən] : 「報い、天罰、仕返し、処分、報復」
❖ "Is it not retribution ~ "「あなた自身が神の子を攻撃したことに対する報復を、あなたは求めているのではないだろうか」。他者の罪を攻撃することは、自分自身を攻撃していることである。なぜなら、他者もあなたも、自他一如の神の子であるからだ。したがって、他者を攻撃することは、神の子を攻撃したことであり、ますます、あなたは心の奥で罪の意識を感じることになり、無意識のうちに自分を責め続けることになるのだ。あたかも、自分自身に対して、報復的な行動をとっているようなものなのだ。あなたは他者を攻撃しているつもりになっているが、本当は、あなた自身の罪を攻撃して、自分に報復しているのである。
Is it not safer to believe that you are innocent of this, and victimized despite your innocence?
- safe [séif] : 「安全な、無事な、安泰で」
- believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
- innocent [ínəsənt] : 「純潔な、純真な、潔白な、無罪の、無実の」
- victimize [víktəmàiz] : 「〜を犠牲にする、〜を不当に罰する」
- despite [dispáit] : 「〜にもかかわらず、〜をよそに」
❖ "Is it not safer to believe ~ "「あなたは、このことについては潔白であり、あなたの潔白さに関わらず、犠牲にされていると信じた方が安全ではないだろうか」。あなたは、他者を攻撃することで、神の子を攻撃してしまった罪の意識を生み出し、その罪ある自分を報復的に攻撃しているようなものである。それなら、一旦他者への攻撃を止め、攻撃に関しては、あなたは潔白だと言える状態にすべきなのだ(you are innocent of this)。あなたが攻撃に関して潔白になっても(despite your innocence)、他者があなたを攻撃してくるようなら、その攻撃に対して自分を犠牲にする(and victimized)と覚悟を決め、信じた方(to believe that)が、ずっと、安全ではないだろうか(Is it not safer)。簡単に言えば、罪のなすり合いと攻撃の掛け合いから、思い切って身を引いた方が、ずっと賢いのだ、ということ。その方が、ずっと潔白に近づけるだろう。
Whatever way the game of guilt is played, there must be loss.
- whatever [hwʌtévər] : 「どんな〜が〜でも」
- game [ɡéim] : 「ゲーム、試合、遊び」
- loss [lɔ́s] : 「失うこと、紛失、損失、喪失」
❖ "Whatever way the game ~ "「罪のゲームがどんな形で行われようと、損失はかならずある」。罪のなすり合いと攻撃の掛け合いというゲームによって、あなたが勝って何かを得るにしても、他者が勝って何かを得るにしても、それはどうであれ、どちらかが必ず何かを失うのだ。
Someone must lose his innocence that someone else can take it from him, making it his own.
- lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
❖ "Someone must lose ~ "「誰かが、潔白さを失い、」"that someone else ~ "ここの"that"は"so that"のことで、「〜するために、その結果」、「その結果、ほかの誰かが、その人から潔白さを奪うことが出来、自分の潔白さとするのである」。しかし、そんな形で得た潔白さとは何か。幻想の潔白さに過ぎない。なぜなら、自他一如を考えると、実は、どちらも失うからである。あなたも他者も、どちらも潔白さを失うのである。罪の意識だけが残るのだ。幻想の潔白さは、朝露のように、簡単に消えていく。
5. You think your brother is unfair to you because you think that one must be unfair to make the other innocent.
- unfair [ʌnfέər] : 「不公正な、公正を欠いた、不公平な」
❖ "You think your brother ~ "「あなたは、あなたの同胞があなたに対して公正さを欠いていると思っている」。"because you think ~ "「なぜなら、あなたは、一人を潔白だとするには、もう一人を不正としなければならないと思っているからだ」。あなたは、自分が潔白だと思いたいばかりに、他者である同胞が不正であると主張する。他者を黒くすることで、自分の白さを引き立てようとするのだ。これは、実は、二元論の必然であって、二元論世界では、善が存在するには悪が、愛が存在するには憎悪が、真が存在するには偽が、正しさが存在するには不正が、それぞれ存在しなければならないのだ。二元論世界に慣れ親しんだあなたには、自分が潔白であるには、他者が不正である必要があるのだ。何とも悲しい人間の性(さが)である。
And in this game do you perceive one purpose for your whole relationship. And this you seek to add unto the purpose given it.
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
- whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの 」
- relationship [riléiʃnʃìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
- add [ǽd] : 「加える、合計する、足す、追加する」
- given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "And in this game do you ~ "「このゲームにおいて、あなたは、あなたの関係性すべてに対して、ただ一つの目的だけを知覚している」。罪のなすり合いと攻撃の掛け合いというゲームにおいて、あなたと他者の関係は、どちらかがどちらかを不正であると断罪し、それによって、自己の潔白性を証明するというただ一つの目的性をもっているのだ。互いに無辜(むこ)であることを認識し、罪という幻想を赦し合うという実相的な関係性は、ここでは成立しない。"And this you seek ~ "「そこで、関係性に与えられた目的に、あなたは、この目的を付け加えようとするのだ」。たとえば、あなたがパートナーと特別な関係性をもった時でも、蜜月の時期が終われば決まって、あなたは、パートナーの罪を追求し、罪を断罪し、自分が正しいと主張するのである。愛を目的とした関係性に、罪の追求という歪んだ目的を付け加えてしまうのである。
The Holy Spirit's purpose is to let the Presence of your holy Guests be known to you.
- presence [prézns] : 「存在すること、存在」
- holy [hóuli] : 「神聖な」
- guest [gést] : 「客、ゲスト、招待客、泊まり客」
- known [nóun] : 「know の過去分詞形」
❖ "The Holy Spirit's purpose ~ "「ホーリー・スピリットの目的は、あなたに対して、あなたの神聖なゲストを知らしめることである」。"your holy Guests"「あなたの神聖なゲスト」とは、ホーリー・スピリット自身と考えてもいいし、キリスト、あるいは、神の子としての同胞と考えてもいい。いずれにしても、実相世界からの神聖な客である。幻想世界で、罪のなすり合いと攻撃の掛け合いというゲームに明け暮れているあなたに、実相世界の神聖な存在を知らしめることが、ホーリー・スピリットの目的である。つまりは、幻想からの目覚めを促すのだ。真実への目覚めを促すのだ。
And to this purpose nothing can be added, for the world is purposeless except for this.
- purposeless [pə́ːrpəslis] : 「目的のない、無益な」
- except [iksépt] for : 「〜以外は、〜を除いては、〜を別にすれば」
❖ "And to this purpose ~ "「このホーリー・スピリットの目的に、付け加えるべきものは何もない」。"for the world is ~ "「この世界は、この目的以外に、目的がないからだ」。この虚偽の幻想世界に、実相的な目的があるとしたなら、それは、実相世界に目覚めるために、この幻想世界から抜け出す、という目的である。実相世界へのステップという以外に、この世界は、実相的な目的を持たないのだ。麻薬から逃れるために、麻薬を使うのである。
To add or take away from this one goal is but to take away all purpose from the world and from yourself.
- take away : 「取り上げる、取り除く、持ち去る」
- goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
❖ "To add or take away ~ "「この唯一の目的に、何かを付け加えることも、何かを取り除くことも、この世界から、そしてあなた自身から、目的のすべてを取り上げてしまうことになるのだ」。それほどに、この幻想世界から目覚めることは、あなたにとっても世界にとっても、絶対に必要で重要な目的なのだ。あなたがこの幻想世界に生まれてきた目的は、その目的を果たすこと以外にないのだ。
And each unfairness that the world appears to lay upon you, you have laid on it by rendering it purposeless, without the function that the Holy Spirit sees.
- unfairness [ʌnfέərnis] : 「不公平、不当」
- appear [əpíər] : 「〜のように見える、〜と思われる、〜らしい」
- lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く」
- laid [léid] : 「lay の過去・過去分詞形」
- render [réndər] : 「〜の状態にする」
- without [wiðáut] : 「〜しないで、〜せずに、〜なしで、〜を持たないで」
- function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き」
❖ "And each unfairness that ~ "「そして、この世界があなたの上に課したかに見える一つ一つの不正は、」"you have laid on it ~ "「あなたが、この世界を無目的なものに変えることで、この世界に負わせた不正である」。"without the function ~ "意訳する、「ホーリー・スピリットが目指す役割を、あなたは無視しているのだ」。あなたは、この幻想世界によって罪を背負わされ、被害者となってしまったと思っているだろうが、その幻想性に気付かずに、あるいは、幻想世界を赦す目的を放棄して、世界こそが不正であると主張してばかりいて、ホーリー・スピリットが割り当てた自分の役割を果たそうとしていないのだ。あなたが、自分の役割を果たそうとしないことは、世界に目的を与えないことに等しい。世界を無目的なものに変えたのは、あなたの怠慢なのだ。
And simple justice has been thus denied to every living thing upon the earth.
- simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、容易な、質素な、素朴な」
- justice [dʒʌ́stis] : 「正義、公正、正当性」
- deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
- living [líviŋ] : 「生きている、現存する、活気のある、生命のある」
- earth [ə́ːrθ] : 「地球、地上、全世界」
❖ "And simple justice has ~ "「このようにして、単純な正しさは、地上のあらゆる命あるものにとって、否定されてしまったのだ」。"every living thing upon the earth"「地上のあらゆる命あるもの」とは、ここでは、人間すべて、あなたを含め同胞すべてと考えていい。"simple justice"「シンプルな正しさ」とは、生きとし生けるものすべてが無辜であり、罪は幻想であるという真実のことである。神の子が、罪のなすり合いと攻撃の掛け合いというゲームに翻弄されて、ホーリー・スピリットの用意した役割である、幻想に目覚めることを放棄しているので、生きとし生けるものすべてが無辜であるという真実が否定されたままに捨て置かれてしまったのだ。何を言いたいのかというと、罪など幻想であって、罪のなすり合いや攻撃は意味のないことだ、そんなことによって命を削るより、幻想から目覚めて実相世界に回帰するという神聖な目的があるではないか、それを思い出して、一刻も早く自分の役割を果たせ、ということである。