4. Forgiveness is not real unless it brings a healing to your brother and yourself.
- forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
- real [ríəl] : 「実在する、存在する、現実の、実際の、本物の」
- unless [ənlés] : 「でない限り、〜である場合を除いて」
- bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
- healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
❖ "Forgiveness is not real ~ "「赦しは、それがあなたの同胞やあなた自身にヒーリング(癒し)ををもたらさない限り、現実のものではない」。幻想を幻想として受け入れ、受け流して赦すことで、幻想から解放させるという癒しが実行されない限り、それは本当の赦しとは言えない。ヒーリングという奇跡は、実相的な赦しと同時に進行するのである。
You must attest his sins have no effect on you to demonstrate they are not real. How else could he be guiltless?
- attest [ətést] : 「〜が正しいと証明する」
- sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
- have no effect [ifékt] on : 「〜には影響がない」
- demonstrate [démənstrèit] : 「実証する、証明する、明示する」
- else [éls] : 「別の方法で、ほかに」
- guiltless [ɡíltlis] : 「罪のない、潔白な、経験のない」
❖ 本当の赦しによって、"You must attest ~ "「同胞の罪が現実に存在するものではないとあなたが実証することに対して、その罪は何の影響も持っていないのだと、あなたは証明して見せなければならない」。"to demonstrate they are not real"「同胞の罪は、現実に存在するものではないと実証する」とは、罪が幻想に過ぎないことを実証するということ。罪はそもそも幻想なのだから、罪は幻想だと証言する実相的行為に影響を与えることはない。幻想の罪にまったく影響されることなく、罪が幻想であると証言し、受け入れ、受け流すことが、実相的な赦しである。その赦しが成立したとき、幻想の罪は消滅するのだ。取り消されるのである。
And how could his innocence be justified unless his sins have no effect to warrant guilt?
- innocence [ínəsəns] : 「無罪、潔白、無邪気、無垢、純潔、純真」
- justify [dʒʌ́stəfài] : 「弁明する、正当化する」
- warrant [wɔ́ːrənt] : 「〜の正当な理由となる、〜は当然である、〜を正当化する」
- guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
❖ "And how could his ~ "「同胞の罪は、有罪だとする理由付けに何の影響も与えることがないということがない限り、同胞の潔白生は、どうやって正当化され得るだろうか」。回りくどい言い方をしているが、要するに、同胞の罪が幻想に過ぎず、実相的証言に影響を与えることがまったくないので、同胞の潔白生が確実に実証されるのだ、ということ。"his innocence be justified"「同胞の潔白生が正当化される」とは、同胞の潔白生が、つまり、罪など無く、完全な無辜なのだと、正当に実証される、ということ。
Sins are beyond forgiveness just because they would entail effects that cannot be undone and overlooked entirely.
- beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を超越して」
- entail [entéil] : 「〜を伴う、必要とする、引き起こす」
- undone [ʌndʌ́n] : 「undo の過去分詞形」
- undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
- overlook [òuvərlúk] : 「見て見ぬふりをする、見過ごす、大目に見る、許す」
- entirely [intáiərli] : 「全く、完全に、全体に、ひたすら」
❖ "Sins are beyond forgiveness ~ "「罪は、赦しを越えたところにある」。"just because they ~ "「それは単に、罪は、完全に取り消されたり見過ごされたりすることのない影響を伴うからである」。罪が幻想などでなく、罪を犯した結果が取り消しに出来ない事実なら、罪は赦しを越えている。その罪が、赦しとは無関係に、実相的に既成事実として存在してしまうからだ。真実存在した事実は取り消されることはない。しかし、罪が幻想なら、それは単なる誤りであり、簡単に取り消しが出来るものなのだ。
In their undoing lies the proof that they are merely errors.
- undoing : 「解くこと、取り消し」
- lie [lái] : 「ある、存在する」
- proof [prúːf] : 「証拠、立証、証明、証し、裏付け」
- merely [míərli] : 「ただ単に、単に、たかが〜にすぎない」
- error [érər] : 「誤り、間違い、ミス、誤字、誤用」
❖ "In their undoing ~ "「罪は取り消しに出来るという(事実の)中に、罪が単なる誤りである証拠がある」。罪は、実相的な影響力を何ももっていないのだ。先ほど、罪が幻想でないなら、罪は実相的既成事実として存在する、と書いたが、実相世界に罪が存在することは原理的に不可能である。実相世界は一元論世界であり、潔白性や無辜性は存在するが、その対極概念の罪、罪悪は存在し得ない。したがって、罪があるように見えるのは、この幻想世界にあるからであり、罪は幻想なのだ。取り消し可能な誤りに過ぎないのである。
Let yourself be healed that you may be forgiving, offering salvation to your brother and yourself.
- heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する」
- forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
- offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
- salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
❖ "Let yourself be ~ "「あなた自身をヒーリングしなさい」。"that you may ~ "ここの"that"は"so that"のこと、「その結果、〜するために」、「そうすれば、あなたは赦しを与えることが出来るだろうし、あなたの同胞やあなた自身に救いを差し延べることが出来るだろう」。罪が幻想ではなく実相であるなら、罪は取り消しに出来ないし、赦しを超越している。しかし、事実は、罪は幻想である。単なる誤りである。誤った夢を見たということだ。だから、取り消しにも出来るし、赦すことも可能だ。したがって、ヒーリングという奇跡が可能なのであり、幻想からの救いが成立するのである。
5. A broken body shows the mind has not been healed. A miracle of healing proves that separation is without effect.
- broken [bróukn] : 「壊れた、故障した、損傷している」
- show [ʃóu] : 「見せる、示す」
- prove [prúːv] : 「証明する、〜となる、〜であると分かる」
- separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
- without effect : 「効果がなくて、無効で」
❖ "A broken body ~ "「病んだ肉体は、心がまだヒーリングされていないことを示している」。"A miracle of healing ~ "「ヒーリングという奇跡は、分離は何の影響力ももたないことを証明している」。心が幻想の罪の意識に犯されているとき、その証拠が肉体の病に表される。しかし、それはヒーリング可能なのだ。心の罪を赦して、罪を取り消しにすればいい。心は罪から解放され、肉体の病は消滅する。このように、ヒーリングは奇跡を起こすのだが、それは、罪が幻想に過ぎず、罪を消滅させることが可能だということに立脚する。ところで、罪は、分離の象徴である。神の子が神から分離したことを、神への裏切りと捉えて、罪の意識をもつに至ったのだ。したがって、罪が幻想であるなら、その源である分離も幻想である。幻想の分離が影響力を持たないことは、幻想の罪がヒーリングされることで証明されるのだ。
What you would prove to him you will believe. The power of witness comes from your belief.
- believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
- power [páuər] : 「力、能力、勢力」
- witness [wítnəs ] : 「目撃者、証人、証拠、証言」
- come from : 「〜から来る、〜に由来する、源を〜に発する」
❖ "What you would prove ~ "「あなたが同胞に証明して見せることを、あなたは信じるであろう」。奇跡のヒーリングを行い、罪が消滅可能な幻想に過ぎないことを同胞に証明して見せたことを、もちろん、あなたは信じているのだ。逆に、それを信じていなかったら、奇跡のヒーリングは成立しない。"The power of witness ~ "「証明するパワーは、あなたの信じる気持ちに由来するのだ」。信じる気持ちがなければ、奇跡もヒーリングも赦しも、実相的真実は不可能になってしまう。
And everything you say or do or think but testifies to what you teach to him.
- testify [téstəfài] : 「証言する、証明する」
- testify to : 「〜を立証する、〜を証明する」
- teach [tíːtʃ] : 「〜を教える、指導する」
❖ "And everything you ~ "「あなたの言うこと、成すこと、考えることは、あなたが同胞に教えることを証明しているのだ」。あなたが何を信じて同胞に教えを与えているか、それを証明するのはあなたの言動である。つまり、あなたの普段の言動自体が、奇跡を生む母体になっているのである。仏壇や神棚の前に座った時だけ信心深いだけではダメである。普段に何を信じて行動しているか、それが奇跡の成就の鍵を握っている。
Your body can be means to teach that it has never suffered pain because of him.
- means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
- suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、被る」
- pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛、苦痛、骨折り」
❖ "Your body can be ~ "「あなたの肉体は、that以下を教える道具になり得るのだ」。"that it has never ~ "「肉体は、同胞のせいで痛みを負ったりすることは決してない」と教える道具になり得るのだ。肉体も痛みも幻想であって、幻想の攻撃によって傷つくことはない。実相に目覚めることが出来れば、肉体から超越し、痛みからも超越出来る。これを実際に示した実例が、イエス・キリストの磔刑と復活であろう。一般の教義が教えるところの、イエスが十字架上で痛みに悶絶し、苦しんで死んだと解釈するのは誤っている。イエスは、すでに肉体から出ていたと解釈すべきだ。イエスは、すでに実相に目覚め、肉体を超越したのだ。十字架に架けられたのは、いわばイエスの肉体という抜け殻である。イエスの抜け殻の肉体は、通常の痛みを感じることもなく、死とも無関係であったのだ。イエスの復活はそれを示している。
And in its healing can it offer him mute testimony of his innocence.
- mute [mjúːt] : 「沈黙した、黙音の、無言の、黙秘の」
- testimony [téstəmòuni] : 「証言、証拠、証明」
- innocence [ínəsəns] : 「無罪、潔白、無邪気、無垢、純潔、純真」
❖ "And in its healing ~ "「そして、肉体がヒーリングされる中に、同胞に対して、同胞は潔白であるという無言の証言を差し出しているのである」。同胞はあなたの肉体を攻撃し、あなたに痛みを強いたという罪を感じているかも知れないが、あなたが、それを幻想として認識し、赦すことで肉体を癒すことが出来たとき、同胞は、実は罪を犯してもいないし、あなたの肉体を痛めることもしていなかったのだと、あなたは無言の内に、同胞に示したことになるのだ。
It is this testimony that can speak with power greater than a thousand tongues. For here is his forgiveness proved to him.
- great [gréit] : 「大きい、大きな、巨大な」
- thousand [θáuzənd] : 「1000の、1000個の、1000人の」
- tongue [tʌ́ŋ] : 「舌、言葉、言語」
❖ "It is this testimony ~ "強調構文、「千人の言葉による証言よりも大きなパワーをもって語りかけることが出来るのは、この無言の証言である」。"For here is his forgiveness ~ "「なぜなら、この無言の証言によって、彼の赦しが彼に対して証明されるからである」。同胞があなたの肉体に対して罪を犯したという事実は、実は幻想であって、実相的にはそんなことは起きなかったのだと認識することが出来、それを受け入れて受け流し、赦されたのだ。同胞は赦されることで罪は消滅し、あなたと同様に潔白であることが証明されたのだ。この証明に言葉はいらない。無言の内に赦せばいいのだ。