●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-20.III.4:1 ~ T-20.III.5:9

4. A simple question yet remains, and needs an answer.

  • simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、容易な」
  • question[kwést∫n] : 「質問、問題、疑問、問い、質疑、疑義」
  • remain [riméin] : 「残る、残存する」
  • need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする」
  • answer [ǽnsə(r)] : 「答え、回答、返事、応答」
❖ "A simple question ~ "「単純な問い掛けが、まだ残っている」。"and needs ~ "「答える必要のある問い掛けである」。



Do you like what you have made? --a world of murder and attack, through which you thread your timid way through constant dangers, alone and frightened, hoping at most that death will wait a little longer before it overtakes you and you disappear.
  • murder [mə́ː(r)də(r)] : 「殺人、謀殺」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
  • thread [θréd] : 「〜を縫うようにして進む、〜を縫うように通り抜ける」
  • timid [tímid] : 「気の小さい、物怖じする、おずおずした、憶病な、気の弱い」
  • constant [kɑ́nst(ə)nt] : 「持続する、絶えず続く、不変の、一定な」
  • danger [déin(d)ʒə(r)] : 「危険、危機、危難」
  • alone [əlóun] : 「独りで、ただ〜だけで、唯一の」
  • frightened [fráitnd] : 「脅えた、怖がって、驚いた」
  • at most : 「最大限でも、多くても、せいぜい、たかだか、よくても」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
  • wait [wéit] : 「じっとしている、待つ」
  • before [bifɔ́ː(r)] : 「〜する前に、〜より前に、〜より先に」
  • overtake [òuvə(r)téik] : 「〜に追いつく、〜を追い越す、〜を上回る」
  • disappear [dìsəpíə(r)] : 「存在しなくなる、なくなる、消滅する」
❖ その問い掛けとは、"Do you like what ~ "「あなたは、あなたが作ったこの世界が好きだろうか」。"a world of murder ~ "「殺人と攻撃の世界」。"through which you ~ "「その中を、いつも危険をかいくぐりながら、おずおずと歩いていく」。"alone and ~ "「孤独であり、脅えている」。"hoping at most that ~ "「希望することと言ったら、せいぜい、死があなたに追いつき、あなたが消え去る前に、その死が少しでも長く待っていてくれないだろうか、ということくらいである」。



You made this up. It is a picture of what you think you are; of how you see yourself.
  • make up : 「作り出す、考え出す」
  • picture [pík(t)∫ə(r)] : 「絵、像、絵画、絵柄、図面、光景、見物」
❖ "You made ~ "「あなたが、こんな世界を作り上げたのだ」。"It is a picture of ~ "「その世界は、あなたが、自分はこうなのだと思った通りの絵姿なのである」。"of how you ~ "「つまり、あなたが自分をどう見ているか、その通りの世界なのだ」。この世界は、あなたが心の外側に投射して作り上げた幻想の世界である。あなたの心の写し絵なのだ。映画を考えればわかることだが、現実の3次元空間を平面のフィルムに焼き付けて、そのフィルムを映画としてスクリーンに映し出せば、その投射された映画の世界は次元が一つ減った2次元となる。映画では、現実が次元的に劣化するのだ。同様に、真実の心が住む実相世界は、この3次元空間ではなく、よりレベルの高い、いわば4次元、5次元の世界のようなものだと考えていい。したがって、この世界は、真実の世界が次元的に劣化し、映画と同様、あなたが製作者として作り上げた、いわば夢が描く劣化した映像なのである。



A murderer is frightened, and those who kill fear death.
  • murderer [mə́(r)d(ə)rə(r)] : 「殺人者、人殺し、殺人事件の犯人」
  • frighten[fráitn] : 「〜を怖がらせる、ドキドキさせる」
  • kill [kíl] : 「殺す、葬る、始末する」
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
❖ "A murderer ~ "「人殺しは恐れを抱き、殺した者は死を恐れる」。



All these are but the fearful thoughts of those who would adjust themselves to a world made fearful by their adjustments.
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
  • thought [θɔ́ːt] : 「考え、思想、思考、思索、熟考」
  • adjust [ədʒʌ́st] : 「順応する、適応する、慣れる」
  • adjustment [ədʒʌ́stmənt] : 「調節、適応、適合、加減、修正、調整」
❖ "All these are but the fearful ~ "「これらはすべて、彼らの順応によって恐ろしいものにされた世界へ彼ら自身を順応させる者達の、恐れを抱いた思考なのである」。元々、世界が恐ろしいというのではなく、恐れを抱いた神の子がその恐れを投射した結果、この世界が恐ろしいものになったのである。いわば、この世界は神の子の恐れに順応して作られたのだ。しかも、その恐ろしい世界に、今度は神の子自身も順応していかなくてはならないのである。



And they look out in sorrow from what is sad within, and see the sadness there.
  • look out : 「外を見る、見晴らす、気を配る」
  • in sorrow : 「悲しんで、悲しみのあまり」
  • sad [sǽd] : 「悲しい、悲しげな、悲しむべき、無念な、残念な」
  • within [wiðín] : 「内部で、内側は」
  • sadness [sǽdnəs] : 「悲しさ、悲しみ、不幸」
❖ "And they look out in ~ "「そして、彼らは、心の中の悲しみから視線を外に向け、悲しそうに外を見るのである」。"and see the sadness ~ "「そうすると、彼らはそこに、悲しみを見ることになるのだ」。彼らの心が悲しいのであり、悲しい心で世界を見るから、世界は悲しいものとして目に映る。まさに、あなたは、この世界という映画をいかようにでも制作出来るシナリオライターであり、監督であり、出演者なのだ。



5. Have you not wondered what the world is really like; how it would look through happy eyes?
  • wonder [wʌ́ndə(r)] : 「〜かどうかと思う、〜を不思議に思う」
  • really [ríː(ə)li] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
  • like [láik] : 「似ている、類似の、類似した、同様の、同種の」
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
❖ "Have you not wondered ~ "「あなたは、この世界が本当はどういうものなのか、不思議に思ったことはないだろうか」。"how it would look ~ "「つまり、幸せな思いを抱いた目で見たら、この世界はどう見えるのだろうか」。



The world you see is but a judgment on yourself. It is not there at all.
  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
❖ "The world you see is ~ "「あなたの見ているこの世界は、あなた自身に下した判断に過ぎない」。この世界は、あなた自身を判断した心を投射した幻想に過ぎない。"It is not there ~ "「世界は、まったく持って、そこに存在などしていない」。この世界は幻想であって、実相としてそこに実在しているのではない。まったく厳密な意味で、世界は存在していないのだ。



Yet judgment lays a sentence on it, justifies it and makes it real. Such is the world you see; a judgment on yourself, and made by you.
  • lay [léi] : 「提出する、〜を横たえる、〜を置く」
  • sentence [sént(ə)ns] : 「判決、刑罰、処罰、宣告」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「弁明する、正当化する」
  • real [ríː(ə)l] : 「実在的な、実質的な、本物の」
❖ "Yet judgment lays ~ "意訳する、「しかし、あなたは自分を判断し、その判断した内容を世界の上に置いているだけなのだ」。"justifies it ~ "「そして、この世界を正当化し、実際に存在するかのように見せている」。この世界は、あなたが自己判断し、その内容を心の外部に投射して作られた幻想の世界である。それに尽きるのだ。誤解してはいけないのは、この世界が実際に存在し、あなたが自己判断した内容を世界に投射した結果、世界がそのようにあなたの目に映っている、という意味ではないのだ。厳密な意味で、この世界は、実在する実相世界から見れば存在していないのである。幻想、幻覚、錯覚なのだ。



This sickly picture of yourself is carefully preserved by the ego, whose image it is and which it loves, and placed outside you in the world.
  • sickly [síkli] : 「病弱な、多病の、病気がちの、病身の」
  • carefully [kéə(r)f(ə)li] : 「注意深く、丁寧に、慎重に、入念に」
  • preserve [prizə́ː(r)v] : 「〜を保つ、保存する、貯蔵する、保護する」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける」
  • outside [áutsáid] : 「〜の外に、〜の外側に」
❖ "This sickly picture ~ "「この病的な、あなた自身の絵姿は、エゴによって慎重に保護されている」。"whose image it is ~ "「それこそ、エゴのイメージであり、エゴの愛する絵姿なのだ」。あなたは自分が主体的に自己を判断していると思っているだろうが、実は、エゴがあなたの背後にいて、あなたを唆(そそのか)しているだけである。あなたはエゴの操り人形なのだ。この世界はあなたの絵姿であると同時に、エゴの愛して止まないイメージ、そのものなのである。"and placed outside ~ "意訳する、「そして、エゴは、そのイメージを世界の中に、あなたの心の外に置いて、あなたに見せているのだ」。エゴはあなたを騙し続けているわけだ。あたかも、エゴは、エゴの制作した映画にあなたを主人公として登場させ、世界というスクリーン上で、あなたに操り人形の演技を続けさせているのだ。その映画の世界は破壊の世界であり、悲しみの世界である。しかも、スクリーン上のあなたは、それが実在する現実だと思い込んでいるのだ。



And to this world must you adjust as long as you believe this picture is outside, and has you at its mercy.
  • adjust [ədʒʌ́st] : 「順応する、適応する、慣れる」
  • as long as : 「〜する限り、〜である限りは、〜する以上は」
  • mercy [mə́ː(r)si] : 「慈悲、情け」
  • have someone at one's mercy : 「〜の死命を制する、〜を意のままにする」
❖ ここは後ろから訳す、"as long as you believe ~ "「あなたが、この世界の絵柄が心の外側にあり、あなたを意のままに操っていると信じている限り、」"And to this world ~ "「あなたは、この世界に順応しなくてはならないわけである」。この幻想の世界が破壊と悲しみの世界であっても、あなたはその破壊と悲しみに自分を順応させざるを得ない。かくして、あなたはドストエフスキーと同じ結論に達する。自分の心に地獄を見た者は、発狂するか、自殺するか、宗教に逃れるか、この3つの退路しか存在しないと。しかも、その既存の宗教たるや、地獄の世界にきらびやかなペンキを塗りたぐっただけの、つまり、幻想に幻想を上塗りしただけの、虚偽の世界であることには変わりないのだ。



This world is merciless, and were it outside you, you should indeed be fearful.
  • merciless [mə́ː(r)siləs] : 「無慈悲な、無情な」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも、実際に」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
❖ "This world is ~ "「この幻想の世界は無慈悲であり」、"and were it ~ "「あなたの心の外にあり続ける」。"you should indeed ~ "「したがって、あなたは、本当に恐怖を感じざるを得ないのである」。この無慈悲な世界を前に、発狂するか、自殺するか、宗教に逃れるか、この3つの退路しか存在しないと宣言された者が、恐怖を感じないでおられようか。



Yet it was you who made it merciless, and now if mercilessness seems to look back at you, it can be corrected.
  • mercilessness [mə́ː(r)siləsnis] : 「情け容赦のないこと、無慈悲さ、冷酷さ」
  • look back at : 「〜を振り返って見る、〜を再び見る、〜を見返す、〜に振り向く」
  • correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す、補正する」
❖ "Yet it was you who ~ "「しかし、世界を無慈悲なるものにしたのは、外でもないあなたなのだ」。"and now if mercilessness ~ "「そして今、もし、無慈悲なるものが、あなたの方に振り向いたならば、」"it can be ~ "「それは、修正出来るのだ」。少々、意味が判然としない部分である。"look back"には「〜を回顧する、〜を調べ直す」という意味合いもあるので、ここでは、思い切って主客を転倒させ、「もし、あなたが、無慈悲なる世界に向き直って、調べ直す気持ちがあるなら、無慈悲な世界は修正出来るのだ」と言い換えてみよう。そうすると、本文の意味合いが少しはっきりしてくる。あなたは世界を見て、世界は無慈悲だと感じるのだが、世界に無慈悲を押し付けたのはあなた自身である。では、その無慈悲なるものの側に立ってあなたを見たなら(if mercilessness seems to look back at you)、あなた自身に無慈悲の責任があるのであって、あなたがあなたの心を変えれば、無慈悲は簡単に修正出来るではないか、といった意味合いであろう。
 
 
 

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