VII. The Condition of Reality
実相の条件
1. The world as you perceive it cannot have been created by the Father, for the world is not as you see it.
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
❖ "The world as ~ "「あなたが知覚しているままのこの世界は、父なる神によって創造されたはずはない」。"for the world ~ "「なぜなら、世界はあなたが見ている通りではないからだ」。実在する実相世界は、今あなたが目にしているこの幻想世界とはまったく異なる。
God created only the eternal, and everything you see is perishable. Therefore, there must be another world that you do not see.
- eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の」
- perishable [périʃəbl] : 「傷みやすい、壊れやすい」
❖ "God created only ~ "「神は永遠なるものだけを創造した」。"and everything ~ "「そして、あなたが目にするものはすべて崩壊する可能性がある」。"Therefore, there ~ "「したがって、あなたには見えない他の世界があるはずだ」。神は変化流動する世界を創造しなかった。時空とエネルギーの世界、エントロピーの増大する世界を神は創造しなかった。神が創造したのは永遠不変の世界だ。その世界は実相として確実に存在する。私達が目にする世界は変化流動の世界であるから、したがって、私達には真の実在世界、実相世界が見えていない。
The Bible speaks of a new Heaven and a new earth, yet this cannot be literally true, for the eternal are not re-created.
- speak of : 「〜を口にする、〜のことを話す」
- literally [lítərəli] : 「文字どおり、全く」
- re-create : 「再創造する」
❖ "The Bible speaks ~ "「聖書は新しい天、新しい地について述べているが、」"yet this cannot ~ "「しかし、文字通りに受け止めれば、それは正しいはずはない」。"for the eternal ~ "「なぜなら、永遠なるものは再創造されるものではないからだ」。神は永遠不変の世界を一度だけ創造し、その世界が文字通り永遠不変に続く。新しい世界を神が再創造することはない。
To perceive anew is merely to perceive again, implying that before, or in the interval between, you were not perceiving at all.
- anew [ənjúː] : 「あらためて、新たに」
- merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
- imply [implái] : 「暗示する、ほのめかす」
- interval [íntərvl] : 「隔たり、間隔」
- in the interval : 「その間に、その合間に」
- between [bitwíːn] : 「間で、間に、合間に」
- at all : 「全然〜ない、少しも〜ない」
❖ "To perceive anew ~ "「あらためて知覚するとは、単にもう一度知覚し直すことだ」。"implying that ~ "「それは、以前も、あるいは今までの間、あなたは全く知覚してこなかったことを暗に示めしている」。
What, then, is the world that awaits your perception when you see it?
- await [əwéit] : 「〜を待つ、待ち受ける、待望する」
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、知見、感じ方」
❖ "What, then, is ~ "「では、あなたが知覚するのを待っている世界とは、あなたがそれを目にしたとき、いったいどんな世界なのだろうか」。
2. Every loving thought that the Son of God ever had is eternal.
- loving [lʌ́viŋ] : 「愛情のある、愛情に満ちた」
- thought [θɔ́ːt] : 「思考、思索」
- ever [évər] : 「今までに、これまで、かつて」
❖ "Every loving ~ "「かつて神の子がもっていた愛すべき思考のすべては永遠である」。人を愛する気持ち、人を慈しむ心、喜びを分かち合おうとする気持ち、平和を重んずる心、等々は永遠である。これらは古くなることも、滅びることもない。
The loving thoughts his mind perceives in this world are the world's only reality. They are still perceptions, because he still believes that he is separate.
- reality [ri(ː)ǽləti] : 「現実、真実、実相」
❖ "The loving ~ "「この世界で神の子が知覚する愛すべき思考は、この世界の唯一の実相である」。幻想の世界にあっても、愛する気持ちや慈しむ心は実相世界の実在である。それは幻想ではない。とは言え、"They are still ~ "「それらはなお知覚に過ぎない」。"because he still ~ "「なぜなら、神の子はなお、彼が分離しているものだと信じているからだ」。この世界で愛する気持ち、慈しむ心は実在である。しかし、それは幻想の世界にあっては単なる知覚として感じられるに過ぎない。あたかも夢の中で誰かを愛しているようなものだ。夢の中の愛も、愛に変わりはないのだが、しかし、それはあくまでも夢の感覚である。幻想の世界にいる限り、つまり、神から分離した存在である限り、そしてその分離を信じている限り、愛する気持ちも慈しむ心も夢の感覚に過ぎない。
Yet they are eternal because they are loving. And being loving they are like the Father, and therefore cannot die.
- die [dái] : 「死ぬ、死亡する」
❖ "Yet they are ~ "「しかし、それらは永遠である」。幻想世界で知覚する愛や慈しみの気持ちでさえも永遠である。"because they ~ "「なぜなら、それらは愛すべきものだからだ」。"And being loving ~ "分詞構文、理由、「愛すべきものだからこそ、それらは父なる神(の愛)に似ている」。"and therefore ~ "「したがって、それらは死ぬことはない」。
The real world can actually be perceived. All that is necessary is a willingness to perceive nothing else.
- actually [ǽktʃuəli] : 「実際は、実は」
- necessary [nésəsèri] : 「必須の、欠くことのできない」
- willingness [wíliŋnis] : 「意欲、いとわずにすること」
❖ 私達が幻想の世界に住んでいるとは言え、"The real world ~ "「実相の世界は、実際、知覚可能である」。"All that is ~ "「(そのために)必要なもののすべては、実相の世界以外は知覚すまいとする意欲である」。
For if you perceive both good and evil, you are accepting both the false and the true and making no distinction between them.
- both [bóuθ] A and B : 「AもBも、ABいずれも」
- evil [íːvl] : 「悪い、害を与える、邪悪な」
- accept [əksépt] : 「承認する、受け入れる」
- false [fɔ́ːls] : 「正しくない、誤った、偽りの」
- distinction [distíŋkʃən] : 「差別、差異、違い」
- make no distinction between : 「〜を平等に扱う」
❖ "For if you ~ "「なぜなら、良きものも悪しきものも共に知覚したなら、」"you are accepting ~ "「あなたは誤ったものも真実のものも共に受け入れていることになるからだ」。"and making no ~ "「そして、両者の間に区別をつけることが出来なくなってしまう」。幻想の世界にあって実相の世界を知るには、幻想に対して目をつぶって実相のみを見ようと努めなくてはならない。真実と偽りの両方を信ずることは出来ない。たとえば、愛と憎悪を同時にもつのではなく、愛は実在として受け入れ、憎悪は幻想と認識して赦す。手放された憎悪は消滅するしかない。