10. It is impossible to remember God in secret and alone. For remembering him means you are not alone, and are willing to remember it.
- impossible [impásəbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
- remember [rimémbə(r)] : 「〜を覚えている、〜を覚えている、」
- in secret : 「秘密に、内緒で、ひそかに、内々で」
- alone [əlóun] : 「独りで単に、単に」
- mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
- be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する、〜に前向きである」
❖ "It is impossible to ~ "ここは"It ~ to ~ "の構文、「一人で密かに神を思い出すことは不可能である」。"For remembering him ~ "「なぜなら、神を思い出すことは、あなたが一人ではないことを意味するからであり、」"and are willing to ~ "「一人ではないことを思いだそうと意欲することだからだ」。あなたは常に神と共にいるし、加えて、同胞たちも、神の子としてあなたと共にいることを思い出すのである。神と神の子とホーリー・スピリットの三位が一ヶ所に出そろうことになる。
Take no thought for yourself, for no thought you hold is for yourself. - for oneself : 「自分のために、自力で」
- thought [θɔ́ːt] : 「考え、見解、思い付き、思考、思索、熟考」
- take thought : 「熟考する、よく考える」
- hold [hóuld] : 「心に抱く、〜であると考える」
❖ "Take no thought ~ "「あなた自身のためだけを考えてはいけない」。"for no thought you ~ "「なぜなら、あなたが心に抱く考えは、あなた自身のためではないのだから」。まさに自他一如である。あなたが心に抱く思考は、同胞が抱く思考と重なるのである。あなたが他者のためと思うことが、自分のためになるのである。
If you would remember your Father, let the Holy Spirit order your thoughts and give only the answer with which he answers you. - order [ɔ́ː(r)də(r)] : 「〜を順序付ける、整える、整理する」
- answer [ǽnsə(r)] : 「答え、回答、返事、応答」
- give an answer : 「答える、答弁する、返事をする」
❖ "If you would remember ~ "「もしあなたが、父なる神を思い出したいのなら、」"let the Holy Spirit order ~ "「ホーリー・スピリットにあなたの思考を秩序立ててもらいなさい」。"and give only the answer ~ "ここは、"and let him give only the answer ~ "と考えて、「ホーリー・スピリットに答えさせるだけでいい」、"with which he answers ~ "「その答えでもって、ホーリー・スピリットはあなたに答える」、つまり、あなたに答える答えを、ホーリー・スピリットからもらいなさい、という意味であると解した。どういう意味かというと、あなたの頭の中は欲望や願いや理性的判断やなんやかんやで混乱している。エゴの思考システムがからんでくるからである。それを、ホーリー・スピリットに整理してもらい、自分で答えを見い出さずとも、ホーリー・スピリットに答えを求めなさい、ということ。
Everyone seeks for love as you do, but knows it not unless he joins with you in seeking it. - seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
- seek for : 「〜を探し求める」
- unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
- join [dʒɔ́in] : 「結び付ける、結合する、連結する」
❖ "Everyone seeks for ~ "「あなたが愛を追い求めているように、誰もが愛を追い求めている」。"but knows it not ~ "「しかし、彼が、あなたと一緒になって愛を求めるのなければ、愛を知ることはない」。この幻想世界では、神の子の心は分裂しており、一人一人がバラバラに愛を求めているのだが、本当の愛を求めるなら、つまり、実相世界の純粋な愛を求めるなら、神の子は分裂を解消し、心を再統一して、愛を求めなくてはならない。なぜなら、実相世界では、神の子は一つだからである。しかも、実相世界の愛は完全平等性を有しているから、誰かが愛を知り、誰かが愛を知らないというようなものではないのだ。
If you undertake the search together, you bring with you a light so powerful that what you see is given meaning. - undertake [ʌ̀ndə(r)téik] : 「引き受ける、請け負う、企てる、始める」
- search [sə́ː(r)t∫] : 「捜査、捜索、探索、検索、調査、探査」
- together [təgéðə(r)] : 「一緒に、」
- bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持ってくる、〜を連れて来る」
- powerful [páuə(r)fl] : 「強い、強力な、力強い」
- given [gívn] : 「give の過去分詞形」
- meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
❖ "If you undertake ~ "「もしあなたが、みんなと一緒になって愛の探求を始めたなら、」"you bring with you ~ "ここは"so ~ that ~ "の構文、「あなたが携えている光があまりにもパワフルなので、あなたが目にするものは意味を与えられるのである」。あなたの心の中の最も神聖な部分、最も純粋な部分にホーリー・スピリット、あるいはキリストが住んでおり、あなたが真実の愛を探し求めるとき、つまり、実相世界の真実を探し求めるとき、ホーリー・スピリットはあなたに光を与えてくれるのである。それはホーリー・スピリットの光であると言ってもいいし、あなた自身の光であると言ってもいい。その光は強烈で、何が真実で何が虚偽かを明らかに照らし出してくれる。かくして、あなたは光で照らし出されたものの中に意味を見いだすことが出来るのである。
The lonely journey fails because it has excluded what it would find.- lonely [lóunli] : 「寂しい、ひとりの、孤独の、孤立した、心細い」
- journey [dʒə́ː(r)ni] : 「旅、行路、長期の旅行、道のり、道程」
- fail [féil] : 「失敗する、しくじる、破産する」
- exclude [iksklúːd] : 「〜を除く、除外する、抜かす、〜を排除する」
❖ "The lonely journey ~ "「寂しい一人旅は失敗に終わる」。"because it has excluded ~ "「なぜなら、寂しい一人旅は、旅が見つけ出すであろうものを排除してしまうからだ」。簡単に言えば、一人旅では、みんなで旅する喜びを味わうことが出来ない、ということ。真実の愛を求める旅に一人で出かけても、旅の伴侶がいないので、たとえ愛を見つけたとしてもその愛を分かち合って喜びあうことが出来ないのである。分かち合いを欠いた愛に意味があるだろうか? 結局、その旅は失敗に終わってしまうのである。あるいは、この旅を天の王国への旅と考えてもいい。あなた一人が天の王国に辿り着いても意味がない。神の子全体が天の王国に入らなくてはならないのだ。だから、天の王国への一人旅は失敗に終わるのである。
11. As God communicates to the Holy Spirit in you, so does the Holy Spirit translate his communications through you, so you can understand them. - communicate [kəmjúːnikèit] : 「連絡する、通信する、交信する」
- translate [trænsléit] : 「〜を翻訳する、訳す、解釈する、見て取る」
- through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、〜の中を通って」
- understand [ʌ̀ndə(r)stǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
❖ "As God communicates to ~ "「神が、あなたの心の中のホーリー・スピリットとコミュニケーションをとっているとき、」"so does the Holy Spirit translate ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたに通じるように、神のコミュニケーションを翻訳しているので」、"so you can understand ~ "「結果、あなたは神のコミュニケーションが理解できるのである」。ホーリー・スピリットは、神と神の子の間の媒介役である。あなたは神から分離するとき、神とのコミュニケーションのチャンネルを一方的に切断した。神はそれを望んでいなかったので、ホーリー・スピリットに、チャンネルの代わりになるように使命を与えたのだ。神の語る言葉は実相世界の叡智による言葉であり、叡智を失った神の子は知覚と理性による言葉しか理解できない。したがって、ホーリー・スピリットの翻訳が必要となるのである。もっとも、『神の語る言葉は実相世界の叡智による言葉であり』と書いたものの、果たしてそれが言葉という範疇に属するものかどうか、はなはだ疑わしい。叡智は理性でも言葉でもなく、知覚からもほど遠い。直覚による全的把握である。したがって、言葉を超越したものであると言ったほうがいいだろう。ヨハネによる福音書の冒頭に『はじめに言(ロゴス)があった。言は神とともにあり、言は神であった』とあるが、このロゴスが神の叡智を意味するなら、この文章はまんざら間違ってもいまい。しかし、単なる言葉と共にあったという意味なら、それは誤りだ。
God has no secret communications, for everything of him is perfectly open and freely accessible to all, being for all. - secret [síːkrət] : 「秘密の、内緒の、ひそかな、機密の、隠れた」
- perfectly [pə́ː(r)fik(t)li] : 「完全に、完璧に、申し分なく」
- freely [fríːli] : 「自由に、惜しみなく」
- accessible [æksésəbl] : 「利用しやすい、入手しやすい、使用しうる」
❖ "God has no secret ~ "「神は、秘密のコミュニケーションなどもっていない」。神は思いを秘密にすることはない。"for everything of him ~ "「なぜなら、神のすべては完璧にオープンであり、すべての人が自由に手にすることの出来るものだからだ」。"being for ~ "分詞構文、理由、「それはすべての人のためにあるのだから」。
Nothing lives in secret, and what you would hide from the Holy Spirit is nothing. - in secret : 「秘密に、内緒で、ひそかに、内々で、こっそり」
- hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
❖ "Nothing lives ~ "「何者も、秘密に生きることなど出来ない」。"and what you would ~ "「あなたがホーリー・スピリットの目から隠しおうせるものなど何もない」。お天道さまは何でも知っている、と子供ころ祖母に言われたものだが、その通りなのだ。
Every interpretation you would lay upon a brother is senseless. Let the Holy Spirit show him to you, and teach you both his love and his call for love. - interpretation [intə̀ː(r)prətéi∫n] : 「解釈、説明、解説」
- lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く」
- senseless [sénslis] : 「非常識な、常識がない、愚かな、無意味な」
❖ "Every interpretation you ~ "「あなたが同胞の上に置いた解釈は無意味である」。あなたが同胞を判断、評価したものは、まったく的を外して意味がない。"Let the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットに、あなたに対して同胞を示してもらいなさい」。あなたに代わって、ホーリー・スピリットに同胞を判断、評価してもらいなさい。"and teach you both ~ "「そうして、同胞の愛と、愛を求める呼び声を教えてもらいなさい」。つまり、ホーリー・スピリットに同胞を判断、評価してもらえば、彼は愛にあふれ、そして愛を分かち合うためにあなたの愛を求めていることがわかる、 という意味。
Neither his mind nor yours holds more than these two orders of thought.- neither [níːðə(r)] : 「どちらの〜も〜でない」
- neither A nor B : 「AでもなくBでもない、AとBのどちらも〜ない」
- hold [hóuld] : 「心に抱く、〜を手に持つ、握る」
- more than : 「〜を超える、〜より多い、〜を上回る」
- order [ɔ́ː(r)də(r)] : 「順、順序、順番、順位、序列、階級、地位、等級」
❖ "Neither his mind nor yours ~ "「同胞の心も、あなたの心も、愛と愛を求める気持ち以上のものを持つことは出来ないのだ」。"more than these two orders ~ "のとらえ方だが、等級的に見て、それ以上の上等のもの、といったニュアンス。愛を与える気持ちと愛を求める気持ち以上に崇高なものはないのである。