●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-14.X.6:1 ~ T-14.X.7:6

6. It will seem difficult for you to learn that you have no basis at all for ordering your thoughts.

  • seem [síːm] : 「〜のように見える、〜するように思われる」
  • difficult [dífikʌ̀lt] : 「難しい、困難な、難解な、厳しい」
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる、悟る」
  • basis [béisis] : 「土台、基礎、基盤」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
  • ordering [ɔ́ː(r)də(r)inŋ] : 「順序付け、秩序化」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思考、思索、熟考、考え、見解」
❖ "It will seem difficult ~ "ここは"It ~ to ~ "の構文、「あなたにとって、that以下を学ぶのは難しく思えるかも知れない」。"that you have no ~ "「あなたは、あなたの思考に秩序を与える基盤がまったくない」ということを学ぶのは難しく思えるかも知れない。あなた自身は、頭脳的な理性のおかげで、結構無難に秩序立てを行っているつもりでいる。しかし、本当は秩序立ての基盤さえ持っていないのである。つまり、実相世界に立脚した視点、ホーリー・スピリットの思考システムを持っていないのだ。そのことに気づくことさえ、あなたには難しいことだろう。



This lesson the Holy Spirit teaches by giving you the shining examples of miracles to show you that your way of ordering is wrong, but that a better way is offered you.
  • shining [ʃáiniŋ] : 「光る、輝く、きらめく、明るい」
  • example [igzǽmpl] : 「模範、手本、例、実例、実施例、用例」
  • wrong [rɔ́(ː)ŋ] : 「間違った、誤っている、不適切な、悪い」
  • better [bétə(r)] : 「より良い、より優れている、優越する」
  • way [wéi] : 「方法、やり方、手段、方途、様式」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
❖ "This lesson the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットは、奇跡の輝ける例をあなたに与えることによって、あなたにthat以下を示すために、この(ACIMの)レッスンを教えるのである」。"that your way of ordering ~ "「あなたの秩序立ての方法は誤っており、もっといい方法があなたに提示される」ことを示すために、この(ACIMの)レッスンを教えるのである。回りくどい言い方をしているが、要するに、ホーリー・スピリットは、思考に秩序を与えるより良い方法をあなたに教えてくれるということ。もちろん、それは、頭脳による理性的思考の秩序立てではない。



The miracle offers exactly the same response to every call for help. It does not judge the call.
  • exactly [igzǽk(t)li] : 「正確に、厳密に、ぴったり、きっちり、そのとおりに」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • response [rispáns] : 「応答、感応、反応、返答、回答」
  • call [kɔ́ːl] : 「要求、需要」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を裁く」
❖ "The miracle offers exactly ~ "「奇跡は、助けを求めるどんな呼び声に対しても、きっちり同じ反応を返してくれる」。ホーリー・スピリットは完全平等な対応をしてくれるのである。完全平等性は実相世界の属性である。神の属性と言ってもいい。"It does not judge ~ "「ホーリー・スピリットは呼び声を評価判断しない」。



It merely recognizes what it is, and answers accordingly. It does not consider which call is louder or greater or more important.
  • merely [míə(r)li] : 「ただ単に、単に」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
  • answer [ǽnsə(r)] : 「〜に答える、答えて言う」
  • accordingly [əkɔ́ː(r)diŋli] : 「それに応じて、それ相応に、それに沿って」
  • consider [kənsídə(r)] : 「よく考える、熟考する」
  • loud [láud] : 「大きい、けたたましい、騒々しい」
  • great [gréit] : 「大きい、大きな、巨大な、すてきな、素晴らしい」
  • important [impɔ́ː(r)t(ə)nt] : 「重要な、重大な、大切な」
❖ "It merely recognizes ~ "「ホーリー・スピリットは、助けを求める呼び声を、ありのままに認識するだけである」。"and answers ~ "「そして、相応に答えるのだ」。"It does not consider ~ "「ホーリー・スピリットは、どの呼び声がより大きいか、よりすばらしいか、より重要かなどと、考えたりしない」。



You may wonder how you who are still bound to judgment can be asked to do that which requires no judgment of your own.
  • wonder [wʌ́ndə(r)] : 「〜かどうかと思う、〜を不思議に思う、疑問に思う」
  • bound [báund] : 「bind の過去・過去分詞形」
  • bind [báind] : 「〜を縛る、結び付ける、巻き付ける」
  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別」
  • require [rikwáiə(r)] : 「〜を必要とする、求める」
❖ "You may wonder ~ "「あなたは、〜と不思議に思うかもしれない」。"how you who are still ~ "「未だに判断に縛られているあなたが、あなた自身の判断を求めないことをするようにと、どうして、求められ得るか」と不思議に思うかもしれない。どういう意味か? あなたは、頭脳による理性的判断に縛られてきた。理性的判断こそが思考に秩序を与え得ると信じている。しかし、ホーリー・スピリットは、あなたに理性的判断を求めない。逆に、理性的判断を放棄して、その判断をホーリー・スピリットに委ねるように要求する。ホーリー・スピリットは、理性的判断に代えて、直感的選択を求めるのである。つまり、ホーリー・スピリットを選ぶか、エゴを選ぶか、あなたの心の直感によって決めよ、という。理性的判断に慣れ親しんだあなたは、そんなことで大丈夫なのだろうかといぶかるのである。そんなことが可能かと。



The answer is very simple. The power of God, and not of you, engenders miracles. The miracle itself is but the witness that you have the power of God in you.
  • answer [ǽnsə(r)] : 「答え、回答、返事、応答」
  • simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、容易な」
  • engender [endʒéndə(r)] : 「〜を生じさせる、引き起こす、発生させる」
  • witness [wítnəs] : 「証拠、証言、目撃者、証人、参考人」
❖ "The answer is ~ "「答えは実に単純である」。"The power of God ~ "「神のパワーが、それはあなたのではないが、神のパワーが、奇跡を生み出すのである」。"The miracle itself is ~ "「奇跡自体が、あなたがあなたの心の中に神のパワーを持っている証拠なのである」。ホーリー・スピリットは思考に秩序を与えるには理性的判断を放棄せよと言う。あなたは、理性的判断を捨てたら、ますます思考は混乱するかも知れないと困惑する。しかし、まったく問題はない。あなたが理性的判断を捨てたとき、奇跡が起きるのである。 一言で言えば、あなたの心の中に叡智が復活してくるのだ。叡智による直覚によって、あなたは正しい選択が出来、秩序を復活できる。それこそ、奇跡であり、神のパワーである。奇跡が起きるということは、あなたの心の中に叡智が復活してきた証拠であり、神のパワーが宿っている証拠である。



That is the reason why the miracle gives equal blessing to all who share in it, and that is also why everyone shares in it.
  • reason [ríːzn] : 「理由、動機、原因、根拠」
  • equal [íːkw(ə)l] : 「〜と等しい、〜に相当する、同等の、平等な」
  • blessing [blésiŋ] : 「恵み、恩恵、幸運、祝福」
  • share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • share in : 「〜を分かち合う、〜を共有する」
❖ "That is the reason why ~ "「それが、〜である理由だ」。"why the miracle gives ~ "「奇跡が、祝福を分かち合う者たちすべてに、平等に祝福を与える」理由である。"and that is also why ~ "「それがまた、すべての者が祝福を分かち合える理由でもある」。神の子たちはすべて、心に神のパワーを持っている。そのパワーこそ、神からの祝福でなくて何だろう。神の子たちは、神からの祝福であるパワーを分かち合っている。そこに奇跡が自然に発生するわけで、奇跡が発生することで、さらに神の子たちは祝福されるのである。こうして、奇跡と祝福は拡張、増大していく。



The power of God is limitless. And being always maximal, it offers everything to every call from anyone.
  • limitless [límitlis] : 「無限の、無制限の」
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、常に」
  • maximal [mǽksəml] : 「最大の、極大の、最高の」
❖ "The power of God ~ "「神のパワーは無制限である」。"And being always ~ "分詞構文、理由、「そして神のパワーは無限大であるから、」"it offers everything ~ "「それは、誰の呼び声に対しても、あらゆるものを差し出してくれるのだ」。神のパワーは、どんな助けの呼び声に対してでも、無限大に答えてくれる。もちろん、神のパワーもまた、完全平等なのである。完全平等性は実相世界の、あるいは神の、属性である。



There is no order of difficulty here. A call for help is given help.
  • order [ɔ́ː(r)də(r)] : 「序列、系列、順番、順位」
  • difficulty [dífikʌ̀lti] : 「困難、難事、難儀、面倒なこと、問題」
❖ "There is no order of ~ "「ここには、難しさの序列はない」。無限の神のパワーに、難しいことなどない。奇跡に、難しさの序列がないように、神のパワーにも難しさの序列はない。完全に平等である。"A call for help ~ "「助けを求める呼び声には、助けが与えられるのである」。



7. The only judgment involved is the Holy Spirit's one division into two categories; one of love, and the other the call for love.
  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別」
  • involved : 「関係している、関連する、かかわり合いになって」
  • division [divíʒən] : 「分けられた状態、区分、区域、部分」
  • category [kǽtəgɔ̀ːri] : 「カテゴリー、分類上の区分、種類、ジャンル、範疇、部類 」
❖ "The only judgment involved ~ "意訳する、「ホーリー・スピリットがかかわる唯一の判断は、二つのカテゴリーに分けることである」。"one of love, and ~ "「一つは愛であり、他方は愛を求める呼びかけである」。 たとえば、誰かが何かの失敗をして、あなたが彼を激しく叱ったとしよう。ホーリー・スピリットはあなたの叱責を、それはあなたが彼を愛しているがゆえの行為であると判断する。たとえば、あなたは神の報復を信じて、心から神を恐れているしよう。ホーリー・スピリットは、あなたの恐れを、それは神の愛を求める行為だと判断する。このように、ホーリー・スピリットは、あなたの行う事象を、愛の事象か、愛を求める事象か、二つに分けて、そのどちらであるか判断を下すのである。



You cannot safely make this division, for you are much too confused either to recognize love, or to believe that everything else is nothing but a call for love.
  • safely [séifli] : 「安全に、支障なく、無事に」
  • confused [kənfjúːzd] : 「困惑した、混乱した」
  • either [íːðə(r)] : 「どちらか一方の」
  • either A or B : 「AかそれともB」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
❖ "You cannot safely ~ "「あなたは、この区分けを安全にすることが出来ない」。叡智に欠けたあなたはまだ、愛の行為か愛を求める行為か、区分けして判断することが出来ない。"for you are much too ~ "ここは"~ too ~ to ~ "の構文、「あまりにも〜なので、〜出来ない」という意味、「なぜなら、あなたはあまりにも混乱していて、愛を認識できないか、」"or to believe that ~ "「それ以外のすべては、愛を求める呼びかけであると信じることが出来ないのである」。



You are too bound to form, and not to content. What you consider content is not content at all. It is merely form, and nothing else.
  • bound [báund] : 「bind の過去・過去分詞形」
  • bind [báind] : 「〜を縛る、結び付ける、〜を束縛する、拘束する」
  • form [fɔ́ː(r)m] : 「形、外形、構造、現れ、姿」
  • content [kántent] : 「内容、中身、在中物」
  • consider [kənsídə(r)] : 「〜と考える、〜を考慮する」
❖ "You are too bound ~ "「あなたはあまりにも、内容ではなく、外形に捕らわれすぎている」。"What you consider content ~ "「あなたが内容だと思っているものは、まったく内容などではない」。 "It is merely form ~ "「それは単に外形であって、その他のものではない」。たとえば、同胞が神を恐れていたとしよう。あなたは、同胞が神を憎んでいると思い込む。表面的に彼が神を憎んでいるからだ。しかし、その心の内側には、神の愛を求める気持ちが潜んでいることをあなたは知ることはない。同胞の表面を見て、早計に判断してはいけないのである。その中に隠された愛を感じ取らなくてはいけない。



For you do not respond to what a brother really offers you, but only to the particular perception of his offering by which the ego judges it.
  • respond [rispánd] : 「反応する、応答する、答える」
  • really [ríː(ə)li] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に、真に」
  • particular [pə(r)tíkjələ(r)] : 「特定の、独特の、特段の、特有の、特殊な、特別な」
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、 〜を裁く」
❖ "For you do not respond ~ "「なぜなら、あなたは、同胞があなたに差し出した本当のことに反応せずに、」"but only to the particular ~ "「彼が差し出したものに対する特殊な知覚に反応しているだけなのだから」。"by which the ego ~ "「エゴがそれをもって判断する」特殊な知覚に反応しているだけだ。たとえば、先の例で、同胞が神を恐れているのを見て、あなたは、同胞が知覚するその特種な恐れ(the particular perception)だけに反応し、その恐れに隠された意味を感じようとしないのである。しかも、あなたが恐れに反応することで、エゴはそれを利用して、神は攻撃するに値すると判断を下すのである(by which the ego judges it)。
 
 
 

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