●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-15.III.5:1 ~ T-15.III.6:9

5. I asked you earlier, "Would you be hostage to the ego or host to God? "

  • earlier : 「前に、以前に」
  • hostage [hɑ́stidʒ] : 「人質」
  • host [hóust] : 「主人、宿主、案内役」
❖ "I asked you ~ "「私は以前、『あなたはエゴの人質になりたいのか、それとも神をホストしたいのか』と尋ねたことがあった」。



Let this question be asked you by the Holy Spirit every time you make a decision.
  • question [kwést∫n] : 「質問、問題、疑問、問い」
  • every time : 「毎回〜するたびに」
  • decision [disíʒ(ə)n] : 「解決、決定、決意、決心、決議、裁決」
  • make a decision : 「決定する、決心する」
❖ "Let this question be ~ "「あなたが決定をするたびに、ホーリー・スピリットによってこの質問があなたに発せられるようにしよう」。以前はイエスが質問したのだが、今後はホーリー・スピリットによって同様の質問があなたになされるようにしよう。つまり、エゴの虜(とりこ)になりたいのか、それとも神を迎え入れたいのか。



For every decision you make does answer this, and invites sorrow or joy accordingly.
  • answer [ǽnsə(r)] : 「〜に答える」
  • invite [inváit] : 「招待する、招く、案内する」
  • sorrow [sɑ́rou] : 「悲しみ、悲哀、後悔」
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜」
  • accordingly [əkɔ́ː(r)diŋli] : 「それに応じて、それ相応に、それに沿って」
❖ "For every decision you ~ "「なぜなら、あなたがなす決定は、これに答えることになるのだ」。あなたがエゴを選んだのか神を選んだのかは、あなたが決定を下す時に決まるのである。"and invites sorrow ~ "「すなわち、それに応じて、悲しみを招いたり喜びを招いたりするからである」。



When God gave Himself to you in your creation, He established you as host to Him forever. He has not left you, and you have not left Him.
  • creation [kriéi∫n] : 「創造、創作」
  • establish [istǽbli∫] : 「確立する、成立させる、定める」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜から離れる、〜を見捨てる、〜を残す、置きっぱなしにする」
❖ "When God gave Himself ~ "「神があなたを創造するに際して、神が神自身をあなたに与えた時、」神が神の属性のすべてをあなたに与えてあなたを創造した時、"He established you ~ "「神は、あなたが永遠に神をホストするようにあなたを定めたのである」。神は神の子が常に神の側にいるように設定した。"He has not left ~ "「神は、あなたを見捨てもしていないし、あなたも神から離れていない」。さりげなく書かれているが、この一文が非常に重要なのである。しっかり記憶にとどめておこう。



All your attempts to deny His magnitude, and make His Son hostage to the ego, cannot make little whom God has joined with Him.
  • attempt [ətém(p)t] : 「試み、企て」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • magnitude [mǽgnət(j)ùːd] : 「偉大さ、重要さ、重要性」
  • hostage [hɑ́stidʒ] : 「人質」
  • join [dʒɔ́in] : 「結び付ける、結合する、連結する」
❖ "All your attempts ~ "「神の偉大さを否定したり、神の子をエゴの虜にしようとする、あなたの試みのすべては、神が神と結びつけた者を卑小には出来ないのだ」。神が神と結びつけた者とは、神が創造した者のことで、結局、すべての神の子を指している。神の偉大さを否定しようが、神の子をエゴの虜にしようと試みようが、そんなことでは神の子を卑小な者に貶(おとし)めることは出来ない。なぜなら、神は神の子を偉大な者として創造したからだ。



Every decision you make is for Heaven or for hell, and brings you the awareness of what you decided for.
  • decision [disíʒ(ə)n] : 「解決、決定、決意、決心」
  • bring [bríŋ] : 「〜を連れて行く、〜を持って行く」
  • awareness [əwéə(r)nəs] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性」
  • decide [disáid] : 「〜しようと決心する、〜することに決める」
❖ "Every decision you ~ "「あなたが下す決定のすべては、天の王国のためか、地獄のためか、そのいずれかである」。"and brings you the awareness ~ "「そしてそれは、あなたがどっちを求めて決定したのかという意思性に、あなたを連れて行くのである」。難しい言い方をしているが、要するに、あなたが決定する度に、あなたは自分が天の王国を選んだのか地獄を選んだのか、はっきりと意識することが出来る、ということ。



6. The Holy Spirit can hold your magnitude, clean of all littleness, clearly and in perfect safety in your mind, untouched by every little gift the world of littleness would offer you.
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • magnitude [mǽgnət(j)ùːd] : 「偉大さ、重要さ、重要性」
  • clean [klíːn] : 「取り除く、削除する、駆除する」
  • littleness [lítlnis] : 「小ささ、卑小さ」
  • clearly [klíə(r)li] : 「はっきりと、疑いもなく、明らかに」
  • perfect [pə́ː(r)fikt] : 「完璧な、完全な」
  • in safety : 「安全に、無事に」
  • untouched : 「触れられていない、手つかずの、無垢な、けがれのない」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
❖ "The Holy Spirit can ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたの偉大さを保持することが出来るし、すべての卑小さを取り除くことも出来る」。"clearly and in perfect ~ "「あなたの心の中で、明瞭に、そして完璧に安全に、」偉大さを保持し、卑小さを取り除くことが出来る。"untouched by every ~ "分詞構文、先頭にbeingを補う、「あなたの心は、卑小な世界があなたに差し出すちっぽけな贈り物よって、汚されることは不可能なのだ」。



But for this, you cannot side against Him in what He wills for you. Decide for God through Him.
  • side against : 「〜に反対する」
  • decide [disáid] : 「決定する、決心する、決意する」
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
❖ "But for this, you ~ "「しかし、これゆえに、ホーリー・スピリットがあなたのために意思している中で、あなたはホーリー・スピリットに反対することは出来ないのだ」。回りくどい言い方をしているが、要するに、ホーリー・スピリットが、あなたのためを思い、あなたの偉大さを保持し、卑小さを除去しようと意思しているのだから、そのホーリー・スピリットの意思に反対することは出来ますまい、ということ。"Decide for God ~ "「ホーリー・スピリットを通じて、神のために決定しなさい」。ホーリー・スピリットの助けを借りながら、真実を選択し、決定しなさい、ということ。



For littleness, and the belief that you can be content with littleness, are decisions you make about yourself.
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条」
  • content [kɑ́ntent] : 「満足している」
  • be content with : 「〜に満足している、〜に甘んじている」
  • decision [disíʒ(ə)n] : 「解決、決定、決意、決心」
❖ "For littleness, and ~ "「なぜなら、卑小さ、そして、あなたが卑小さに満足できると信じていることは、あなたがあなた自身について下した決定に過ぎないからだ」。そんな決定はあなたの思い込みに過ぎず、神は、卑小であるようにあなたを創造したのではない。



The power and the glory that lie in you from God are for all who, like you, perceive themselves as little, and believe that littleness can be blown up into a sense of magnitude that can content them.
  • glory [glɔ́ːri] : 「栄光、称賛、名誉、誇り、壮観、荘厳」
  • lie [lái] : 「ある、横たわる、寝る、横たわっている」
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • blown [blóun] : 「blow の過去分詞形」
  • blow [blóu] : 「〜を吹く、〜を吹き飛ばす」
  • blow up : 「膨らませる、吹き飛ばす、爆発する」
  • sense [séns] : 「感覚、感覚能力、官能、感触、知覚」
❖ "The power and the glory ~ "「神から授かってあなたの心の中にあるパワーと栄光は、〜な者たちすべてのためにある」。"all who, like you, perceive ~ "「あなた同様、自分自身を卑小な者と知覚し、卑小さは、彼らを満足させる偉大さの感覚にまで膨張させることが出来ると信じている者たち」すべてのためにある。卑小さは、どんなに膨らましても偉大さに質転換することはない。ますます惨めになるだけだ。



Neither give littleness, nor accept it. All honor is due the host of God.
  • neither [níːðə(r)] : 「どちらの〜も〜でない」
  • neither A nor B : 「AでもなくBでもない、AとBのどちらも〜ない」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • honor [ɑ́nə(r)] : 「光栄、名誉、恩恵、高潔、純潔」
  • due [d(j)úː] : 「正当な、当然の、十分な、当然与えられるべきの」
❖ "Neither give littleness ~ "「卑小さを与えても、受け入れてもいけない」。誰かを卑小だと評価することもいけない。誰かから卑小だと評価されてもそれを受け入れてはいけない。"All honor is due ~ "「すべての名誉は、神をホストする者にこそふさわしい」。神をホストする神の子は、その名誉を授かり、その栄光に輝くので、決して卑小な者ではないのだから。



Your littleness deceives you, but your magnitude is of Him Who dwells in you, and in Whom you dwell.
  • deceive [disíːv] : 「欺く、惑わす、だます、裏切る」
  • dwell [dwél] : 「住む、居住する、存在する」
❖ "Your littleness ~ "「あなたの卑小さはあなたを騙しているのである」。"but your magnitude ~ "「しかし、あなたの偉大さは、あなたの心の中に住まう神の偉大さであり、あなたもまた神の中に住んでいるのである」。あなたの偉大さは神直結の偉大さであって、あなたを騙しているものではない。



Touch no one, then, with littleness in the Name of Christ, eternal Host unto His Father.
  • touch with : 「〜で触る」
  • in the name of : 「〜の名において、〜の名を借りて」
  • eternal [itə́ː(r)nl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の、無限の」
❖ "Touch no one, then ~ "直訳すると、「そこで、父なる神を永遠にホストするキリストの名において、誰に対しても、卑小さをもって接してはいけない」。さて、英語を母国語としていない我々にはピンと来ない言い回しなのだが、"in the name of Christ"の意味には「お願いだから、後生だから」というものがあるので、ここでは、その意味合いが込められているのかもしれない。そうすると、「どうぞ、お願いだから、卑小さをもって同胞に接することはしないように」という意味合いになる。「卑小さをもって同胞に接する」とは、前々文の内容「誰かを卑小だと評価することもいけないし、誰かから卑小だと評価されてもそれを受け入れてはいけない」ということであろう。
 
 
 

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