7. You will attempt to do this only in secrecy. And you will think that by meeting the needs of one you do not jeopardize another, because you keep them separate and secret from each other.
- attempt [ətém(p)t] : 「〜しようと努力する、〜を試してみる、〜を企てる」
- secrecy [síːkrəsi] : 「内密、人目を避けること、口堅さ、秘密」
- in secrecy : 「秘密に、内緒で、ひそかに、内々で、こっそり」
- meet [míːt] : 「満足させる、かなえる、満たす」
- jeopardize [dʒépə(r)dàiz] : 「危うくする、危険にさらす、脅かす、台無しにする」
- separate [sépərèit] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
- secret [síːkrət] : 「秘密の、内緒の、ひそかな、機密の」
- each other : 「お互いに」
❖ "You will attempt ~ "「あなたは、秘密裏においてのみ、これをなそうとする」。前段落からの続き。たわいのない愚かな要求を、他者に悟られないようにうまくごまかしつつ叶えようとする。"And you will think that ~ "「そして、あなたはthat以下を思うであろう」。"by meeting the needs ~ "「片方の要求を満たすことで、他方を排除することはなかろう」と思うであろう。"because you keep them ~ "「なぜなら、あなたは、それらの要求を別々に保持しており、互いを秘密裏にしておくからだ」。例を出して考えよう。前段落同様、例えば、あなたは他人に何となく甘えたいと思う。孤独で寂しさを感じるからだ。たわいない要求であるから、こんなことは、もしあなたが他者から要求されたら、難しく考える必要なく叶えてやればいい。同様に、あなたも他者に甘えていいのだ。しかし、あなたは、このたわいない願い、他者に甘えたいと願う気持ちの根底に、癒されぬ孤独感、神からの分離による寂寞感が隠されていることをうすうす気づいている。だが、あなたは、甘えたいという気持ちと根本的な寂寞感を別々のものとして分離し、甘えを要求したからと言って他方の寂寞感とは全く関係がないと思っている。そこで、根本的な寂寞感を隠し持ったまま、他者の目やあなたの心の目から隠れるように、他者にそれとなく甘えを叶えてくれるように要求するのである。こうして、あなたは、自分で気付かないままに特別な関係性の中に自分を引き込んで行くのだ。特別な関係性という幻想の世界で生きることで、神からの分離による根本的な孤独感や寂寞感の問題を隠し込んだまま、実相世界への目覚めを遅らせてしまうのである。
That is not the way, for it leads not to life and truth. No needs will long be left unmet if you leave them all to Him Whose function is to meet them. - lead [li':d] : 「〜に通じている」
- lead to : 「〜に通じる、〜につながる」
- life [láif] : 「命、人命、生命、寿命」
- truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
- long [lɔ́(ː)ŋ] : 「長く、長い間」
- left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
- leave [líːv] : 「〜をそのままにしておく、放置する、ある状態のままにしておく」
- unmet : 「満たされていない」
- leave [líːv] : 「〜を任せる、頼む、委ねる」
- function [fʌ́ŋ(k)∫n] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
- meet [míːt] : 「満足させる、かなえる、満たす、〜に応じる、〜に対処する」
❖ "That is not ~ "「それは、とるべき方法ではない」。"for it leads not to ~ "「なぜなら、それは、生命へも真実へも導かないからだ」。ここも例で。あなたは、他者に甘えても、他者の甘えに応えてもいい。しかし、それだけでは全く不十分である。あなたが甘えの気持ちの奥底に隠しもっている寂寞感の根本原因を解決しない限り、あなたは生命という真実に近づくことは出来ない。特別な関係性の中に逃げ隠れしているうちは実相世界に目覚めることは出来ないのだ。"No needs will long be ~ "「もしあなたが、要求を叶えることを役割としているホーリー・スピリットにそのすべてを委ねるなら、どんな要求も、叶えられないままに長く放置されることはないであろう」。簡単に言えば、あなたが隠しもっている孤独感という問題、それを解決したいとう気持ちをホーリー・スピリットに委ねるなら、あなたの願いは必ずホーリー・スピリットが叶えてくれる、ということ。結局、実相の問題は、実相に詳しいホーリー・スピリットの仕事なのだ。
That is His function, and not yours. He will not meet them secretly, for He would share everything you give through Him. - secretly [síːkritli] : 「秘密に、ひそかに、内密に、こっそり、暗に」
- share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
- through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
❖ "That is His function ~ "「それはホーリー・スピリットの役割であり、あなたの役割ではない」。すべての要求を叶えるという役割はホーリー・スピリットの役割だ。特に、実相レベルの要求はホーリー・スピリットでなくては叶えられない。幻想世界で眠っているあなたには無理な仕事である。"He will not meet them ~ "「ホーリー・スピリットは、秘密裏に要求を叶えるようなことはしないであろう」。"for He would share ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットを通してあなたが与えたすべてを、ホーリー・スピリットは分かち合うからである」。孤独感や寂寞感などの根本的な問題の解決をホーリー・スピリットに委ねたあなたの要求は、個人的な、特殊な問題ではなく、神の子全体にかかわる要求であるから、ホーリー・スピリットはそれを秘密にすることなく、公にして問題の解決を分かち合うのである。つまり、あなたの要求がホーリー・スピリットによって叶えれたとき、神の子全体にとってその問題が解決したことになる。
That is why He gives it. What you give through Him is for the whole Sonship, not for part of it. - whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
- part [pɑ́ː(r)t] : 「一部、部分」
❖ "That is why ~ "「それが、ホーリー・スピリットが与える(要求に応える)理由である」。つまり、あなたの要求に応えるのは、神の子全体に応えることになるから、ホーリー・スピリットはどんな要求にも応えるのである。"What you give through ~ "「あなたがホーリー・スピリットを通して与えたものは、神の子全体のためであって、一部の神の子のためではない」あなたは自分の要求を叶えてくれるようにホーリー・スピリットに願うかもしれないが、ホーリー・スピリットがそれに応えるときは、あなただけではなく、神の子全体に向けて願いを叶えてくれるのである。
Leave Him His function, for He will fulfill it if you but ask Him to enter your relationships, and bless them for you. - fulfill [fulfíl] : 「果たす、全うする、かなえる、成就する」
- enter [éntə(r)] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
- relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
- bless [blés] : 「〜を清める、〜を神聖にする、祝福する」
❖ "Leave Him ~ "「ホーリー・スピリットに、ホーリー・スピリットの役割を委ねなさい」。"for He will fulfill ~ "「なぜなら、もしあなたが〜なら、ホーリー・スピリットはその役割を果たすであろうからだ」。"if you but ask Him ~ "「もしあなたが、あなたの(特別な)関係性の中にホーリー・スピリットが介入することを頼み、あなたのために、その関係性を浄化してもらうならば」。ここも例を引いて。あなたが他者に対して甘えを求め、そこに特別な関係性が生まれれる。しかし、甘えを求める気持ちの根底に隠された孤独や寂寞感の問題は未解決のまま残される。その問題はあなたに解決出来るものではなく、ホーリー・スピリットの役割になる。あなたは素直にホーリー・スピリットを招き入れ、あなたの関係性をホーリー・スピリットによって浄化してもらうのである。つまり、孤独感や寂寞感を作り出していた根本原因、神からの分離の問題をホーリー・スピリットに解決してもらい、実相世界に目覚めるのである。そのとき、あなたの関係性は浄化、神聖化され、まったく次元の異なったレベルで関係性が再構築される。特別な関係性は実相レベルの真の関係性となり、もはや単なる孤寂しさや甘えからの結びつきによる関係ではなくなるのだ。
II. The Power of Holiness
神聖さのパワー
1. You may still think that holiness is impossible to understand, because you cannot see how it can be extended to include everyone. - still [stíl] : 「まだ、今もなお、それでも」
- holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
- impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
- understand [ʌ̀ndə(r)stǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
- extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
- include [inklúːd] : 「〜を含める、〜を含有する、包含する」
❖ "You may still think that ~ "「あなたはまだ、神聖さは理解不能だと思っているかもしれない」。"because you cannot ~ "「なぜなら、神聖さはどのようにして、すべての者達を包みこむために拡張するのか、あなたにはわかっていないからだ」。神聖さそれ自体がどういうものか、あなたにはわかっていなし、神聖さが分かち合われることで拡張増大し、すべての神の子を包含するメカニズムもわかっていない。
And you have been told that it must include everyone to be holy. - told [tóuld] : 「tell の過去・過去分詞形」
- holy [hóuli] : 「神聖な」
❖ "And you have been ~ "「あなたは、すべての神の子が神聖にならねばならないと、言われ続けてきた」。あなた一人が神聖になるだけではなく、神の子全体が神聖にならなくてはいけない。なぜなら、幻想世界で多数に分裂した神の子は、本来、実相世界では単一の存在だからである。
Concern yourself not with the extension of holiness, for the nature of miracles you do not understand. Nor do you do them. - concern [kənsə́ː(r)n] : 「〜を心配させる、気遣う、心配する」
- extension [ikstén∫n] : 「拡張、伸長、延長、伸展」
- nature [néit∫ə(r)] : 「性質、性分、天性、本性、本質」
❖ "Concern yourself not ~ "「あなた自身が、神聖さの拡張を気遣わなくていいのだ」。"for the nature of miracles ~ "「なぜなら、奇跡の性質を、あなたは理解していないからだ」。"Nor do you ~ "「しかも、あなたが奇跡を行うわけではないのだ」。奇跡にも、神聖さの拡張にも、ホーリー・スピリットがきちんとサポートしてくれるので、あなたは何も気遣う必要はない。完全に、ホーリー・スピリットに他力していいのである。ACIMの絶対他力性である。
It is their extension, far beyond the limits you perceive, that demonstrates you do not do them. - beyond [bi(j)ɑ́nd] : 「〜の域を越えて、〜を超越して、 〜の向こうに」
- limit [límit] : 「限度、制限、限界」
- perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
- demonstrate [démənstrèit] : 「はっきり示す、明らかにする、明示する、論証する、実証する」
❖ "It is their extension ~ "「あなたが奇跡を行っているのではないことを明示しているのは、それが、あなたの知覚する限界をはるかに越えて拡張していくことである」。あなたは自分で奇跡を行っていると思うかもしれないが、その奇跡はあなたの知覚領域をはるかに越えて多くの同胞たちに拡張して行くことを考えると、あなたが個人的に奇跡を行っているのではないことがわかる。奇跡の拡張にはホーリー・スピリットの力が作用しており、奇跡はホーリー・スピリットととの共同作業なのである。
Why should you worry how the miracle extends to all the Sonship when you do not understand the miracle itself? - worry [wə́ːri] : 「心配する、気をもむ、気になる」
❖ "Why should you worry ~ "「あなたが奇跡それ自体を理解していなというのに、どうしてあなたは、いかに奇跡が神の子全体に拡張していくか、気をもむ必要があるだろうか」。それは、ホーリー・スピリットに任せきっていいことである。
One attribute is no more difficult to understand than is the whole. - attribute [ǽtribjùːt] : 「属性、特質、特性、性格」
- no more A than B : 「AでないのはBでないのと同じ」
- difficult [dífikʌ̀lt] : 「難しい、困難な、難解な、厳しい」
- whole [hóul] : 「全部、全体」
❖ "One attribute is ~ "「奇跡のもっている一属性は、奇跡全体の属性が理解し難いものではないのと同様に、理解が難しいわけではない」。実相世界の真実、真理は単純明快で理解しやすいものであると同様に、奇跡自体も、それが一部であろうが全体であろうが、理解しやすいものなのだ。しかし、今のあなたには奇跡は理解し難いものになっている。なぜなら、あなたは幻想世界の上で眠りについているからだ。眠っているあなたに奇跡を理解するのは難しいので、ホーリー・スピリットの力を借りなさい、ということなのである。もし、あなたが眠りから目覚めて、実相世界に覚醒出来たときは、奇跡も、また奇跡の拡張もすべてが明確に理解出来るだろう。なぜなら、実相に目覚めたとき、その理解のための叡智をあなたは獲得出来るからである。
If miracles are at all, their attributes would have to be miraculous, being part of them.- at all : 「仮にも、いやしくも」
- miraculous [mərǽkjələs] : 「奇跡の、奇跡的な、超自然的な、驚くべき」
- part [pɑ́ː(r)t] : 「一部、部分」
❖ "If miracles are ~ "「いやしくも、奇跡が奇跡であるのなら、」"their attributes would ~ "「その属性は奇跡的なものであらねばなるまい」。"being part ~ "分詞構文、理由、「なぜなら、奇跡の属性とは、奇跡の一部であるからだ」。少々理屈っぽい記述ではある。奇跡が奇跡に見えるのは、実相世界の現象が、幻想世界の我々の目で見れば、それが奇跡的に見えるということなのである。実相世界では、奇跡は極当たり前の、自然な現象であり、明快であり、明白な出来事である。何の不思議もない。しかし、幻想世界の上に眠る我々には、それが摩訶不思議に映るのである。したがって、奇跡が奇跡に見えるうちは、我々はまだ幻想世界にとどまっている証拠であろう。もし、奇跡が極く当たり前の、日常の出来事のように感じ始めたなら、きっとそれは、あなたが実相世界に足を入れ始めた証拠であろう。したがって今々、奇跡の理解に気を使う必要はないのだ。結局、それはホーリー・スピリットに任せておけばいい、ということに帰着する。