5. Your teaching has already done this, for the Holy Spirit is part of you.
- already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
- done [dʌ́n] : 「do の過去分詞」
- part [pɑ́ː(r)t] : 「一部、部分」
❖ "Your teaching has ~ "「あなたの教えはすでにこれをなしてしまった」。前段落同様、"teaching"「教え」を「追求」と置き換えて解釈し、本当のあなたを追求した結果、このことがわかった、となる。"this"「このこと」とは、前段落にあるように、あなたが自分だと信じていた心は、幻想世界を夢に見ている偽りの自分であり、本当のあなたは心の最も神聖な部分に実在としていること。"for the Holy Spirit is ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットはあなたの一部なのであるからだ」。あなたの心の一部にホーリー・スピリットが住んでおり、ホーリー・スピリットが真実の存在であるから、真実のあなたは心のその部分であるはずだ。
Created by God, He left neither God nor His creation. He is both God and you, as you are God and Him together. - create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
- left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
- neither [níːðə(r)] : 「どちらの〜も〜でない」
- neither A nor B : 「AとBのどちらも〜ない」
- creation [kriéi∫n] : 「創作物、作品」
- both [bóuθ] : 「両方の、双方の、二つともの」
- both A and B : 「AもBも、ABいずれも」
- together [təgéðə(r)] : 「一緒に、同時に」
❖ "Created by God ~ "分詞構文、先頭にBeingを補うとよい、理由、「神によって創造されたので、」"He left neither ~ "「ホーリー・スピリットは神からも、神の創造したものからも離れたりしない」。" He is both ~ "「ホーリー・スピリットは神であり、あなたなのである」。"as you are God ~ "「ちょうど、あなたは神であり、同時にホーリー・スピリットであるように」。お気付きのように、この文章の中に、三位一体の予感が確かに感じられる。
For God's Answer to the separation added more to you than you tried to take away. - answer [ǽnsə(r)] : 「答え、回答、返事、応答」
- separation [sèpəréi∫n] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
- add [ǽd] : 「加える、足す、追加する、増す」
- try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
- take away : 「取り除く、持ち去る、撤去する」
❖ "For God's Answer to ~ "「なぜなら、分離に対する神の答えは、あなたが取り去ろうとしたもの以上に、あなたに付け加えたからである」。あなたは神から分離するにあたり、沢山の神聖な資質を捨てた(捨てたつもりになった)。たとえば、その最たるものが神の愛であり、実相世界の叡智であり、永遠不変性、つまり、神から継承した神の属性の多くを捨てたのである(捨てたつもりになったのである)。しかし、神は、ホーリー・スピリットという神の片腕(神のホスト役)をあなたに与え、ホーリー・スピリットを通してあなたが捨てたつもりになったものをすべてあなたに与え、温存させた。これが、あなたの神からの分離に対する神の答えである。あなたは神から分離し、神を裏切ったことで神に罰せられるに違いないと恐れたが、事実はまったくその逆であった。ACIMの神は怒れる神でもなければ、復讐する神でも、罰する神でもない。永遠不変の愛の神、それ以外の何ものでもない。
He protected both your creations and you together, keeping one with you what you would exclude. - protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
- both A and B : 「AもBも、ABいずれも」
- creation [kriéi∫n] : 「創作物、作品」
- keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する、守り続ける」
- exclude [iksklúːd] : 「〜を排除する、締め出す、〜を除く、除外する」
❖ "He protected both ~ "「神は、あなたが創造したものも、同時にあなたも共に守ったのであり、」"keeping one with you ~ "分詞構文、単純接続、「そして、あなたとあなたが排除したものを一つに保ったのだ」。その媒介役として、神からの使命を受けたのがホーリー・スピリットである。"your creations"「あなたが創造したもの」とは、美であり愛であり、平和、喜び、等々。ホーリー・スピリットを通して、あなたは真実なる実在を創造できるのである。
And they will take the place of what you took in to replace them. They are quite real, as part of the Self you do not know. - take the place of : 「〜の代わりをする、〜に取って代わる」
- take in: 「中に入れる、手につかむ、取り入れる、取り込む」
- replace [ripléis] : 「〜を取り換える、交換する、差し替える」
- quite [kwáit] : 「すっかり、全く、完全に」
- real [ríː(ə)l] : 「実在的な、実質的な、現実の、実際の」
- part [pɑ́ː(r)t] : 「一部、部分」
❖ "And they will take ~ "「そして、あなたが創造したものは、置き換えるためにあなたが取り入れたものの代わりとなるであろう」。あなたは神から独立し分離するために、神の属性を締め出したのだが、その空席に、新たにあなたが創造したものが場所を占めることになる。"They are quite ~ "「それらは完全に実在であって、」"as part of the Self ~ "「あなたの知らない自己として、実在する」。お気付きと思うが、ここで言われている"they"「それら」、つまり、あなたが創造したもの、それは、ホーリー・スピリットと非常に近い距離にある。ホーリー・スピリットの力を借りてあなたが創造した実相世界の実在は、ホーリー・スピリットの存在それ自体と同一な場所をしめているのだ。したがって、「あなたの知らない自己として、実在する」という文章は、あなたは気付いていまいが、あなたの心の中にいるホーリー・スピリットと共にあるところの、あなたが創造したものこそ、実はあなた自身なのであり、完璧な実在なのだ、という意味合いになる。
They communicate to you through the Holy Spirit, and their power and gratitude to you for their creation they offer gladly to your teaching of yourself, who is their home. - communicate [kəmjúːnikèit] : 「連絡する、通信する、交信する」
- through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、〜を介して」
- gratitude [grǽtət(j)ùːd] : 「感謝、感謝の気持ち、報恩の念」
- offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
- gladly [ɡlǽdli] : 「喜んで」
❖ "They communicate to ~ "「あなたが創造したものは、ホーリー・スピリットを通して、あなたとコミュニケーションを交わす」。あなたが創造したものは、実相世界の実在であり、ホーリー・スピリットと同じ場所にあるものだから、当然、ホーリー・スピリットを通して通信し合えるわけだ。たとえば、あなたは何らかの芸術を通して美を創造したとしよう。美は実在としてホーリー・スピリットの近くに存在する。あなたは単に美を生み出しただけでなく、ホーリー・スピリットを通して美とコミュニケーションを交わし、その美がもたらす喜びや平和を分かち合うことが出来るのである。"and their power and gratitude ~ "「あなたが創造したもののもつパワーや、創造したことに対するあなたへの感謝の気持ちを、あなたが創造したものは喜びをもって〜に捧げるのである」。"to your teaching of ~ "ここの"teaching"の「探求」として訳してみると、「それらの故郷である本当のあなた自身を探求するため」に捧げられるのである。つまり、あなたが創造した実相世界の実在こそ、あなたが探し求めているあなた自身なのだ、ということ。それは実在性のパワーをもち、創造してくれたあなたへの感謝の気持ちをもち、これがあなた自身なのだよと、あなたに、その実在を捧げている。そして、その実在なるのは、ホーリー・スピリットのすぐ側にいるのである。
You who are host to God are also host to them. For nothing real has ever left the mind of its creator. And what is not real was never there.- host [hóust] : 「主人、宿主、亭主」
- left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
- leave [líːv] : 「〜から離れる、〜を見捨てる」
- creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
❖ "You who are host ~ "「神のホスト役であるあなたは、あなたが創造したもののホスト役でもあるのだ」。神の側にいて神と喜びや愛を分かち合うあなたは、同時に、あなたが創造したものたちの側にいて、喜びや愛を分かち合っている、とうこと。"For nothing real has ever ~ "「なぜなら、実在であるものは、決して、創造した者の心から離れないものだからである」。"And what is not real ~ "「実在でないものこそ、決してそこに存在しないのだ」。実在しているかに見えたなら、それは幻想である。
6. You are not two selves in conflict. What is beyond God? - selves [sélvz] : 「self の複数形」
- conflict [kənflíkt] : 「摩擦、葛藤、軋轢、争い、紛争」
- in conflict : 「衝突して、対立して、矛盾して」
- beyond [bi(j)ɑ́nd] : 「〜の域を越えて、〜を超越して」
❖ "You are not two ~ "「あなたは、コンフリクトを起こしている二つの自分であるのではない」。"What is beyond ~ "「いったい何が神を超越するだろうか」。深い眠りに陥り、幻想世界を夢に見ている偽りの心であるあなたと、ホーリー・スピリットを擁して実相世界と接点を持っている真の心であるあなたの間に、確かにコンフリクトは存在するのだが、それは幻想と実相のコンフリクトであって、初めから勝敗の決まったうわべだけの軋轢である。あなたの真の自分自身は当然、実相世界に接点をもったあなたである。ところで、幻想を夢に見ている心のあなたは、神は人間の想像力が作り出した幻想であると言う。では、あなたの心は神を超越していることになるのか? はたして、神を超越する存在とは可能か? つまり、すべてを包摂する神をも包摂する存在は、論理的に可能であるか? 答えは当然、否である。神を超越し、神を包摂する存在は不可能だ。では、神の存在をあらしめているあなたの真実なる心は、神の心以外の何ものでもない。
If you who hold Him and whom He holds are the universe, all else must be outside, where nothing is. - hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する、心に抱く」
- universe [júːnəvə̀ː(r)s] : 「宇宙、銀河、万物、森羅万象、全世界」
❖ "If you who hold Him ~ "「もし、神を保持し、神から保持されているあなたが、全宇宙であるなら、」"all else must ~ "「その他のすべては、あなたの外側にあらねばならなくなるが、」"where nothing ~ "「そこには何も存在しないはずだ」。あなたの真実の心は神をその中に保持しており、神はすべてを包摂しているから、あなたもその中に保持している。つまり、すべてを包摂し合っている存在であるから、あなたの心は全宇宙を包摂していることになる。あなたの心は実相世界をすべて包摂しているのだ。では、それ以外のものがあるとすれば、すべてを包摂した集合の外にあらねばならないから、その外は空っぽであるはずだ。それを幻想と呼ぶのである。つまり、どうあがいても、幻想世界は非存在の世界である。
You have taught this, and from far off in the universe, yet not beyond yourself, the witnesses to your teaching have gathered to help you learn. - taught [tɔ́ːt] : 「teach の過去・過去分詞形」
- far off : 「ずっと遠くに、はるかかなたに、遠い所に、遠方に」
- beyond [bi(j)ɑ́nd] : 「〜の域を越えて、〜を超越して、〜の向こうに」
- witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、証拠、証言」
- gather [gǽðə(r)] : 「集まる、集結する」
- help [hélp] : 「助ける、手助けする、手伝う」
- learn [lə́ː(r)n] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
❖ "You have taught ~ "「あなたはこれを教えてきた」。ここも、"teach"「教える」を「探求する」に置き直して解釈すると、あなたはあなたの心が神のようにすべての宇宙を包摂していることを知ろうと探求してきた、という意味合いになる。"and from far off ~ "「宇宙のはるか遠くから、」"yet not beyond ~ "「とは言え、あなたの心を越えた所からではないのだが、」"the witnesses to your teaching ~ "「あなたの教えに対する証言者達が集まって、あなたの学びの手助けをするのである」。この証言者達とは、同胞達と考えてもいいのだが、はるか遠くから来るとわざわざ書いてあることを考えると同胞とは別の存在であろう。しかも、あなたを助けてくれるのであるからますます同胞達とは考えにくい。では、ホーリー・スピリットであろうか? ホーリー・スピリットはあなたの心の中に住んでいるのだから、遠くからやって来るのではない。単純に考えると、はるか遠くの天の王国からやって来る者たちと考えるべきだろう。では、そんな存在は何か? ここでは明記されていないので想像の域を出ないが、解脱し、悟りを開いた先駆者達、つまり、アセンディド・マスター(Ascended Master)と考えていいように思う。
Their gratitude has joined with yours and God's to strengthen your faith in what you taught. - gratitude [grǽtət(j)ùːd] : 「感謝、感謝の気持ち」
- join [dʒɔ́in] : 「〜に参加する、〜と交わる、〜と一緒になる、結び付ける、結合する」
- strengthen [stréŋ(k)θn] : 「〜を強くする、強化する、増強する、増加させる」
- faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、自信、信念、確信」
❖ "Their gratitude has ~ "「彼らの感謝の気持ちは、あなたの、そして神の感謝の気持ちと一緒になるのだ」。"to strengthen your faith ~ "「そして、あなたが教えたことを信じる気持ちを強化してくれるのである」。ここはむしろ、あなたが知ったことを信じる気持ちを確かなものにする、ととらえていいだろう。また、感謝の気持ちとあるが、ここもニュアンスを変えて、喜びの気持ちととらえれば、違和感は薄れそうである。あなたが探求し、真実を知ったことを神もアセンディド・マスター達も喜んでくれるわけだ。
For what you taught is true. Alone, you stand outside your teaching and apart from it. - true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
- alone [əlóun] : 「独りで、単に」
❖ "For what you ~ "「なぜなら、あなたが教えたことは(知ったことは)、真実であるからだ」。"Alone, you stand ~ "「あなたがたった一人であるなら、あなたは、あなたが知った真実の外側に、真実から離れて立っていることになっていたろう」。神もアセンディド・マスターもいなかったら、そして、共に喜んでくれなかったら、あなたは自分の知った真実を信じきれずに、半信半疑のまま、真実に近づけずに立ち尽くしていただろう。
But with them you must learn that you but taught yourself, and learned from the conviction you shared with them.- conviction [kənvík∫n] : 「信念、確信」
- share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
❖ "But with them you must ~ "「しかし、神やアセンディド・マスターと共にいることで、あなたはthat以下を学んだに違いない」。"that you but taught ~ "「あなたはあなた自身に教えたのであり、あなたが彼らと分かち合う確信から学んだのだ」ということを学んだに違いない。彼らと共に喜びを分かち合うことで、あなたは自分の知ったこと、学んだこと、教えたこと、探求したこと、それらが真実であることを確信するのである。その真実をみんなで分かち合うのだ。確信はますます拡張増大することだろう。喜びの気持ちも、感謝の気持ちもますます拡張増大することだろう。