4. You have done miracles, but it is quite apparent that you have not done them alone.
- quite [kwáit] : 「すっかり、全く、完全に、とても、非常に」
- apparent [əpǽr(ə)nt] : 「明らかな、明白な」
- alone [əlóun] : 「独りで、ただ〜だけで」
❖ "You have done ~ "「あなたが奇跡をなしたとしても、あなたが一人でそれをなしたのでないことは、まったく明白である」。もちろん、ホーリー・スピリットがあなたの陰であなたを助けてくれているのである。
You have succeeded whenever you have reached another mind and joined with it. - succeed [səksíːd] : 「成功する」
- whenever [(h)wenévə(r)] : 「〜するときはいつでも、〜したときはすぐ」
- reach [ríːt∫] : 「に達する、〜に至る、〜に届く」
- another [ənʌ́ðə(r)] : 「もう一つの、別の、ほかの」
- join : 「参加する、交わる、一緒になる」
❖ "You have succeeded ~ "「〜したときはいつでも、あなたは成功したのである」。奇跡を起こすことに成功した、ということ。"whenever you have reached ~ "「あなたが、他方の心に達し、それと一緒になったときはいつでも、」あなたは奇跡を起こすことに成功したのである。「他方の心に達し、それと一緒になる」とはどういうことか? ここは単純に考えて、あなたが他の同胞の心に達して、あなたの心と同胞の心を一つにすること、と考えよう。たとえば、あなたが同胞をヒーリングするとき、あなたの心が同胞の心に達し、二つの心が一つに結ばれたとき、あなたのヒーリングという奇跡は成功するのだ。
When two minds join as one and share one idea equally, the first link in the awareness of the Sonship as One has been made. - share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
- idea [aidíːə] : 「考え、見解、意図、知識」
- equally [íːkw(ə)li] : 「平等に、同等に、等しく、同様に」
- first [fə́ː(r)st] : 「第一の、一番目の」
- link [líŋk] : 「結び付き、つながり、関連性、連関」
- awareness [əwéə(r)nəs] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性」
❖ "When two minds join ~ "「(あなたと同胞の)二つの心が一つに結ばれ、一つの思いを平等に分かち合うとき、」"the first link in ~ "「神の子とは単一であるという意識の、第一のリンクが出来たことになる」。神の子は、神から分離した後、単一の心が散り散りに分裂してしまったのだが、今、心を一つに通わせ、一つのことを共に考えることで、神の子の単一性がおぼろげながら見え始めてきた、ということ。" the first link"「第一のリンク」と言う以上、おそらく、第二第三のリンクも構築されるのだろう。そして、究極、神の子は一つに再統一される。第一のリンクとは、その第一歩、という意味合いであろう。
When you have made this joining as the Holy Spirit bids you, and have offered it to Him to use as He sees fit, His natural perception of your gift enables Him to understand it, and you to use His understanding on your behalf. - joining : 「連結、接合」
- bid [bíd] : 「命じる、命令する、指示する」
- offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
- see fit : 「適当と思う」
- natural [nǽt∫(ə)r(ə)l] : 「自然の、普通の」
- perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
- enable [enéibl] : 「〜を可能にする、〜に可能性を与える、〜が(…)できるようにする」
- understand [ʌ̀ndə(r)stǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
- on one's behalf : 「〜のために、〜の利益になるように」
❖ "When you have made ~ "「あなたが、ホーリー・スピリットがあなたに命ずるままに、同胞との心の結合を果たしたとき、」"and have offered it ~ "「そして、その結合を、ホーリー・スピリットが適切に使えるように、ホーリー・スピリットに差し出したとき、」"His natural perception of ~ "「あなたの、同胞と結合した心という贈り物に対するホーリー・スピリットの自然な知覚は、ホーリー・スピリットがその贈り物を理解することを可能にし、」"and you to use ~ "「そして、ホーリー・スピリットのその理解を、あなたがあなたのために利用することを可能とするのだ」。非常に回りくどい言い方をしている。簡単に考えよう。まず、あなたは同胞と心を通わせ、二つの心が融合する。それを後押ししてくれるのがホーリー・スピリットであり、融合した心がホーリー・スピリットへの贈り物となる。ホーリー・スピリットはその融合した心を見て(知覚して)、極く自然に、それを理解してくれる。つまり、融合した心が神の子の本来の姿なのだと理解を示してくれるのである。その理解に助けられて、あなたは他の同胞とも、あなたの心を融合させようと、今果たした奇跡を利用するのである。
It is impossible to convince you of the reality of what has clearly been accomplished through your willingness while you believe that you must understand it or else it is not real.- impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
- convince [kənvíns] : 「確信させる、納得させる、説得する」
- convince someone of : 「〜に〜を確信させる」
- reality [ri(ː)ǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
- accomplish [əkɑ́mpli∫] : 「成し遂げる、果たす、成就する、達成する」
- through [θruː] : 「を通じて、〜の手を経て、手を通して」
- willingness [wíliŋnis] : 「意欲、いとわずにすること、やる気」
- while [(h)wáil] : 「〜なのに、〜ではあるものの、〜だが」
- understand [ʌ̀ndə(r)stǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
- or else : 「あるいは、さもないと」
❖ "It is impossible to convince ~ "ここは"It ~ to ~ "の構文、「あなたに〜を確信させることは不可能である」。何を? "the reality of what ~ "「あなたの、そうしたいと思う気持ちを通して明確に成し遂げられたことの実在性」をあなたに確信させることは不可能だ。つまり、あなたが実現することを心から意思して成し遂げられたものは、明確な実在性を持つものだが、それをあなたに確信させるのは不可能だ、という意味合い。たとえば、その最たるものが奇跡である。どんな時に不可能になるかというと、"while you believe that ~ "「あなたが、それを理解せねばならず、それ以外は、それは実在ではないと信じている限り、」あなたに確信させることは不可能だ。つまり、あなたが実現を心から意思して成し遂げられたものをあなたが理解しない限りは、あなたにとってそれは本当に実在しないのだと、あなたは頑(かたく)なに信じているのである。理解を通して初めて、成就したものが実在性を帯びると信じているうちは、あなたはそれの実在性に確信がもてないのだ。たとえば、あなたは、奇跡は理解して初めて実在すると信じているので、奇跡をなしただけでは、それが実在だとあなたには確信できないのである。本当は、奇跡の成就にはあなたの理解は不必要なのである。むしろ、はっきり言って、あなたが奇跡を理解することは不可能なのだ。あなたは、心から奇跡を意思し、それをなすだけで十分である。あなたの理解がなくても、奇跡はちゃんと実在する。なぜなら、奇跡のすべてを理解できるホーリー・スピリットが、あなたの心の中にちゃんといるからである。もっと簡単に言えば、あなたは、奇跡が科学的証明によって理解されない限り、奇跡の存在に確信がもてないと言うだろうが、その必要はなく、奇跡をあなたが強く望んで奇跡を生み出すだけで十分だ、ということになる。奇跡の理解は、実相世界の叡智をもってなされるものであるから、今のあなたには不可能であり、叡智をもったホーリー・スピリットに委ねるだけでいい。
5. How can faith in reality be yours while you are bent on making it unreal? - faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、自信、信念、確信」
- reality [ri(ː)ǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
- bent [bént] : 「熱中している」
- be bent on : 「〜に夢中になっている、〜を決意している」
- unreal : 「実在しない、非現実的な、実存しない、虚偽の」
❖ "How can faith in ~ "「あなたが実在性を非実在にしようと躍起になっているのに、どうやって、実在への確信があなたのものになり得ようか」。たとえば、奇跡なんて科学的に証明できないと、奇跡の実在性を非実在に変えようと躍起になっているあなたに、奇跡の存在を信じることなんて不可能だ、という意味合い。世間の大方の人たちはそうである。
And are you really safer in maintaining the reality of illusions than you would be in joyously accepting truth for what it is, and giving thanks for it? - really [ríː(ə)li] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に、真に」
- safe [séif] : 「安全な、無事な、安泰で」
- maintain [meintéin] : 「〜を保持する、維持する、保つ、堅持する」
- illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
- joyously [dʒɔ́iəsli] : 「喜んで、楽しげに、嬉しげに」
- accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
- truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
- thank [θǽŋk] : 「感謝、謝意、謝辞」
❖ "And are you really safer ~ "「〜するよりも、幻想の実在性を主張した方が、本当にあなたにはより安全なのであろうか」。"than you would be ~ "「喜んで、真実をあるがままに受け入れて、真実に感謝するよりも、」安全なのであろうか。"maintaining the reality of illusions"「幻想の実在性を主張する」とは、たとえば、物質的現象世界の実在を前提とした科学はそれに当たる。感覚的に捉えられる現象、あるいは測定器にかかる現象だけが実在で、その追求だけが意味があるとする主張である。確かに、その方が安全だ。少なくとも、狂ったヤツだとか変人だとは他人から思われることはない。だが、安全であることと真実であることは異なる。ここでは、安全であることが真実からかけ離れていく原因になっているのだ。ただし、誤解してはならないのは、ACIMは科学を否定し、排除しようとしているのではない。科学は、物質的現象世界、つまり、幻想世界を対象にしたものであって、それはそれで整合性もあり正しくもある。しかし、科学の対象はその幻想世界に限られているのであって、対象が限られているということは実在がそれに限られているということではないのだ。科学が対象としない実在する世界が、実相世界として存在するのだ、と教えているのがACIMである。レベルの異なる実在世界の存在を、科学の旗印の下で安易に否定するような狭い心から解放することを、ACIMは目指しているのである。
Honor the truth that has been given you, and be glad you do not understand it. Miracles are natural to the One Who speaks for God. - honor [ɑ́nə(r)] : 「〜に敬意を払う、尊敬する、称える、支持する」
- glad [glǽd] : 「満足して、うれしく思う」
- natural [nǽt∫(ə)r(ə)l] : 「自然の、普通の」
- speak for : 「〜の代弁をする、〜を代表する」
❖ "Honor the truth ~ "「あなたに与えられた真実に敬意を表しなさい」。"and be glad you ~ "「そして、その真実をあなたが理解できないことを(むしろ)喜びなさい」。真実とは、頭脳的な理解を超越したものであって、叡智をもってのみ把握できるのだという事実を、喜びをもって受け入れなさい、ということ。"Miracles are natural ~ "「奇跡とは、神に代わって話をする一なる存在にとって、極く自然なことである」。神の代弁者で一なる存在、もちろん、ホーリー・スピリットのことである。
For His task is to translate the miracle into the knowledge which it represents, and which is hidden to you. - task [tǽsk] : 「任務、職務、仕事」
- translate [trænsléit] : 「〜を翻訳する、訳す、〜を理解できる言葉で言い換える」
- knowledge [nɑ́lidʒ] : 「叡智、知識、心得、認識、知恵、知見」
- represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、描写する、意味する、象徴する」
- hidden [hídn] : 「隠された、秘密の」
❖ "For His task is to ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットの仕事は、奇跡を叡智に翻訳することである」。その叡智を説明して、"which it represents ~ "「奇跡が意味するところの、そして、あなたには隠されている」叡智に翻訳することである。奇跡を知るには叡智が必要であり、その叡智は、あなたに隠されたままである。したがって、あなたは奇跡を理解できなくて当たり前なのだ。だから、奇跡を叡智へと翻訳してくれる、つまり、幻想世界で起きた奇跡を実相世界の叡智へと質転換してくれる、その役目をもったホーリー・スピリットに奇跡を委ねればいいのである。
Let His understanding of the miracle be enough for you, and do not turn away from all the witnesses that He has given you to His reality.- enough [inʌ́f] : 「十分な、足りる」
- turn away from : 「〜から目を背ける、〜から目を離す」
- witness [wítnəs] : 「証拠、証言、証人、参考人」
- given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "Let His understanding of ~ "「ホーリー・スピリットの奇跡に対する理解を、あなたにとって十分だとしなさい」。つまり、ホーリー・スピリットが奇跡を理解してくれるだけで満足しなさい、あなたまで理解しようとしなくてもいい、という意味合い。"and do not turn ~ "「そして、〜である証拠から決して目を背けてはいけない」。"that He has given ~ "「ホーリー・スピリットがあなたに与えた、ホーリー・スピリットの実在性の」証拠から目を背けてはいけない。たとえば、あなたが真実を求めるとき、それはあなたの心の最も神聖な部分からの願いであり、そこにホーリー・スピリットが実在している証拠である。あなたが真の愛を求めるときも、真の喜びを求めるときも、実相世界に目覚めたいと願うときも、すべて、ホーリー・スピリットの実在性が関わった証拠であるのだ。その証拠から目を離してはいけない。つまり、正しい心の願いをちゃんと聞き取りなさい、ということだ。