●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-13.Intro.3:1 ~ T-13.Intro.4:6

2. If this were the real world, God would be cruel. For no Father could subject his children to this as the price of salvation and be loving.

  • cruel [krúːəl] : 「残酷な、むごい、残虐な、無慈悲な」
  • subject [səbdʒékt] : 「〜を支配する、服従させる、〜を受けさせる」
  • price [práis] : 「値段、価格、相場、市価、代償、犠牲」
  • salvation [sælvéi∫n] : 「救出、救済」
❖ "If this were ~ "仮定法過去、現在の事実と反することを仮定して述べる、「もし、この世界が実在の世界であるなら、」"God would be ~ "「神は残酷であろう」。が、事実はその反対である。つまり、この世界は幻想の世界であるから、神が残酷だという評価は正当ではない。"For no Father could subject ~ "「なぜなら、いかなる父なる神も、救いの代償としてこのような残酷なことを神の子に受けさせ、そして、神の子を愛しているなどということは出来ないからだ」。救いの代償として、神が死を要求することはない。逆に言えば、死は救いにならないのだ。極言すれば、死は神と一切関係ない。人の死は神の御心であり、死者は神の御胸に抱かれるとする考えは、したがって、誤りである。死は神への回帰のための自動的なエレベーターなどではないのだ。死は、単なる肉体の崩壊に過ぎない。しかし、心は不滅である。だが、もし、心が贖罪を果たさず、神への回帰を怠ったなら、心は再び肉体をまとい、この幻想世界に生まれ出るだろう。つまり、心は眠りから覚めることなく、再び幻想世界の夢を見続けることになる。したがって、輪廻転生をありがたがってはいけない。ACIMは、夢から目覚め、実相世界の神への回帰を果たして、輪廻の輪から脱出せよ、と教えるのである。永遠の命とはそのことである。輪廻転生は永遠の命とは程遠いのだ。



Love does not kill to save. If it did, attack would be salvation, and this is the ego's interpretation, not God's.
  • kill [kíl] : 「殺す、葬る、始末する」
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • interpretation [intə̀ː(r)prətéi∫n] : 「解釈、説明、解説」
❖ "Love does not ~ "「愛は救うために殺したりしない」。したがって、愛の神が救いと称して神の子を殺すわけがないのだ。"If it did, attack ~ "仮定法過去、事実に反することを仮定する、「もしそうなら、攻撃が救いということになってしまう」。"and this is ~ "「そんな考えは、エゴの解釈であって、神の解釈ではない」。エゴは攻撃し、殺すことが救いだと解釈する。



Only the world of guilt could demand this, for only the guilty could conceive of it.
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • demand [dimǽnd] : 「求める、要求する 」
  • conceive [kənsíːv] : 「思い付く、想像する」
  • conceive of : 「〜を考え出す、〜を想像する、〜を心に描く、〜を思い描く」
❖ "Only the world ~ "「罪の世界だけが、こんなことを要求できる」。罪あるこの幻想世界だけが、救いと称して死を要求する。"for only the guilty ~ "「なぜなら、罪の意識だけが、そんなことを思いつくからである」。死と救いが等しいなどと思いつくのは罪の意識のみ。



Adam's "sin" could have touched no one, had he not believed it was the Father Who drove him out of Paradise.
  • Adam [ǽdəm] : 「アダム」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、過失、罪業」
  • touch [tʌ́t∫] : 「〜に触れる、作用する、衝撃を与える、影響を与える」
  • drove [dróuv] : 「drive の過去形」
  • drive [dráiv] : 「駆り立てる、追いたてる、追いやる」
  • drive out : 「追い出す、追い払う、追放する」
  • Paradise [pǽrədàis] : 「天国、楽園、至福の地」
❖ "Adam's "sin" could ~ "ここは"had he not ~ "の先頭に"if"を補い、"if he had not believerd ~ "とする、仮定法過去完了、「もし、アダムが、彼を楽園から追い出したのは神であると信じていなかったら、」「アダムの『罪』は誰にも衝撃を与えることが出来なかったであろう」。神がアダムに思い罰を与えたことで、人々は神を恐れるようになったわけだ。



For in that belief the knowledge of the Father was lost, since only those who do not understand him could believe it.
  • knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、心得、認識、知恵、知見」
  • lost [lɔ́(ː)st] : 「lose の過去・過去分詞形」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
  • since [síns] : 「〜なので、〜だから」
❖ "For in that belief ~ "「なぜなら、そう信じる中に、神を本当に知るということが失われたからである」。"since only those who ~ "「なぜなら、神を理解しない者たちだけがそれを信じたのだから」。神はアダムにも、誰にも罰を与えることなどしない。原理的に出来ないのだ。なぜなら、神の世界は一元論の実相世界であり、対極概念の存在しない世界であって、信じることはあっても疑うことはなく、愛することはあっても憎むことはなく、褒めることはあっても、決して罰することはないからである。そもそも罰するという概念のない神にアダムを罰することが出来ようはずはない。では、アダムの楽園追放の真実は何か? ACIMが語るには、アダムは深い深い眠りに陥り、自らが神に罰せられ、楽園を追放された夢を見たに過ぎないというのである。つまり、アダムの罪の意識が彼に楽園追放の夢を見させたのである。そして、そのアダム自身は、夢から覚めることなく、今なお、この幻想世界の夢を見続けているわけである。実相世界は非時間の世界であるから、アダムの眠りもつかの間のことであろうに・・・。ところで、心は元々一つであったから、夢見るアダムの心は、実は我々の心でもあるのだ。それを考えると、我々の心の奥深くに、神を裏切り、神から分離した罪の意識が隠されていることが理解できよう。そして、恐れの原型が、神からの報復の恐れであることも理解できよう。そして、その罪と罰からの解放が、目を覚ますこと、そして、単なる夢であって、神を裏切ったこともなく、神から罰せられることもないと知ることであると理解できよう。それがACIMの言う贖罪である。よって、夢から覚めたアダムが、大あくびをしながら、神におはようと言うことが救いのすべてであることも理解できよう。神はそれを待っている。



3. This world is a picture of the crucifixion of God's Son. And until you realize that God's Son cannot be crucified, this is the world you will see.
  • picture [pík(t)∫ə(r)] : 「絵、像、絵画、光景、見物」
  • crucifixion [krùːsəfíkʃən] : 「磔刑、十字架刑」
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
  • crucify [krúːsifài] : 「〜を磔刑に処す、〜を十字架に張り付けにする、虐待する」
❖ "This world is ~ "「この世界は、神の子の磔刑の光景である」。磔刑の様に残虐な世界である、ということ。"And until you realize ~ "「あなたが、神の子は磔刑に処せられることは不可能なのだと知るまでは、これが、あなたの見る世界なのである」。夢で見ているに過ぎないこの幻想の世界は非常に残虐なのだが、その磔刑すら夢の中の出来事であって、実相の世界で現実に起きたことではない。なぜなら、神の子を現実に磔刑に処することなど不可能だからである。と言うのも、実相の神の世界には磔刑というものが、その概念さえ、存在しないからだ。しかし、あなたが、キリストの磔刑は現実に存在したのだと信じている限り、幻想の世界から目覚めたとは言えないので、あなたの眠りは続き、したがって、あなたの見る世界は依然としてこの幻想の世界のままである。



Yet you will not realize this until you accept the eternal fact that God's Son is not guilty.
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • eternal [itə́ː(r)nl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の」
  • fact [fǽkt] : 「事実、現実、真実、実際、真相」
  • guilty [gílti] : 「有罪の、犯罪的な、罪を犯した」
❖ "Yet you will not realize ~ "「しかし、〜するまで、あなたはこのことを実感しないだろう」。このこととは、神の子は磔刑に処せられることはないということ。"until you accept ~ "「あなたが、神の子には罪はないという永遠の事実を受け入れるまでは、」あなたはこのことを実感しないだろう。あなたが目覚めれば、自分が神から一歩も離れていなかったことに気付き、自分には罪はなく、完全な無辜(むこ)であることを知るのである。したがって、無辜なるものが磔刑に処せられることは不可能だと知ることになるわけだ。



He deserves only love because he has given only love. He cannot be condemned because he has never condemned.
  • deserve [dizə́ː(r)v] : 「〜を受けるに値する、〜にふさわしい」
  • condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める、〜に有罪の判決を下す」
❖ "He deserves only love ~ "「神の子は愛だけを受けるに値する」。"because he has ~ "「なぜなら、神の子は愛だけを与えてきたからだ」。ここは、実相の世界では愛しか与え得るものはない、と解釈しておこう。分かち合われるものは愛だけだ。もちろん、その愛には喜びが含まれ、平和、慈しみ、美、恵み、等々がすべて含まれているのである。"He cannot be condemned ~ "「神の子は非難され得ない」。"because he has ~ "「なぜなら、神の子は決して非難したことなどないからだ」。実相の世界では非難したり非難されたりすることもない。なぜなら、お分かりのように、実相世界には非難という概念がないからだ。もちろん、神も非難することはない。だから、罰することもないのだ。考えてみれば、神の住む実相世界は非常に簡単、単純、明快なのである。この幻想世界が複雑怪奇な二元論世界であるから、それを二つに割って、美しい一方だけを別仕立ての世界に仕立て直したようなものだ。実相が一元論世界だからこそ、そこに回帰することは、実は簡単なことであるはずなのである。ACIMが奇跡には難しさのオーダーがないと言うのも頷けることではないか。春に花が咲くのと同じレベルで、我々はいとも自然に神の世界に回帰するという奇跡を起こせるはずなのである。



The Atonement is the final lesson he need learn, for it teaches him that, never having sinned, he has no need of salvation.
  • Atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い、補償」
  • final [fáinl] : 「最後の、最終の、決定的な、確定的な」
  • sin [sín] : 「罪を犯す」
  • salvation [sælvéi∫n] : 「救出、救済、救い、救世」
❖ "The Atonement is ~ "「贖罪は、神の子が学ぶ必要なある最後のレッスンである」。"for it teaches him that ~ "「なぜなら、贖罪は神の子にthat以下を教えてくれるからだ」。"that, never having ~ "分詞構文、理由、「罪を犯したことがないので、」"he has no need ~ "「神の子は罪からの救いもまったく必要ない」と贖罪はあなたに教えてくれるからだ。あなたは罪を犯した夢を見ていただけで、本当はなんの罪も犯していなかった。あなたは完全な無辜である。そのように叡智をもって認識することが贖罪である。したがって、春に花が咲くのと同じレベルで、いとも自然に我々は贖罪という奇跡を果たせるはずである。
 
 
 

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