●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-13.IV.3:1 ~ T-13.IV.4:5

3. Under the circumstances, would it not be more desirable to have been wrong, even apart from the fact that you were wrong?

  • circumstance [sə́ː(r)kəmstæ̀ns] : 「周囲の事情、環境、状況、事情」
  • under the circumstances : 「この条件の下に、こんな事情でなので、事情が事情だから」
  • desirable [dizái(ə)rəbl] : 「望ましい、好ましい、価値のある、魅力がある」
  • apart from the fact that : 「that 以下という事実は別として」
❖ "Under the circumstances ~ "「こんな状況であるから、」"would it not be more ~ "ここは"it ~ to ~ "の構文、「間違っていたということは、(あなたにとって)より望ましいことではないのか」。"even apart from ~ "「あなたが間違っていたということは事実としても」。さて、何を言いたいのだろう? 地獄や忘却が現実として実在することは間違いである。あなたが幻想のこの世界で知覚する現実も実在ではなく、間違いである。神が、あなたの過去の罪に報復して、地獄の復讐をすることも間違いである。しかし、あなたはそのどれをも、エゴの指図通りに信じた。なぜか? あなたは、たとえ自分が間違っていても、そう信じたかったからである。間違っていたとしても、そう信じることが望ましいと思ったのだ。なぜか? あなたは、神の愛を知るの方がより怖かったからだ。例を出そう。たとえば、父を憎んで家出をした息子を想定しよう。彼は家を離れ、自立する。父を憎み、その憎しみが生きる原動力になっている。憎き父を見返してやりたい。きっと、父は父で、親を捨てた勝手な息子を憎んでいるはずだ。たとえ、それが間違いであっても、父を捨てた息子はそう信じたいのである。しかし、もし、憎んでいた父が、実はどの子供よりもその息子を心から愛していたのだと知ったらどうなるだろう? その息子の現実は根底からひっくり返されるに違いない。息子はそうなることをうすうす気付いている。気付いているから父が愛している事実が怖いのである。なぜなら、実は自分も本当は父を愛しているからだ。その愛が、思い出のように息子の心の底に残っているからである。神と神の子の関係も、こういったものである。神の子は神の復讐を恐れている。たとえ、神が復讐するという考えが間違っていたとしても、神の子は神が復讐することを信じたいのだ。なぜか? 神の子は、裏切られてもなお神の子を愛している、その神の愛の方が怖いからだ。なぜか? 神の子自身が、その心の奥底に、神を愛しているという思い出が熱くくすぶっていることを知っているからである。



While it could perhaps be argued that death suggests there was life, no one would claim that it proves there is life.
  • While [(h)wáil] : 「〜なのに、〜ではあるものの、〜だが、〜とはいえ」
  • perhaps [pə(r)hǽps] : 「たぶん、もしかすると、ことによると」
  • argue [ɑ́ː(r)gjuː] : 「〜と主張する、〜を議論する、論じる」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
  • suggest [sʌgdʒést] : 「〜を意味する、示唆する、暗示する、それとなく示す」
  • life [láif] : 「命、生命、寿命、活気、元気」
  • claim [kléim] : 「主張する、断言する」
  • prove [prúːv] : 「証明する、立証する」
❖ "While it could perhaps ~ "ここは"it ~ that ~ "の構文、「死は、生が存在したことを暗示しているという論は、多分主張されることであろうが、」ここで、"there was life"と過去形で表現されていることに注意。"no one would claim that ~ "「死は生の存在を証明していると、誰も主張しないだろう」。ここで、"there is life"と現在形で表現されていることに注意。非常に難解な言い方をしているが、必要条件と十分条件を考えれば納得出来るかも知れない。死があれば、それ以前に生があったことが分かる。しかし、その逆は成立しない。つまり、生があれば必ず死はあるか? 実相の生は永遠不滅であり、死は存在しない。死は今ある生の証拠とはならないのだ。したがって、死は生の十分条件であるが、必要条件ではないのである。



Even the past life that death might indicate, could only have been futile if it must come to this, and needs this to prove that it was at all.
  • past [pǽst] : 「過ぎ去った、過去の、これまでの」
  • indicate [índikèit] : 「〜を指し示す、表す、表示する、示唆する、暗示する」
  • futile [fjúːtl] : 「役に立たない、効果のない、無益な、無駄な、不毛な」
  • come to : 「結果として〜になる、結局〜となる、結局〜に終わる」
  • prove [prúːv] : 「証明する、〜となる、〜であると分かる」
  • at all : 「仮にも、いやしくも」
❖ "Even the past life that ~ "「死が暗示する過去の生でさえも、」死の以前には、確かに生はあった。"could only have ~ "「単に不毛な結果に終わらざるを得ない」。"if it must come to ~ "「もし、生が結局死で終わり、いやしくも生があったのだと証明するために死が必要であったなら、」生は単に不毛な結果に終わらざるを得ない。生には本来、死は不必要なものである。しかし、世の中は、死を受け入れるために、死を美化する傾向にある。たとえば、死がそれまでの生の総括であって、良い死を迎えるために良い生を生きなければならないとか、生の一切の苦しみを死が解決していくれるとか、とかく、死といいのもの価値を何としてでも見出そうとしている。しかし、ACIMの死に対する評価は違っている。死は真実実在するものではなく、単なる幻想に過ぎない。一貫して、幻想の死には意味はないとACIMは主張する。実相の世界の生は永遠不滅であるのだから、幻想の死を消滅させ、実相の生に目覚めることが肝要である、とするのである。



You question Heaven, but you do not question this yet. You could heal and be healed if you did question it.
  • question [kwést∫n] : 「〜を疑問に思う、〜を疑問視する、〜に疑問を呈する」
❖ "You question Heaven, but ~ "「あなたは天の王国には疑問を呈するが、あなたはこのことには疑問を呈さない」。このこととは、生には必ず死が付随する、ということ。"You could heal and ~ "仮定法過去、「もし、あなたがそれに疑問を呈したなら、あなたはヒールすることも、ヒールされることも可能であろうに」。死が付随する生に疑問を呈し、真実の生には死は不必要だと悟れば、あなたは死の存在しない生に一歩近づき、すなわち実相世界に一歩近づき、死という概念から解放されることによって、心が解放されるのである。かくして、あなたはヒールされ、同時に同胞をヒール出来ることとなる。



And even though you know not Heaven, might it not be more desirable than death?
  • even though : 「〜であるけれども、〜であるにしても、〜にもかかわらず、たとえ〜としても」
  • desirable [dizái(ə)rəbl] : 「望ましい、好ましい、価値のある」
❖ "And even though you ~ "「そして、たとえあなたが天の王国を知らないとしても、」"might it not be more ~ "「それは死よりはずっと望ましいことではないだろうか」。



You have been as selective in your questioning as in your perception. An open mind is more honest than this.
  • selective [siléktiv] : 「選択の、選択できる、選択的な、抜粋の」
  • questioning [kwéstʃəniŋ] : 「質問、尋問」
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、知見、見識、感じ方」
  • open mind : 「偏見のない心、広い心、虚心坦懐」
  • honest [ɑ́nəst] : 「正直な、誠実な、素直な、公正な」
❖ "You have been as ~ "「あなたが知覚するときと同様に、疑問を呈するときも、あなたは選択的であった」。何を知覚し、何を知覚しないか、何に疑問を呈し、何に疑問を呈しないか、あなたは選択的に生きてきた。"An open mind is ~ "「開かれた心は、これよりもずっと正直である」。虚心坦懐な心は選択的にものを見るのではなく、素直に知覚し、素直に疑問を持つ。その方がずっと正直ではないだろうか。



4. The ego has a strange notion of time, and it is with this notion that your questioning might well begin.
  • strange [stréin(d)ʒ] : 「奇妙な、変わった、変な、見知らぬ」
  • notion [nóu∫n] : 「概念、考え、意見、意向、意志、観念」
  • might well : 「《推量・可能性》〜だろう」
❖ "The ego has a strange ~ "「エゴは時間に関して奇妙な考えをもっている」。"and it is with this notion ~ "直訳すると、「あなたの疑問を呈することがうまく始められるには、この考えをもってすればいい」。つまり、疑問を呈する手始めに、エゴの奇妙な時間概念に焦点を当ててみなさい、ということ。



The ego invests heavily in the past, and in the end believes that the past is the only aspect of time that is meaningful.
  • invest [invést] : 「〜を投資する、出資する、運用する、注ぎ込む」
  • heavily [hévili] : 「重く、重そうに、ひどく、激しく、濃密に」
  • in the end : 「結局、ついに」
  • aspect [ǽspekt] : 「様子、外見、顔つき、姿、局面、状況、側面、特徴」
  • meaningful [míːniŋfəl] : 「意味のある、意味深長な、重要な」
❖ "The ego invests heavily ~ "「エゴは過去に対して深く入れ込んでおり、」"and in the end believes ~ "「ついには、that以下を信じるに至った」。"that the past is the only ~ "「過去だけが、時間のもつ意味ある側面である」と信じるに至った。あなたが過去に罪を犯したことを重要視するには、過去に成したことだけが意味があるとしなければならないわけである。



Remember that its emphasis on guilt enables it to ensure its continuity by making the future like the past, and thus avoiding the present.
  • emphasis [émfəsis] : 「強調、重要性、注目、重要視」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • enable [enéibl] : 「〜を可能にする、〜に可能性を与える、できるようにする」
  • ensure [en∫úə(r)] : 「〜を確かにする、保証する、請け合う、確保する」
  • continuity [kɑ̀nt(ə)n(j)úːəti] : 「連続性、継続性」
  • future [fjúːt∫ə(r)] : 「未来、将来」
  • avoid [əvɔ́id] : 「避ける、回避する、逃れる、敬遠する」
  • present [préznt] : 「今、現在」
❖ "Remember that ~ "「that以下を覚えておくように」。"that its emphasis ~ "「エゴが(あなたの)罪を強調することは、エゴの存続を確かなものとする」。"by making the future ~ "「未来を過去と同じようにし、それによって現在を回避することによって」。エゴはあなたの過去の罪を未来にまで存続させようとする。現在が未来を変えないように、過去にだけ目を向けさせようとするのである。つまり、エゴは、あなたが過去の罪の贖罪を果たさないようにしなくてはならない。エゴにとって、あなたが過去を引きずって未来を生きるようにしなくてはならないのは、エゴの存続を確保するためである。なぜなら、もし、あなたが贖罪を果たしてしまうと、あなたは実相に目覚め、幻想世界から抜け出てしまうからだ。その時、幻想世界は消滅し、同時にエゴも消滅してしまうのである。エゴはそれをもっとも恐れている。



By the notion of paying for the past in the future, the past becomes the determiner of the future, making them continuous without an intervening present.
  • notion [nóu∫n] : 「概念、考え、意見、意向、意志、観念」
  • pay [péi] : 「支払う、代金を払う、償いをする」
  • pay for : 「〜の代金を支払う、〜の報いを受ける、〜の代価を払う」
  • determiner [ditə́ːrmənər] : 「決定する人、決定するもの」
  • continuous [kəntínjuəs] : 「連続的な、持続的な、継続する、絶え間のない」
  • intervene [ìntə(r)víːn] : 「間に入る、介在する、干渉する、邪魔する」
❖ "By the notion of ~ "「未来に、過去のつけを払うという考えによって、」"the past becomes the determiner ~ "「過去が未来を決定するものとなる」。" making them continuous ~ "分詞構文、単純接続、「そして、現在を介入させることなく、過去と未来を連結させるのである」。エゴは、あなたの過去の罪を未来の罰に直結させたいわけである。したがって、現在にいろいろいじられてはこまるので、現在を切り離して、過去と未来の結合に対して関わりを持たないようにさせるのである。



For the ego regards the present only as a brief transition to the future, in which it brings the past to the future by interpreting the present in past terms.
  • regard [rigɑ́ː(r)d] : 「〜を〜と見なす、考慮する、考える」
  • brief [bríːf] : 「短時間の、短い、短命な、しばらくの」
  • transition [trænzí∫n] : 「移行、推移、転移、変遷、過渡期」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って行く、〜を連れて行く」
  • interpret [intə́ː(r)prət] : 「解釈する、解明する、説明する」
  • term [tə́ː(r)m] : 「期限、期間、間柄、仲」
❖ "For the ego regards ~ "「なぜなら、エゴは、現在を単に未来への短い過渡期と見なしているからであり、」"in which it brings ~ "「その現在において、エゴは過去を未来へ持ち込むのである」。"by interpreting the present ~ "「現在を、過去を引き継いだ期間と解釈することで」。つまりエゴは、現在は過去から未来への、単なる橋渡しのための期間だと考えて、現在のもつ意味や価値を認めないのである。
 
 
 

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