●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-13.V.8:1 ~ T-13.V.9:8

8. Vision depends on light. You cannot see in darkness. Yet in darkness, in the private world of sleep, you see in dreams although your eyes are closed.

  • Vision [víʒ(ə)n] : 「視覚、視力、見ること、見通し、展望」
  • depend [dipénd] on : 「〜に頼る、〜によって決まる、〜次第である」
  • light [láit] : 「光、明かり、可視光」
  • darkness [dɑ́ː(r)knəs] : 「暗さ、暗がり、暗闇」
  • private [práivət] : 「個人的な、個人の、私的な」
  • although [ɔː(l)ðóu] : 「〜だけれども、〜ではあるが」
  • closed [klóuzd] : 「閉ざされた、閉じた」
❖ "Vision depends ~ "「目に見えるということは光に依存する」。"You cannot see ~ "「暗闇の中で、あなたは見ることはできない」。"Yet in darkness ~ "「しかし、暗闇の中で、すなわち、眠りというプライベートな世界において、あなたの目は閉じられているにもかかわらず、あなたは夢の中で見る」。



And it is here that what you see you made. But let the darkness go and all you made you will no longer see, for sight of it depends upon denying vision.
  • let go : 「手を放す、解雇する」
  • no longer : 「もはや〜でない」
  • sight [sáit] : 「視界、景色、光景、視覚、視力」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
❖ "And it is here that ~ "ここは"it is ~ that ~ "の形の強調構文、「そして、あなたが、あなたが見るものを作った、というのはこのことである」。夢は、あなたの意思を離れた外部世界を客観的に見ているのではなく、あなたの無意識が見たいと望んだことを主観的に見ているに過ぎない。したがって、目という感覚器官を必要としない。"But let the darkness go ~ "「しかし、闇を払拭してしまえば、あなたは、あなたが作り上げたものをもはや見ることはないだろう」。"for sight of it ~ "「なぜなら、夢に見る光景は、(目という感覚器官に依存する)見方の否定に依存しているからだ」。見方の否定とは、目を閉じることで初めて見えてくる、ということ。つまり、夢を見ることを意味している。夢を見ることは、情景を目でとらえる本来の見方を否定しているかのようである。ここでは、日常の見方と夢の見方を比較しているのだが、もちろん、このことを踏まえて、さらに幻想の世界と実相の世界の見方に波及して行くわけである。



Yet from denying vision it does not follow you cannot see.
  • follow [fɑ́lou] : 「〜に続く、〜の次に来る」
❖ "Yet from denying ~ "「(目という感覚器官による)見方を否定したからと言って、」つまり、目を閉じてしまったからと言って、"it does not follow ~ "「あなたは見ることが出来なくなってしまうということは、続いて起きるわけではない」。ここの"it"は"you cannot see"のこと。つまり、目を閉じたからといって、見えなくなるということではない。目を閉じても心象風景は見えるし、夢も見ることができる。



But this is what denial does, for by it you accept insanity, believing you can make a private world and rule your own perception.
  • denial [dinái(ə)l] : 「否定、拒否、拒絶、否認」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • insanity [insǽnəti] : 「狂気、精神病、精神異常」
  • rule [rúːl] : 「統治する、支配する、指導する、指図する」
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、知見、見識、感じ方」
❖ "But this is what ~ "「しかし、これこそが、否定が成すことである」。"for by it you accept ~ "「なぜなら、否定によって、あなたは狂気を承認することになるからだ」。感覚器官で見ることを否定し、目を閉じてもものは見えるとは言え、そこに見えてくるものは心象風景であり、夢の世界である。すなわち、幻想を受け入れることにほかならない。幻想を信じるようでは、それは狂気である。"believing you can make ~ "分詞構文、理由、「あなたは、あなたがプライベートな世界を作ることが出来、あなた自身の知覚を統御できると信じているからだ」。なるほど、幻想というプライベートな世界を作ることも、その世界で見たいものを見、聞きたいものを聞く、つまり、知覚をコントロールすることもできると信じているかも知れないが、所詮、幻想は幻想である。幻想に対して、現実以上の存在感、価値を置くことは、まさに狂気の沙汰である。



Yet for this, light must be excluded. Dreams disappear when light has come and you can see.
  • exclude [iksklúːd] : 「〜を排除する、締め出す、〜を除く、除外する」
  • disappear [dìsəpíə(r)] : 「存在しなくなる、なくなる、消滅する、消失する」
❖ "Yet for this ~ "「しかし、このために、」つまり、プライベートな世界を作り、知覚をコントロールするために、"light must be ~ "「光は排除されなくてはならない」。光の世界では夢を見ることが出来ないから。つまり、幻想が許されないから。"Dreams disappear ~ "「光が戻り、あなたが見ることが出来るようになると、夢は消滅するのである」。



9. Do not seek vision through your eyes, for you made your way of seeing that you might see in darkness, and in this you are deceived.
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
  • that = so that : 「〜できるように、〜するため」
  • deceive [disíːv] : 「欺く、惑わす、だます、裏切る」
❖ "Do not seek vision ~ "「あなたの目を通して、(真実の)ヴィジョンを探し求めてはいけない」。"for you made your ~ "「なぜなら、あなたは、闇の中でも見えるように、あなたの探求の仕方を作ったのであり、あなたはそれに騙されているからだ」。あなたは目を見開いて実在するものを見ているように感じているかも知れないが、実は、幻想の世界で、つまり夢の中で、幻想の目を見開いて幻想の存在を見ているのに過ぎない。つまり、幻想という闇の中で、錯覚として、ものを見る方法を作りあげ、それに、あなたは騙されている。したがって、幻想に過ぎない目を通して真実のヴィジョンを探求しようとしてはいけない。心の目を通さなくてはいけないのだ。



Beyond this darkness, and yet still within you, is the vision of Christ, Who looks on all in light. Your "vision" comes from fear, as his from love.
  • Beyond [bi(j)ɑ́nd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を過ぎて」
  • within [wiðín] : 「〜の中で、〜以内で、〜のうちに」
  • fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
❖ "Beyond this darkness ~ "「この闇を越えたところに、」つまり、幻想の世界を越えたところに、夢の向こう側に、「とは言っても、まだあなたの(心の)内側ではあるが、キリストのヴィジョンがある」。"Who looks on ~ "「そして、キリストは光の中で、すべてを見ているのである」。"Your "vision" comes ~ "「あなたの『ヴィジョン』は恐れからやって来たものだが、キリストの『ヴィジョン』は愛からやって来たものである」。あなたの心の中の恐れが原因となって、幻想世界のヴィジョンが生まれたのであるが、キリストは愛の分かち合い、愛の拡張を願って実相世界のヴィジョンを我々に示そうとしている。



And he sees for you, as your witness to the real world. He is the Holy Spirit's manifestation, looking always on the real world, and calling forth its witnesses and drawing them to you.
  • for : 「〜の代わりに」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、証拠、証言」
  • real [ríː(ə)l] : 「実在する、現実の、本物の」
  • manifestation [mæ̀nəfistéiʃən] : 「現れ、顕現、明示」
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「常に、いつも」
  • call forth : 「〜を生じさせる、呼び起こす」
  • draw [drɔ́ː] : 「〜を引き付ける、引き寄せる、引き込む」
❖ "And he sees for ~ "「そして、キリストは、実相世界の、あなたの証人として、あなたの代わりに見てくれる」。あなたの心の中に住むキリストは、あなたがまだ自分で実相世界が見れないので、あなたに代わってその世界を見てくれる。そして、あなたが真実、実相世界の存在なのだと証言してくれるわけだ。つまり、エゴが実相世界では無であるのに対して、あなたという存在は幻想でも錯覚でもなく、あなたは実相世界の住人であるのだと、キリストが証言するのである。"He is the Holy Spirit's ~ "「キリストはホーリー・スピリットの顕現である」。ホーリー・スピリットが具体的な形をもたないのに対して、その象徴としてキリストが姿を顕現する。"looking always on ~ "「そして、キリストは常に実相世界を見ており、」"and calling forth ~ "「証人を呼び寄せては、あなたに彼らを引き寄せてくれる」。ここの部分は想像の域を出ないのだが、実相の世界にはあなたより一歩先に実相に目覚めた、つまり、悟りを開いた同胞達(神の子)がいるのである。神の子は一つであらねばならないから、悟りを開いたといってもそれで使命が果たせたわけではない。すべての神の子が悟りを開かねばならないのだ。そこで彼らは、まだ実相に目覚める前の同胞達の手助けをしなくてはならない。キリストは彼らに呼びかけ、まだ悟りを開いていないあなたの手助けをするように彼らをあなたの元に送るわけだ。したがって、ここで言う『証人』とは、あなたが実相に目覚めるべき存在であることの証人、そして、それを手助けする任務をもった実相世界の同胞と考えていいだろう。



He loves what he sees within you, and he would extend it. And he will not return unto the Father until he has extended your perception even unto him.
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内部に」
  • extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
  • return [ritə́ː(r)n] : 「戻る、帰る、返還する」
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、知見、見識、感じ方」
❖ "He loves what he ~ "「キリストは、あなたの内部に見るものを愛している」。あなたの心の正しい部分、あるいは神から継承した実在の機能をキリストは見て、それを愛している。間違っても、エゴの思考システムを愛しているわけではない。"and he would ~ "「そして、キリストはそれを拡張する」。あなたの心の正し部分、神から継承したものをキリストはあなたと分かち合う形になるので、それらは拡張する。"And he will not ~ "「キリストがあなたの知覚を神(の世界)へと拡張するまでは、キリストは父なる神の元へ引き返すことはないであろう」。知覚が活躍する場はこの幻想の世界である。しかし、この知覚はそのままでは実相世界を感知することは出来ない。しかし、知覚が修正され、正しい知覚が出来るにしたがい、この知覚は実在を、つまり、実相世界を次第に感知し始める。知覚の質は変化していき、真に実相世界の全貌を知覚できたとき、知覚は実相世界の叡智(knowledge)にまで成長する。叡智(knowledge)とは、仏教的な言い方をすれば般若(はんにゃ)ということになるか。したがって、本文は、キリストがあなたの知覚を神の世界まで拡張し、叡智(knowledge)へと質転換するまで、あなたの元を離れずにあなたを導いてくれる、ということになる。



And there perception is no more, for he has returned you to the Father with him.
  • no more : 「もはや〜しない」
  • return [ritə́ː(r)n] : 「〜を返す、戻す、返却する」
❖ "And there perception ~ "「そして、そこでは、知覚はもなや知覚ではない」。知覚は、実相世界で叡智(knowledge)に変身している。"for he has returned ~ "「なぜならば、キリストは彼と一緒にあなたを父なる神の元へ回帰させてくれるからだ」。こうして、あなたはキリストと共に神の元への回帰が果たせ、あなたの知覚は叡智へと生まれ変わるわけである。キリストはホーリー・スピリットの顕現であることから、一連の文章中のキリストをホーリー・スピリットに置き換えても文意は変わらないことに注意しておこう。
 
 
 

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