●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-17.II.2:1 ~ T-17.II.3:7

2. This loveliness is not a fantasy. It is the real world, bright and clean and new, with everything sparkling under the open sun.

  • loveliness [lʌ́vlinis] : 「愛らしさ、素晴らしさ」
  • fantasy [fǽntəsi] : 「想像、空想、幻想、白日夢」
  • real [ríː(ə)l] : 「実在的な、実質的な、現実の、実際の」
  • bright [bráit] : 「輝く、輝いている、光っている」
  • clean [klíːn] : 「汚れていない、きれいな」
  • sparkl [spɑ́ː(r)kl] : 「きらめく、輝く、火花を発する」
❖ "This loveliness ~ "「この愛らしさは空想ではない」。"It is the real ~ "「これが、実相世界なのだ」。" bright and clean and ~ "「陰ることない太陽のもと、すべてが輝き、その世界は、まばゆくクリーンで真新しいのだ」。ここは声に出して読んでみる部分。弱強五歩格無韻詩と言われるACIMのリズムや響きを楽しんでみるのも必要だろう。なぜなら、このACIMは語られたものであって、書かれたものでないからだ。ACIMを語ったというイエスの息使いを感じてみることは無駄ではない。生きる思想には、確かな息使いがあるのだ。



Nothing is hidden here, for everything has been forgiven and there are no fantasies to hide the truth.
  • hidden [hídn] : 「hideの過去分詞形.」
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
  • forgiven [fərɡívn] : 「forgive の過去分詞」
  • forgive [fə(r)gív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
❖ "Nothing is hidden ~ "「この実相世界では、何ものも隠されたりしない」。"for everything has ~ "「なぜなら、すべてが赦され、真実を隠そうとする空想などないからだ」。"everything has been forgiven"「すべてが赦される」とは、幻想のすべてが、それは実在しないと見抜かれて、消滅した、ということ。実相世界には真実しか存在し得ない。一元論世界であるから、真実は対立概念の虚偽を持たないのだ。したがって、真実を覆い隠すようなものは存在し得ない。



The bridge between that world and this is so little and so easy to cross, that you could not believe it is the meeting place of worlds so different.
  • bridge [brídʒ] : 「橋、橋梁、桟橋、掛け橋」
  • between A and B : 「AとBの間の」
  • easy [íːzi] : 「たやすい、やさしい、容易な、簡単な」
  • cross [krɔ́(ː)s] : 「〜を横断する、渡る」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • meeting place : 「出会いの場」
  • different [díf(ə)r(ə)nt] : 「相違する、違っている、異なる」
❖ "The bridge between ~ "ここは"so ~ that ~ "の構文、「あの世界とこの世界の間を結ぶ掛け橋は、かなり小さくて、渡るのに簡単であるから、」ここの"that world and this"は、もちろん、実相世界と幻想世界のこと。"hat you could not believe ~ "「あなたは、この橋が、まったく異なる世界の出会う場所だとは信じられないだろう」。簡単に言えば、真実の世界は遠い場所にあるのではない。今、ここで、その気になりさえすれば、実相世界への掛け橋はあなたの目の前に出現し、そして、その掛け橋を渡ることが出来るのである。



Yet this little bridge is the strongest thing that touches on this world at all.
  • strong [strɔ́(ː)ŋ] : 「強い、丈夫な、頑丈な」
  • touch [tʌ́t∫] on : 「〜にタッチする、〜について触れる」
  • at all : 「とにかく、仮にも、いやしくも」
❖ "Yet this little bridge ~ "「しかし、この小さな掛け橋こそ、いやしくもこの世界につながる最も強い橋なのである」。幻想世界と実相世界を結ぶ唯一の掛け橋は、小さくて頼りないように見えるかもしれないが、一番丈夫な橋である。つまり、確実に実在する橋である。



This little step, so small it has escaped your notice, is a stride through time into eternity, beyond all ugliness into beauty that will enchant you, and will never cease to cause you wonderment at its perfection.
  • step [stép] : 「歩み、一歩、階段、段」
  • escape [iskéip] : 「逃げる、〜を免れる、はぐらかす」
  • notice [nóutəs] : 「注意、注目」
  • stride [stráid] : 「歩幅、一またぎ、大股の足取り」
  • through [θruː] : 「〜を通り抜けて、経て、〜の中を通って」
  • eternity [itə́ː(r)nəti] : 「永遠、無限」
  • beyond [bi(j)ɑ́nd] : 「〜の域を越えて、〜を超越して、〜を越えて、〜の向こうに」
  • ugliness [ʌ́glinəs] : 「醜さ」
  • enchant [ent∫ǽnt] : 「〜を大いに喜ばせる、うっとりさせる、〜に魔法をかける、〜を魅了する」
  • cease [síːs] : 「〜をやめる、よす、中止する」
  • cause [kɔ́ːz] : 「〜を引き起こす、招く、〜の原因になる、〜を…にもたらす」
  • wonderment [wʌ́ndərmənt] : 「驚き、驚異、感嘆」
  • perfection [pə(r)fék∫n] : 「完全、完成 」
❖ "This little step ~ "「この小さな一歩は、小さ過ぎて気付きそこねるかも知れないが、時間という枠組みから永遠へと一またぎするものであり、」"beyond all ugliness into ~ "「すべての醜さを超越して、〜な美へと向かう一歩なのだ」。"that will enchant you ~ "「あなたを喜ばせると同時に、あなたがその完璧さに驚きを感じることを止めさせないような」美へと向かう一歩だ。あなたが目撃する世界は、真なる美の世界である。



3. This step, the smallest ever taken, is still the greatest accomplishment of all in God's plan of Atonement.
  • accomplishment [əkάmpliʃmənt] : 「業績、教養、才能、成就、偉業、成果、達成」
  • Atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い、補償」
❖ 掛け橋を渡るという"This step, the smallest ~ "「この一歩は、今までとられた一歩のうちで最も小さなものではあるが、」"is still the greatest ~ "「贖罪という神のプランの中で最も大きな成果である」。"God's plan of Atonement"「贖罪という神のプラン」とは、神の子に罪の意識は幻想であると認識させ、神の子を天の王国へ回帰させるプランのこと。そのプランの実現のために、実相世界への掛け橋を神は創造したのだが、その橋を渡る行為は、つまり、実相世界へ回帰する行為は、神の子の最も大きな成果なのだと言っている。簡単に言えば、実相世界へ回帰するために掛け橋を渡ることは、神の子にとって最も重要なことなのだ、ということ。



All else is learned, but this is given, complete and wholly perfect.
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • complete [kəmplíːt] : 「完全な、全くの」
  • wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • perfect [pə́ː(r)fikt] : 「完璧な、完全な」
❖ "All else is learned ~ "「その他のことは学ばれて知ることになろうが、これだけは与えられるのだ」。"complete and ~ "「完全な形で、全部が、与えられるのである」。確かに、橋の渡り方など、学ばなくてもいい。完全に安全な橋が与えられるだけでいい。あなたはその橋を渡るだけなのだ。これほど簡単なものとしてくれた誰か? 



No one but him who planned salvation could complete it thus. The real world, in its loveliness, you learn to reach.
  • plan [plǽn] : 「〜の計画を立てる、〜を計画する」
  • salvation [sælvéi∫n] : 「救出、救済、救い、救世」
  • complete [kəmplíːt] : 「完結する、完成する、達成する」
  • thus [ðʌ́s] : 「このようにして、こんなふうに」
  • loveliness : 「愛らしさ、素晴らしさ」
  • reach [ríːt∫] : 「〜に達する、〜に至る、〜に手を差し出す、差し伸べる、手を伸ばす」
❖ "No one but him who ~ "「救いを計画した神だけが、掛け橋をこのように完成できたのである」。"The real world ~ "「そして、愛らしい実相世界に、あなたは手を伸ばして触れることを学ぶのだ」。橋を渡って、実相世界に触れる、ということ。愛らしい実相世界とは、そこには愛と平和と喜びが満ちている、という意味。



Fantasies are all undone, and no one and nothing remain still bound by them, and by your own forgiveness you are free to see.
  • fantasy [fǽntəsi] : 「想像、空想、幻想、白日夢」
  • undone [ʌndʌ́n] : 「undo の過去分詞形」
  • undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
  • remain [riméin] : 「残る、残存する、とどまる、滞在する」
  • bound [báund] : 「bind の過去・過去分詞形」
  • bind [báind] : 「〜を縛る、結び付ける、〜を束縛する、拘束する」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • be free to : 「自由に〜できる、〜するのは勝手だ」
❖ 橋を渡って実相世界に入れば、"Fantasies are all ~ "「空想はすべて取り消され、」"and no one and ~ "「誰も、そして何も、もはや空想に縛られて居残ることはない」。"and by your own ~ "「あなた自身の赦しによって、あなたは自由にものを見ることが出来るのだ」。あなた自身の赦しとは、あなたが自分の意思で幻想は存在しないと認識すること。それによって、あなたは見る自由を手に入れるのだ。つまり、真実が見えてくる、ということ。真実が見えてくる視力とは何か? 叡智であろう。叡智しかあるまい。



Yet what you see is only what you made, with the blessing of your forgiveness on it.
  • bless [blés] : 「祝福する、清める、賛美する、感謝する」
❖ "Yet what you see ~ "「しかし、あなたが見ることの出来るものは、あなたが〜をして、作ったものだけである」。"with the blessing ~ "「赦しを与え祝福して、」作ったものだけである。あなたが作ったものをあなたが見るとは、あながた想念したものをあなたが見ることになる、という意味合い。だから、あなたが幻想したものをあなたはこの世界で見ているのだ。しかし、それは本当に見ているとは言えない。あなたが幻想を実在ではないと認識して、幻想を赦すことで、幻想は取り消され、初めて、純粋なあなたの想念が真に実在する諸現象を見ることが出来るようになるのである。したがって、この段階の「見る」とは、我々が日常的に知っている「見る」とは質がまったく違うと思っていい。それは何か? 



And with this final blessing of God's Son upon himself, the real perception, born of the new perspective he has learned, has served its purpose.
  • final [fáinl] : 「最後の、最終の、決定的な、確定的な」
  • blessing [blésiŋ] : 「祝福、恩恵、幸運、恵み」
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • born of : 「〜から生まれる、〜のもとに生まれる」
  • perspective [pə(r)spéktiv] : 「展望、物の見方、考え方、観点、視野」
  • serve [sə́ː(r)v] : 「役目をする、役目を果たす、役に立つ」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨」
❖ "And with this final ~ "「神の子が自分自身に与える、この最終的な祝福によって、」つまり、幻想を赦し、実相世界へ回帰した自分を祝福することによって、"the real perception, born ~ "「神の子が学んだまったく新しい視野から生まれた実相的知覚が、その目的を果たすのである」。幻想的視野から実相的視野に相転換して、そこから生まれた新しい知覚、つまり、実相世界の叡智(knowledge)が、いよいよ起動し始める、ということ。叡智の完成、すなわち、般若波羅蜜多(はんにゃはたみった)である。
 
 
 

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