●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-18.VI.5:1 ~ T-18.VI.6:8

5. Would you not have the instruments of separation reinterpreted as means for salvation, and used for purposes of love?

  • have [SVO done] : 「〜してもらう、〜させる」
  • instrument [ínstrəmənt] : 「手段、道具、器具、機器、計器」
  • separation [sèpəréi∫n] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • reinterpret [riintə́ː(r)prət] : 「〜を再解釈する」
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
  • salvation [sælvéi∫n] : 「救出、救済、救い、救世」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "Would you not have ~ "「あなたは、分離の道具を、救いのための手段に再解釈してもらい、愛の目的のために使ってもらいたいとは思わないだろうか」。"the instruments of separation"「分離のための道具」とは、肉体のこと。肉体は、幻想世界の分離を象徴する具象である。その肉体を利用して、ホーリー・スピリットに、肉体を救いのための道具に再解釈してもらい、真実の愛に近づけるために利用してもらうのである。たとえば、幻想世界の特別な愛の関係性を質転換し、実相世界の神聖な愛の関係性に発展させてもらうのだ。これが出来るのは、あなた個人ではなく、ホーリー・スピリットである。



Would you not welcome and support the shift from fantasies of vengeance to release from them?
  • welcome [wélkəm] : 「温かく迎え入れる、歓迎する、喜んで受け入れる」
  • support [səpɔ́ː(r)t] : 「〜を支える、支援する、援助する、支持する」
  • shift [∫íft] : 「交代、変更、変化、転換、推移、シフト」
  • fantasy [fǽntəsi] : 「想像、空想、幻想、白日夢」
  • vengeance [vén(d)ʒ(ə)ns] : 「復讐、仕返し、報復」
  • release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除、免除」
❖ "Would you not welcome ~ "「あなたは、復讐という空想から、復讐の解放へとシフトすることを歓迎し、支持したいと思わないだろうか」。"fantasies of vengeance"「復讐の空想」とあるが、特定の誰かに報復するという意味合いではなく、ここでは単に、"fantasies of attack"「攻撃という空想」と考えていいだろう。要するに、エゴ的な敵対心、攻撃心から解放してもらおう、ということ。これまた、ホーリー・スピリットの助力によらなくてはならない。あなた一人では荷が重過ぎて、不可能なのだ。なぜなら、あなたは幻想世界を夢見ている眠れる神の子であるからだ。



Your perception of the body can clearly be sick, but project not this upon the body.
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • clearly [klíə(r)li] : 「疑いもなく、明らかに」
  • sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な、調子が悪い」
  • project [prədʒékt] : 「〜を投影する、発射する、投げ出す」
❖ "Your perception of ~ "「あなたの、肉体の見方は、明らかに病的なものである可能性がある」。遠回しな言い方をしているが、はっきりと、あなたの肉体の見方は病的である、ということ。"but project not ~ "「しかし、そんな見方を、肉体の上に投射してはならない」。たとえば、肉体は病むものであるとか、肉体は死ぬものだとか、痛みを伴うものだとか、肉体は傷つけ得るものだとか、肉体は攻撃も出来、また攻撃され得るものだとか、そういう見方は病的であり、また、それを肉体の上に投射することで、実際に肉体がそのようになってしまうのである。肉体は幻想であるから、あなたの幻想の持ち方一つで、どのようにも変えられるのだ。



For your wish to make destructive what cannot destroy can have no real effect at all.
  • wish [wí∫] : 「願い、願望、希望」
  • destructive [distrʌ́ktiv] : 「破壊的な、破壊主義的な、有害な」
  • destroy [distrɔ́i] : 「破壊する、崩壊させる」
  • real [ríː(ə)l] : 「現実の、実際の、実在する」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない」
❖ "For your wish to make ~ "「なぜなら、破壊出来ないものを破壊しようというあなたの願望は、現実的な効果をまったく持ち得ないからだ」。前文との整合性が失われているかに見えるが、この文章は破壊出来ない実相的な心について述べたものであって、破壊出来る幻想的な肉体では、この文章の逆になるのだ。つまり、破壊可能なものを破壊したいとあなたが思えば、それは現実的な効果をもち、肉体は破壊され得る。だから、破壊的な見方、つまり病的な見方を肉体に投射してはいけない、となる。・・・いや、異なった解釈も可能かも知れない。つまり、肉体は幻想に過ぎず、破壊しようとしても、現実的には破壊出来ない、という意味かも知れない。夢の中の存在は、確かに夢の中では破壊可能かもしれないが、その破壊は単に夢の中だけのことで、実際は、夢から覚めれば、どこにも破壊は起きていないのだ。・・・このように、幻想世界に立って見た記述か、実相世界に立って見た記述か、ACIMの難解さは一筋縄では行かない。皆さんも、皆さんの視点に立って考えてもらいたい。私の解釈なんて、頭から無視していいのだ。原文である英文をとことん読み込むこと、そして、自分の直感に従うこと、これをACIMは求めている。



What God created is only what he would have it be, being his will. You cannot make his will destructive.
  • create [kriéit] : 「〜を創造する、〜を創り出す」
❖ "What God created is ~ "「神が創造したものは、ただ、神がそうあってほしいと望んだものだけなのである」。"being his ~ "分詞構文、理由、「それが、神の意思だからである」。"You cannot make ~ "「あなたは、神の意思を破壊的なものにすることは出来ない」。前文で、話の矛先が肉体から心に移っている。つまり、心は実相的にも破壊出来ないものだから、あなたが破壊したいという願望をもっても、全く現実的な効果はもたない、という意味合いであった。なぜ、肉体と異なって心が破壊不可能であるかという理由がここで述べられている。心は、神がそうあってほしいと意思して創造したものであり、永遠不変の属性を与えたのだから、神の意思に反して、心を破壊しようとしても、それは不可能だ、ということである。神の意思を破壊的にすることは決して出来ないのだ。そもそも、神には、破壊という概念がないのだから。この文章は、"You"が主語になっているが、正確には"Ego"エゴとすべきところであったろう。なぜなら、神の意思に反して、実相的な心を破壊したがっているのはエゴだけだから。



You can make fantasies in which your will conflicts with his, but that is all.
  • conflict [kənflíkt] : 「衝突する、争う、抵触する、対立する、矛盾する」
❖ "You can make fantasies ~ "「あなたは、あなたの意思が神の意思とコンフリクトを起こす空想を描くことは可能であるが、それだけの話である」。神の意思は破壊的でない。しかし、あなたは神の意思さえ破壊的になれると信じている。こんなコンフリクトを、あなたは起こすことは出来るが、それだけの話だ。神はまったく関知しない。独り相撲を取っているのはあなたであって、神はあなたと相撲などしない。



6. It is insane to use the body as the scapegoat for guilt, directing its attack and blaming it for what you wished it to do.
  • insane [inséin] : 「正気でない、精神障害の、非常識な」
  • scapegoat [skéipgòut] : 「身代わり、犠牲、他人の罪を負う者、いけにえ」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • direct [dərékt] : 「命令する、指図する」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • blame [bléim] : 「非難する、とがめる、責める、〜の責任にする」
❖ "It is insane to use ~ "ここは"It ~ to ~ "の構文、「肉体を、罪の意識のためのスケープゴートに使い、」。"directing its attack ~ "分詞構文、単純接続、「肉体の攻撃を指図しておきながら、」"and blaming it for ~ "「あなたが肉体にさせようとしたことで、その肉体を非難するのは、狂気の沙汰だ」。あなたは肉体を攻撃の道具として使う。肉体はあなたの命令を受けて、攻撃し、また、他者から攻撃されるだろう。その上、攻撃した肉体に、あるいは攻撃された肉体に、その攻撃の責任があると主張して、肉体を責めるのである。あなたの心の攻撃性のスケープゴートとして肉体を利用しているのだ。もちろん、あなたの陰にはエゴがいて、すべてを指図しているのだ。攻撃性の全責任を負うべきは、実はエゴなのである。そしてエゴを飼いならしたあなたである。



It is impossible to act out fantasies. For it is still the fantasies you want, and they have nothing to do with what the body does.
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない、無理な」
  • act [ǽkt] : 「演じる、行動する」
  • have nothing to do with : 「〜と関係がない、〜と無関係である」
❖ "It is impossible to ~ "「空想を現実化することは不可能だ」。空想はあくまで幻想である。空想が、実相世界で形として現れることはない。"For it is still ~ "「なぜなら、それは、依然として、あなたの欲する空想であり、」"and they have ~ "「空想は、肉体がすることと何の関係もないからである」。非常に難解である。解釈に悩む。空想は想念の一種と考えられるが、その想念は実現化可能の実相的想念ではなく、いわば疑似想念とでも言えるもので、実現化不可能の幻想的想念なのである。あなたは他者を憎んで、他者の肉体をあなたの肉体をもって攻撃させるだろうが、あなたの憎しみがそれで消えるわけではない。あなたの憎しみという空想は、実は、肉体のなすこととは無関係に存続し続けるのである。攻撃によって何も解決しないのはそのためである。逆に、肉体によっても何も解決しないのだ。空想を、幻想世界で見る夢と考えればいいだろう。つまり、二重に幻覚しているのだ。幻想も非現実であるなら、幻想世界で夢見る空想はさらに非現実である。



It does not dream of them, and they but make it a liability where it could be an asset.
  • dream [dríːm] : 「夢を見る」
  • dream of : 「〜の夢を見る、〜を夢見る」
  • liability [làiəbíləti] : 「負債、債務」
  • asset [ǽset] : 「長所、有用なもの、利点、価値のあるもの、貴重なもの、財産、遺産」
❖ "It does not ~ "「肉体は、空想を夢見ることはない」。空想を夢見るのは、エゴに毒されたあなたの心である。"and they but make ~ "「そして、空想は、肉体が有用であるにも関わらず、負なるものとしてしまうのだ」。あなたが肉体をホーリー・スピリットに委ねることが出来れば、ホーリー・スピリットは肉体を利用して実相世界に目覚めさせてくれるだろう。その意味では、肉体は実相的に有用である。しかし、エゴに毒された心は、憎悪という空想に明け暮れし、肉体を攻撃の道具としてだけ利用しようとする。まさに、負の利用と言えよう。もちろん、憎悪という空想を夢見ているのは肉体ではないのだ。エゴである。



For fantasies have made your body your "enemy"; weak, vulnerable and treacherous, worthy of the hate that you invest in it. How has this served you?
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
  • weak [wíːk] : 「弱い、劣っている、力がない、脆弱な」
  • vulnerable [vʌ́ln(ə)rəbl] : 「弱い、脆弱な、攻撃を受けやすい、傷つきやすい」
  • treacherous [trét∫(ə)rəs] : 「不誠実な、裏切りをする、当てにならない、信用できない、信頼できない」
  • worthy [wə́ː(r)ði] : 「〜に値する、〜するに足りる」
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • invest [invést] : 「〜を投資する、出資する、運用する」
  • serve [sə́ː(r)v] : 「〜に仕える、〜に役立つ」
❖ "For fantasies have ~ "「なぜなら、空想は、あなたの肉体をあなたの『敵』としてしまったからだ」。"weak, vulnerable and ~ "「肉体は弱々しく、傷つきやすく、信用出来るものではなく、」"worthy of the hate ~ "「投資出来るほどに、憎む価値があると思っている」。"How has this ~ "「こんなことが、あなたに役立つだろうか」。エゴに毒された心は、憎んだ他者を攻撃しても、さらに攻撃しても、心の憎悪を消してくれない肉体に腹を立てている。そして、何かというと病を患い、傷つきやすく、頼りにならない肉体を憎む。こんなエゴに毒された心と肉体の関係が、いったいあなたにとって、何の役に立つというのか。



You have identified with this thing you hate, the instrument of vengeance and the perceived source of your guilt.
  • identify [aidéntəfài] : 「〜を同一に扱う、同一視する」
  • hate [héit] : 「〜を憎む、〜をひどく嫌う」
  • instrument [ínstrəmənt] : 「道具、器具、機器、計器」
  • vengeance [vén(d)ʒ(ə)ns] : 「復讐、仕返し、報復」
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • source [sɔ́ː(r)s] : 「もと、源、起点、原因」
❖ "You have identified ~ "「あなたは、あなたの嫌うこんなものに自己同一化してきたのだ」。あなたは、自分自身を肉体そのものと思ってきた。"the instrument of ~ "「それは、復讐の道具であり、気付けば罪の意識の源なのである」。肉体は攻撃性の道具となり、同胞との分離の象徴として知覚される。分離の象徴を必要としたのは、あなたの罪の意識である。



You have done this to a thing that has no meaning, proclaiming it to be the dwelling place of God's Son, and turning it against him.
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
  • proclaim [proukléim] : 「公表する、宣言する、宣告する、公言する」
  • dwell [dwél] : 「住む、居住する」
  • dwelling place : 「居所、住居」
  • turn against : 「〜に敵対させる」
❖ "You have done this ~ "「あなたは、何の意味も持たないものに対して、こんなことをしてきたのだ」。幻想に過ぎない肉体に対して、攻撃の道具であり、罪の意識の源であるなど、まさにスケープゴートとして肉体を扱ってきた。"proclaiming it to be ~ "分詞構文、付帯状況、「そして、肉体こそが神の子の住家であると宣言し、」つまり、肉体にアイデンティティを求め、"and turning it ~ "「同時に、肉体を神の子と敵対させているのである」。つまり、肉体を最も嫌ってきたのである。したがって、あなたが求めなくてはならないものは、エゴと肉体の逆のもの、つまり、ホーリー・スピリットと心、なのである。幻想のエゴと肉体から解放され、実相のホーリー・スピリットと心に回帰すること、それがACIMの最大のテーマなのだ。
 
 
 

Notification

自分の写真


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp