●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-18.VIII.3:1 ~ T-18.VIII.4:6

3. Within this kingdom the ego rules, and cruelly. And to defend this little speck of dust it bids you fight against the universe.

  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜以内で」
  • kingdom [kíŋdəm] : 「王国、王領」
  • rule [rúːl] : 「統治する、支配する、牛耳る」
  • cruelly [krúːəli] : 「残酷に、むごく、意地悪く、無情にも」
  • defend [difénd] :「〜を守る、防衛する」
  • speck [spék] : 「少量、小片、小粒、ちり」
  • dust [dʌ́st] : 「ほこり、ちり、煤塵、粉塵、塵埃」
  • bid [bíd] : 「命じる、命令する、指示する」
  • fight [fáit] : 「戦う、競う、格闘する」
  • universe [júːnəvə̀ː(r)s] : 「宇宙、銀河、全世界、全人類」
❖ "Within this kingdom ~ "「この王国の中においては、エゴが支配するのだ」。"and cruelly"「しかも、残酷に」。"And to defend this little speck ~ "「そして、この小さな塵芥(ちりあくた)を守るために、エゴはあなたに、宇宙に対抗して戦うように命ずる」。この小さな塵芥(this little speck of dust)が、エゴの支配するこの幻想世界であり、宇宙(the universe)が、神の住む天の王国、実相世界である。



This fragment of your mind is such a tiny part of it that, could you but appreciate the whole, you would see instantly that it is like the smallest sunbeam to the sun, or like the faintest ripple on the surface of the ocean.
  • fragment [frǽgmənt] : 「破片、断片、かけら、小部分」
  • tiny [táini] : 「とても小さい、ちっぽけな、極めて小さな」
  • part [pɑ́ː(r)t] : 「一部、部分、部品、パーツ」
  • appreciate [əpríː∫ièit] : 「〜を正しく評価する、〜の良さが分かる、真価を認める」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
  • instantly [ínst(ə)ntli] : 「すぐに、すぐさま、一瞬にして」
  • sunbeam [sʌ́nbìːm] : 「日光、太陽光線」
  • faint [féint] : 「かすかな、弱々しい」
  • ripple [rípl] : 「さざ波、波紋」
  • surface [sə́ː(r)fəs] : 「表面、面、水面」
  • ocean [óu∫n] : 「大洋、大海」
❖ "This fragment of ~ "ここは"such ~ that ~ "の構文、「この、あなたの心の断片は、心(全体)の、あまりに小さな部分に過ぎないので、」"could you but appreciate ~ "ここは仮定法、" if you could but appreciate ~ "の"if"が省略されたために"could you"と倒置されている、「もし、あなたが(心の)全体性を正しく評価出来れば、」"you would see instantly ~ "「あなたはthat以下をすぐに理解するだろう」。"that it is like ~ "「(エゴの支配する心の小さな領域は、) 太陽に対する、(雲間から漏れた)たった一条の光線のようなものでしかなく、」"or like the faintest ~ "「あるいは、大海原の海面に生じた消え入りそうなさざ波に過ぎないのだ」。あなたの心は全宇宙を包括しており、エゴが支配するあなたの心の領域は、それに比べると無にも等しい。そんな、無にも等しいエゴの占領国家に、あなたの心の大半が支配されているわけだ。



In its amazing arrogance, this tiny sunbeam has decided it is the sun; this almost imperceptible ripple hails itself as the ocean.
  • amazing [əméiziŋ] : 「驚くべき、驚くような、驚くほどの、すごい」
  • arrogance [ǽrəg(ə)ns] : 「尊大、横柄、傲慢」
  • decide [disáid] : 「〜しようと決心する、〜だと決定する」
  • almost [ɔ́ːlmoust] : 「ほとんど、九分どおり、大体」
  • imperceptible [ìmpə(r)séptəbl] : 「感知できない、微小な、わずかの」
  • hail [héil] : 「〜を認める、称賛する」
  • hail oneself as : 「自らが〜であることをアピールする」
❖ "In its amazing ~ "「その傲慢さに驚くのだが、」"this tiny sunbeam has ~ "「この小さな一条の光は、自らを太陽だと決めてしまったのである」。"this almost imperceptible ~ "「ほとんど無にも等しいさざ波は、自らを大海原であると称賛する」。もちろん、傲慢で、自己称賛しているのはあなたではなく、あなたの心の一部を支配しているエゴである。あたかも歴史上で名を馳せた独裁者のイメージではないか。



Think how alone and frightened is this little thought, this infinitesimal illusion, holding itself apart against the universe.
  • alone [əlóun] : 「独りで、ただ〜だけで」
  • frightened [fráitnd] : 「脅えた、怖がって、驚いた」
  • thought [θɔ́ːt] : 「考え、見解、思考、思索、熟考」
  • infinitesimal [ìnf(ə)nətésəml] : 「微小の、非常に小さい、微量の」
  • illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • hold oneself : 「動かずにじっとしている」
  • apart [əpɑ́ː(r)t] : 「 離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
  • against [əgénst] : 「〜に逆らって、〜にそむいて、反抗して」
  • universe [júːnəvə̀ː(r)s] : 「宇宙、銀河、全世界」
❖ "Think how alone and ~ "「この小さな思考、この極微の幻想が、いかに孤独で脅えたものであるか、考えてみなさい」。エゴ、あるいはエゴの思考システム、エゴの王国が、いかに惨めで戦々恐々としているか、考えてみなさい。"holding itself apart ~ "分詞構文、理由、「宇宙に反抗して、(宇宙から)遠く離れ、自らを維持しているのだから」。無限の実相世界に反旗を翻して、このエゴは、小さな王国の君主の座に必死でしがみついているのだ。



The sun becomes the sunbeam's "enemy" that would devour it, and the ocean terrifies the little ripple and wants to swallow it.
  • become [bikʌ́m] : 「 〜になる」
  • sunbeam [sʌ́nbìːm] : 「日光、太陽光線」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
  • devour [diváuə(r)] : 「むさぼり食う、ガツガツ食べる、破滅させる」
  • ocean [óu∫n] : 「大洋、大海」
  • terrify [térəfài] : 「脅かす、怖がらせる、恐れさせる」
  • ripple [rípl] : 「さざ波、波紋」
  • swallow [swɑ́lou] : 「〜を飲み込む、吸収する、合併する」
❖ "The sun becomes ~ "「(エゴにとっては、) 太陽は、その一条の光をかき消そうとする『敵』となるだろうし、」"and the ocean terrifies ~ "「大海原は、小さなさざ波に脅威を与えて、それを呑み込もうとする」。だから、エゴは必死になってあなたを幻想世界に留めおこうとするのである。あなたが幻想を捨ててしまったら、その瞬間に幻想のエゴも消滅してしまうからだ。



4. Yet neither sun nor ocean is even aware of all this strange and meaningless activity.
  • neither [níːðə(r)] A nor B : 「AもBも〜ない」
  • be aware of : 「〜を承知している、〜に気付いている、〜を知っている」
  • strange [stréin(d)ʒ] : 「奇妙な、変わった、変な、見知らぬ」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無益な、価値のない、無意味な、無価値の」
  • activity [æktívəti] : 「活動、行動、活発、取り組み、営み、働き」
❖ "Yet neither sun nor ocean ~ "「しかし、太陽も大海原も、この奇妙で意味のない活動をまったく感知さえしていない」。大海原は、さざ波が立ったくらいでは、その存在に気付くこともなければ、太陽は、雲間から漏れた一条の光など、その存在すら感知しない。同様に、実相世界である天の王国は、ちっぽけなエゴの王国など、目にも入らないのだ。



They merely continue, unaware that they are feared and hated by a tiny segment of themselves.
  • merely [míə(r)li] : 「ただ単に、単に」
  • continue [kəntínjuː] : 「続いている、延びている、歩みを続ける」
  • unaware [ʌ̀nəwéə(r)] : 無意識の、気付かない、知らない
  • fear [fíə(r)] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • hate [héit] : 「〜を憎む、〜をひどく嫌う」
  • segment [ségmənt] : 「部分、区分、断片、切片」
❖ "They merely continue ~ "「太陽も大海原も、単に存在し続けるだけである」。"unaware that ~ "分詞構文、先頭に"being"を補うといい、付帯状況、「太陽も大海原も、自らの小さい断片によって、脅かされ嫌われていることさえ感知しないのである」。相手にさえしないのだ。当然、神はエゴを相手にさえしない。



Even that segment is not lost to them, for it could not survive apart from them.
  • segment [ségmənt] : 「部分、区分、断片、切片」
  • lost [lɔ́(ː)st] : 「lose の過去・過去分詞形」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす、遺失する」
  • survive [sə(r)váiv] : 「生き残る、生き延びる、存続する」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として、〜はさておき」
❖ "Even that segment is ~ "「(一条の光もさざ波も)そんな断片は、太陽や大海原にとっては、損失でも何でもない」。"for it could not survive ~ "「一条の光もさざ波も、太陽や大海原から離れては存在さえ出来ないのだから」。



And what it thinks it is in no way changes its total dependence on them for its being.
  • in no way : 「少しも〜ない」
  • change [t∫éin(d)ʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
  • total [tóutl] : 「完全な、全くの、全部の、すべての、全体の、全面的な」
  • dependence [dipénd(ə)ns] : 「依存、依存関係」
❖ "And what it thinks ~ "直訳すると、「(一条の光やさざ波という)断片が、自分を何であると考えているかは、断片が存在するために太陽や大海原に全面的に頼る依存性を変えることはない」。一条の光やさざ波が、太陽や大海原を、嫌おうが脅そうが、自分をどう思おうが、太陽と大海原に完全依存している事実は変化のしようがない。同様に、エゴも、神に楯突こうがホーリー・スピリットを憎もうが、エゴ自身をどう思おうが、幻想のエゴが心の投射に全面依存している事実に変化はない。エゴは、眠りについた神の子の心の、ちょっとしたさざ波に過ぎないのである。



Its whole existence still remains in them. Without the sun the sunbeam would be gone; the ripple without the ocean is inconceivable.
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
  • existence [igzístns] : 「存在、生存)、現存、実存、実在」
  • remain [riméin] : 「とどまる、滞在する、残る、残存する」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜がなければ、〜でなければ」
  • gone [gɔ́(ː)n] : 「go の過去分詞形」
  • inconceivable [ìnkənsíːvəbl] : 「信じられない、想像もできない、考えも及ばない」
❖ "Its whole existence ~ "「(一条の光やさざ波という)断片の全存在は、今も、太陽や大海原に依存している」。"Without the sun ~ "「太陽がなければ、(雲間から漏れる)一条の光は消えてしまうだろうし、」"the ripple without ~ "「大海原がなかったら、さざ波など、想像も出来ないだろう」。エゴも、神の子の心の幻想性に依存していることは、さざ波と変わらない。神の子が眠りから覚めれば、エゴは完全に消滅してしまうのだ。では、エゴから解放されるためには、目覚めることが一番ではないか。
 
 
 

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