●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-18.VII.3:1 ~ T-18.VII.4:11

3. At no single instant does the body exist at all. It is always remembered or anticipated, but never experienced just now.

  • single [síŋgl] : 「ただ一つの、たった一つの、単独の」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • exist [igzíst] : 「存在する、生きている、生存する、存続する」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、常に」
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • anticipate [æntísəpèit] : 「予想する、予期する、見込む、期待する」
  • experience [ikspí(ə)riəns] : 「〜を経験する、〜を体験する」
  • just now : 「今すぐ、たった今、ちょうど今」
❖ "At no single instant does ~ "「ほんの一瞬たりとも、肉体は全く存在していないのだ」。"It is always remembered ~ "「肉体は常に思い出され、予期されるのであるが、この瞬間に経験されることは決してない」。どう解釈したらいいだろうか、非常に難解だ。肉体は単なる幻想に過ぎないから、まったく存在していないという記述は理解出来る。しかし、第二の文章の意味が難しい。そこで、肉体が幻想された理由から考えなおしてみよう。罪の意識が発端であった。神の子が神から分離し、神を裏切ったことで罪の意識を感じたのである。これは過去形である。そして、その罪ゆえに、神はいつかは神の子を罰するだろうという恐れを感じるようになった。これは未来形である。その罪の意識と罰への恐れの重圧に耐えきれなくなって、神の子は自己を乖離し、幻想世界を心の外部に投射した。そこに肉体をもった自分を幻想したのである。ということは、肉体と罪の意識、罰への恐れは表裏一体だということになる。そこで、本文の、肉体を経験するとは、罪の意識を生み出し、神の罰を受ける、という意味に捉えればいいことになる。したがって、罪の意識を生み出したのは過去であり、神の罰を受けるのは未来である。現在はその、ちょうど中間の空白時点であり、肉体は経験されていない、ということになる。言い換えれば、神の子は罪と罰から逃避するために、時間という幻想を作り出し、その罪と罰を過去と未来に振り分けて、現在という空白を作って安心した気持ちなっているのだ。



Only its past and future make it seem real. Time controls it entirely, for sin is never wholly in the present.
  • past [pǽst] : 「過去、昔」
  • future [fjúːt∫ə(r)] : 「未来、将来」
  • seem [síːm] : 「〜のように見える、〜するように思われる」
  • real [ríː(ə)l] : 「現実の、実際の、本物の、実在的な」
  • control [kəntróul] : 「支配する、管理する、規制する、コントロールする、制御する」
  • entirely [entáiə(r)li] : 「全く、完全に、全体に、ひたすら、もっぱら」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • wholly [hóu(l)] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • present [préznt] : 「今、現在」
❖ "Only its past and future ~ "「肉体の過去と未来だけが、肉体を現実的なものに見せているだけだ」。過去において、罪の意識ゆえに肉体を幻想せざるを得なかったこと、その罪ゆえに、未来において肉体的な罰を受けなくてはならないと信じ込んでいること、この二つが、肉体が現実的にもつ意味のすべてである。未来の罰、とは書いたが、未来の贖罪と考えてもいいだろう。"Time controls it ~ "「時間が肉体をコントロールしているのである」。肉体は時間依存しているのである。過去と未来に、肉体のもつ現実性を分離し、現在というこの瞬間を空白にしておくのだ。肉体をそのように制御するために、時間を幻想したのである。"for sin is never ~ "「なぜなら、罪は完全に、この現時点に存在するものではないからだ」。罪の意識は過去に発生したものであり、現在は、罪は完了した事象として記憶にとどまっているだけであるから、現実的に罪が今現在存在しているとは言い難い。



In any single instant the attraction of guilt would be experienced as pain and nothing else, and would be avoided.
  • attraction [ətrǽk∫n] : 「引き付けるもの、引力、魅力、誘引」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
  • else [éls] : 「そのほかの」
  • avoid [əvɔ́id] : 「避ける、回避する、逃れる、敬遠する」
❖ "In any single instant ~ "ここは仮定法過去完了、先頭に"If"を補って考えるといい、「もし、いかなる瞬間においても、罪への魅力が、痛みとして経験され、それ以外のものとして経験されたのではないなら」。"and would be ~ "「罪への魅力は回避されたであろう」。もし、罪が肉体的な痛みとして認識されたなら、こんなにいつまでも罪の意識を過去時制にとどめ置いて、温存しておくことはなかったろう。しかし、罪は、いわば時間のトリックを用いて一時中断、サスペンドされてしまったのである。"the attraction of guilt"「罪の魅力」と言ってはいるが、むしろ、「罪の魔力」と言った方が的確かもしれない。なぜなら、罪の意識を払拭したいと望む心に、その逆の行為である罪の温存を望ませたのだから、これはエゴの魔力の仕業と考えた方が適当だからだ。



It has no attraction now. Its whole attraction is imaginary, and therefore must be thought of in the past or in the future.
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
  • imaginary [imǽdʒənèri] : 「想像上の、架空の、空想の」
  • therefore [ðéə(r)fɔ̀ː(r)] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • future [fjúːt∫ə(r)] : 「未来、将来」
❖ "It has no ~ "「罪は、今や、魅力をもってはいない」。罪の意識が幻想であると認識した今となっては、罪は何の魅力ももたない。絵に描いた餅ならぬ、絵に描いた罪に過ぎない。罪は、神の子が勝手に想像し、幻想し、偽創造したものなのだ。"Its whole attraction ~ "「罪への魅力、その全体は、想像されたものに過ぎない」。エゴは、時間をトリックに使って、あなたを罪の意識に止めおく作戦を実行しているのだが、しかし、その魔術さえ幻想に過ぎない。すべて、あなたが想像し、空想したものである。"and therefore must ~ "「したがって、過去や未来において考えられるべきものなのだ」。幻想に過ぎないものを、現在という実在の瞬間に持ち込んで考える必要はない。幻想なるものは、これまた幻想に過ぎない過去や未来に任せておけばいいのだ。つまり、夢の中の事件を目が覚めてから解決しようとしなくてもいいのであって、夢の中の事件は夢の中で解決するに任せておけばいいのだ。実相世界に目覚めたなら、もはや幻想世界に関わることはすべて中止していいのである。目の前の実相世界だけに目を向ければいい。振り返って、幻想世界を見る必要が何処にあろうか。



4. It is impossible to accept the holy instant without reservation unless, just for an instant, you are willing to see no past or future.
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • without [wiðáut] : 「~なしで、~を持たないで、~なしに」
  • reservation [rèzə(r)véi∫n] : 「差し控えること、留保、遠慮すること」
  • without reservation : 「無条件で、率直に」
  • unless [ənlés] : 「~でない限り、~である場合を除いて」
  • for an instant : 「ちょっとの間、ほんの束の間」
  • be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する、〜に前向きである」
❖ "It is impossible to accept ~ "ここは"It ~ to ~ "の構文、「〜でない限り、何のためらいもなく聖なる瞬間を受け入れることは不可能である」。"unless, just for an instant, you ~ "「ほんの一瞬でも、あなたが過去も未来も目にするまいと思わない限り、」何のためらいもなく聖なる瞬間を受け入れることは不可能である。つまり、過去も未来も存在していないと受け入れることが出来ない限り、現在のこの一瞬を聖なる瞬間に変えることは出来ないのだ。



You cannot prepare for it without placing it in the future. Release is given you the instant you desire it.
  • prepare [pripéə(r)] : 「用意する、準備する、覚悟する」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける」
  • release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除、免除」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • the instant : 「〜するやいなや」
  • desire [dizáiə(r)] : 「〜を望む、希望する、欲する」
❖ "You cannot prepare for ~ "「あなたは、聖なる瞬間を未来に設定することなしに、聖なる瞬間に対して心の準備をすることは出来ない」。つまり、聖なる瞬間に対して心を覚悟させようとするとき、あなたは決まって聖なる瞬間を未来に設定してしまい、今現在こそその時だ考えることが出来ないのだ。"Release is given ~ "「解放は、あなたがそれを望む瞬間に、あなたに与えれるものなのだ」。しかし、あなたは、聖なる瞬間を未来に得ようとして、現在、今この瞬間にそれを得ようとはしない。長々と準備に時間をかけようとするのである。



Many have spent a lifetime in preparation, and have indeed achieved their instants of success.
  • spent [spént] : 「spend の過去・過去分詞形」
  • spend [spénd] : 「使う、費やす、浪費する」
  • lifetime [láiftàim] : 「生涯、一生、一生涯、生存期間」
  • preparation [prèpəréi∫n] : 「用意、準備、支度、心構え、覚悟」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも、実際に」
  • achieve [ət∫íːv] : 「獲得する、得る、し遂げる、達成する、成就する」
  • success [səksés] : 「成功、合格、大当たり、上首尾、上出来、幸運」
❖ "Many have spent ~ "「多くの人たちが、準備のために生涯を費やしてきた」。聖なる瞬間を未来に設定し、その準備に生涯を費やしてきた。"and have indeed ~ "「そして、確かに、成功の瞬間を勝ち得たこともあったろう」。たとえば、悟りのため、解脱のために厳しい修業に生涯を捧げ、ある者は、悟りに成功し、聖なる瞬間をものに出来たであろう。その生き方は誤りではない。しかし、唯一の正しい生き方でもない。



This course does not attempt to teach more than they learned in time, but it does aim at saving time.
  • attempt [ətém(p)t] : 「〜しようと努力する、〜を試してみる、〜を企てる」
  • attempt to : 「〜しようと試みる」
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • aim at : 「〜を目指す、〜に狙いを定める、〜を得ようとする」
  • save [séiv] : 「省く、 〜を節約する」
❖ "This course does ~ "「この奇跡のコース(ACIM)は、彼らが時間をかけて学んだもの以上を教えることを試みようとしてはいない」。"but it does aim ~ "「しかし、時間の短縮は目指している」。ACIMを学ぶことは、実相世界に目覚めるための時間の節約になる。ACIMは、いわば、悟りのための短期間実践講座なのだ。一生涯をかけた厳しい修業を必要としない。



You may be attempting to follow a very long road to the goal you have accepted.
  • follow [fɑ́lou] : 「追う、ついて行く、〜に従う、追随する」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの、着点」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
❖ "You may be attempting ~ "「あなたは、あなたが受け入れた目標に向かう、とても長い道を辿ろうとしているかもしれない」。あなたは、多くの先人達にならって、自分も、生涯をかけた修業の長い道のりを歩もうとしているかもしれない。



It is extremely difficult to reach Atonement by fighting against sin.
  • extremely [ikstríːmli] : 「極度に、極めて、非常に、すこぶる」
  • difficult [dífikʌ̀lt] : 「難しい、困難な、難解な、厳しい」
  • reach [ríːt∫] : 「〜に達する、〜に至る」
  • Atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い、補償」
  • fight [fáit] : 「戦う、競う、格闘する」
  • fight against : 「〜と戦う」
❖ "It is extremely difficult ~ "ここは"It ~ to ~ "の構文、「罪の意識と戦うことによって、贖罪に到達しようとすることは、極めて困難なことである」。自分の心の中の罪の意識と格闘し、それを制覇して贖罪に至ろうとする試みは、非常に困難である。むしろ、不可能である、と言いたいのだろう。



Nor is a lifetime of contemplation and long periods of meditation aimed at detachment from the body necessary.
  • nor [nɔː(r)] : 「そしてまた〜ない、〜もまた〜でない 」
  • contemplation [kὰntəmpléiʃən] : 「沈思、黙考、熟考、熟視、熟慮 」
  • period [pí(ə)riəd] : 「期間、時期」
  • long period : 「長期」
  • meditation [mèditéi∫n] : 「瞑想、黙想、熟慮」
  • aim [éim] : 「狙う、目指す、目的とする」
  • detachment [ditǽtʃmənt] : 「脱離、剥離」
  • necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
❖ "Nor is a lifetime of ~ "「生涯、沈思黙考して過ごすことも、肉体から解脱することを目指して長期間瞑想することも、同様に、必ずしも必要ではない」。そうしてはいけないと言っているのではない。静かに考えることも、しばし静寂の中で瞑想することも、それはそれでいいのだが、それだけに心を集中し過ぎて、今この時に聖なる瞬間を獲得出来るという奇跡を忘れてしまうことを警告しているのである。



All such attempts will ultimately succeed because of their purpose.
  • attempt [ətém(p)t] : 「試み、企て」
  • ultimately [ʌ́ltəmətli] : 「結局、最後に、ついに」
  • succeed [səksíːd] : 「成功する」
  • because of : 「〜のために、〜のせいで」
❖ "All such attempts will ~ "「そういった試みのすべては、目的(が実相的であるが)ゆえに、究極的には成功するであろう」。悟りは開かれるだろうが、なにしろ、その労力と時間がかかり過ぎる。



Yet the means are tedious and very time consuming, for all of them look to the future for release from a state of present unworthiness and inadequacy.
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
  • tedious [tíːdiəs] : 「つまらない、退屈な、飽き飽きする」
  • consume [kəns(j)úːm] : 「〜を消費する、費やす、消耗する」
  • future [fjúːt∫ə(r)] : 「未来、将来」
  • release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除、免除」
  • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
  • present [préznt] : 「現在の、今の、目下の、当面の」
  • unworthiness [ʌnwə́ː(r)ðinis] : 「価値のないこと、値打ちのないこと」
  • inadequacy [inǽdikwəsi] : 「不適切、不十分、力不足、不足、不適当、不備」
❖ "Yet the means are ~ "「しかし、その方法たるや退屈であり、とても時間がかかり過ぎるのだ」。"for all of them ~ "「なぜなら、その多くは、現在の無価値感や不足感の状態から解放されようとして、未来ばかりを見ているからだ」。今、厳しい修業を積めば、未来には明るい解放が待っていると言い聞かせることで、長くて退屈な修業に耐えていくのである。しかし、未来に希望を託す余り、現在という時をないがしろにしてしまうのだ。なぜなら、現在にこそ、この瞬間にこそ、真の解放は存在するのだから。
 
 
 

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