●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-23.II.13:1 ~ T-23.II.14:8

13. Never is your possession made complete. And never will your brother cease his attack on you for what you stole.

  • possession [pəzéʃən] : 「所有、所持、占有、所有権」
  • make : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
  • complete [kəmplíːt] : 「全部そろった、完全な、全部の」
  • cease [síːs] : 「〜をやめる、よす、中止する」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • stole [stóul] : 「steal の過去形」
  • steal [stíːl] : 「盗む、盗み取る」
❖ "Never is your possession ~ "「あなたの所有は、決して完結することはない」。奪って手に入れても、満足感は長続きせず、すぐに、また何かが欲しくなる。また、あなたが他者から奪えば、当然、他者はあなたから奪おうとし、"And never will your ~ "「あなたが盗んだために、同胞はあなたへの攻撃を止めることはないだろう」。いわば、奪い奪われの争奪戦が繰り広げられるわけだ。



Nor will God end His vengeance upon both, for in His madness He must have this substitute for love, and kill you both.
  • vengeance [véndʒəns] : 「復讐、仕返し、報復」
  • both [bóuθ] : 「両方、双方」
  • madness [mǽdnəs] : 「狂気、熱狂、熱中」
  • substitute [sʌ́bstətjùːt] : 「代わりのもの、代用品、代替」
  • kill [kíl] : 「殺す、葬る、始末する」
❖ "Nor will God end ~ "「神は、二人への報復を終わらせることはないだろう」。"for in His madness ~ "「なぜなら、神は狂気の中にあって、愛に代わるものを持つに違いないし、あなたと同胞の両者を殺すだろうからだ」。もちろん、ここで語られている『神』は、実相的な真実の神ではない。幻想の中で奪い奪われしているあなたと同胞の目から見たときの神の姿である。幻想の神の姿だ。神を裏切って罪を背負ったあなたと同胞を、神は罰するであろうし、復讐するであろう。狂気の中で怒り狂って、あなたと同胞を殺すであろう。神自身が、愛に代わる虚無主義を持とうとするだろう。つまり、愛を捨て、憎悪に燃え上がるのだ。こんな神の虚像を、あなたと同胞は抱いてしまうのだ。



You who believe you walk in sanity with feet on solid ground, and through a world where meaning can be found, consider this: These are the laws on which your "sanity" appears to rest.
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • walk [wɔ́ːk] : 「歩く、歩行する」
  • sanity [sǽnəti] : 「正気、健全さ」
  • feet [fíːt] : 「foot の複数形」
  • foot [fút] : 「足」
  • solid [sɑ́ləd] : 「硬い、頑丈な、確固とした、揺るぎない」
  • ground [gráund] : 「地面、地べた、地盤、土地、用地」
  • through [θruː] : 「〜を通り抜けて、経て、〜の中を通って」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、目的、意図」
  • found [fáund] : 「find の過去・過去分詞形」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
  • consider [kənsídər] : 「〜と考える、〜を考慮する」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規、法令」
  • appear [əpíər] : 「〜のように見える、〜と思われる」
  • rest [rést] : 「ある、置かれている」
❖ "You who believe you ~ "「堅固な大地を両足で踏みしめながら、正気さを保って歩いていると信じているあなたは、」"and through a world ~ "「そして、意味が見つかる可能性をもった世界を渡り歩いていると信じているあなたは、」"consider this ~ "「次のように考えている」。"These are the laws ~ "「これこそが、あなたの『正気さ』が宿るかにみえる法なのだ」と。確実に存在するのは、この世界の物質であり、その物質とともに存在する自分は確実に正気であると、あなたは思っている。神とか愛とか真実とか、目にも見えないものを廃して、目に見える確実さだけを世界は提示してくれるし、そこにこそ意味がある。そういう、明白なもので作り上げられる法こそが、意味のある確実な法なのだ。これがあなたの主張であり、あなたの背後であなたを操っているエゴの思考である。



These are the principles which make the ground beneath your feet seem solid. And it is here you look for meaning.
  • principle [prínsəpl] : 「原則、原理、公理、原論、法則、方式」
  • beneath [biníːθ] : 「〜の真下に、〜のすぐ下に」
  • solid [sɑ́ləd] : 「固体の、固形の、硬い、頑丈な」
  • look for : 「〜を探す」
❖ "These are the principles ~ "「これらは、あなたの足下の大地を固く見せる原理である」。あなたは、本当は幻想の中で夢を見、いわば、錯覚の中にふわふわ浮いているような存在なのだ。しかし、その夢こそが現実だと主張するとき、あたかもあなたは、堅固な大地に立っている自分を錯覚するのである。幻想を実在と主張する原理が、あなたを、堅固に存在するかに見えるこの世界に留め置くのである。"And it is here you ~ "「そして、こここそが、あなたが意味を見いだせる場所だとするのである」。神や愛や真実などの抽象概念の中に、生きる意味を求めても意味はない。この大地、完璧なほどの具象の中にこそ、あなたの命の意味はある。それを、この世界で見つけられるはずなのだ。なぜなら、この世界以外に、天の王国など存在するはずもなく、それは単なる希望という名の作り事なのだから。こういう、エゴの囁きが聞こえてこないだろうか。



These are the laws you made for your salvation. They hold in place the substitute for Heaven which you prefer.
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • in place [pléis] : 「適当な位置に、適所に、所定の場所に、定位置に」
  • prefer [prifə́ːr] : 「〜を好む、むしろ〜の方を好む」
❖ "These are the laws ~ "「これは、あなたが自分の救済のために作った法である」。あなたという仮面をかぶったエゴが作った法である。エゴの思考システムであり、無神論(唯物論)と虚無主義の要塞である。"They hold in place ~ "「その法は、適当な場所に、あなたの好む天の王国の代わりを保持するのだ」。唯物論的エゴの法は、あなたが幸せを感じられるように、天の王国に代わる極楽を、この世界の適所に用意してくれる。それは、金儲けであったり、出世であったり、権力であったり、愛欲であったり、等々、この世の快楽のすべてを、エゴは用意してくれるのだ。その、極楽にあなたが達したとき、あなたは、この世で救われたと思うのである。あなたは、成功者となり、負け犬の同胞を軽蔑の目を持って見下すことだろう。



This is their purpose; they were made for this. There is no point in asking what they mean. That is apparent.
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • no point : 「意味がないこと」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • apparent [əpǽrənt] : 「明らかな、明白な」
❖ "This is their ~ "「これが、それの目的である」。"they were ~ "「このために、それは作られたのだ」。真実の天の王国に代わって、この地上に、快楽の極楽を作り出すことが、目的である。あなたの救済を歌う極楽であり、そのために、混沌の法が作られたのだ。"There is no point in ~ "「いったい、そんなものが何を意味するのか、訊ねてみる意味さえない」。"That is ~ "「それは、明らかなのだ」。幻想を存続させること、それ以上の意味はないのだ。実相に気付かせないようにすること、それに尽きる。神に背を向け(無神論)、物質の世界(唯物論)こそが極楽を提供してくれると誘い、それが手に入らなかったら負け犬になれ(虚無主義)と言っている、それが、混沌の法である。幻想に数々の味付けをして、あなたの目の前に、その料理を出すのである。飢えたあなたは、その幻想の料理をむさぼり食うのである。飽くことなく食い続けるのだ。これが、仏教で言うところの『餓鬼(がき)の世界』である。



The means of madness must be insane. Are you as certain that you realize the goal is madness?
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
  • madness [mǽdnəs] : 「狂気、熱狂、熱中」
  • insane [inséin] : 「正気でない、精神障害の、非常識な」
  • certain [sə́ːrtn] : 「確信している、確実な、確かな、確信して」
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
❖ "The means of madness ~ "意訳する、「狂気の手段とは、狂った振る舞いをすることだ」。狂気として生きるには、狂気の思考システムを信じて、狂気を演ずればいい。"Are you as certain ~ "「目的は狂気なのだと、あなたは認識していると確信が持てるだろうか」。お気付きだろうが、"madness"「狂気」を"illusion"「幻想」に置き換えても意味は通じる。いわば、狂気の幻想である。エゴの狂った思考システムの目的は、狂気の幻想を存続させること、それに尽きる。なぜなら、エゴ自体が狂気の幻想だからだ。



14. No one wants madness, nor does anyone cling to his madness if he sees that this is what it is.
  • cling [klíŋ] : 「執着する、しがみつく」
  • cling to : 「〜に固執する、〜に粘着する」
❖ "No one wants ~ "「誰も、狂気など望みはしなし、」"nor does anyone cling ~ "「もし、狂気が、どんな正体をしているか知ったなら、誰も、狂気にしがみつくことはないのだ」。エゴの、狂気の思考システムの全貌が明らかになったら、その奇っ怪でおぞましい正体を目の当たりにして、誰もエゴを信じることはすまい。



What protects madness is the belief that it is true. It is the function of insanity to take the place of truth.
  • protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
  • insanity [insǽnəti] : 「狂気、精神病、精神異常」
  • take the place of :「 〜の代わりをする、〜に取って代わる」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "What protects madness ~ "「狂気を守っているものは、その狂気が真実であるという狂信である」。"It is the function ~ "「真実に取って代わること、それが、狂気の役割である」。数々の奇っ怪な幻想を狂信することで、その幻想が唯一の真実だと信じ込むのである。ありもしない現実を信じることなので、『狂信』なのだ。



It must be seen as truth to be believed. And if it is the truth, then must its opposite, which was the truth before, be madness now.
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • opposite [ɑ́pəzit] : 「反対、正反対のもの、逆の物」
  • before [bifɔ́ːr] : 「以前に、前に、早く、先に」
❖ "It must be seen ~ "意訳する、「狂気は、信じるに足る真実と見なされるに違いない」。"And if it is ~ "「もし、狂気が真実であるなら、」"then must its ~ "「その時は、狂気の反対である正気さが、」"which was ~ "「それは、前までは真実だったのだが、」"be madness ~ "「その正気さは、今や、狂気ということになってしまう」。 白黒が逆転してしまうのだ。光と影が逆転してしまうのだ。あなたが、狂気の幻想を信じた瞬間、世界の白黒、世界の光と影が逆転し、あなたは白を黒として、影を光として生きて行かなくてはならなくなる。実在と非実在を完全に取り違えて生きて行くのだ。それを悲劇だと、あなたは感じないだろうか。



Such a reversal, completely turned around, with madness sanity, illusions true, attack a kindness, hatred love, and murder benediction, is the goal the laws of chaos serve.
  • reversal [rivə́ːrsəl] : 「逆転、逆戻り、反転」
  • completely [kəmplíːtli] : 「完全に、十分に、全面的に、全く、徹底的に」
  • turn around : 「向きを変える、方向転換する」
  • kindness [káindnis] : 「親切、親切心、思いやり」
  • hatred [héitrid] : 「強い嫌悪、憎しみ、憎悪、嫌悪、毛嫌い」
  • murder [mə́ːrdər] : 「殺人、謀殺」
  • benediction [bènədíkʃən] : 「祝福、感謝の祈り」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規、法令」
  • chaos [kéiɑs] : 「無秩序、混乱、混沌」
  • serve [sə́ːrv] : 「〜に仕える、〜のために働く」
❖ "Such a reversal ~ "「このような逆転、」"completely turned ~ "「完全に180度の反転は、」"with madness ~ "「狂気と正気、幻想と真実、攻撃と思いやり、憎しみと愛、殺人と祝福、等々に見られるが、それは、」"is the goal the laws ~ "「混沌の法が仕える目的である」。つまり、実相世界の実在、その真実を、完全にひっくり返すことが、混沌の法の目的だ、ということ。



These are the means by which the laws of God appear to be reversed.
  • appear [əpíər] to : 「〜するように見える」
  • reverse [rivə́ːrs] : 「反対方向に向ける、逆転させる、裏返す」
❖ "These are the means ~ "「これらは、神の法を逆転させるかにみえる手段である」。混沌の法は、神の法にも勝(まさ)って、神の法を逆転させる勢いをもつかのようだ。もちろん、それは幻想世界から見た光景であって、神の法が実相世界で揺らぐことはない。無神論も唯物論も、虚無主義も、この幻想世界にはびこることは出来るが、そして、現に、すごい勢いではびこっているのだが、実相世界に、その根を伸ばすことは出来ないのだ。



Here do the laws of sin appear to hold love captive, and let sin go free.
  • hold [hóuld] : 「とどめておく、〜の状態にしておく」
  • captive [kǽptiv] : 「囚人の、閉じ込められた、捕らわれの、監禁の」
  • go free : 「釈放になる、自由の身になる、釈放される」
❖ "Here do the laws ~ "「ここでは、罪の法は、愛を檻の中に閉じこめ、罪をはびこらせているように見えるのである」。実相世界の真実の愛は、その存在に気付かれないように監禁される。愛だけではなく、喜びも平和も、慈しみも美も、真実の抽象概念はすべて封印されて、牢獄の中に閉じこめられる。何しろ、物質だけが実在で、神はなく、虚無のはびこる世界に、愛や美が必要だろうか。殺伐とした幻想世界は愛を駆逐するのである。
 
 
 

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