●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-23.III.5:6 ~ T-23.III.6:12

5. Those who believe that peace can be defended, and that attack is justified on its behalf, cannot perceive it lies within them. How could they know?

  • those who : 「〜する人々」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
  • defend [difénd] : 「〜を守る、防衛する」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「弁明する、正当化する」
  • on one's behalf : 「〜のために、〜の利益になるように」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • within[wiðín] : 「〜の中に、〜の内に」
❖ "Those who believe ~ "「平和が守られ得るものだと信じ、また、攻撃は平和のために正当化出来ると信じている者は、」"cannot perceive it ~ "「平和が彼らの心の中に存在すると知覚することが出来ないのである」。彼らの言う平和は、この幻想世界の、争いという対極概念を持つ平和であって、それは守らねばならず、守るためには攻撃も辞さないものである。しかし、実相世界の、真の平和は、争いという対極概念を持たない純粋な平和であって、神聖な心に常に宿るものなのだ。それは、永遠不変の平和であって、守ることも維持することも必要ない。あって、そしてあるだけでのものである。"How could ~ "「そんな彼らに、どうしてそれが分かるだろうか」。幻想しか知らない彼らに、実相的平和が心の中に存在することは理解出来ない。



Could they accept forgiveness side by side with the belief that murder takes some forms by which their peace is saved?
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • side by side : 「並んで」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • murder [mə́ːrdər] : 「殺人、謀殺」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、姿、体つき、外見」
  • save [séiv] : 「救う、助ける、確保しておく、取っておく」
❖ "Could they accept ~ "「彼らは、彼らの平和を確保するためには、殺害さえ何らかの形をとると信じながら、同時に、赦しを受け入れることが出来るだろうか」。幻想的な平和を固く信じ、それを守るためには人を殺すことさえ厭わないと信じていながら、幻想を幻想として認識し、赦し、受け流すなどということが出来るわけがない。幻想を信じていながら、実相に憧れても無駄なのだ。実相に目覚めるには、つまり、真の赦しを実行するには、まずもって、幻想を惜しげなく捨てなくてはならない。



Would they be willing to accept the fact their savage purpose is directed against themselves?
  • be willing [wíliŋ] to : 「〜する意思がある、進んで〜する」
  • fact [fǽkt] : 「事実、現実、真実、実際、真相」
  • savage [sǽvidʒ] : 「野蛮な、残忍な、粗野な、無礼な、凶暴な、残酷な」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • direct [dərékt] : 「〜を方向づける、〜を…で導く」
  • against [əɡéinst] : 「〜に逆らって、〜にそむいて、反抗して」
❖ "Would they be willing to ~ "「彼らは、〜という事実を進んで受け入れようとするだろうか」。"the fact their savage ~ "「彼らの野蛮な目的は、彼ら自身に向けられているという事実」を進んで受け入れようとするだろうか。他者を攻撃することは、自分自身を攻撃することであり、自分の平和を守ろうとして他者を攻撃することは、自分の平和を失うことだと、積極的にその真実を認めることは、彼らには不可能だろう。なぜなら、幻想にどっぷりと浸りきった彼らに、実相世界の自他一如という真実が理解出来るわけがないからだ。



No one unites with enemies, nor is at one with them in purpose.
  • unite [junáit] : 「結合する、一体となる、一体化する、合体する」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国」
  • at one with : 「〜と一体になって、〜と意見が一致して、〜と気持ちが一つになって」
❖ "No one unites with ~ "「誰も、敵と一体になることはないし、」"nor is at one with ~ "「敵と、目的を一つにすることもない」。自他一如を信じられないから、彼らにとって、敵は憎むべきものであって、手を組む相手ではないのだ。



And no one compromises with an enemy but hates him still, for what he kept from him.
  • compromise [kɑ́mprəmàiz] : 「譲歩する、歩み寄る、妥協する、和解する」
  • hate [héit] : 「〜を憎む、〜をひどく嫌う」
  • still [stíl] : 「それでも、それでもやはり」
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
❖ "And no one compromises ~ "ここの"but"は要注意、"And no one compromises with an enemy and doesn't hate him still"のことで、直訳すると、「誰も、敵と妥協しておいて、なお、敵を嫌わないことなどない」、つまり、「誰も、敵と妥協しても、なお敵を嫌うのだ」。表面上は敵と握手するのだが、心の中では不満をもって嫌っているのだ。"for what he kept ~ "「敵が彼から遠ざけているものがあるせいである」。つまり、敵は、妥協したとは言え、すべてを明け渡したのではなく、与えずに隠しているものがあるからだ、という意味合い。



6. Mistake not truce for peace, nor compromise for the escape from conflict.
  • mistake [mistéik] : 「誤る、間違える」
  • truce [trúːs] : 「停戦、休戦」
  • escape [iskéip] : 「逃避、回避、逃亡、脱出」
  • conflict [kɑ́nflikt] : 「摩擦、葛藤、軋轢、争い、紛争」
❖ "Mistake not truce ~ "「停戦を平和と勘違いしてはいけない」。"nor compromise ~ "「また、妥協を、コンフリクトからの脱出だと勘違いしてもいけない」。一時のごまかしをしてはいけない、といういこうと。どうせ、停戦は再び戦いに戻り、コンフリクトの妥協はすぐ崩れてしまうだろう。



To be released from conflict means that it is over. The door is open; you have left the battleground.
  • release [rilíːs] : 「解放する、自由にする、放つ、離す」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • over [óuvər] : 「終わって、終了して、完了して」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜から離れる、〜を退く、〜を残す」
  • battleground [bǽtlgràund] : 「戦場」
❖ "To be released from ~ "「コンフリクトから解放されるとは、(妥協ではなく)、コンフリクトが終わってしまうことを意味するのだ」。その時、"The door is ~ "「扉は開いている」。"you have left ~ "「あなたは戦場を後にしたのだ」。コンフリクトが終わった状態は、あなたが心の中の戦いから解放され、戦場を後にしたことを意味する。平和への扉が開いたのだ。



You have not lingered there in cowering hope that it will not return because the guns are stilled an instant, and the fear that haunts the place of death is not apparent.
  • linger [líŋɡər] : 「長居する、居残る、ぐずぐずする、残存する」
  • cower [káuər] : 「縮こまる、小さくなる、萎縮する、すくむ」
  • return [ritə́ːrn] : 「戻る、帰る、返還する」
  • gun [gʌ́n] : 「銃、ピストル、鉄砲、号砲、礼砲」
  • still [stíl] : 「〜を静める、静かにさせる、〜を和らげる、鎮静化させる」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」 haunt [hɔ́ːnt] : 「〜に出没する、立ち現れる」
  • place [pléis] : 「場所、個所、土地、広場」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
  • apparent [əpǽrənt] : 「明らかな、明白な、明瞭な」
❖ "You have not ~ "「あなたは、戦いが戻って来ることはないだろうと、恐る恐る平和を望みながら、戦場に居残ることはなくなったのだ」。"because the guns ~ "「なぜなら、この瞬間、号砲は静まり返り、」"and the fear that ~ "「死の戦場に出没する恐れが消えてしまうからだ」。



There is no safety in a battleground. You can look down on it in safety from above and not be touched.
  • safety [séifti] : 「安全、安全性、無事、無難なもの」
  • look down on : 「〜を見下ろす」
  • in safety : 「安全に、無事に」
  • from above [əbʌ́v] : 「上から、上方から、高所から、天から」
  • touch [tʌ́tʃ] : 「〜に手をつける、手出しをする」
❖ "There is no safety ~ "「戦場に、安全など存在しない」。"You can look down ~ "「上空からなら、あなたは、安全に戦場を見下ろすことが出来、何の影響も受けない」。戦場から離れてしまえば、あなたは安全だ。戦場にいる限りは、危険は常に付きまとう。たとえ、一時的に戦火が収まったように見えたとしても。



But from within it you can find no safety. Not one tree left still standing will shelter you.
  • from within [wiðín] : 「〜の中から、内側から、内部から」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
  • tree [tríː] : 「木、樹木」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、〜をそのままにしておく」
  • stand [stǽnd] : 「立っている、立ち上がる、立つ」
  • shelter [ʃéltər] : 「〜を保護する、避難する、かくまう」
❖ "But from within it ~ "「しかし、戦場の中には、あなたは安全を見つけることは出来ないのだ」。コンフリクトを心に持っている限り、心の平和は確保出来ない。"Not one tree left ~ "「戦場に、なお残った立ち木でさえ、あなたを守れないのだ」。



Not one illusion of protection stands against the faith in murder.
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • protection [prətékʃən] : 「保護、守ること、擁護、防御、防衛」
  • stand against : 「〜に立ち向かう、〜に刃向かう、〜に抵抗する」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条、信念、確信」
  • murder [mə́ːrdər] : 「殺人、謀殺」
❖ "Not one illusion of ~ "「守られているという幻想は、殺害という信念に対抗出来ない」。変な訳になってしまったが、要するに、戦場の殺戮に対して、自分は何かに守られているなどという楽観論(幻想)は、何の役にも立たない、ということ。心にコンフリクトを抱きながら、そのコンフリクトからの影響を回避することが出来るだろうなどという楽観論は無意味だ。また、他者を憎み、他者を攻撃して、その心を殺害しようなどという試みに対して、自分は何ら影響を受けず、守られているなどという楽観論も、同様に無意味だ。



Here stands the body, torn between the natural desire to communicate and the unnatural intent to murder and to die.
  • torn [tɔ́ːrn] : 「tear の過去分詞形」
  • tear [tέər] : 「〜を引き裂く、引っかく、むしり取る、分裂させる、裂く」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
  • natural [nǽtʃərəl] : 「自然の普通の、ありのままの」
  • desire [dizáiər] : 「欲望、欲求、願望、念願」
  • communicate [kəmjúːnikèit] : 「連絡する、通信する、交信する」
  • unnatural [ʌ̀nnǽtʃərəl] : 「不自然な、自然に反する、不思議な、異常な」
  • intent [intént] : 「意図、意向、意志、目的」
  • murder [mə́ːrdər] : 「殺す、殺害する、凶行に及ぶ」
  • die [dái] : 「死ぬ、死亡する」
❖ "Here stands ~ "「ここで、肉体は、〜という状態に立ち至る」。"torn between the natural ~ "「(他者と)コミュニケーションしたいという自然な望みと、殺害し、そして死んでしまいたいという不自然な意図との間に引き裂かれた状態に」肉体は立ち至る。他者と和合したいという実相的望みと、他者を、死に至らしめるまでに分離し、排他したいという幻想的望みとに、分裂するのだ。本文には、"body"「肉体」が分裂状態になる、と書かれてあるが、「幻想としての存在が、分裂状態になる」と捉えた方がいいだろう。



Think you the form that murder takes can offer safety? Can guilt be absent from a battlefield?
  • think [θíŋk] : 「考える、思う、熟考する」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、姿、現れ」
  • offer [ɔ́ːfər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • be absent from : 「〜を欠席している、〜に不在である」
❖ "Think you the form ~ "「殺害のとる形が、安全を提供してくれると、あなたは思っているのか」。ある種の殺害は、あなたに安全をもたらしてくれる可能性があると、あなたは考えているのか。"Can guilt be absent ~ "「戦場に、罪の意識が不在になることがあり得るだろうか」。殺し、殺される戦場には、常に罪の意識が存在する。殺害にしても、攻撃にしても、不自然な分離や排他は、幻想を加速するのだ。幻想の根本には罪の意識が隠されており、加速された幻想の罪の意識は肥大化していく。
 
 
 

Notification

自分の写真


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp