●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-23.II.19:1 ~ T-23.II.20:7

19. There is no life outside of Heaven. Where God created life, there life must be.

  • life [láif] : 「人命、生命、人生」
  • outside [áutsáid] : 「外側に、外部に」
  • create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
❖ "There is no life ~ "「天の王国の外に、命はない」。ここで言う「命」とは実相世界の命のことであって、したがって、天の王国の命である。この世界の生物の命のことではない。この世界の生物の命は、幻想世界の命であって、いわば、夢の中の生き物の命である。したがって、現実の実在する命ではないのだ。混乱を回避するために、次のように、簡単に考えればいいだろう。肉体が死ぬことで命が終わると考えられるような命は幻想の命であって、肉体の死によっても永続する命が実相の命である。"Where God created ~ "「神が命を創造したところに、命は存在するに違いないのだ」。神は、幻想世界に命を偽創造したりしない。神は天の王国、実相世界に命を創造したのだ。だから、実在の命は、そこにしかない。



In any state apart from Heaven life is illusion. At best it seems like life; at worst, like death.
  • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • at best : 「よくても、せいぜい」
  • at worst : 「最悪の場合でも、最悪の状態で」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
❖ "In any state ~ "「天の王国からかけ離れた状況下の命は、幻想である」。"At best it ~ "「よく言って、命らしきもの」。"at worst, like ~ "「悪く言えば、そんな命は死である」。したがって、私たちの、この幻想世界における命は、実在の命ではなく、命らしきもの、幻想の命であって、究極的には生きていると言えないのだ。夢の中で生きているように感じる、そんな命に過ぎない。



Yet both are judgments on what is not life, equal in their inaccuracy and lack of meaning.
  • both [bóuθ] : 「両方、双方」
  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別」
  • equal [íːkwəl] : 「〜と等しい、〜に相当する」
  • inaccuracy [inǽkjərəsi] : 「不正確、誤り、間違い」
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、目的、意図」
❖ "Yet both are ~ "「しかしどちらも、命ではないものに対する判断に過ぎない」。天の王国の外の命らしきものは、生きているとも死んでいるとも判断出来る。どちらも、存在しないものに対する判断に過ぎない。"equal in their inaccuracy ~ "「どちらも共に、不正確な判断であり、意味を欠いているのだ」。あなたは、夜見る夢に出てきた人物を、生きていると判断するだろうか。それとも、夢に過ぎないから、生きてはいないと判断するだろうか。どちらの判断も、正確だとは言えまいし、そもそも、夢の中の存在の生死を論ずること自体、意味がないのだ。この議論を、幻想世界と実相世界にスライドしてやれば、本文の意味が掴(つか)めるだろう。



Life not in Heaven is impossible, and what is not in Heaven is not anywhere.
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • anywhere [énihwὲər] : 「どこでも、どこかに、どこへでも、どこにも」
❖ "Life not in ~ "「天の王国以外の命は、不可能なのだ」。"and what is not ~ "「そして、天の王国に存在しないものは、どこにも存在しない」。存在、あるいは実在は、実相世界だけであって、その他の世界、幻想世界は、正確な意味で、存在、実在しない。したがって、真実の命は実相世界の命だけであって、その他の世界の命は、疑似的な命、幻想の命である。生きてもいなければ死んでもいない。生死という判断可能領域をはみ出しているのだ。いわば、劇画の世界の生死だと思えばいい。劇画の主人公は生きているのか、死んでいるのか、と問い掛けるのは無意味である。



Outside of Heaven, only the conflict of illusion stands; senseless, impossible and beyond all reason, and yet perceived as an eternal barrier to Heaven.
  • conflict [kɑ́nflikt] : 「衝突、対立、論争、摩擦、葛藤、軋轢、争い、紛争」
  • stand [stǽnd] : 「立ち上がる、立つ、立っている」
  • senseless [sénslis] : 「無分別な、非常識な、常識がない、愚かな、無意味な」
  • beyond [bijάnd] : 「 〜の域を越えて、〜を越えて、〜を過ぎて」
  • reason [ríːzn] : 「理性、理知、良識、分別、正気」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の」
  • barrier [bǽriər] : 「障害、障壁、柵、垣根」
❖ "Outside of Heaven ~ "「天の王国の外では、幻想間のコンフリクトだけが立ち上がる」。幻想と幻想が、その優劣、真偽を競って衝突し、激しいコンフリクトを起こす。勝った幻想が真実を宣言するのである。 "senseless, impossible ~ "「無分別で、不可能で、あらゆる理性の範囲を越えている」。"and yet perceived ~ "「しかし、同時に、天の王国に対する永遠の障害物として知覚されるのである」。つまり、コンフリクトを起こしている幻想が、天の王国への道を塞いでいるのだ。したがって、天の王国へ昇るには、その道を塞いでいる幻想という障害物を取り払わなければいけない。どこぞの宗教のように、幻想を抱いたまま、天の王国に憧れるだけでは、天の王国へ回帰出来ないのだ。まず第一に、幻想から目覚める作業が必要とされるのである。



Illusions are but forms. Their content is never true.
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、現れ、姿」
  • content [kɑ́ntent] : 「入っているもの、内容、中身、在中物」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
❖ "Illusions are ~ "「幻想とは、形だけでしかない」。幻想は、表面的な側(がわ)だけの存在であり、中身は空っぽである。空っぽだから、"Their content is ~ "「幻想の内容は、決して真実ではないのだ」。無であり空であることは意味を持たない。意味のないものは真実ではない。後世の仏教は、空(くう)という概念に玄学的な意味を追求したが、空は幻想そのものであり、したがって、意味のないものに意味を持たせようとする行為は意味はないのだ。



20. The laws of chaos govern all illusions. Their forms conflict, making it seem quite possible to value some above the others.
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規、法令」
  • chaos [kéiɑs] : 「無秩序、混乱状態、混沌」
  • govern [ɡʌ́vərn] : 「支配する、統治する、統率する、治める、管理する」
  • conflict [kənflíkt] : 「衝突する、争う、抵触する、対立する、矛盾する」
  • quite [kwáit] : 「かなり、なかなか、とても、非常に」
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
  • value [vǽljuː] : 「〜を高く評価する、重視する、大事にする、尊重する」
  • above [əbʌ́v] : 「上側に、〜の上に、〜を超えて」
❖ "The laws of chaos ~ "「混沌の法は、あらゆる幻想を支配する」。つまり、エゴの思考システムである幻想の法は、この幻想世界を牛耳(ぎゅうじ)っている。"Their forms ~ "「幻想の形はコンフリクトを起こし、」形だけの幻想は互いにコンフリクトを起こし、"making it seem quite ~ "意訳する、「ある幻想が他の幻想よりずっと価値があるなどという価値付けを完全に可能にしているように見える」。ある幻想と他の幻想が対立し、勝った方が価値があり、したがって、真実だと信じ込むのである。分離分裂した世界では、多数のものに序列を設けて整理整頓しないことには、何が何だかわけがわからなくなるのだ。実相世界は一元論世界であり、存在は単一であるので、序列をつける必要はない。



Yet each one rests as surely on the belief the laws of chaos are the laws of order as do the others.
  • rest [rést] : 「ある、置かれている」
  • surely [ʃúərli] : 「疑いなく、しっかりと、確かに、確実に、必ず」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • order [ɔ́ːrdər] : 「秩序、治安、体制、順位、序列」
❖ "Yet each one ~ "「しかし、幻想一つ一つは、〜という信念の上にしっかりと安住している」。"the laws of chaos ~ "「混沌の法は、他の法と同じく、秩序の法を成している」という信念の上にしっかりと安住している。法とは、秩序を維持するための道具である。混沌の法も、他の法同様、秩序を保ってくれるものだと信じられ、その信念の上に幻想が居座っている。



Each one upholds these laws completely, offering a certain witness that these laws are true.
  • uphold [ʌphóuld] : 「守る、支持する、支える、上げる、持ち上げる」
  • completely [kəmplíːtli] : 「全に、十分に、全面的に、全く、徹底的に」
  • offer [ɔ́ːfər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • certain [sə́ːrtn] : 「確実な、確かな、確信して」
  • witness [wítnəs] : 「証拠、証言、証人、参考人」
❖ "Each one upholds ~ "「幻想一つ一つが、完全にこれらの混沌の法を遵守し、」"offering a certain ~ "「これらの混沌の法が真実であるという、確かな証言を提供している」。混沌の法と幻想が、混ざり合い、馴れ合い、互いに騙し合い、もたれ合い、もつれ合っているのだ。



The seeming gentler forms of the attack are no less certain in their witnessing, or their results.
  • seeming [síːmiŋ] : 「外観上の、外見だけの、見せかけの、うわべの」
  • gentle [dʒéntl] : 「優しい、寛大な、穏やかな」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • no less : 「実に、確かに、まさに、まさしく」
  • witness [wítnəs] : 「〜を証言する、〜を証明する」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き、効果、成果、成績」
❖ "The seeming gentler ~ "意訳する、「見かけ上穏やかな攻撃の形もまた、確かに、(混沌の法は真実であると)証言し、その結果(である秩序)を保証している」。激しい攻撃は秩序を乱してしまうように見えるが、穏やかな、攻撃とも思えないような攻撃は、逆に、秩序を維持し、法を遵守しているかに見えるのだ。穏やかな攻撃の例を上げるなら、権力というものがその代表格だろう。権力による支配は、秩序を維持し、法を遵守しているかに見える。しかし、元を正せば、権力による支配は、表面上穏やかな攻撃に過ぎない。



Certain it is illusions will bring fear because of the beliefs that they imply, not for their form.
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜を連れて来る、〜をもたらす」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • because of : 「〜のために、〜のせいで」
  • imply [implái] : 「暗に伝える、暗示する、ほのめかす」
❖ "Certain it is illusions ~ "「幻想が恐れをもたらすということは、確かなことだ」。"because of the beliefs ~ "「幻想の形ではなく、幻想が暗に意味する信念によって、恐れをもたらすのである」。幻想が、その表面上、見かけが恐ろしいのではない。幻想とは、罪と罰の恐れから逃避するために心が投射した幻影である。幻想が暗に意味する信念とは、したがって、罪と罰の存在である。幻想によって、いかに罪と罰から逃れようとしても、幻想には罪と罰が幽霊のようにまとわりついてくるのである。



And lack of faith in love, in any form, attests to chaos as reality.
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条、自信、信念、確信」
  • in any form : 「いかなる種類のものであれ」
  • attest [ətést] : 「証言する、証明する」
  • attest to : 「証拠立てる、証言する、証明する、立証する」
  • reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
❖ "And lack of ~ "「そして、愛を信じる気持ちの欠如は、形がどうであれ、」"attests to chaos ~ "「混沌が現実であると証言しているのである」。一言で言えば、愛なき心に混沌が生まれるのだ。愛という真実の実在を信じきれないところに、幻想が侵入し、実相を駆逐し、混沌を生み出し、恐れ吹き出すである。
 
 
 

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