3. Be not disturbed at all to think how he can change the role of means and end so easily in what God loves, and would have free forever.
- disturb [distə́ːrb] : 「〜を妨げる、邪魔をする、阻害する、当惑させる、不安にする」
- at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
- think [θíŋk] : 「〜を考える」
- change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
- role [róul] : 「役、役目、役割、任務、職務」
- means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
- end [énd] : 「目的、目標、目当て、目途」
- easily [íːzili] : 「容易に、たやすく、苦もなく、あっけなく」
- free [fríː] : 「〜を自由にする、解放する」
- forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "Be not disturbed at all ~ "「〜を考えても、少しも不安にならなにように」。"how he can change ~ "「ホーリー・スピリットが、神の愛する神の子の中で、どのようにして、役割と手段を、やすやすと交換し、神の子を永遠に解放しようとしているか、」それを考えて、不安になる必要はない。心配には及ばない、すべてをホーリー・スピリットに委ねておけばいいのだ。ACIMの絶対他力性。
But be you rather grateful that you can be the means to serve his end. This is the only service that leads to freedom. - rather [rǽðər] : 「むしろ」
- grateful [gréitfl] : 「感謝する、感謝している、ありがたく思う」
- serve [sə́ːrv] : 「〜に仕える、〜のために働く」
- service [sə́ːrvis] : 「役に立つこと、奉仕、世話、貢献、尽力」
- freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
❖ "But be you rather ~ "「むしろ、あなたは、ホーリー・スピリットの目的に役に立つ手段となれたことを感謝することになろう」。ホーリー・スピリットの目的とは、神の子を幻想から実相へと目覚めさせ、神の子を天の王国へと回帰させること。あなたがホーリー・スピリットにすべてを委ねることで、ホーリー・スピリットにとって、使命をはたすためのスタートボタンが押されるわけだ。あなたもまた、自分の役割が果たせることで、ホーリー・スピリットに感謝することになる。
To serve this end the body must be perceived as sinless, because the goal is sinlessness. - perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
- sinless [sínlis] : 「罪のない、潔白な」
- goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指」
- sinlessness [sʌ́nlisnis] : 「罪のないこと、潔白ないこと、潔白、無辜(むこ)」
❖ "To serve this end ~ "「ホーリー・スピリットの目的に仕えるには、肉体が、罪なきものとして知覚されなくてはならない」。"because the goal is ~ "「なぜなら、目的は、罪のないことだからだ」。 罪は幻想である。肉体もまた、幻想である。幻想から目覚めることが目的の第一であるから、罪ある肉体という幻想から目覚めねばならないのだ。
The lack of contradiction makes the soft transition from means to end as easy as is the shift from hate to gratitude before forgiving eyes. - lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
- contradiction [kὰntrədíkʃən] : 「矛盾、不両立、反対、否定」
- soft [sɔ́ft] : 「穏やかな、優しい、柔らかい、しなやかな」
- transition [trænzíʃən] : 「移行、遷移、推移、転移、変わり目、変化、変遷」
- easy [íːzi] : 「たやすい、やさしい、容易な、簡単な」
- shift [ʃíft] : 「交代、変更、変化、転換」
- hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
- gratitude [ɡrǽtətjùːd] : 「感謝、感謝の気持ち、報恩の念」
- before [bifɔ́ːr] : 「〜の前に、〜に先立って、〜を前にして、面前で」
- forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
- forgiving : 「寛大な、寛容な」
❖ "The lack of contradiction ~ "「矛盾をまったく抱えないことは、手段から目的への緩やかな移行を促すのである」。世界は幻想だと認識し、同時に、肉体だけは幻想ではないなどと、知覚や思考に矛盾を抱えるようでは、肉体から心へという、目的の移行はスムーズにいかない。世界も肉体も幻想、心だけが実相、実在であるとしっかり認識して矛盾を抱えなければ、心へ課せられた手段という役割を目的に移行することは容易である。"as easy as is the shift ~ "「それは、赦しという目で見るとき、憎悪が感謝に変わるのと同じくらい、容易なのだ」。
You will be sanctified by one another, using your bodies only to serve the sinless. - sanctify [sǽŋktəfài] : 「浄化する、清らかにする、神聖にする」
- sanctified : 「神聖化された、聖別された、清められた」
- one another : 「お互い」
❖ "You will be sanctified ~ "「あなたと同胞は、お互いに、浄化されるのである」。"using your bodies ~ "分詞構文、理由、「肉体を、罪のないことに仕えることにだけに、利用するからだ」。後半部が、分かりづらいと思う。罪を抱えこんでいると思われているのは、その肉体である。しかし、その肉体の罪は幻想であって、夢に過ぎず、存在してはいないと受け入れることで、罪の意識は消滅するのである。つまり、罪は赦されるのだ。このように、肉体を、罪の浄化のためだけに利用する事(using your bodies only to serve the sinless)が肝要なのである。ことろで、この、罪からの浄化を自分に対してなすのはもちろん、他者である同胞に対しても、同様になされなくてはならない。自分の罪の意識だけ幻想であって、他者には罪がある、などと信じてはいけない。したがって、あなたと同胞は、互いに(by one another)、互いの罪の浄化を行うことになるのだ。実は、あなたと同胞は自他一如であるから、当たり前のことなのだ。
And it will be impossible for you to hate what serves whom you would heal.- impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
- hate [héit] : 「〜をひどく嫌う、嫌がる」
- heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
❖ "And it will be ~ "ここは"it ~ for ~ to ~ "の構文、「あなたにとって、あなたがヒーリングしてあげたいと思う者に仕えているものを嫌悪することは、不可能になるだろう」。あなたが、同胞の心を解放してあげたい、同胞をヒーリングしてあげたいと思ったとしよう。そのためには、罪があると信じられている同胞の肉体が、実は幻想なのだと、あなたも同胞も受け入れなければならない。つまり、肉体を赦さなくてならないのだ。もし、同胞の罪ある肉体を嫌悪(hate)したなら、幻想に対して強い感情を移入することになり、肉体は現実化、現象化してしまうのだ。つまり、肉体を嫌悪して、肉体が消滅することはない。もっとも、この文章は、もっと簡単に考えて、「あなたがヒーリングをしてあげたいと思う者を、あなたは嫌悪することは不可能だ」というように、短縮して解釈しても、さほど理解から外れはしないだろう。
4. This holy relationship, lovely in its innocence, mighty in strength, and blazing with a light far brighter than the sun that lights the sky you see, is chosen of your Father as a means for his own plan. - holy [hóuli] : 「神聖な」
- relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
- lovely [lʌ́vli] : 「楽しい、うれしい、愛らしい、かわいらしい」
- innocence [ínəsəns] : 「無罪、潔白、無邪気、無垢、純潔、純真」
- mighty [máiti] : 「強力な、力のある、巨大な、重大な、膨大な、力強い」
- strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力、強み、長所」
- blaze [bléiz] : 「燃えさかる、怒りで燃える」
- light [láit] : 「光、明るさ、光源、ライト、明かり」
- bright [bráit] : 「明るい、晴れた、輝く、輝いている、輝かしい、華やかな」
- light [láit] : 「〜を明るくする、〜を照らす」
- chosen [tʃóuzn] : 「choose の過去分詞形」
- choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
- plan [plǽn] : 「計画、企画、予定、意向、つもり、考え、意図」
❖ 互いに罪を浄化し合うという、"This holy relationship ~ "「この聖なる関係性は、」ここは後半の、"is chosen of your ~ "につながり、「神自身の計画のための手段として、あなたの父なる神が選択した関係性であるのだ」。中間部分は、聖なる関係性を説明した部分であり、"lovely in its innocence ~ "「その聖なる関係性は、関係の無辜(むこ)性の中で愛らしく、力強く、あなたが目にする空を明るくしている太陽よりもはるかに明るい輝きを放っているのだが、」神自身の計画のための手段として、あなたの父なる神が選択した関係性であるのだ。神自身の計画とは、神から分離したと信じこんでいる神の子を、再び天の王国へ回帰せしめること。そのための手段として、神の子が神の子同士、あるいはホーリー・スピリットと神聖なる関係性を築くことを、神は利用する。もっとも、神は直接手を下すことはない。その役割をすべて、ホーリー・スピリットに一任しているのだ。ホーリー・スピリットは、神と神の子の間の媒介役である、というのはそういうことだ。
Be thankful that it serves yours not at all. Nothing entrusted to it can be misused, and nothing given it but will be used. - thankful [θǽŋkfl] : 「感謝している、ありがたく思う」
- not at all : 「とても〜ない、どう致しまして、少しも〜でない」
- entrust [entrʌ́st] : 「任せる、委ねる、委任する、委託する、信託する」
- misuse [mìsjúːz] : 「誤用する、悪用、乱用する」
- given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "Be thankful that it ~ "「神聖なる関係性は、あなたの計画にはまったくもって役に立たないことを、(むしろ)感謝しなさい」。あなたの計画とは、肉体を目的とし、心を手段とすること。その、あなたの計画と、神の計画、あるいは、ホーリー・スピリットの目的は、完全に方向を異にする。神やホーリー・スピリットの計画に沿った神聖なる関係性は、あなたにとって幸せなことである。なぜなら、あなたは道を踏み外すことがないであろうからだ。あなたに愛を注いでくれる神やホーリー・スピリットに感謝すべきである。"Nothing entrusted to ~ "「神聖なる関係性に委ねられたものは何でも、誤用されることは不可能であるし、」"and nothing given it ~ "「神聖なる関係性に与えられたものは、すべて、利用されるのである」。神聖なる関係性にあれば、心が矛盾を抱えることはなく、無矛盾であるから、すべての歯車が正しく回りだすのだ。その歯車は、誤りもなく、動かないこともない。誤用されることも利用されないこともないとは、そういうことだ。
This holy relationship has the power to heal all pain, regardless of its form. - pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
- regardless [riɡάːrdlis] : 「かかわらず、関係なく」
- regardless of : 「〜にかかわらず」
- form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、姿、体つき、外見、現れ」
❖ "This holy relationship ~ "「この神聖なる関係性は、形がどうであれ、あらゆる痛みをヒーリングするパワーをもっている」。"all pain"「あらゆる痛み」の出処は、幻想である。神聖な関係性は、真実で構成されているので、つまり、実相的関係であるので、幻想のすべてを癒すのである。幻想に、実相の光を当てて、その幻想が存在しないことを認識させてくれるのだ。それがACIMのヒーリングであって、神聖なる関係性には、ヒーリングのパワーがある。あなたが真実に目覚め、すべての歯車が真実として動き出せば、心身はまさに健康となるのである。言い換えれば、健康とは、心がどれだけ真実に目覚めているかのバロメーターなのである。
Neither alone can serve at all. Only in your joint will does healing lie. For here your healing is, and here will you accept Atonement. - neither [níːðər] : 「どちらも〜ない」
- alone [əlóun] : 「独りで、単独で」
- joint [dʒɔ́int] : 「結合、接合」
- healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
- lie [lái] : 「ある、存在する」
- accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
- atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い、補償」
❖ "Neither alone ~ "「あなたと同胞のどちらか一方だけというのでは、全く役に立たないのだ」。神の子の単独行動もまた、幻想である。神の子は、実相的には単一の存在であり、自他一如なのである。あなたと同胞のどちらか一方だけ、ということはあり得ない。"Only in your joint ~ "「あなたと同胞が結合した中だけに、ヒーリングは存在するのだ」。あなたと同胞が結合した状態が真実であって、そこに真実のパワー、ヒーリングのパワーが生まれていくるのである。"For here your ~ "「なぜなら、あなたのヒーリングは、同胞との結合の中にあるのであり、」"and here will you ~ "「ここにおいて、あなたは贖罪を受け入れるのだから」。"Atonement"「贖罪」は、罪を贖(あがな)うという意味であるが、自ら罪を認めて許しを請い、罪を許されるという意味ではない。ACIMでは、贖罪という言葉は、特殊な意味合いで使われている。神の子が神を裏切って神から分離したことで、神の子のは神に対して罪の意識を心に抱いてしまうのだが、それは夢であって、つまり、神から一歩足りとも分離してなどおらず、神を裏切ったりしていない、したがって、罪は幻想であると知ることを意味するのだ。罪は幻想であると受け入れて、赦し、受け流す、それが、ACIMの贖罪(Atonement)である。この贖罪が、直接ヒーリングにつながることは言うまでもない。
And in your healing is the Sonship healed because your wills are joined.- sonship : 「息子であること」
- will [wíl] : 「意志、願望、意欲」
- join [dʒɔ́in] : 「結合する、連結する、合わせる、つなぐ」
❖ "And in your healing ~ "「そして、あなたのヒーリングの中で、神の子はヒーリングされるのだ」。あなたがヒーリングし、あるいは、ヒーリングされることで、神の子全体がヒーリングされる。神の子は分離しておらず、単一存在だからだ。あなたの癒しは、神の子全体の癒しである。"because your wills are ~ "「なぜなら、あなたと同胞の意思は、結合しているからだ」。あなたも同胞も、その心は結合して単一であり、あなたが幻想から目覚めることを求める意思は、直接、同胞の意思でもあるのだ。あなたの意思と、同胞の意思は共鳴しており、ヒーリング自体も分かち合われるのである。