5. Before a holy relationship there is no sin. The form of error is no longer seen, and reason, joined with love, looks quietly on all confusion, observing merely, "This was a mistake. "
- before [bifɔ́ːr] : 「前に、前方に」
- holy [hóuli] : 「神聖な」
- relationship [riléi∫n∫] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
- sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
- form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、姿、体つき、外見、現れ」
- error [érər] : 「誤り、間違い、ミス、誤字、誤用、過失」
- no longer : 「もはや〜でない」
- seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
- reason [ríːzn] : 「理性、理知、良識、分別、正気」
- join [dʒɔ́in] : 「結び付ける、結合する、連結する、合わせる、つなぐ」
- look on : 「〜を見る」
- quietly [kwáiətli] : 「静かに、音もなく、平穏に」
- confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱、混同、取り違え、混乱状態、無秩序」
- observe [əbzə́ːrv] : 「〜に気付く、よく見る、観察する、守る」
- merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
- mistake [mistéik] : 「誤り、判断上の間違い、ミス、過ち、手違い」
❖ "Before a holy ~ "「神聖なる関係性の前には、罪は存在しない」。神聖な関係性の中はもちろんのこと、その前でさえ、幻想の罪は存在し得ない。神聖な関係性の放つ光で、かき消されるからだ。"The form of error ~ "「どんな形の誤りさえ、もはや目にすることはない」。罪も消滅すれば、誤りも消滅する。"and reason, joined ~ "「そして、正気さは、愛と結ばれているのだが、その正気さは、」"looks quietly on ~ "「混同のすべてを、静かに見ているのだ」。"observing merely ~ "分詞構文、付帯状況、「ただ単に、『これは誤りに過ぎなかったのだ』と見てとりながら」。神聖な関係性の中で、あなたは、もはや罪も誤りもかき消してしまった。あなたの心の最も神聖で純粋な部分に宿る正気さは、それまであなたが悩まされてきた、肉体と心の混同を、静かな眼差しで眺めることが出来るのだ。そして、その混同は、いわば、気の迷い、単なる誤りと見て取るのである。つまり、夢に過ぎなかったのだ。正気さは、愛をもって、そうあなたに告げる。
And then the same Atonement you accepted in your relationship corrects the error, and lays a part of Heaven in its place. - same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
- atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い、補償」
- accept[æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
- correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す、補正する」
- lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く、築く、構築する」
- part [pάːrt] : 「一部、部分」
- place [pléis] : 「場所、個所、住所、席」
❖ "And then the same Atonement ~ "「そして、あなたの関係性の中で受け入れられた贖罪と同様の贖罪が、誤りを正してくれるのだ」。"and lays a part ~ "「そして、その場所に、天の王国の一部を置くのである」。あなたは、神聖なる関係性の中で、罪の意識は幻想であるとはっきりと認識し、赦し、受け流すことが出来た。つまり、罪の贖罪を果たすことが出来たのだ。そして、今、あなたの正気さが、あなたが肉体と心を混同した過ちも、同様に、幻想であると認識し、赦し、受け流すのである。つまり、同様の贖罪をもって、誤りを修正するのである。そうすることで、幻想に過ぎないこの場に、天の王国の一部が出現する。つまり、幻想に実相が入り込み、実相の一輪の花を咲かせるのである。(蛇足になるが、実相に幻想が入り込むことは不可能である。)
How blessed are you who let this gift be given! Each part of Heaven that you bring is given you. - blessed [blésid] : 「祝福された、神聖な、聖なる、清められた」
- gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント、与えること」
- given [gívn] : 「give の過去分詞形」
- each [íːtʃ] : 「それぞれの、一つ一つの、めいめいの」
- bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜を連れて来る、〜をもたらす」
❖ "How blessed are you ~ "意訳する、「天の王国の一部を受け入れることの出来たあなたは、何と祝福されているのだろう」。"Each part of Heaven ~ "「あなたが持ち込んだ、天の王国の部分のそれぞれは、あなたに与えられたものなのだ」。あなたは、神聖なる関係性の中で贖罪を果たし、罪も誤りも赦すことが出来た。その結果、あなたの関係性の中に天の王国の一部が花開いたのだが、それは、あなたが勝手に幻想して作ったパラダイスなどではない。それは幻想ではなく、実在する実相の一部であり、あなたが想像力をもって作り出したり出来るものではなく、あなたが神から、あるいはホーリー・スピリットから与えられたものなのだ(is given you)。だから、それは神からの贈り物(gift)なのである。その贈り物を、自分に与えられるように努力したあなたは、祝福されるのだ、と言っているわけだ。
And every place in Heaven that you will fill again with the eternal light you bring, shines now on you. - fill [fíl] : 「満たす、いっぱいにする、〜を補充する」
- fill with : 「〜で膨らむ、〜でいっぱいになる]
- eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の、無限の」
- light [láit] : 「光、明るさ、光源、ライト、明かり」
- shine [ʃáin] : 「輝く、光る」
❖ "And every place in Heaven ~ "「あなたがもたらす永遠の光で、あなたが再び満たすであろう、天の王国のあらゆる場所は、今や、あなたの上に輝き出すのだ」。意味が取りにくい部分である。まず、"every place in Heaven"「天の王国のあらゆる場所」とは、天の王国全体と考えるのではなく、神の子が神から分離して天の王国を去った後に残された空白部分と考えればいいだろう。つまり、多くの同胞たちが去った後に残された空白の場所に、あなたが光を再びもたらし、満たすのである(fill again)。その光は、同胞たち全てに行き渡り、もちろん、あなたの頭上にも光り輝くのだ(shines now on you)。贖罪と、それに続く実相への目覚めという希望の光が、あなたを含め、同胞のすべてに行き渡る、と解釈ていいだろう。
The means of sinlessness can know no fear because they carry only love with them.- means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
- sinlessness [sʌ́nlisnis] : 「罪のないこと、潔白性、無辜(むこ)」
- fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
- carry [kǽri] : 「〜を運ぶ、〜を持ち運ぶ」
❖ "The means of ~ "「無辜(むこ)なるための手段は、恐れをまったく知ることはない」。"because they carry ~ "「なぜなら、その手段は、愛だけを携えているからだ」。無辜なるための手段、つまり罪は幻想に過ぎないと認識するための手段とは、真実を認識する力、つまり、正気さのもつ心の目で見たヴィジョンである。ヴィジョンは恐れを認識しない。恐れを知らないのだ(can know no fear)。なぜなら、恐れは幻想であると、真実だけを見るヴィジョンは知っているからだ。そして、同時に、ヴィジョンは、真実である愛を神の子の心の中に広めてくれる(carry only love with them)。実相的愛こそが、それだけが、真実であるからだ。
6. Child of peace, the light has come to you. The light you bring you do not recognize, and yet you will remember. - child [tʃáild] : 「子供、子、小児」
- peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
- recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
- remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
❖ "Child of peace ~ "「平和の子よ、光があなたに届いたのだ」。"The light you bring ~ "「あなたがもたらした光を、あなたは認識してはいない」。あなたは神聖なる関係性の中で贖罪を果たし、天の王国の一部を幻想世界に引き入れて、光をもたらした。同時にそれは、天の王国にあった神の子の空席に光を届けるものでもある。しかし、残念ながら、あなたはその光の存在を認識してはいない。あなたの起こした奇跡を、あなたは認識していないのだ。むしろ、認識できないほど、それは自然なことであったのだろう。"and yet you will ~ "「しかし、あなたはやがて思い出すであろう」。あなたの知覚が質転換して、ヴィジョンをはっきりと捉えることが出来るようになれば、あなたの目に光は見えて来るのだ。その日は近い。
Who can deny himself the vision that he brings to others? - deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、 〜に〜を与えない」
- vision [víʒən] : 「視覚、視力、洞察力、想像力」
❖ "Who can deny himself ~ "「他者にもたらしたヴィジョンを、自分には与えないような者がいるだろうか」。もちろん、やがてあなたはヴィジョンを手に入れ、真実だけを見るようになるのだ。実相に回帰した者の必然である。肉体の知覚は捨てられ、心の目で真実を見るようになるのである。
And who would fail to recognize a gift he let be laid in Heaven through himself? - fail [féil] to do : 「〜しない、〜しそこなう、〜できない」
- laid [léid] : 「lay の過去・過去分詞形」
- lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く、築く、構築する」
- through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
❖ "And who would fail ~ "「いったい誰が、自分自身を通して天の王国に置いた贈り物を、認識し損なうことがあろうか」。天の王国にある神の子の空席に、あなたは光を届けた。その光は真実の光であり、神からの贈り物であった。その光を、あなたが認識出来ないわけがない。やがてあなたは、その光の存在を思い出すことになるだろう。
The gentle service that you give the Holy Spirit is service to yourself. - gentle [dʒéntl] : 「優しい、穏やかな」
- service [sə́ːrvis] : 「役に立つこと、奉仕、世話、貢献、尽力」
❖ "The gentle service ~ "「あなたがホーリー・スピリットに与えた優しい手助けは、あなた自身への手助けでもあるのだ」。ホーリー・スピリットの目的を叶えるために、あなたはホーリー・スピリットに協力してあなたの役割を果たした。つまり、幻想世界の特別な関係性を神聖なる関係性に変え、実相に目覚めるという役割を果たしたのだ。それは、ホーリー・スピリットの目的を叶えるための手助けになったと同時に、あなた自身が幻想の罪や誤りから開放される手助けにもなったのである。"gentle"「優しい」とあるが、「愛のこもった」という意味合いであろう。
You who are now his means must love all that he loves. And what you bring is your remembrance of everything that is eternal. - means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
- remembrance [rimémbrəns] : 「記憶、思い出、回想」
- eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の」
❖ "You who are now ~ "「今や、ホーリー・スピリットの手段であるあなたは、ホーリー・スピリットが愛するすべてものを愛するに違いない」。ホーリー・スピリットは、あなたの神聖なる関係性を通じて、神の子の、天の王国への回帰を目的にしている。いわば、ホーリー・スピリットにとって、あなたは手段なのだ。そのホーリー・スピリットが、神の子である同胞のすべてを愛する(all that he loves)ように、あなたも同胞を愛するのだ(must love)。"And what you bring is ~ "「そして、あなたがもたらしたものは、永遠なるすべてのものの思い出である」。あなたがもたらした真実の光(what you bring)に照らしてみれば、神の子が神から分離したことは幻想であったと理解される。神の子は、神から一歩たりとも離れたことはなかった。あなたは幻想世界に長々と暮らしてきたが、それは夢であったのだ。あなたは、永遠の実相世界(everything that is eternal)に存在し続けていたことを思い出す(your remembrance)のである。
No trace of anything in time can long remain in minds that serve the timeless. - trace [tréis] : 「跡、足跡、形跡、痕跡」
- long [lɔ́ːŋ] : 「長く、長い間」
- remain [riméin] : 「残る、残存する、とどまる」
- serve [sə́ːrv] : 「〜に役立つ、〜に仕える」
- timeless [táimlis] : 「永久の、永遠の、時間を超越した」
❖ "No trace of anything ~ "「時間という枠組みの中に残されたあらゆる痕跡は、無時間性に仕える心の中に、長くとどまることはない」。時間の存在するこの幻想世界で、あなたは過去に様々な痕跡を残してきた。しかし、今やその時間さえも幻想だと知ったのである。もともと時間という枠組みを超越して無時間の中に生きる心は、過去という幻想から解放されて、過去の痕跡は心の中から消滅していくのだ
And no illusion can disturb the peace of a relationship that has become the means of peace.- illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
- disturb [distə́ːrb] : 「〜を妨げる、邪魔をする、乱す、騒がす、不安にする」
- become [bikʌ́m] : 「〜になる」
❖ "And no illusion can ~ "「そして、どんな幻想も、平和のための手段となった関係性の平和を乱すことは出来ない」。神聖なる関係性は平和の手段である。神聖なる関係性が、心の平和を導いてくれるという意味だ。もはや、幻想は、決して平和を乱すことは出来ない。なぜなら、幻想は消滅してしまったからだ。