●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-25.I.6:1 ~ T-25.I.7:7

6. The Holy Spirit serves Christ's purpose in your mind, so that the aim of specialness can be corrected where the error lies.

  • serve [sə́ːrv] : 「〜に仕える、〜のために働く、〜に役立つ」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • so that : 「〜できるように、その結果」
  • aim [éim] : 「的、狙い、目標、目的、照準、見当」
  • specialness [spéʃəlnis] : 「特別であること、特別性」
  • correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す」
  • error [érər] : 「誤り、間違い、ミス、誤字、誤用、過失」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
❖ "The Holy Spirit serves ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたの心の中にあるキリストの目的のために働くのだ」。キリストの目的とは、幻想世界から神の子を救い出すこと。その手助けを、ホーリー・スピリットがする、といった意味合い。"so that the aim of ~ "「特別性を目的とすることを、その誤りがあるところで、正すことが出来るようにするためである」。分離を維持し、自らの特別性を追求するという誤りをホーリー・スピリットは正してくれるのだが、その誤りの存在するあなたの心の中で(where the error lies)、それを正すのである。ホーリー・スピリットは実相世界にも幻想世界にも通じる存在であるから、あなたの誤りをわざわざ実相世界に運び込んで正すのではなく、誤りが幻想世界にある状態のまま、それを正すのである。つまり、あなたは、この幻想世界にありながら、ホーリー・スピリットによって正されるのだ。



Because His purpose still is one with Both the Father and the Son, He knows the Will of God and what you really will.
  • still [stíl] : 「まだ、今でもまだ、いまだに、今もなお」
  • both [bóuθ] A and B : 「AもBも、ABいずれも」
  • will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
  • really [ríəli] : 「実際には、心から、確かに、本当に」
  • will [wíl] : 「〜を望む、意図する、命ずる、決意する」
❖ "Because His purpose ~ "「ホーリー・スピリットの目的は、今なお、父なる神と神の子の両者と一体であるから、」ホーリー・スピリットの目的と、神の目的、神の子の目的、その3者の目的にズレはないから、"He knows the Will of ~ "「ホーリー・スピリットは、神の意思も、また、あなたが実際何を意思しているかも、知っているのだ」。



But this is understood by mind perceived as one, aware that it is one, and so experienced.
  • understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understand の過去・過去分詞形」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • aware [əwέər] : 「気付いている、気が付いて、承知して、知って」
  • experience [ikspíəriəns] : 「 〜を経験する、〜を体験する」
❖ "But this is understood by ~ "「しかし、このホーリー・スピリットの目的は、一なるものとして知覚される心、つまり、心は一体であると知り、そのように体験される心によって、理解されるのである」。あなたが、自分の心は神やホーリー・スピリットの心と同一だと知ったとき、3者の意思は統一され、ホーリー・スピリットの目的としていることが、あなたに理解されるのである。簡単に言えば、幻想に支配された心にはホーリー・スピリットの意図はわからないが、実相に目覚めた心にはホーリー・スピリットの意図も、目的も、すべてがはっきりわかる、ということ。



It is the Holy Spirit's function to teach you how this oneness is experienced, what you must do that it can be experienced, and where you should go to do it.
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
  • teach [tíːtʃ] : 「〜を教える、指導する、学ばせる、悟らせる」
  • oneness [wʌ́nnis] : 「単一性、同一性、統一性」
❖ "It is the Holy Spirit's ~ "「この一体性はどうすれば経験されるか、一体性が経験されるには、あなたは何をなすべきか、それをなすには、あなたはどこへ行かなくてはならないか、それらをあなたに教えることが、ホーリー・スピリットの使命なのである」。簡単に言えば、三位一体を完成させる方法を、ホーリー・スピリットが教えてくれるのだ。神の子が幻想から実相へと目覚め、天の王国へ回帰すること、その方法を教えることが、ホーリー・スピリットの使命なのである。



7. All this takes note of time and place as if they were discrete, for while you think that part of you is separate, the concept of a Oneness joined as One is meaningless.
  • take note of : 「〜に注意する、〜に気付く、〜に注意を向ける」
  • place [pléis] : 「場所、個所、住所、席」
  • as if : 「あたかも〜かのように、〜と言わぬばかりに、〜のように」
  • discrete [diskríːt] : 「分離した、離れた、離散的、別々の」
  • while [hwáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に、その間に」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
  • separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の」
  • concept [kɑ́nsept] : 「概念、観念、コンセプト、考え方」
  • join [dʒɔ́in] : 「結び付ける、結合する、〜と交わる、〜と一緒になる」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無益な、価値のない、無意味な」
❖ "All this takes note of ~ "「ホーリー・スピリットの教えのすべては、あたかも3者が離れ離れに存在するかのように見える、時間と場所に、その注意を向けるのである」。神と神の子とホーリー・スピリットは、実相的には一体なのだが(三位一体)、幻想世界にあっては、あたかも3者は離れ離れに存在しているように見える。その錯覚を、まずは、ホーリー・スピリットは是正しようとするわけだ。つまり、分離を象徴するこの幻想世界の時空性に注意を向け、それが錯覚に過ぎないことを神の子に教えるのである。それが、分離解消のための第一歩となるからだ。"for while you think ~ "「なぜなら、あなたが、あなたの一部が分離していると思っている間は、」ここの"part of you"「あなたの一部」とは、一体であるはずの神やホーリー・スピリットが分離して、あなたの一部となっている、という意味合い。"the concept of ~ "「一なるものとして結ばれた一体性という概念は、意味を持たないからだ」。難しい言い回しをしているが、要するに、時空を信じている限りは分離という錯覚から抜け出すことが出来ないので、ホーリー・スピリットはまず時空という錯覚を払拭し、その後で、時空を超越した実相的一体性を神の子に教えようとしている、ということ。



It is apparent that a mind so split could never be the Teacher of a Oneness which unites all things within Itself.
  • apparent [əpǽrənt] : 「はっきり見える、明らかな、明白な」
  • split [splít] : 「割れた、分割した、分裂した、分けた」
  • unite [junáit] : 「〜を結合させる、一つにする、結び付ける」
  • within [wiðín] : 「〜の中で、〜の内側で」
❖ "It is apparent that ~ "「that以下は明白である」。"that a mind so split ~ "「分裂した心は、その心の中に存在するすべてを統合する一体性を教える師には、決してなれない」ということは明白である。心が、実相と幻想に分裂し、どちらが真実でどちらが誤りであるかわからない心に、真実である一体性を教えることは不可能だ、ということ。ということは、ホーリー・スピリットは真実の一体性を教える師であるから、当然、ホーリー・スピリットの心は分裂などしていないし、完全であり、完璧であり、純粋にして神聖なのだ。



And so What is within this mind, and does unite all things together, must be its Teacher.
  • together [təɡéðər] : 「一緒に、同時に」
❖ "And so What is within ~ "「だからこそ、この分裂していない心の中にあるものは、」"and does unite all ~ "「それは、あらゆるものを一緒に結びつけるのだが、」"must be its ~ "「一体性を教えることの出来る師であるに違いないのだ」。自分の心が実相と幻想に分裂しおらず、神の心ともホーリー・スピリットの心とも離れてはいないと知っている心は、あらゆるものを結合し、統一されたものとして見ることが出来るので、実相世界のすべての存在が神という一点に収斂するという一元論を教えるにふさわしい師になれるのだ。



Yet must It use the language that this mind can understand, in the condition in which it thinks it is.
  • language [lǽŋgwidʒ] : 「言語、言葉」
  • condition [kəndíʃən] : 「事情、条件、状態、状況、様子、様相」
❖ "Yet must It use ~ "「教えたり学んだりするには、この心が理解できる言葉を使わなくてはならない」。"in the condition in ~ "「心があると思われている状況にあっては、」この心が理解できる言葉を使わなくてはならない。心は、もはや幻想という状況にあるのではなく、実相世界と接点をもつ地点、実相的状況にあるのだ。そのとき、もはや、心にとっては、幻想世界で使い慣れた言語は通用せず、実相の、真実の言語を使わなくては、実相的な状況が理解出来なくなるのである。たとえば、幻想的愛と実相的愛は、愛という言葉自体は同じでも、内容は全然異なっている。片や、憎悪という対立概念をもって特別性に裏打ちされた愛であるのに対して、片や、対立概念をもたない純粋な一元論の愛なのである。その言語の使い分けが非常に大切であり、かつ非常に難しい。



And It must use all learning to transfer illusions to the truth, taking all false ideas of what you are, and leading you beyond them to the truth that is beyond them.
  • learning [lə́ːrniŋ] : 「学問、学識、習うこと、学ぶこと、学習」
  • transfer [trænsfə́ːr] : 「〜を移す、運ぶ、動かす、移動させる」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • false [fɔ́ːls] : 「正しくない、誤った、うその、虚偽の」
  • idea [aidíːə] : 「考え、着想、アイデア、発想、思い付き」
  • lead [líːd] : 「〜を導く、案内する、〜を連れていく」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜の域を越えて」
❖ "And It must use all ~ "「教えたり学んだりするには、幻想を真実へと移行するためのあらゆる学びを利用しなくてはならない」。幻想世界から実相世界へと層転換させてくれる、自 己革命的な学びのすべてを利用しなくてはならない。つまり、一部が実相へ層転換し、別の一部は幻想のまま、などということがあってはならないのだ。すべ て、くまなく実相世界へ層転換しなくてはならない。そのために必要な学びのすべてを学ばなくてはならないのである。"taking all false ideas of ~ "「あなたは何者であるかという誤った考えを除去し、」"and leading you ~ "「過ちを越えたところにある真実へと、誤った考えを越えてあなたを導くのである」。つまり、学びを通して、幻想を越えて実相へと、あなたを導いてくれる のである。



All this can very simply be reduced to this:

What is the same can not be different,
and what is one can not have separate parts.

  • simply [símpli] : 「簡単に、分かりやすく」
  • reduce [ridjúːs] : 「減らす、減じる、〜を〜に帰す、〜を変形する」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
❖ "All this can very simply ~ "「これらのことはすべて、次のように、非常に簡単に要約できる」。"What is the same ~ "「同一であることが、異なっている可能性はない」。"and what is one ~ "「一なるものが、分離した部分を持つことは不可能なのだ」。一なるものが、一なるものからはみ出した部分を持つことは不可能だ。たとえば、完全な球体である真球が、球面から外れた部分を持つことは不可能である。もし、そんな部分を持っていたなら、それは真球ではなくなるからだ。神が完全であるなら、神と一体である神の子も完全であり、完全性から分離した不完全な属性を神の子がもつことは不可能なのだ。
 
 
 

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