●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-25.Intro.3:1 ~ T-25.I.1:7

3. The body needs no healing. But the mind that thinks it is a body is sick indeed! And it is here that Christ sets forth the remedy.
  • need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする
  • healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
  • sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも」
  • set forth : 「説明する、述べる、展示する」
  • remedy [rémədi] : 「治療、療法、医療、救済策」
❖ "The body needs ~ "「肉体は、ヒーリングを必要としない」。おやっ、と思われるかもしれない。しかし、本当に病んでいるのは心であって、それが現象として肉体に現れているだけである。ヒーリングを必要としているのは心なのだ。"But the mind that thinks ~ "「しかし、肉体だと思っている心こそが、本当は病んでいるのである」。"And it is here that Christ ~ "「そして、キリストが癒しを示してくれるのは、この心なのである」。心が自らを肉体と同一視している点を、キリストはヒーリングしてくれるのだ。つまり、心を肉体から開放してくれるのである。



His purpose folds the body in His light, and fills it with the Holiness that shines from Him.
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • fold [fóuld] : 「〜を包む、くるむ、抱える、〜を収める」
  • light [láit] : 「光、光源、ライト、明かり」
  • fill [fíl] : 「〜を…に詰める、注入する、満たす」
  • holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
  • shine [ʃáin] : 「輝く、光る」
❖ "His purpose folds ~ "「キリストの目的は、キリストの光で肉体を包み込み、キリストから輝き出す神聖さで肉体を満たすのである」。"His purpose"「キリストの目的は」とあるが、「キリストが目的とするヒーリングとは」という意味合い。実相的光をもって肉体を満たし、闇に隠れていた心に光を当てるのである。心は、光の中で目覚め、癒され、正気さを取り戻すのだ。もちろん、結果的に、肉体も同時に癒されることになる。



And nothing that the body says or does but makes Him manifest.
  • make [SVOC] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
  • manifest [mǽnəfèst] : 「明白な、明らかな、明らかにする」
❖ "And nothing that ~ "「肉体が言うこと、成すこと、そのすべては、キリスト(としての存在)を明らかにするである」。キリストの光で満たされた肉体は、実相的な心と同調、共鳴して、その言動のすべてが、キリスト性を帯びるようになるのである。簡単に言えば、あなたはキリストとして生きていくことになるのである。あなたはキリストなのだ。



To those who know Him not it carries Him in gentleness and love, to heal their minds.
  • those who : 「〜する人々」
  • carry [kǽri] : 「〜を携行する、〜を持っている、〜を運ぶ」
  • gentleness [dʒéntlnis] : 「優しさ、穏やかさ」
  • heal [híːl] : 「癒やす、救う、治す、治癒する、治療する」
❖ "To those who know Him ~ "「キリストを知らない者たちへ、光で満たされた肉体は、優しく、そして愛をもって、キリストを運んでいってくれるのだ」。つまり、キリストとなったあなたは、キリストを知らない者たちへ救いをもたらすことになる。仏教で言えば、菩薩となったあなたは、衆生(しゅじょう)の救いという菩薩行を行うことになる。



Such is the mission that your brother has for you. And such it must be that your mission is for him.
  • mission [míʃən] : 「任務、特別任務、特命、使命」
❖ "Such is the mission ~ "「あなたの同胞の、あなたのために負った使命とは、そういうことなのだ」。"And such it must ~ "「そして、同胞のためにあなたが負った使命も、そうであるに違いないのである」。あなたが同胞のためのキリストとなり、同胞はあなたのためのキリストとなる。神の子は、互いに救い主となり、この幻想世界からの救いをその使命とするのである。そして、共に、天の王国へ昇ることとなる。




I. The Link to Truth
真実とのつながり


1. It cannot be that it is hard to do the task that Christ appointed you to do, since it is He Who does it.
  • hard [hάːrd] to do : 「〜し難い、〜するのが難しい」
  • task [tǽsk] : 「任務、職務、仕事」
  • appoint [əpɔ́int] : 「〜を任命する、選任する、指名する」
  • since [síns] : 「〜なので、〜だから」
❖ "It cannot be that ~ "「that以下であるはずはない」。"that it is hard to do ~ "「キリストがあなたにそうせよと指命した仕事が困難である」はずはない。"since it is He Who ~ "「なぜなら、その仕事をするのはキリストなのだから」。救いという使命を、あなたが個人的に一人で背負うのではない。あなたの心の中に宿るキリストがあなたを導いてくれるからだ。結果、救いという使命を果たすのはあなたのキリスト性であって、言い換えれば、あなたのキリストが使命を果たしてくれるのである。だから、あなたの使命を重荷に感じる必要はない。



And in the doing of it will you learn the body merely seems to be the means to do it.
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に、たかが〜にすぎない」
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
❖ "And in the doing ~ "「こうしたことを行う中で、あなたは、肉体がそれを成すための単なる手段に過ぎないのだと学ぶであろう」。肉体は目的ではなく、救いのための手段、実相世界へ目覚めるための道具に過ぎないと、あなたは学ぶことになる。



For the Mind is His. And so it must be yours. His Holiness directs the body through the mind at one with Him.
  • direct [dirékt] : 「〜に命令する、指図する、〜を方向づける」
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、〜を介して」
  • at one with : 「〜と一体になって」
❖ "For the Mind ~ "「なぜなら、心はキリストのものだからである」。所有を言っているのではない。正しい心にキリストが宿っており、それに気付くことが目的であると言っているのだ。心がキリスト性を帯びることが目的であって、肉体はそのための手段である。"And so it must ~ "「したがって、心は、あなたのものであることも間違いない」。キリスト性を帯びた心こそが、あなたの本当の心である。"His Holiness directs ~ "「キリストの神聖さが、キリストと一体である心を通して、肉体を方向づけているのである」。実相である心があくまでも主体であって、幻想の肉体は心によって如何(いか)ようにでも変化できる手段である。



And you are manifest unto your holy brother, as he to you.
  • manifest [mǽnəfèst] : 「明白な、明らかな、明らかにする」
❖ "And you are manifest ~ "「そして、あなたは、あなたの神聖な同胞に対して、明らかにされるのであり、同胞もまた、神聖なあなたに対して、明らかにされるのだ」。互いに互いの神聖なキリスト性が明らかにされる。つまり、あなたと同胞は、互いに神聖な神の子であると明確に認識し合うのだ。神の子として、あなたと同胞が融合する最初のきっかけである。聖なる出会いと言っていいだろう。



Here is the meeting of the holy Christ unto Himself; nor any differences perceived to stand between the aspects of His Holiness, which meet and join and raise Him to His Father, whole and pure and worthy of His everlasting Love.
  • meeting [míːtiŋ] : 「出会い、集合、集い」
  • difference [dífərəns] : 「違い、差異、相違」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • stand [stǽnd] : 「立っている、立ち上がる、立つ」
  • between [bitwíːn] : 「〜の間に」
  • aspect [ǽspekt] : 「局面、状況、側面、様子、外見」
  • meet [míːt] : 「会う、触れる、接触する、交わる、集まる、落ち合う」
  • join [dʒɔ́in] : 「交わる、一緒になる」
  • raise [réiz] : 「上げる、引き起こす、起こす、揚げる」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
  • pure [pjúər] : 「純粋な、混じりけのない、清潔な、純血の、清らかな」
  • worthy [wə́ːrði] : 「〜に値する、〜するに足りる」
  • everlasting [èvərlǽstiŋ] : 「永遠の、不朽の、永遠に続く、永続的な」
❖ "Here is the meeting of ~ "「ここに、神聖なキリストとキリスト自身との出会いがあるのだ」。あなたの心のキリスト性と、同胞の心のキリスト性が出会うのである。まさに、キリストとキリストが出会い、その同一性において、神の子は融合していくのである。"nor any differences perceived ~ "「キリストの神聖さの側面の間に立ちはだかる、いかなる違いも知覚されることはない」。あなたのキリスト性のあらゆる側面、同胞のキリスト性のあらゆる側面、その間に、どんな違いもない。純粋で、神聖で、真実である存在に、違いはないのだ。実相世界が、一元論の世界であることを考えれば、当然である。"which meet and join ~ "「(まったく違いのないキリスト性の神聖さが)、出会い、結合し、キリストの父なる神へと昇らせていく」。あなたと同胞のキリスト性の神聖さが融合し、純粋なキリストと化した神の子は、父なる神の住む天の王国へアセンションしていくのだ。"whole and pure and ~ "「(その神の子の姿は、)完全であり、純粋であり、神の永遠の愛にふさわしいものなのである」。ここは理屈を追わず、声に出して読んでみること。イエスの息遣いを感じるだけ十分だ。原書を読む者の特権である。その特権を捨ててしまってはもったいない。
 
 
 


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