●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-16.IV.10:1 ~ T-16.IV.11:14

10. The bridge that leads to union in yourself must lead to knowledge, for it was built with God beside you, and will lead you straight to Him where your completion rests, wholly compatible with His.

  • bridge [brídʒ] : 「橋、橋梁、桟橋」
  • lead [li':d] : 「導く、案内する、通じている」
  • lead to : 「〜に通じる、〜につながる」
  • union [júːnjən] : 「結合、合併、融合、団結」
  • knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、心得、認識、知恵、知見」
  • built [bílt] : 「build の過去形」
  • beside [bisáid] : 「〜のそばで、〜の傍らに、〜の脇に」
  • straight [stréit] : 「一直線に、真っすぐに」
  • completion [kəmplíː∫n] : 「完成、完了、終了」
  • rest [rést] : 「ある、置かれている、休む、休息する」
  • wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • compatible [kəmpǽtəbl] : 「矛盾のない、両立できる、両立する、互換性のある」
❖ "The bridge that ~ "「あなたの心の中における結合へと導いてくれる橋は、」天の王国へと続く掛け橋を渡って実相世界へ入ると、そこに住んでいる神やホーリー・スピリットや、すでにアセンションを果たした同胞達とあなたは同化、結合することになる。もちろん、天の王国といっても、空の彼方にあるのではない。あなたの心の中にあるのだ。心がすべてを包摂しているからだ。つまり、この広い宇宙も、あなたの心の中にある。"must lead to ~ "「(その橋は)叡智へと導いてくれるに違いない」。ホーリー・スピリットの手助けによってあなたの知覚が修正され、天の王国への最後の掛け橋を渡り終わると、あなたの知覚は劇的な相転換を起こし、叡智へと変身する。叡智とは、理性的な分析的理解、把握ではなく、直覚によるストレートな全的把握である。簡単に言えば、目で見て考えて判断するのではなく、すべてが一気にピーンと来るのである。仏教で言うところの「般若(パンニャー)」である。"for it was built with ~ "「なぜならば、その橋は、あなたの傍らで神と一緒に作られたものであるからだ」。どうやらこの橋は、もともとそこにあるものではないらしい。神と共にあなたが自分専用に作った橋である。ということは、他人が作った橋を拝借して、ちゃっかり渡ることは出来ないわけだ。"and will lead you straight ~ "「そして、その橋はストレートに神へと導いてくれるからだ」。"where your completion rests ~ "「その場所に、あなたの完成はある」。つまり、橋を渡ってしまえば、あなたは完成される。神の子としての再生が完了するわけだ。"wholly compatible ~ "「その完成は完全に、神の完成と互換関係にある」。神の子としてのあなたと神が融合し、神もあなたも共に完成される。ホーリー・スピリットを加えて、三位一体化されるのだ。文字通り、あなたは神そのものとしての神の子となるのである。



Every illusion you accept into your mind by judging it to be attainable removes your own sense of completion, and thus denies the Wholeness of your Father.
  • illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を裁く」
  • attainable [ətéinəbl] : 「遂げられる、達成できる、到達できる」
  • remove [rimúːv] : 「解任する、去らせる、排除する、追い出す、取り除く」
  • sense [séns] : 「感覚、感触、知覚、良識、分別」
  • completion [kəmplíː∫n] : 「完成、完了、終了」
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • wholeness [hóulnis] : 「全体性、完全性」
❖ "Every illusion you ~ "「達成できるだろうと判断して、あなたの心の中に受け入れた幻想はすべて、」たとえば、特別な愛の関係性をもつことで真の愛の獲得が達成できるだろうと判断して、幻想の関係性を受け入れたりすること。"removes your own ~ "「(そういう幻想のすべては、)あなた自身の、完成に対する感覚を追い出し、」たとえば、特別な愛の関係性を維持することにかまけて、神の子として自分を完成させるが必要なのだという感覚を鈍らせてしまうのだ。"and thus denies ~ "「このようにして、父なる神の完全性を否定してしまうことになる」。神の完全性を完結させるには、神の子としてのあなたの存在が欠かせない。三位一体が神の完全性の完結であるからだ。しかし、あなたが自分を神の子としての完成させること、つまり、神の子として再生することを怠っているうちは、父なる神の完成は完結できず、結果、あなたは神の完全性を否定していることになる。簡単に言えば、オレには神なんて関係ないと思っているうちは、あなたは神を否定していることになるのだ。逆に言えば、神を否定することは自分を否定していることになる。自分の完全性を否定しているわけである。



Every fantasy, be it of love or hate, deprives you of knowledge for fantasies are the veil behind which truth is hidden.
  • fantasy [fǽntəsi] : 「想像、空想、幻想」
  • be it : 「どちらであろうと」
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • deprive [dipráiv] : 「奪う、取り上げる、剥奪する」
  • deprive A of B : 「AからBを奪う、AにBを与えない」
  • knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、心得、認識、知恵、知見」
  • veil [véil] : 「ベール、覆い、覆い隠すもの」
  • behind [biháind] : 「〜の後に、〜の背後に、〜の陰で」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • hidden [hídn] : 「hideの過去分詞形」
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
❖ "Every fantasy, be it ~ "「あらゆる空想は、それが愛でも憎悪でも、あなたに叡智を与えることはない」。叡智(knowledge)は実相世界のものであるので、幻想世界の愛や憎悪に関わる関係性によって、叡智を得ることはない。"for fantasies are the veil ~ "「なぜなら、空想というものは、その後ろに真実を隠すベールであるからだ」。空想、幻想というベールに隠されて、その背後に存在する真実が、あなたには見えないのである。真実が見えないのだから、真実を直覚する叡智が生み出されるはずがない。



To lift the veil that seems so dark and heavy, it is only needful to value truth beyond all fantasy, and to be entirely unwilling to settle for illusion in place of truth.
  • lift [líft] : 「持ち上げる、取り除く、撤廃する」
  • dark [dɑ́ː(r)k] : 「暗い、闇の、暗黒の」
  • heavy [hévi] : 「重い、激しい、重みのある」
  • needful [níːdfəl] : 「入用な、必要な」
  • value [vǽljuː] : 「〜を高く評価する、重視する、大事にする、尊重する、重んじる」
  • beyond [bi(j)ɑ́nd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を過ぎて」
  • entirely [entáiə(r)li] : 「全く、完全に、全体に、ひたすら」
  • be unwilling to : 「〜することに気が進まない、〜することを嫌がる」
  • settle [sétl] : 「落ち着く、和解する」
  • settle for : 「〜という結果に甘んじる、〜に安住する」
  • in place of : 「〜の代わりに、〜の代理で」
❖ "To lift the veil that ~ "不定詞の副詞的用法、「暗くて重いようなベールを持ち上げるためには、」"it is only needful ~ "ここは"it ~ to ~ "の構文、「〜することだけが必要である」。"to value truth ~ "「あらゆる空想の背後にある真実を重視し、」"and to be entirely ~ "「真実の代わりに幻想を居座らせるなどということを全く志向しないこと」だけが必要である。あなたが日常目にするこの幻想の世界の、その裏側にある真実の世界を求めることこそ、幻想や空想の重くて暗いベールをはぎ取ってしまうための必要条件である。幻想や空想の魅力に騙されてはいけない。



11. Would you not go through fear to love? For such the journey seems to be.
  • through [θruː] : 「〜を通り抜けて、経て、〜の中を通って」
  • fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
  • journey [dʒə́ː(r)ni] : 「旅、行路、道のり、道程、遍歴」
❖ "Would you not go ~ "「あなたは、恐れを通り越して愛へと進んで行きたくはないか」。"For such the journey ~ "「なぜなら、旅ちいうものはそういうものだからである」。あなたが真実を求める旅、実相世界へ回帰する旅は、恐れを乗り越えて愛へと向かう旅である。もちろん、今あなたが学ぶこのACIMは、その旅路の一里塚である。



Love calls, but hate would have you stay. Hear not the call of hate, and see no fantasies.
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • have : 「〜に〜させる」
  • fantasy [fǽntəsi] : 「想像、空想、幻想」
❖ "Love calls, but ~ "「愛はあなたを呼んでいるが、憎悪があなたを押しとどめている」。"Hear not the call ~ "「憎悪の呼び声に耳を傾けてはいけない」。"and see no ~ "「空想に目を向けてはいけない」。憎悪の呼び声に耳を傾けるなということは、他者である同胞に対して憎悪や嫌悪を抱きたくなる自分の気持ちに惑わされるな、ということである。しかし、本当に憎らしいと思った時はどうすればいいのか? ACIMの答えは非常に明快である。他者を無条件に赦すのである。赦し(forgiveness)が非常に重要なキーワードとなる。なぜ赦すのかというと、他者と見えるのは幻想だからだ。本当は、他者もあなたも単一の存在、自他一如である。他者を憎悪することは自分を憎悪することであり、他者を赦すことは自分を赦すことである。憎悪、すなわち幻想なのだ。



See in the call of hate, and in every fantasy that rises to delay you, but the call for help that rises ceaselessly from you to your Creator.
  • rise [ráiz] : 「立ち上がる、起立する」
  • delay [diléi] : 「〜を遅らせる、延期する、滞らせる、〜の進行を妨げる」
  • ceaselessly [síːslisli] : 「絶え間なく、間断なく」
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
❖ "See in the call of hate ~ "「憎悪の呼び声の中や、あなたを遅らせようと立ち上るあらゆる空想の中に、〜を見なさい」。あなたを遅らせるとは、あなたが真実に気付くことを遅らせるということ。"but the call for help ~ "「あなたから創造主へと絶え間なく発せられる救いの呼び声」を見なさい。この幻想世界は二元論の世界であり、たとえば、愛と憎悪は互いを対極の概念として合わせ持っている。いわば、愛のベクトルと憎悪のベクトルが完全な逆ベクトルとしてあなたの心の中に存在する。したがって、あなたが他者を憎むとき、あなたの心の中にはその逆ベクトルの愛のベクトルが発生するのだ。ところが、あなたは幻想世界にとらわれているので、その愛のベクトルを特別な愛の関係性の中で具体化しようとする。そうであっては意味がないのだ。愛という逆ベクトルを、本来そうであるべき方向、つまり、実相世界の神の方向に向けて解決させる必要がある。恐れもしかりである。恐れによって安全や平和を希求するベクトルが生じるが、それを幻想世界に向けてしまうから、お金で安全や安心を買い、権力や地位で平和を維持しようとする。そうではなく、真の安全や安心、平和を求める方向、つまり、実相世界の神の方向にそのベクトルを向けてやる必要があるのだ。したがって、本文は、あなたが人を憎むとき、または空想に足をすくわれそうなときは、あなたの心を実相世界の神の方向に向けてやれ、という意味合いになる。それが、本当のあなたが希求することだからである。



Would He not answer you whose completion is His? He loves you, wholly without illusion, as you must love. For love is wholly without illusion, and therefore wholly without fear.
  • answer [ǽnsə(r)] : 「〜に答える、答えて言う」
  • completion [kəmplíː∫n] : 「完成、完了、終了」
  • wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • therefore [ðéə(r)fɔ̀ː(r)] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
❖ "Would He not answer you ~ "「あなたの完成が神の完成でもある、そういう神が、あなたに答えないことがあろうか」。あなたが神の子として完成され、ホーリー・スピリットを交えて三位一体となることで神も完成される。したがって、あなたの完成は神の完成でもあるのだ。あなたが、あなたの完成のために神に頼むことを、神が答えないわけがない。"He loves you ~ "「幻想を抱くことなく、神はあなたを愛している」。"as you must ~ "「あなたが、神を愛しているに違いないように」。つまり、神が幻想なくあなたを愛しているから、あなたも幻想を排除して神を愛さなくてはならないのだ、ということ。"For love is wholly without ~ "「なぜなら、愛とは完全に幻想を排除したものだからである」。"and therefore ~ "「したがって、愛は完全に恐れをもたないのだ」。



Whom God remembers must be whole. And God has never forgotten what makes Him whole.
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
  • forgotten [fə(r)gɑ́tn] : 「forget の過去分詞形」
  • forget [fə(r)gét] : 「〜を忘れる、見落とす」
❖ "Whom God remembers ~ "「神が覚えている者は、完全であるに違いない」。"And God has never ~ "「そして、神を完全にしてくれる者を、神は決して忘れたりしない」。神は、神の子であるあなたを完璧に創造した。したがって、神は完璧な神の子であるあなたを覚えているのだ。しかも、神の子によって神は完全になり得る。したがって、神があなたを忘れるはずはない。



In your completion lie the memory of His Wholeness and His gratitude to you for His completion.
  • completion [kəmplíː∫n] : 「完成、完了、終了」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • memory [mém(ə)ri] : 「記憶、思い出」
  • wholeness [hóulnis] : 「全体性、完全性」
  • gratitude [grǽtət(j)ùːd] : 「感謝、感謝の気持ち」
❖ "In your completion ~ "「あなたが完成される中に、神の完全性と、神の完成をあなたに感謝する神の気持ちの記憶が存在する」。変な訳になってしまったが、あなたが完成されるとき、あなたは、神が完全であり、あなたの完成によって神も完成されてあなたに神が感謝していることを、思い出すのである。思い出すというより、気付く、といったニュアンスか。復活した叡智がそれを直覚するのである。



In His link with you lie both His inability to forget and your ability to remember.
  • link [líŋk] : 「結び付き、つながり、関連、連関」
  • both [bóuθ] A and B : 「AもBも両方」
  • inability [ìnəbíləti] : 「無能、不能、できないこと、無力」
  • forget [fə(r)gét] : 「〜を忘れる、見落とす」
  • ability [əbíləti] : 「能力、才能、できること」
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
❖ "In His link with you ~ "「あなたとの、神の絆の中に、」"lie both His inability ~ "「忘れることなど出来ない神と、思い出すことの出来るあなたの、その両方が存在しているのだ」。神はあなたを忘れることはなく、あなたは神を必ず思い出す、そういう絆があなたと神の間に結ばれている、ということ。結局、親と子の絆なのである。



In Him are joined your willingness to love and all the Love of God, Who forgot you not.
  • join [dʒɔ́in] : 「参加する、交わる、一緒になる」
  • willingness [wíliŋnis] : 「意欲、いとわずにすること、やる気」
  • forgot [fə(r)gɑ́t] : 「forget の過去・過去分詞形」
❖ "In Him are joined ~ "「神の中で、愛したいと思うあなたの気持ちと、あなたを忘れない神の愛のすべてが結合するのだ」。神の愛とあなたの愛が溶け合って一つになる、ということ。一元論世界の必然である。愛と愛が完全に抽象化されて、単一の愛として現れ出るのである。存在のすべてが愛であることを考えると、神と神の子が一体になるとは、このように互いの愛が溶け合うことを意味する。つまり、三位一体とは、神と神の子とホーリー・スピリットの三者の愛が完全に溶け合い、抽象化されて一つの愛として生まれ出ることを意味するのである。イメージ的には、ちょうど三つの光が一点に集光し、その一点から新しい一つの光が強烈に輝き出す、そんな感じ。その単一の光が実相世界全体に広がっていき、実相世界を愛という光で満たすのである。実相世界には愛だけが存在するというのはそういうことだ。あるいは、実相世界とは愛そのものなのだと言っても正しいことになる。
 
 
 

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