●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-16.VI.10:1 ~ T-16.VI.11:7

10. Be glad you have escaped the mockery of salvation the ego offered you, and look not back with longing on the travesty it made of your relationships.

  • glad [glǽd] : 「満足して、うれしく思う」
  • escape [iskéip] : 「〜を免れる、はぐらかす、逃げる」
  • mockery [mάkəri] : 「模倣、偽物、まがい物、冷笑的な行為、あざけり」
  • salvation [sælvéi∫n] : 「救出、救済、救い、救世」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する
  • long [lɔ́(ː)ŋ] : 「切望する、熱望する、待ち望む、思いこがれる」
  • travesty [trǽvəsti] : 「曲解、茶番、まがいもの」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
❖ "Be glad you have ~ "「あなたが、エゴの差し出したまがい物の救済から逃れられたことを喜びなさい」。"and look not back ~ "「そして、エゴがあなたの関係性から作り出した茶番に思い焦がれて、後ろを見てはいけない」。あなたが作り出した特別な関係性を利用して、エゴは支配、奪い合い、隷属化、孤立化、攻撃、等々を作り出す。しかし、それは、エゴの茶番であると断言している。そんな茶番に憧れて、過去に戻ろうとすることは、それこそ茶番の茶番だ。ところで、エゴの差し出すまがい物の救済とは、あなたが罪の意識から救われるには、怒れる神にすがるのではなく、特別な愛の関係性の中にこそ救いは存在するとするエゴの救済論のことだ。



Now no one need suffer, for you have come too far to yield to the illusion of the beauty and holiness of guilt.
  • suffer [sʌ́fə(r)] : 「苦しむ、苦痛を感じる、不快な経験をする」
  • yield [jíːld] : 「産する、産出する、生じる、もたらす、引き起こす」
  • yield to : 「譲る、譲り渡す、明け渡す、負ける、屈する、屈服する、従う」
  • beauty [bjúːti] : 「美、美しさ」
  • holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
❖ "Now no one ~ "「今や、誰も苦しむ必要はない」。"need"は助動詞で、"suffer"は原形不定詞になっている。"for you have come ~ "ここは"too ~ to ~ "の構文、「あなたはかなり遠くへ行ったので、もはや、罪の幻想の美しさや神聖さに屈することはない」。ここで、「遠くへ行った」とは、幻想世界から離れて遠くまで行ったということ。英語の"come"の使い方は、日本人の感覚とはかなり異なる。あなたを基点として見れば"go"となるのだが、行くべき場所から見れば"come"となる。たとえば、「すぐ行くよ」を英語で言うと"I'll come soon."となる(相手を基点にしている)。"May I come to your party?"「あなた達のパーティに行ってもいい?」なども典型的な例である。本文の"come"は、実相世界を基点にして見れば、あなたははるばる旅をして、かなり実相世界に近づいてきたのだ、というニュアンスを表している。



Only the wholly insane could look on death and suffering, sickness and despair, and see it thus.
  • wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • insane [inséin] : 「正気でない、精神障害の、非常識な」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、死者、破滅、終わり、終焉」
  • suffering [sʌ́f(ə)riŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難、苦悩」
  • sickness [síknəs] : 「病気、病」
  • despair [dispéə(r)] : 「絶望、失望、落胆」
❖ "Only the wholly insane ~ "「完全に狂った者だけが、死、苦しみ、病、絶望を見ることになるのだ」。"and see it ~ "「そして、完全に狂った者だけが、幻想をそのように見るのである」。肉体が幻想であるから、それに付随する死、苦しみ、病、絶望も幻想である。幻想の上に更なる幻想を積み重ねているようなもので、完全に狂っているとしか言い様がない。



What guilt has wrought is ugly, fearful and very dangerous. See no illusion of truth and beauty there.
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • wrought [rɔ́ːt] : 「work の過去・過去分詞形」
  • ugly [ʌ́gli] : 「醜い、不細工な、見苦しい、醜悪な」
  • fearful [fíə(r)fl] : 「恐ろしい、怖い」
  • dangerous [déin(d)ʒ(ə)rəs] : 「危険な、物騒な」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • beauty [bjúːti] : 「美、美しさ、美点、いいところ、利点」
❖ "What guilt has ~ "「罪の意識の働きは醜く、恐ろしく、とても危険だ」。" See no illusion of ~ "「そんな罪のある場所に、幻想の真実や幻想の美を見てはいけない」。生を求めるエロスと死を求めるタナトスが心の中に同時にあるように、美を求める心と醜を求める心が同時にある。その、醜を求める心に負けてはならない。醜は幻想であり、叩こうが焼こうが、醜は美になれないのだ。醜を認める心の隙間に、罪の意識を受け入れようとする狂気が忍び込む。



And be you thankful that there is a place where truth and beauty wait for you.
  • thankful [θǽŋkfl] : 「感謝している、ありがたく思う」
  • place [pléis] : 「場所、個所、地域、土地」
  • wait [wéit] : 「じっとしている、待つ」
  • wait for : 「〜を待つ」
❖ "And be you thankful that ~ "「that以下を感謝しなさい」。"that there is a place ~ "「真実と美があなたを待っている場所があること」を感謝しなさい。もちろん、天の王国(実相世界)のこと。



Go on to meet them gladly, and learn how much awaits you for the simple willingness to give up nothing because it is nothing.
  • go on : 「進み続ける、邁進する」
  • meet [míːt] : 「〜に会う、〜と会合する、〜と接触する」
  • gladly [ɡlǽdli] : 「喜んで」
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • await [əwéit] : 「 〜を待つ、待ち受ける、待望する」
  • simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、容易な」
  • willingness [wíliŋnis] : 「意欲、いとわずにすること、やる気」
  • give up : 「あきらめる、断念する、放棄する」
  • nothing [nʌ́θiŋ] : 「無、ゼロ、無価値なもの、価値のないもの」
❖ "Go on to ~ "「喜んで、真実や美に出会うために、歩み続けなさい」。"and learn how much ~ "ここは意訳する、「そして、あなたが、価値なきものを単に進んで諦めることで、あなたがどんなに多くのものを手に出来るか、学びなさい」。"because it is ~ "「価値なきものとは、無なのだから」。幻想世界の諸々を放棄しなさい。それは価値のないものであって、所詮、無なのだから。



11. The new perspective you will gain from crossing over will be the understanding of where Heaven is.
  • perspective [pə(r)spéktiv] : 「展望、物の見方、考え方、観点、視野」
  • gain [géin] : 「得る、獲得する」
  • cross [krɔ́(ː)s] : 「〜を横断する、渡る」
  • understanding [ʌ̀ndə(r)stǽndiŋ] : 「理解、把握、納得」
❖ "The new perspective ~ "「(幻想世界から実相世界へ架けられた橋を)渡ることで、あなたが得るであろう新しい視野は、天の王国がどこにあるのかという理解につながるだろう」。実相的視点でものを見ることが出来るようになるので、天の王国がどこにあるのか、理解できるようになる。



From this side, it seems to be outside and across the bridge.
  • side [sáid] : 「側面、辺、側、面」
  • outside [áutsáid] : 「外側に、外部に」
  • across [əkrɑ́s] : 「〜を越えて、〜を渡って、横断して、向こう側へ」
❖ "From this side ~ "「(橋の)こちら側から見れば、天の王国は外部に、そして(橋を)渡った向こう側にあるように見えるだろう」。幻想世界は時空の存在する仮想の世界であるが、実相世界は無時間無空間の、抽象、想念の世界である。掛け橋の、あちら側、こちら側、といった空間概念が実相世界では消滅する。したがって、幻想世界では、天の王国は宇宙の彼方にあるように錯覚したり、橋を渡った向こう側にあるように思えたりするが、それは仮の姿、便宜的な場所に過ぎない。一種の象徴である。では、本当は、天の王国は何処にあるのか? 想念は想念の中にある。つまり、想念を生み出す心の中に、天の王国は想念として存在する。しかし、この心は、我々が普段に感じている心とは大いに異なることがACIMでは述べられている。肉体的な頭脳が生み出す理性的思考を心と勘違いしないことだ。心の中の最も神聖な部分、最も純粋な部分に神の祭壇があり、そこが実相世界との接点になっている。ならば、真の心はその祭壇にあり、祭壇に続く実相世界に広がっているはずだ。だが、残念なことに、ACIMが言うには、その真の心(神の子の心)は深い眠りに陥っているのである。深く眠った心が、この幻想世界を夢として見ている、そういった構造、構成になっている。



Yet as you cross to join it, it will join with you and become one with you.
  • join [dʒɔ́in] : 「〜に参加する、〜と交わる、〜と一緒になる」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
❖ "Yet as you cross ~ "「しかし、天の王国と交わるために、あなたが掛け橋を渡ると、」" it will join with you ~ "「天の王国はあなたと交わり、あなたと一体になるだろう」。便宜的に、天の王国は掛け橋の向こう側にあると思っていいのだが、渡り終わったとき、天の王国はあなたと一体になり、あなた自身の心に天の王国が存在したのだと認識するのである。むしろ、あなたの心と天の王国を別のものと考えるのではなく、二つが融合し、単一の存在となったものが天の王国、実相世界だと了解した方がいいだろう。融合、単一化は、一元論世界の必然である。あなたの心が天の王国と一体となり、その心は神の心と融合する。さらにホーリー・スピリットの愛が溶け込み、三者の愛は融合する(三位一体)。単一の愛は分かち合われることで拡張増大し、実相世界に無限に広がり、実相世界を完全に包み込む。愛がすべてを包摂し、存在のすべたが愛となる。それが、すべてを包摂する神であり、したがって、神は単一なる純粋の愛である。あるいは、単一の純粋な愛が神である、と言い直してもいい。一元論の究極は単一存在の世界であり、"God is"「神あり」の世界であるが、言い換えれば、"Love is"「愛あり」の世界でもある。他に何もない。まったき愛の光、まったき神の光のみの世界である。一元論世界の完成である。



And you will think, in glad astonishment, that for all this you gave up nothing!
  • glad [glǽd] : 「満足して、うれしい」
  • astonishment [əstɑ́ni∫mənt] : 「驚き、驚くようなこと、信じられないような驚き」
  • give up : 「断念する、放棄する、引き渡す、手放す」
❖ "And you will think ~ "「そしてあなたは、嬉しい驚きをもって、that以下を思うであろう」。"that for all this you ~ "「これらすべてを手に入れるために、あなたは何一つ手放すことはなかったのだ」と、嬉しい驚きをもって、思うであろう。あなたが幻想世界で手に入れたすべては幻想であり、無である。しかし、実相世界に入ると、あなたはすべてのものが与えられるのである。神の世界に不足という概念はない。すべてに満たされるのである。もちろん、物質的に満たされる、という意味ではない。物質は幻想であると知るのだから、物質的に満たされる必要はないではないか。



The joy of Heaven, which has no limit, is increased with each light that returns to take its rightful place within it.
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜」
  • limit [límit] : 「限度、制限、極限、限界」
  • increase [inkríːs] : 「〜を増やす、増大させる、増加させる」
  • return [ritə́ː(r)n] : 「戻る、帰る、返還する」
  • rightful [ráitfəl] : 「正当な、合法的な、道徳的に正しい」
  • place [pléis] : 「場所、個所、住所」
  • within [wiðín] : 「〜の中の、〜以内の」
❖ "The joy of Heaven ~ "「制限のない、天の王国の喜びは、天の王国の中に正当な場所を占めるために戻ってきた一つ一つの光によって、増していく」。ここの"light"は、神の子と考えていいだろう。光の子である。神の子が、天の王国における正当な場所、つまり、神の傍らに回帰するために、天の王国へ戻ってくるのである。その度に、天の王国は喜びで沸き返るのだ。聖なる瞬間に立ち上る偉大な光が、天の王国へと続く。その光に導かれるように、神の子であるあなたはアセンションするのである。あなたの半透明になった肉体からは偉大な光がスパークし始める。肉体が消滅していく瞬間である。あなたのアセンションは天の王国へと行き着く。そこでは、あなたより先にアセンションした同胞達があなたを歓迎し、喜びに沸き返るのだ。誤解がないように慎重に言いたいのだが、アセンションとは、単に人が死んで昇天するという意味ではない。肉体的に死んでアセンションが達成できるなら、遠の昔に神の子の神への回帰は完了しているはずだ。人は、単に死んだだけでは何にもならぬ。肉体が朽ちただけで、アセンションが果たせないからこそ、輪廻せざるを得ないのだ、と考えた方がいい。また一からやり直さねばならないのだ。したがって、人は輪廻の輪のどこかで、必ず、アセンションを果たすための旅に出なくてはならないのである。ただ生きて、ただ死んでいくだけではアセンションは果たせない。しかし、あなたの、そのアセンション旅は、今、始まったのだと、ACIMは教えているのである。なぜなら、あなたは、計らずもACIMに出会ったのであり、それはすでに計画されていたことであって、その運命を、あなたは逃れることは不可能だからだ。



Wait no longer, for the Love of God and you. And may the holy instant speed you on the way, as it will surely do if you but let it come to you.
  • wait [wéit] : 「じっとしている、待つ」
  • no longer : 「もはや〜でない」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • speed [spíːd] : 「〜を急がせる、〜を促す、促進させる」
  • surely [∫úə(r)li] : 「疑いなく、確かに、確実に、必ず、きっと、間違いなく」
❖ "Wait no longer ~ "「神の愛、そしてあなたの愛のためには、もうこれ以上待ってはいけない」。天の王国では、神の愛とあなたの愛が融合する。それに加えて、ホーリー・スピリットの愛が交じり合い、三者の愛が融合して三位一体となる。これが神の完成であり、神の子の完成である。その時を、これ以上待ってはいけない。"And may the holy instant ~ "「聖なる瞬間が、あなたの旅路をスピードアップ出来るようにしなさい」。聖なる瞬間に続く、天の王国へのアセンションを加速せよ。"as it will surely do ~ "「聖なる瞬間は、もしあなたが、聖なる瞬間があなたの元に来るようにしさえすれば、必ず来るのであるから」。あなたが聖なる瞬間を拒まず、むしろそれを望むなら、聖なる瞬間は必ずあなたに訪れる。ホーリー・スピリットがその手はずをしてくれる。聖なる瞬間に出合ったら、迷わず、怖がらず、喜びに胸躍らせて、天の王国へとアセンションすればいいのだ。天の王国では、神やホーリー・スピリットや、そして、すでにアセンションを果たした同胞達が、あなたの回帰を祝福してくれるだろう。
 
 
 

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