●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-4.I.11:1 ~ T-4.I.12:6

11. The ego has built a shabby and unsheltering home for you, because it cannot build otherwise. Do not try to make this impoverished house stand.
  • built [bílt] : 「buildの過去・過去分詞形」
  • shabby [ʃǽbi] : 「使い古した、ボロボロの、みすぼらしい」
  • shelter [ʃéltər] : 「〜を保護する、避難する、かくまう」
  • otherwise [ʌ́ðərwàiz] : 「別なふうに、違ったふうに」
  • impoverished [impάvəriʃt] : 「貧困に陥った、貧窮化した、貧しい」
❖ "The ego has ~ "「エゴは、あなたのために、みすぼらしく雨風さえしのげない家を作った」。"because it ~ "「なぜなら、エゴはそれ以外の家を作ることが出来ないからだ」。"Do not try ~ "「こんな貧弱な家を建てたままにしておこうなどと努力しないことだ」。



Its weakness is your strength. Only God could make a home that is worthy of his creations, who have chosen to leave it empty by their own dispossession.
  • weakness [wíːknəs] : 「弱さ、弱いこと、虚弱、脆弱性」
  • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力、強み」
  • worthy [wə́ːrði] : 「〜に値する、〜するに足りる、立派な 」
  • creation [kriéiʃən]: 「創造、創作、創作物、作品」
  • chosen [tʃóuzn] : 「chooseの過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、ある状態のままにしておく」
  • empty [émpti] : 「 中身のない、空の、空っぽの」
  • dispossession [dìspəzéʃən] : 「所有権奪取、所有権明け渡し」
❖ "Its weakness is ~ "「その弱さはあなたの強みである」。エゴが作った弱々しい家は、実はあなたにとって利点となる。なぜなら、あなたはそんな家にいつまでも住んでいたいなどと思わないからだ。"Only God could ~ "「神こそが、神が創造したものにふさわしい価値のある家を造りえる」。神の子にふさわしい家を、神はちゃんと用意してくれる。しかし、"who have chosen ~ "「神が創造したものは、自らの所有権を明け渡して、その家を空のままにしておくことを選んでしまった」。神の子は、神の作った家を捨てて神から分離したのだ。世俗的な言い方をすれば、神の子は家出をしたのである。



Yet his home will stand forever, and is ready for you when you choose to enter it. Of this you can be wholly certain.
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • be ready [rédi] for : 「〜する準備が整って」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • enter [énter] : 「〜に入る、〜に参加する」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として」
  • be certain [sə́ːrtn] of : 「〜を確信している」
❖ "Yet his home ~ "「しかし、神の家は永遠に立ち続けている」。神の家は実相世界であり、あなたの故郷である。なくなることはない。"and is ready ~ "「あなたがその家に入る選択をしたときのために、その家はあなたを迎える準備を整えている」。家出をしたあなたが、再び故郷の家に戻ってくることを願って、神はあなたを迎える準備を整えている。帰るか帰らないかは、あなたの選択次第だ。"Of this you ~ "「このことに関して、あなたはまったく信頼していい」。ここはもちろん倒置で、"you can be wholly certain of this."が元の形。



God is as incapable of creating the perishable as the ego is of making the eternal.
  • be incapable [inkéipəbl] of : 「〜ができない、〜をする能力がない」
  • perishable [périʃəbl] : 「傷みやすい、腐りやすい、壊れやすい」
  • eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の」
❖ "God is as ~ "「エゴが永遠のものを作れないように、神は壊れるものを創造することは出来ない」。エゴは、変化流動し死に向かう幻想しか生み出せないが、神は永遠不変の真実だけを創造する。



12. Of your ego you can do nothing to save yourself or others, but of your spirit you can do everything for the salvation of both.
  • save [séiv] : 「救う、助ける、確保しておく」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救い、救出、救済」
  • both [bóuθ] : 「両方、双方、両者」
❖ "Of your ego ~ "「あなたは、あなた自身や他者を救うために、エゴを通して何も出来ないが、」"but of your ~ "「しかし、あなたも他者も、どちらの救済のためにも、スピリットを通してすべてのことが出来る」。なお、ここの"of"であるが、"from"と置き換えてみればよい。ここの"of"は出所をいう。



Humility is a lesson for the ego, not for the spirit. Spirit is beyond humility, because it recognizes its radiance and gladly sheds its light everywhere.
  • humility [hjuːmíləti] : 「謙虚、謙遜、卑下」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、認める」
  • radiance [réidiənsi] : 「輝き、光輝」
  • gladly [ɡlǽd] : 「喜んで、喜々として」
  • shed [ʃéd] : 「発する、発散する」
❖ "Humility is a lesson ~ "「謙遜こそ、エゴが学ぶべきレッスンであるが、スピリットには必要ない」。"Spirit is beyond ~ "「スピリットは謙遜を超越している」。"because it recognizes ~ "「なぜなら、スピリットはその輝きを認識し、喜んでどこにでも光を放ってくれるからだ」。傲慢なのはエゴ、真実の光を放って世界を明るくしてくれるのはスピリット。傲慢でないから、スピリットは謙遜を学ぶ必要はない。



The meek shall inherit the earth because their egos are humble, and this gives them truer perception.
  • meek [míːk] : 「おとなしい、柔和な、従順な」
  • inherit [inhérət] : 「〜を引き継ぐ、受け継ぐ、継承する」
  • humble [hʌ́mbl] : 「謙虚な、つつましい」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
❖ "The meek shall ~ "「柔和な者はこの地を受け継ぐであろう」"because their egos ~ "「なぜなら、彼等のエゴはつつましいから」。"and this gives them ~ "「そして、エゴがつつましいことが、彼等により正しい知覚を与えている」。傲慢なエゴの支配から逃れた者ほど柔和である。そんな柔和な人達によって正しい世界は引き継がれていく。何が正しく、何が誤りか、彼らにはわかるから。なお、"The meek shall inherit the earth"はマタイの福音書5:5に出てくる。参考までに載せておく。

[Matthew 5:5 from King James Bible]
Blessed are the meek: for they shall inherit the earth.
柔和な人々は、幸いである、その人たちは地を受け継ぐ。(新共同訳)



The Kingdom of Heaven is the spirit's right, whose beauty and dignity are far beyond doubt, beyond perception, and stand forever as the mark of the love of God for his creations, who are wholly worthy of him and only of him.
  • right [ráit] : 「権利、利権」
  • beauty [bjúːti] : 「美、美しさ」
  • dignity [dígnəti] : 「威厳、尊厳、品位、品格」
  • doubt [dáut] : 「疑い、疑念、疑惑、懸念」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • mark [mɑ́ːrk] : 「 印、記号、指標」
  • creation [kriéiʃən]: 「創造、創作物、作品」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全面的に」
❖ "The Kingdom of ~ "「天の王国はスピリットの権利である」。天の王国が故郷であり家であることは、スピリットにとって権利である。"whose beauty ~ "「そのスピリットの美しさと威厳は疑いをはるかに越えたものである」。スピリットは神に似せて神が創造したものだから、美しさと威厳は超越的だ。"and stand ~ "「そして、スピリットは、創造されたものに対する神の愛の印として永遠に立つ」。神は神の愛の延長上にスピリットを創造した。神の愛、そのものだと思ってもいい。"who are wholly ~ "「神によって創造されたものは、完全に神にとってふさわしいものであり、神にとってのみふさわしい」。神に愛されるにふさわしい、その価値がある、ということ。ここではスピリットと書いてあるが、もちろん、神の子に置き換えて読み直していい。



Nothing else is sufficiently worthy to be a gift for a creation of God himself.
  • sufficiently [səfíʃəntli] : 「十分に、足りて」
  • gift [gíft] : 「贈り物、神からの贈り物」
❖ "Nothing else is ~ "「(スピリット以外の)他のものは、神自身が創造したものに贈られる贈りものとして、十分に値するとは言い難い」。スピリットは神が我々に与えてくれた最高の贈り物。
 
 
 



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