8. Watch carefully and see what it is you are really asking for. Be very honest with yourself in this, for we must hide nothing from each other.
- carefully [kέərfəli] : 「注意深く、慎重に」
- ask for : 「〜を求める、〜を要求する」
- honest [ɑ́nəst] : 「正直な、誠実な、素直な」
- be honest with oneself : 「自分自身に正直である」
- hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
❖ "Watch carefully and ~ "「注意深く見つめ、あなたが本当は何を求めているのか見極めなさい」。"Be very honest ~ "「このことに関して、自分自身に正直でありなさい」。"for we must ~ "「なぜなら、私たちは互いに隠し立てをしてはいけないのだから」。イエスに隠しだけをしても意味がない。隠そうにも隠せないし、隠したのでは前へ一歩も進めない。
If you will really try to do this, you have taken the first step toward preparing your mind for the Holy One to enter.
- take the first step : 「第一歩を踏み出す」
- toward [təwɔ́ːd] : 「〜の方へ、〜に向かって」
- prepare [pripéər] : 「〜を準備する、支度する」
- enter [énter] : 「〜に入る、〜に立ち入る」
❖ "If you will ~ "「あなたが本当に、自分が何を求めているか見極めようとするなら、」"you have taken ~ "「あなたは〜に向かっての第一歩を踏み出したことになる」。"toward preparing ~ "「あなたの心に、聖なるものが入ってこれるように準備させる」方向に向かっての一歩を踏み出したことになる。ホーリー・スピリットを受け入れる心の準備が出来たことになる。
We will prepare for this together, for once he has come, you will be ready to help me make other minds ready for him. How long will you deny him his kingdom?
- prepare [pripέər] : 「〜を準備する、用意する」
- ready [rédi] : 「覚悟ができて、用意ができて」
- deny[dinái] A B : 「AにBを与えない」
- kingdom [kíŋdəm] : 「王国、王領」
❖ "We will prepare ~ "「私たちは一緒に、このことを準備しよう」。このことを準備するとは、神聖なるものが我々の心の中に入ってこれるように準備する、ということ。ホーリー・スピリットの受け入れ準備である。"for once he has ~ "「なぜなら、ひとたび神聖なるもの(ホーリー・スピリット)がやって来れば、あなたは、私が〜するのを助ける準備が出来たことになるからだ」。"to help me ~ "「私が、(あなた以外の)他者の心が神聖なるものを(受け入れる)準備を整わせることが出来る」のを助ける準備が出来たことになるからだ。"How long will ~ "「あなたはいったいどれくらい、神聖なるものに王国を与えないでおこうとするのか」。ホーリー・スピリットは、あなたが天の王国に回帰できるように導くためにこの幻想世界に遣わされた。あなたが決心すれば、あなたはホーリー・スピリットと供に神の世界へ回帰できるのだ。それを長々と拒否し続けているのはあなたである。
9. In your own mind, though denied by the ego, is the declaration of your release. God has given you everything.
- though [ðóu] : 「〜だけれども、そうは言うものの」
- deny [dinái] : 「〜を否定する、拒む、拒絶する」
- declaration [dèkləréiʃən] : 「公表、宣言、布告」
- release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと」
❖ "In your own ~ "「あなたの心の中に、たとえエゴによって否定されたとしても、あなたの解放の宣言が存在する」。幻想の中であなたはエゴの捕らわれの身であるが、本当は、すでにあなたは開放されていると宣言することが出来る。エゴがそれを否定しても、真実はそうである。"God has given ~ "「神はあなたにすべてを与えている」。もちろん、開放も自由も。時間の存在しない実相では、すべての事象は完了している。実相的に、本当は、あなたは解放されたのだ。ただ、そのシナリオをあなたが選択し、それを宣言し、時間を軸にして追体験するだけでいい。あなたはそれを延ばし延ばしにしてきた。
This one fact means the ego does not exist, and this makes it profoundly afraid.
- mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
- exist [iɡzíst] : 「存在する、生きている」
- profoundly [prəfáundli] : 「 深く、心から、大いに」
- afraid [əfréid] : 「恐れて、怖がって」
❖ "This one fact ~ "「この唯一の真実は、エゴが存在していないことを意味している」。実相的にあなたは既に幻想から解放されているという真実は、幻想の消滅を意味し、したがって、幻想に過ぎないエゴの非存在を意味している。"and this makes ~ "「そして、この事実がエゴを心底恐れさせる」。
In the ego's language, "to have" and "to be" are different, but they are identical to the Holy Spirit.
- language [lǽŋgwidʒ] : 「言語、言葉」
- different [dífərənt] : 「相違する、異なる」
- identical [aidéntikl] : 「全く同じ、同一の、等しい」
❖ "In the ego's ~ "「エゴの言語においては、『〜をもっていること』と『〜であること』は異なっているが、」"but they are ~ "「それらの言葉は、ホーリー・スピリットにとっては全く同じである」。理由は次の文。
The Holy Spirit knows that you both have everything and are everything.
- both A and B : 「AもBもどちらも」
❖ "The Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたがすべてをもっていることも、あなたがすべてであることも、両方を知っている」。『持つ』という概念は分離に基づいている。あなたが、あなたではない何かを『持つ』のである。ところが、分離が存在しない実相では、あなたと分離した何かを持つことは出来ない。詭弁に聞こえるかもしれないが、『持って生まれた状態』が永遠に続く。つまり、神の属性を継承して創造されたままに、神の子はすべてを持った状態で存在するのだ。
Any distinction in this respect is meaningful only when the idea of "getting," which implies a lack, has already been accepted.
- distinction [distíŋkʃən] : 「区別、差異、違い」
- in this respect [rispékt] : 「この点において」
- meaningful [míːniŋfəl] : 「意味のある、重要な」
- imply [implái] : 「暗に伝える、暗示する」
- lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
- already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
- accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する」
❖ "Any distinction in ~ "「この点における違いは、『手に入れること』という考え、それは欠けていることを暗に示しているのだが、それがすでに受け入れられている時だけ意味をなす」。分離した世界で、何かが不足していると思ったときだけ、奪ってでも『手に入れたい』というエゴ的欲望が生まれる。そこに、"to have"と"to be"との違いが生じて、あなたにとっては意味をなす。
たとえば、あり余るお金と物を所有し、社会的な地位も獲得し、尊敬も手に入れ、他者を支配する権力も掌握し、それによって初めて自己を確立したと信じるようでは、エゴの世界に生きていることになる。つまり、"to have"によって"to be"を確立するようでは、エゴの支配下にあるのだ。対して、ホーリー・スピリットは、あなたは既にすべてを持っており、不足はなく、そのままのあなたが本当のあなた自身だと教える。生まれた時点で"to have"は確立しており、それは"to be"と何ら違いはない。
That is why we make no distinction between having the kingdom of God and being the kingdom of God.
- distinction [distíŋkʃən] : 「差異、区別」
- make a distinction : 「区別する」
- between [bitwíːn] A and B: 「AとBとの間に」
- kingdom [kíŋdəm] : 「王国、王領」
❖ "That is why ~ "「それが、私たちが神の王国をもつことと神の王国であることの間に違いを設けない理由である」。なぜ違いを設けないかというと、同じことだから。神の子は神から分離したと信じているが、神の子が神の属性のすべてを継承して創造された以上、神からの分離は不可能なのだ。神の子はその本性として、神そのものを継承し、つまり神の王国をもち、したがって、神そのものと一体である、つまり神の王国である。
10. The calm being of God's kingdom, which in your sane mind is perfectly conscious, is ruthlessly banished from the part of the mind the ego rules.
- calm [kɑ́ːm] : 「穏やかな、静かな」
- sane [séin] : 「正気の、分別ある」
- perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
- conscious [kάnʃəs] : 「意識のある、意識的な」
- ruthlessly [rúːθləsli] : 「 無慈悲に、冷酷に」
- banish [bǽniʃ] : 「追い出す、追放する」
- rule [rúːl] : 「統治する、支配する」
❖ "The calm being ~ "「神の王国として静かにあることは、」つまり、静かに神の王国を心にもっていることは、"which in your ~ "「あなたの正気の心では、それは完璧に意識されるのだが、」つまり、正気の心では、神の王国をもっていることは自覚されるのだが、"is ruthlessly ~ "「冷酷にも、エゴが支配する心の一部から追い出されてしまう」。神からの分離後、二元論世界を偽創造した神の子は、心をも分裂させ、エゴの支配する領域とホーリー・スピリットの宿る領域に二分した。正気な心に宿るホーリー・スピリットは、あなたの心が神の王国をもっていることをあなたに自覚させようとするのだが、エゴは冷酷にそれを阻止して、あなたの心を闇の中に放り出す。
The ego is desperate because it opposes literally invincible odds, whether you are asleep or awake.
- desperate [déspərət] : 「絶望的な、自暴自棄の」
- oppose [əpóuz] : 「反対する、反抗する、対抗する」
- literally [lítərəli] : 「文字どおり」
- invincible [invínsəbl] : 「無敵の、揺るぎない」
- odds [ɑ́dz] : 「勝ち目、勝算、見込み」
- whether [hwéðər] : 「〜であろうとなかろうと」
- asleep [əslíːp] : 「眠っている状態の 」
- awake [əwéik] : 「目が覚めて」
❖ "The ego is ~ "「エゴは自暴自棄になっている」。"because it opposes literally ~ "「なぜならエゴは、文字通り、無敵の勝算をもっているものに対抗しているからだ」。無敵の勝算とは、絶対負けないこと、すなわち神の王国のこと。"whether you are ~ "「あなたが眠っていようが目覚めていようが」。つまり、意識しているか意識していないかにかかわらず。
Consider how much vigilance you have been willing to exert to protect your ego, and how little to protect your right mind.
- consider [kənsídər] : 「よく考える、熟考する」
- vigilance [vídʒələns] : 「警戒、用心」
- be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する」
- exert [igzə́ːrt] : 「発揮する、使う」
- protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
❖ "Consider how ~ "「あなたのエゴを守るために、いかに多くの警戒心を自ら進んで用いてきたか、あなたの正しき心を守るためにいかに少ない警戒心しか使わなかったか、よく考えて見なさい」。
Who but the insane would undertake to believe what is not true, and then protect this belief at the cost of truth?
- insane [inséin] : 「正気でない、狂った」
- undertake [ʌ̀ndərtéik] : 「引き受ける、企てる」
- at the cost of : 「〜を費やして、〜を犠牲にして」
❖ "Who but the ~ "「正気でない者以外の誰が、真実ではないものを信じることを引き受け、真実を犠牲にしてまでその信念を守ろうとするであろうか」。