6. You will not remember change and shift in Heaven. You have need of contrast only here.
- remember [rimémbə(r)] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
- change [t∫éin(d)ʒ] : 「変化、変更、移行、交換」
- shift [∫íft] : 「交代、変更、変化、転換」
- have need of : 「〜を必要とする、〜が入り用である」
- contrast [kəntrǽst] : 「コントラスト、対照、対比、正反対のもの」
❖ "You will not remember ~ "「天の王国では、あなたは変化も変更も思い出すことはないであろう」。"You have need of contrast ~ "「この幻想の世界においてのみ、あなたはコントラストが必要なのである」。実相世界は一元論の世界であり、対極概念をもたない。たとえば、白は存在するが黒は存在しない。もちろん灰色というグラデーションも存在しない。したがって、白は変化することなく白なのだ。白が灰色にシフトすることもない。この幻想世界は二元論世界であるから、白も黒も灰色も存在する。コントラストが存在し、白が灰色に変化することもシフトすることもあり得るのである。言い換えれば、変化するにはコントラストが必要となる。
Contrast and differences are necessary teaching aids, for by them you learn what to avoid and what to seek. - difference [díf(ə)r(ə)ns] : 「 違い、差異、相違」
- necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
- teaching [tíːt∫iŋ] : 「教えること、指導、教示、授業」
- aid [éid] : 「援助、救済、補助、助成」
- teaching aid : 「教育用具、補助教材」
- avoid [əvɔ́id] : 「避ける、回避する、逃れる、敬遠する」
- seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する、探求する」
❖ "Contrast and differences ~ "「コントラストや違いというものは、教えるときに必要な補助となる」。"for by them you ~ "「なぜなら、コントラストや違いによって、あなたは避けるべきもの、追求すべきものを学のだから」。たとえば、実相世界には善はあるが悪はない。しかし、善を学ぶには、悪という対照が必要であり、悪は避けなくてはならないと学ぶことで善を追求できるわけである。しかし、もちろん、違いを学んだ後では、悪は不必要なものとなる。悪には消滅してもらわなくてはいけない。
When you have learned this, you will find the answer that makes the need for any differences disappear. - find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
- answer [ǽnsə(r)] : 「答え、回答、返事、応答」
- make [SVO do] : 「〜に〜させる」
- disappear [dìsəpíə(r)] : 「存在しなくなる、なくなる、消滅する、消失する」
❖ "When you have ~ "「あなたがこのことを学んでしまったとき、」"you will find the answer ~ "「あなたは、いかなる違いの必要性も消滅させてしまう答えを見出すであろう」。回りくどい言い方をしているが、簡単に言えば、違いというものは学ぶときには必要だが、学んでしまった後では、違いというものは必要なくなり、消滅してしまうことがわかるであろう、ということ。消滅してしまう答えが見出されるとは、消滅してしまう理由がわかる、ということ。実相世界では違いは存在しないからだ。つまり、実相世界の完全平等性である。
Truth comes of its own will unto its own. When you have learned that you belong to truth, it will flow lightly over you without a difference of any kind. - Truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
- come of : 「〜から生じる、〜から起こる、〜に起因する、〜の結果である」
- belong [bilɔ́(ː)ŋ] to : 「〜に属する、〜の所有物である」
- flow [flóu] : 「流れる、満ちる、導かれる」
- lightly [láitli] : 「軽く、軽快に、素早く、明るく、陽気に」
- of any kind : 「いかなる種類の」
❖ "Truth comes of ~ "直訳すると、「真実はそれ自身の意志から生まれ出て、それ自身に向かう」。英語をネイティヴにしていない日本人には解釈しにくい部分であるが、おそらく次のような意味合いであろう。"its own will"ここは「あなた自身の心の正しい部分の意志」と解釈したらいいだろう。真実を生み出す力、あるいは真実を見い出す力は、あなたの正しい心の意志力そのものである。そして、あなたの心の正しい意志力が生み出した、あるいは見い出した真実は、あなた自身の心の財産となるのである。解釈は少々漠然としているが、いずれ、真実とは、そこに自然にあるものではなく、あなたの意志が関わって、主体的に、あるいは能動的に生みだし、選び取らなくてはならないものである。あなたの心の正しい部分との関わりによって真実は姿を現し、正しい意志力をもって選択することで、真実はあなたのものとなるのである。"When you have learned that ~ "「あなたが、自分は真実に属していると知ったとき、」"it will flow lightly over ~ "「真実はいかなる種類の違いもなく、軽やかに、あなたの心全体に溢れることであろう」。あなたの正しい心が生みだし、見出した真実は、あの真実もこの真実も、抽象化されその違いを超越して、あなたの心の正しい部分全体に溢れるのである。
For you will need no contrast to help you realize that this is what you want, and only this. - contrast [kəntrǽst] : 「コントラスト、対照、対比、正反対のもの」
- realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する」
❖ "For you will need ~ "「なぜなら、あなたは、あなたがこれ(真実)はあなたの欲しているものであり、唯一これだけを欲しているとわかる手助けとなるコントラスト(対比)を必要としなくなるからだ」。あの真実もこの真実も、実相世界では抽象化され違いが消滅する。もはや真実を証明するための対比は必要ない。真実だけがそこに存在する。その最後に残った真実の神髄だけが、あなたが欲したものであると、あなたは知ることになるのである。ここまで来れば、真実の神髄の正体がおぼろげながら理解されよう。つまり、抽象化された真実の実体、神髄は、神と神の子とホーリー・スピリット、三者の存在そのものである。三位一体の実在性であり、さらにそれは、究極的にたった一つの真実に収斂する。それは、"God is"「神ありき」である。
Fear not the Holy Spirit will fail in what your Father has given him to do. The will of God can fail in nothing.- Fear [fíə(r)] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
- fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
- fail in : 「〜に失敗する」
❖ "Fear not the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットの意志が、父なる神がホーリー・スピリットに成すように与えたことを失敗するのではないと恐れてはならない」。"The will of God ~ "「神の意志は、何事に対しても失敗することはない」。ホーリー・スピリットの意志は神の意志であるので、ホーリー・スピリットの意志も、神同様、失敗することはない。
7. Have faith in only this one thing, and it will be sufficient: - have faith in : 「〜を信用する、〜を信じている」
- sufficient [səfí∫nt] : 「十分な、満足な、足りる、間に合う」
❖ "Have faith in only ~ "「このこと一つだけを信頼しなさい」。このこととは、神の意志もホーリー・スピリットの意志も、失敗することはない、ということ。"and it will be ~ "「そうすれば、そのことだけで十分であろう」。その他に信頼すべきものはない。神とホーリー・スピリットの意志を信じるだけで十分である。
God wills you be in Heaven, and nothing can keep you from it, or it from you. - keep A from B : 「AをBから遠ざける」
❖ "God wills you be ~ "「神は、あなたが天の王国にいてほしいと意志している」。"and nothing can ~ "「何ものも、あなたを天の王国から遠ざけ得ないし、天の王国をあなたから遠ざけることも出来ない」。
Your wildest misperceptions, your weird imaginings, your blackest nightmares all mean nothing. - wild [wáild] : 「荒れ果てた、荒涼とした、乱れた、狂気じみた」
- misperception : 「誤解」
- weird [wíə(r)d] : 「奇妙な、風変わりな、変な、変わった」
- imagine [imǽdʒin] : 「想像する、思う、心に描く、推測する」
- nightmare [náitmὲər] : 「恐ろしい夢、悪夢」
❖ "Your wildest misperceptions ~ "「あなたの最も気違いじみた誤った知覚も、奇妙な空想も、最も暗黒の悪夢も、全部、意味がないのである」。実相世界である天の王国では、あらゆる幻想は全く意味を持たない。
They will not prevail against the peace God wills for you. - prevail [privéil] : 「勝つ、勝る、圧倒する、普及する」
- prevail against : 「〜に打ち勝つ、〜をしのぐ」
❖ "They will not prevail ~ "「それらは、神があなたにそうなってほしいと意志する平和に打ち勝つことは出来ないだろう」。あらゆる幻想は、神の意志に打ち勝つことは不可能だ。
The Holy Spirit will restore your sanity because insanity is not the Will of God. If that suffices him, it is enough for you. - restore [ristɔ́ː(r)] : 「回復させる、修復する、復活させる」
- sanity [sǽnəti] : 「正気、健全さ」
- insanity [insǽnəti] : 「狂気、精神病、精神異常」
- suffice [səfáis] : 「〜に十分である、足りる、〜を満足させる」
- enough [inʌ́f] : 「十分な、足りる」
❖ "The Holy Spirit will restore ~ "「ホーリー・スピリットはあなたの正気さを修復してくれるだろう」。"because insanity is not ~ "「なぜなら、狂気は神の意志ではない」。"If that suffices him ~ "「もし、それが神を満足させるなら、あなたにとってもそれで十分である」。神がホーリー・スピリットに使命を与え、あなたの狂気を正気へと修正してくれたなら、神はその結果に満足するであろうし、あなたにとっても、正気になることで十分なのだ。狂気に未練を覚える必要などない。
You will not keep what God would have removed, because it breaks communication with you with whom he would communicate. His voice will be heard.- keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する」
- remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、取り外す、除去する」
- break [bréik] : 「壊す、割る、折る、破る」
- communication [kəmjùːnikéi∫n] : 「コミュニケーション、情報伝達、通信、連絡、交信」
- communicate [kəmjúːnikèit] : 「連絡する、通信する、交信する」
- communicate with : 「〜に連絡する、〜に話をする、〜に伝える、〜と意思が疎通する、〜に通じている」
- heard [hə́ː(r)d] : 「hear の過去・過去分詞形」
❖ "You will not keep what ~ "「あなたは、神が取り除いてくれたものを保持しようとは思うまい」。正気を取り戻したあなたが、狂気に戻りたいとは思うまい。"because it breaks communication ~ "「なぜなら、それは、神が連絡を取りたいと思っているあなたとのコミュニケーションを壊してしまうからだ」。あなたの心の最も神聖な部分、最も純粋な部分にキリスト(ホーリー・スピリット)が住まい、そこに神への祭壇がある。その場所が、神とのコミュニケーションをとれる唯一の場である。その心の神聖な部分、純粋な部分を、たとえば狂気で汚してしまうことは、神とのコミュニケーションを不可能にしてしまうのである。心を神聖に、純粋に保っておけば、"His voice will be ~ "「神の声は聞こえてくるだろう」。