●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-14.III.1:1 ~ T-14.III.2:6

 

III. The Decision for Guiltlessness
罪なき心への決意
 
 
 
1. The happy learner cannot feel guilty about learning. This is so essential to learning that it should never be forgotten.
  • learner [lə́ːrnər] : 「学習者、初学者」
  • feel [fíːl] : 「〜を感じる、感知する」
  • guilty [gílti] : 「有罪の、犯罪的な、罪を犯した、罪の意識がある」
  • learning [lə́ː(r)niŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習」
  • essential [isén∫l] : 「絶対必要な、絶対不可欠な、欠くことのできない」
  • should [∫úd] : 「〜すべきである、〜しなくてはならない」
  • forgotten [fə(r)gátn] : 「forget の過去分詞形」
  • forget [fə(r)gét] : 「〜を忘れる、見落とす」
❖ "The happy learner ~ "「学ぶことに喜びを見出す者は、学ぶことに罪の意識を感じることはない」。"This is so essential to ~ "ここは、"so ~ that ~ "の構文、「これはとても必須のことであるので、決して忘れてはならない」。



The guiltless learner learns easily because his thoughts are free. Yet this entails the recognition that guilt is interference, not salvation, and serves no useful function at all.
  • guiltless [gíltlis] : 「罪のない、潔白な、無辜の」
  • easily [íːz(ə)li] : 「容易に、たやすく、苦もなく、気楽に、安易に、簡単に」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思索、熟考、考え、見解」
  • entail [entéil] : 「〜を伴う、必要とする、引き起こす」
  • recognition [rèkəgní∫n] : 「認識、認証、真価を認めること」
  • interference [ìntərfíərəns] : 「干渉、妨害、障害、邪魔、支障、衝突」
  • salvation [sælvéi∫n] : 「救出、救済、救い、救世」
  • serve [sə́ː(r)v] : 「果たす、〜に役立つ、〜に仕える」
  • useful [júːsfl] : 「役立つ、実用的な、有用な、便利な」
  • function [fʌ́ŋ(k)∫n] : 「機能、作用、働き、効用」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
❖ "The guiltless learner ~ "「罪の意識をもたない学習者は、苦もなく簡単に学ぶ」。"because his thoughts ~ "「なぜなら、彼の思考は自由だからだ」。"Yet this entails ~ "「しかし、このことはthat以下のような認識をもたらしてくれる」。 "that guilt is interference ~ "「罪の意識は干渉することはあれ、救いにはならず、」 "and serves no ~ "「有用な機能をまったく果たすことがない」という認識をもたらしてくれる。罪の意識は自由な思考を妨害する。救済という有用な機能を発揮することもない。



2. Perhaps you are accustomed to using guiltlessness merely to offset the pain of guilt, and do not look upon it as having value in itself.
  • Perhaps [pə(r)hǽps] : 「たぶん、もしかすると、ことによると」
  • accustom [əkʌ́stəm] : 「〜に慣れさせる、慣らす、なじませる」
  • be accustomed to : 「〜に慣れている、〜が習慣になっている」
  • guiltlessness [gíltlisnis] : 「無罪、罪のないこと、無辜性」
  • merely [míə(r)li] : 「ただ単に、単に」
  • offset [ɔ̀(ː)fsét] : 「〜を相殺する、埋め合わせる、〜を弱める」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
  • look upon : 「〜を見る、〜を見詰める」
  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価、有用性」
❖ "Perhaps you are accustomed ~ "「多分あなたは、罪のないことを単に、罪の痛みを取り除くために使うことに慣れてしまっており、」"and do not look upon ~ "「罪のないこと自体が価値を持っていると見ることがないのだ」。無辜(むこ)性は、単に罪の意識の痛みがないだけでなく、より重要な価値がある。



You believe that guilt and guiltlessness are both of value, each representing an escape from what the other does not offer you.
  • both [bóuθ] : 「両方ともに、双方ともに」
  • of value : 「価値のある」
  • each [íːt∫] : 「各々、それぞれ、めいめい」
  • represent [rèprizént] : 「〜の役を演ずる、〜に相当する、〜だと説明する」
  • escape [iskéip] : 「逃亡、脱出、避難、逃避、回避」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、ささげる、提供する」
❖ "You believe that guilt and ~ "「あなたは、罪も無辜(むこ)も、共に価値があると信じている」。"each representing ~ "分詞構文、単純接続、「そして、罪も無辜も互いに、他方があなたに提供できないものから逃れる役割を演じている」。罪の意識をもつ者は、次のように主張するだろう。罪の意識があるからこそ、善に向かおうとする動機が生じ、心の痛みを知っているからこそ、他者に優しくなれるのだと。罪の意識を感じない者は鈍感であり、善の価値を知らず、弱者の心の痛みを知ることもないと。したがって、無辜性があなたに与える冷酷さから逃れるために罪の意識は有用であると主張する。あるいは、善への動機を感じない無神経さから逃れるために、罪の意識は有用であると主張する。一方、罪の意識のない者は、次のように主張するだろう。罪の意識とは心の汚れであり、汚れから逃れるためには無辜性は必須である。罪の意識を持つ者同士が同情し合うのは、単なる傷のなめ合い過ぎず、それは偽の愛、偽の慈悲である。偽りの愛や慈悲から逃れるには無辜性は絶対必要であると。



You do not want either alone, for without both you do not see yourself as whole and therefore happy.
  • either [íːðə(r)] : 「どちらか一方の」
  • alone [əlóun] : 「単に、独りで」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
  • therefore [ðéə(r)fɔ̀ː(r)] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
❖ "You do not want either ~ "「あなたは、どちらか一方だけを欲しいとは思わない」。罪の意識か、無辜性か、その一方だけを望むことをしない。"for without both ~ "「なぜなら、その両方がなかったら、あなたは自分を完全だと見なすことが出来ず、したがって、不幸であるとさえ思ってしまうからだ」。こういう発想が、真実は真実であるという簡潔な真理から外れた発想なのである。つまり二元論的発想である。罪もあり、無辜もあり、その両方に価値があるから、その両方を併せ持たなくては完全ではなく不幸である、とする発想だ。しかし、真実は真実であるとする一元論的発想は、真実は存在し、虚偽は幻想であり存在しないから、存在だけが真実であるとする発想だ。無辜は存在し、罪は幻想であるから存在せず、したがって無辜だけが真実であるとする発想である。したがって、無辜であることが完全であり、無辜であることこそ幸福だとするのである。



Yet you are whole only in your guiltlessness, and only in your guiltlessness can you be happy. There is no conflict here.
  • conflict [kənflíkt] : 「不一致、衝突、対立、論争、摩擦、葛藤、軋轢、争い、紛争、闘争」
❖ "Yet you are whole ~ "「しかし、あなたは、あなたが無辜であるという中においてのみ、完全なのである」。"and only in your guiltlessness can ~ "「そして、あなたが無辜である中においてのみ、あなたは幸福なのである」。"There is no conflict ~ "「そこには、コンフリクトの起きようがない」。対立概念が存在しないから、コンフリクトは起きない。一元論世界では、コンフリクトさえ存在し得ないのだ。



To wish for guilt in any way, in any form, will lose appreciation of the value of your guiltlessness, and push it from your sight.
  • wish for : 「〜を所望する、〜を欲する」
  • in any way : 「何らか、多少なりとも、決して、形はどうあれ」
  • in any form : 「いかなる種類のものであれ」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
  • appreciation [əprìː∫iéi∫n] : 「識別、感知、正しく評価をすること」
  • push [pú∫] : 「〜を押す、つきのける、突く」
  • sight [sáit] : 「視野、視界、景色、光景、視覚、視力」
❖ "To wish for guilt ~ "「どんな形であれ、何とかして罪が欲しいと思う心は、あなたの無辜性の価値を正しく評価することが出来ないだろうし、」"and push it from ~ "「あなたの無辜性をあなたの視野から追い出してしまうだろう」。つまり、あなたは自分の無辜性が見えなくなってしまうだろうということ。存在もしない虚偽を追い求めれば、存在する真実さえ見えなくなってしまうのだ。
 
 
 

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