8. Heaven waits silently, and your creations are holding out their hands to help you cross and welcome them.
- wait [wéit] : 「じっとしている、待つ」
- silently [sáiləntli] : 「静かに、黙って、無言で」
- creation [kriéi∫n] : 「創作物、作品、創造、創作」
- hold out : 「差し出す、提供する、提出する、伸ばす」
- cross [krɔ́(ː)s] : 「〜を横断する、渡る」
- welcome [wélkəm] : 「温かく迎え入れる、歓迎する、もてなす」
❖ "Heaven waits ~ "「天の王国は静かに待っている」。"and your creations are ~ "「あなたの創造したもの達は、あなたが(橋を)渡るり、彼らを暖かく迎え入れるのを手助けするために、手を差し伸べている」。"your creations"「あなたが創造したもの達」とは何か? 実相世界は抽象、想念の世界であるから、具象的な物ではない。あなたが創造した美、真実、真理、喜び、愛、平和、慈しみ、恵み、等々の、永遠不変なるもの達のことだ。ここでは、それらを擬人化して述べているわけだ。
For it is they you seek. You seek but for your own completion, and it is they who render you complete. - seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める」
- seek for : 「〜を探し求める」
- completion [kəmplíː∫n] : 「完成、完了、終了」
- render [réndə(r)] [SVOC] : 「〜の状態にする」
- complete [kəmplíːt] : 「完結した、完成した、完全な、全くの」
❖ "For it is they ~ "「なぜなら、あなたが探し求めているものこそ、あなたが創造したもの達であるからだ」。"You seek but for ~ "「あなたは、あなた自身の完成を追い求めているのであり、あなたを完成させるのは、あなたが創造したもの達である」。あなた自身の完成とは、具体的に言えば、実相世界における叡智(knowledge)の完成である。仏教的に言えば、解脱や悟りと言ったところか。その叡智の完成には、あなたが創造した美や真実や愛や喜びが関わってくるわけである。つまり、あなたが真実なる美や愛や喜びを求め、それを創造することによって、あなたは解脱に到達する。
The special love relationship is but a shabby substitute for what makes you whole in truth, not in illusion. - special [spé∫l] : 「特別な、独特の、特別の」
- relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
- shabby [∫ǽbi] : 「使い古した、ボロボロの、みすぼらしい、粗末な」
- substitute [sʌ́bstət(j)ùːt] : 「代用品、代替、代理人、置換」
- whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
- truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
- illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
❖ "The special love ~ "「特別な愛の関係は、〜に対するみすぼらしい替え玉である」。"for what makes ~ "「あなたを、幻想の中においてではなく、真実の中において、完全なものにしてくれるもの」に対するみすぼらしい替え玉である。特別な愛の関係は偽りであって、真実の関係性の替え玉だ。真実の愛の関係性にあっては、あなたは完全なものになるはずである。
Your relationship with them is without guilt, and this enables you to look on all your brothers with gratitude, because your creations were created in union with them. - without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
- guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
- enable [enéibl] : 「〜を可能にする、〜に可能性を与える、〜できるようにする」
- gratitude [grǽtət(j)ùːd] : 「感謝、感謝の気持ち」
- creat [kriéit] : 「創造する、作り出す、創り出す」
- union [júːnjən] : 「結合、合併、融合、団結」
- in union : 「合同で、力を合わせて」
❖ "Your relationship with ~ "「あなたが創造したもの達との関係性は、罪の意識などないものである」。実相世界の真実には罪という概念自体が存在しない。あなたも、あなたが創造したもの達も、ともに実相世界の存在であるから、当然、罪の意識がからんでくるわけがない。"and this enables you ~ "「そして、この関係性は、あなたが同胞達を感謝の気持ちで見ることを可能にしてくれる」。"because your creations were ~ "「なぜなら、あなたが創造したもの達は、同胞達と力を合わせて創造したものだからである」。実相世界の存在は、その属性として分かち合われることが必然である。あなたの喜びや愛や美は、同胞達と分かち合われることで初めて光彩を放つのである。それは分かち合われることで拡張し、増大する。その一連の流れが創造であり、あなた一人の作業ではない。同胞との分かち合いによって初めて達成されることであるから、あなたは必然的に同胞達に感謝の念を抱くことになる。
Acceptance of your creations is the oneness of creation, without which you could never be complete. - acceptance [əksépt(ə)ns] : 「受け入れること、承諾、承認、受諾、受理、支持、容認」
- oneness [wʌ́nnis] : 「一体感、単一性、同一性、統一性」
- complete [kəmplíːt] : 「完全な、全部の、完結した、完成した」
❖ "Acceptance of your ~ "「あなたが創造したもの達を受け入れることは、創造との一体化である」。"without which you ~ "「それなしでは、あなたは決して完成されることはない」。創造したものを生みっぱなしではいけない。それを同胞と分かち合い拡張増大することであなたの内側に取り入れ、同化していくのである。たとえば、あなたが創造した喜びや美を、分かち合い感謝しながら増大させ、あなたの内部へ取り入れていく。そのとき、あなたと同胞は同化し、あなたは喜びや美そのものとも同化する。あなた自身が喜びであり美そのものであるという地点まで行き着くのである。実相世界が純粋一元論の世界であることを思い起こそう。すべてが融合し、単一の存在へと収斂していくのだ。たとえば、実相世界には愛しか存在しないと言うとき、存在のすべてが愛に収斂した状態であり、実相世界は美そのものであると言ったとき、存在のすべてが美に収斂している。すべてが喜びである、と表現してもいい。すべてが光である、と表現してもいい。そして、すべてが神であるのだ。メルティングした単一存在が、見る者の視点によって如何様(いかよう)にも見えるだけである。仏教的な言い方をすれば、「多即一、一即多」の世界である。したがって、あなたが創造したもの達とあなたが、「多」の関係を保ったままでは不完全なのである。「一」なる関係にまでならなくては、あなたの完成はあり得ない。
No specialness can offer you what God has given, and what you are joined with Him in giving.- specialness [spé∫lnis] : 「特殊性、特別なこと」
- offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
- given [gívn] : 「give の過去分詞形」
- join [dʒɔ́in] : 「参加する、交わる、一緒になる」
❖ "No specialness can ~ "「神が与えるもの、そして、あなたが神と一緒になって与えるもの、そういったものをどんな特殊性もあなたに差し出すことは出来ない」。実相世界に住む神が与えることが出来るものは、当然「多即一、一即多」の原則にそったものである。すべての特殊性はメルティングして、完全平等性を有するものとなる。神が差し出せるもの、そしてあなたが神と一緒になって与え得るものは、単一の存在であって、完全に平等なものだけである。いかなる特殊性も、そこに介在することは出来ない。一元論世界に二元は存在できないのだ。
9. Across the bridge is your completion, for you will be wholly in God, willing for nothing special, but only to be wholly like to Him, completing Him by your completion. - across [əkrɑ́s] : 「〜を横切って、〜を横断して」
- bridge [brídʒ] : 「橋、橋梁、桟橋」
- completion [kəmplíː∫n] : 「完成、完了、終了」
- wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
- will [wíl] : 「〜を望む、意図する、命ずる、決意する」
- special [spé∫l] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
❖ "Across the bridge ~ "「橋を渡りきることが、あなたの完成である」。この橋は、もちろん、天の王国への最後の掛け橋。"for you will be ~ "「なぜなら、あなたは完全に神の中に存在することになるからだ」。つまり、完全に実相世界に入ることが出来るからだ。"willing for nothing ~ "分詞構文、付帯状況、「そこでは、どんな特殊なものも望まず、」"but only to be ~ "「完全に神のように存在するためだけに、」"completing Him ~ "「あなたの完成をもって、神を完成させるのである」。非常に難解であるが、イメージしていこう。あなたは天の王国への最後の掛け橋を渡り切る。あなたは完全に実相世界に入ることが出来たのである。実相世界は神そのものであるから、あなたは完全に神に包含される。神の胸に抱かれると言ってもいい。さて、実相世界に入ったあなたは純粋な神の子として再生された。神の属性をすべて継承した神のような存在である。しかし、実相世界は一切の特殊性を排除した純粋平等な一元論の世界であるから、むしろ、あなたは神そのものである、と言った方が正しい。もう少し柔らかく言うと、神の子であるあなたは神と融合し、神と一元となって神のごとき存在になるのである。さらに、もちろん、ここにホーリー・スピリットが加わり、三位(さんみ)が一体となる。この三位一体の完成が神の完成であって、もちろん、あなたの完成であり、ホーリー・スピリットの完成である。もはや、そこには何の区別も特殊性もない。単一の存在自体が、まさにそれが実相世界である。
Fear not to cross to the abode of peace and perfect holiness. Only there is the completion of God and of His Son established forever. - fear [fíə(r)] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
- cross [krɔ́(ː)s] : 「〜を横断する、渡る」
- abode [əbóud] : 「住居、滞在」
- perfect [pə́ː(r)fikt] : 「完璧な、完全な」
- holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
- completion [kəmplíː∫n] : 「完成、完了、終了」
- establish [istǽbli∫] : 「確立する、設置する、定着させる、定住させる」
- forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "Fear not to cross ~ "「平和と完全な神聖さが存在する場所へ渡ることを恐れてはいけない」。天の王国への最後の掛け橋を渡ることを恐れてはいけない。"Only there is the completion ~ "「そこには、ただ〜があるだけだ」。 "the completion of God ~ "「神と神の子の、永遠に確立された完成」があるだけだ。神と神の子とホーリー・スピリットとの三位一体という永遠の完成が待っているだけだ、ということ。
Seek not for this in the bleak world of illusion, where nothing is certain and where everything fails to satisfy. - bleak [blíːk] : 「寒々とした、荒涼とした、殺風景な、わびしい」
- certain [sə́ː(r)tn] : 「確実な、確かな、確信して、間違いのない、疑う余地のない、信頼できる」
- fail [féil] : 「失敗する、しくじる、破産する」
- satisfy [sǽtisfài] : 「〜を満足させる、納得させる、満たす、充足させる」
❖ "Seek not for this ~ "「幻想の荒涼とした世界の中に、完成を求めてはいけない」。"where nothing ~ "「そこには確かなものはなく、すべてが満足させられないのだ」。この幻想の世界では、神と神の子とホーリー・スピリットの三者が、三位一体となって完成されることはない。もちろん、叡智の完成もあり得ない。真実を探し出そうとするあなたの願いも満たされることはない。まさに、不確実性と不足の世界である。
In the Name of God, be wholly willing to abandon all illusions. - in the name of : 「〜の名において」
- wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
- be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する、〜に前向きである、〜に気乗りする」
- abandon [əbǽndən] : 「捨てる、遺棄する、見捨てる、捨て去る」
❖ "In the Name of ~ "「神の名において、すべての幻想を捨て去る気持ちに、完全になりなさい」。"In the Name of God"「神の名において」とは、神の愛に応えて、とか、神の完成を願って、といった意味合い。この幻想世界を捨て、実相世界への最後の掛け橋を渡りなさい、ということ。
In any relationship in which you are wholly willing to accept completion, and only this, there is God completed, and His Son with Him.- relationship [riléi∫n∫ìp] : 「 関係、結び付き、かかわり合い、関連」
- accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
❖ "In any relationship ~ "「あなたが、完成を心から受け入れようとするいかなる関係性においても、」つまり、関係性を受け入れることで、あなたが完成されるという、そういう関係性を築いたときは、ということ。"and only this, there ~ "「こういう関係性の中においてのみ、神は完成され、神と共にあなたも完成されるのである」。神と神の子とホーリー・スピリットの三者の関係性の中でのみ、三者の完成があり得る、ということ。もちろん、一元論世界の必然性に則り、三位が一体になったときにすべては完成するのである。逆に、三者のどの一つが欠けても、誰の完成もあり得ない。ということは、あなたが実相世界に回帰することは、実相世界の完成の鍵を握っていることになる。それほど重要な役割を、あなたは担っているのだ。神はあなたを必要としているのである。無限の愛をもってあなたを待ち望んでいるのだ。