2. Love is freedom. To look for it by placing yourself in bondage is to separate yourself from it.
- freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
- look for : 「〜を探す、〜を予期する、〜を期待する 」
- place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける」
- bondage [bɑ́ndidʒ] : 「束縛、緊縛、隷属性」
- separate [sépərèit] : 「分ける、分離する、隔てる、引き離す」
❖ "Love is ~ "「愛は自由である」。愛は自由解放の羽ばたきである。"To look for it ~ "「あなた自身を束縛しておきながら愛を探すことは、あなたを愛から引き離してしまうことである」。愛は束縛と正反対である。束縛を容認しながら愛を探しても、愛はあなたから遠ざかるだけだ。
For the Love of God, no longer seek for union in separation, nor for freedom in bondage! - no longer : 「もはや〜でない」
- seek [síːk] for : 「〜を探し求める」
- union [júːnjən] : 「結合、合併、融合、団結」
- separation [sèpəréi∫n] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
❖ "For the Love ~ "「神の愛を求めるなら、」神の愛とは、実相世界の真実の愛のことで、憎悪という対極概念をもたない純粋な愛のことである。神やホーリー・スピリットの愛と融合、結合出来る真の愛である。"no longer seek for ~ "「もはや、分離の中で結合を探し求めるべきではないし、」"nor for freedom ~ "「束縛の中で自由を求めるべきでもない」。分離を象徴する幻想世界にあって、神やホーリー・スピリットととの愛の結合を求めても、それは叶えられることはなく、エゴの思考システムに束縛されていながら、実相世界の永遠の自由、解放を求めても、その達成は不可能だ。
As you release, so will you be released. Forget this not, or Love will be unable to find you and comfort you.- release [rilíːs] : 「解放する、自由にする、放つ、離す」
- forget [fə(r)gét] : 「〜を忘れる、見落とす」
- unable [ʌnéibl] : 「できない」
- be unable to : 「〜することができない」
- find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
- comfort [kʌ́mfə(r)t] : 「慰める、安心させる、元気づける、〜の痛みを和らげる」
❖ "As you release ~ "「あなたが誰かを解放するとき、あなたも解放されるだろう」。他者を束縛状態において、自分ばかりの解放を願ってはいけない。実相世界では、与えることと得ることは等しいことであるように、解放することと解放されることは等しい。ちょうど、教えることと学ぶことが等しいのと同じだ。"Forget this ~ "「このことを忘れてはいけない」。"or Love will be unable ~ "「さもなければ、神の愛はあなたを見つけ出すことも、あなたの痛みを和らげることも出来なくなるだろう」。自分ばかりの解放を願うのではなく、神の子が一致協力し合って、束縛からの解放を分かち合わなくてはならない。さもないと、本当の愛はあなたを見つけることが出来ないのだ。つまり、ホーリー・スピリットの愛はあなたに届かない。
3. There is a way in which the Holy Spirit asks your help, if you would have His. - way [wéi] : 「方法、やり方、手段、方途、様式 、道」
- ask [ǽsk] : 「求める、要求をする、必要とする」
❖ "There is a way ~ "「ホーリー・スピリットがあなたの手助けを求める方法がある」。"if you would have ~ "ここの"His"は"His help"のこと、「もし、あなたがホーリー・スピリットの手助けが欲しいと思うならば」。意味が判然としない部分である。ホーリー・スピリットは神の子を手助けしてくれる立場にあるが、しかし、逆にあなたがホーリー・スピリットの助けとなることが一つだけあるのだ。実相世界の愛の融合、すなわち三位一体には神の子の存在は欠かせない。あなたが天の王国に回帰することは、ホーリー・スピリットを、また同時に神を助けることになるのである。「助ける」という言葉が誤解を与えるようなら、「完成を達成するための役割を実行すること」と考えていい。完成とは、もちろん、神と神の子とホーリー・スピリットの愛の結合、融合、すなわち三位一体化である。本文に戻ると、あなたが自由への解放のためにホーリー・スピリットの手助けを求める気持ちがあるなら、ホーリー・スピリットは喜んであなたを手助けし、あなたを実相世界へと解放させてる手助けをしてくれるだろう。そのためには、ホーリー・スピリットはあなたの助力を必要とする。それは、あなたが自ら進んで「聖なる瞬間」を受け入れることである。幻想世界の夢から、あなたが自ら進んで目覚めようとしない限り、ホーリー・スピリットと言えども、何の手出しも出来ないのだ。なぜなら、あなたの自由意思は、何にもまして、尊重されるからだ。なぜか? 神がそのように神の子を創造したからである。
The holy instant is His most helpful aid in protecting you from the attraction of guilt, the real lure in the special relationship. - holy [hóuli] : 「神聖な」
- instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
- helpful [hélpfl] : 「役立つ、助けになる、有益な、参考になる、有用な」
- aid [éid] : 「援助、救済、補助、助成」
- protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
- attraction [ətrǽk∫n] : 「引き付けるもの、引力、魅力、誘引」
- guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
- real [ríː(ə)l] : 「実在的な、実質的な、現実の、実際の、本物の」
- lure [l(j)úə(r)] : 「引き付けるもの、魅力、魅惑」
- special [spé∫l] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
- relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
❖ "The holy instant is ~ "「聖なる瞬間は、〜からあなたを守る、ホーリー・スピリットの最も役に立つ手助けである」。" from the attraction ~ "「特別な関係性における現実的な魅力、すなわち罪の意識の魅力から」あなたを守る、ホーリー・スピリットの最も役に立つ助けである。特別な愛の関係性を構築することで、あなたはしばらくの間、夢のような時間を過ごすことが出来るのだが、罪の意識を隠し持ったままの関係性は長続きしない。タナトスと呼ばれる死への志向があるように、罪に魅かれる性癖を人は隠しもっている。特別な関係性は、その罪への魅力を温存してしまうのである。しかし、あなたが罪の意識に真っ正面から向き合おうと決意したとき、ホーリー・スピリットはあなたを強力に支えてくれる。聖なる瞬間をあなたに与えて、助けてくれるのだ。あなたが、幻想世界を捨て、罪の意識を捨てて、実相世界に目覚めようとするとき、ホーリー・スピリットは「聖なる瞬間」を演出してくれるのである。聖なる瞬間、あなたは、立ちのぼる光に導かれて天の王国に昇ることとなる。その魅力に比べたら、罪の意識の魅力など、いかほどのものだろうか。
You do not recognize that this is its real appeal, for the ego has taught you that freedom lies in it. - recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
- appeal [əpíːl] : 「魅力、懇願」
- taught [tɔ́ːt] : 「teach の過去・過去分詞形」
- freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
- lie [lái] : 「ある、存在する」
❖ "You do not recognize that ~ "「あなたは、この罪の意識が現実的な魅力だとは気付いていないのだ」。罪の意識に魅かれる気持ちが、特別な関係性を求める動機になっていることに、あなたは気付いていない。"for the ego has ~ "「なぜなら、エゴはあなたに、自由が特別な関係性の中にあると教えたからである」。具体的に説明しよう。エゴはあなたに、神を裏切って神から分離した罪は重いと教える。それは既成事実であって、人間が罪を背負った事実は歴史から消えることはないと教える。やがて、神はその報復として、最後の審判の日に、あなたに重い罰を下すだろうと教える。しかし、エゴは、実は抜け道があるのだと、あなたに誘いをかける。罪を抱いたまま、罪を丸め込んで、この地上において天国のようないい気分になれる方法がある、と教える。罪を抱いた者同士が、その罪があるゆえに、互いに理解し合うことが出来、痛みを分かち合うという特別な関係性があるではないかと唆(そそのか)すのだ。特別な愛の関係性の中にこそ、罪の意識をしばし忘れることが出来る、つまり、罪から解放される自由が存在するのだ、と教えるのだ。忘却こそ自由なり、というわけである。自由こそ罪の中にあり、と言うのである。こうして、あなたはエゴに騙されて、自分が罪深い人間だと思い込み、傷をなめ合うことが出来る特別な関係性を求める。あなたは幻想から目覚めることはなく、エゴも安泰、という図式が出来上がる。イエスが、エゴのトリックに気付いて2000年が経過したが、幻想に目覚めてアセンションが出来た勇気ある者はいったい何人いるだろうか? ACIMが世界に広がった現在、より多くの人たちがエゴのトリックに気付いて欲しいと思うは私だけであるまい。
Yet the closer you look at the special relationship, the more apparent it becomes that it must foster guilt and therefore must imprison.- close [klóus] : 「近い、接近した、近接した、緊密な」
- apparent [əpǽr(ə)nt] : 「明らかな、明白な」
- foster [fɔ́(ː)stə(r)] : 「〜を育てる、育成する、促進させる」
- imprison [imprízn] : 「監禁する、拘置する、投獄する」
❖ "Yet the closer you ~ "ここは"the + 形容詞, the + 形容詞"の構文で、「〜すればするほど、ますます〜する」、「しかし、あなたが、特別な関係性を、ますます間近に見れば見るほど、」"the more apparent it ~ "ここは"it ~ that ~ "の構文、「that以下が、ますます明白になってくる」。"that it must foster ~ "「特別な関係性は決まって罪の意識を育て、それゆえ、あなたを投獄し続ける」ことが、ますます明白になってくる。簡単に言えば、特別な関係性は、エゴの言うような自由への切符ではなく、監獄への切符だということ。なぜなら、解放とは罪からの解放であり、自由とは罪からの自由であるからだ。罪を抱え込んだまま、解放も自由もない。しかし、エゴが言うように、神の子は神を裏切って分離したという既成事実があるではないか、罪は消そうにも消せないのではないか、と言う方もおられよう。しかし、ACIMはきっぱりと、それは事実ではないと宣言する。それは幻想であり、思い込みであり、夢に見た出来事だ、と言うのである。あなたは一歩たりとも神の元を離れてはいないし、神を裏切ったりしていない。神は、神の子が何をしようと、報復として罰を与えるようなことはしないし、原理的に出来ないのだ、とACIMは言う。最後の審判など、夢のまた夢、エゴの脅しだと言う。だからこそ、安心して夢から目覚めなさい、とあなたを誘っているのである。あなたはゆっくり目覚めればいいのだ。これほど簡単なことが世にあろうか。