●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-26.VI.2:1〜 T-26.VI.3:6

2. Lead not your little life in solitude, with one illusion as your only friend.
  • lead [líːd] : 「送る、導く、連れていく」
  • lead a life : 「生活を送る、暮らす」
  • solitude [sάlətjùːd] : 「孤独、独りぼっち」
  • in solitude : 「一人で、寂しく」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
❖ "Lead not your little ~ "「あなたのささやかな人生を、〜と共に、独りぼっちで送らないようにしなさい」。"with one illusion ~ "「あなたの唯一の友として、一つの幻想と共に、」あなたのささやかな人生を、独りぼっちで送らないようにしなさい。たとえば、幻想に過ぎない罪の意識を、あたかも大切な友であるかのように心に抱いて、一生を孤独の中で生きるようなことのないように。あるいは、幻想のエゴを唯一の友として、孤独な人生を一人歩まないように。



This is no friendship worthy of God's Son, nor one with which he could remain content.
  • friendship [fréndʃip] : 「友情、友情関係」
  • worthy [wə́ːrði] : 「〜に値する、〜するに足りる、〜にふさわしい」
  • remain [riméin] [SVC] : 「依然として〜のままである」
  • content [kɑ́ntent] : 「満足している」
  • content with : 「〜に満足している、〜に甘んじている」
❖ "This is no friendship ~ "「こんな幻想は、神の子にふさわしくない友であるし、」"nor one with which ~ "「決して、神の子が満足し続けることの出来る友でもない」。たとえば、罪という幻想は、純粋で神聖な神の子にふさわしくないし、罪の意識を抱くことに満足を覚えることもないのだ。だから、孤独なのである。エゴを友とすることも、同様である。



Yet God has given him a better Friend, in Whom all power in earth and Heaven rests.
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • better [bétər] : 「より良い、より優れている、優越する」
  • earth [ə́ːrθ] : 「地球、地上、全世界」
  • rest [rést] : 「ある、置かれている」
❖ "Yet God has given ~ "「しかし、神は、神の子により良い友を与えたのだ」。神は神の子に、最良の友であるホーリー・スピリットを遣わせた。"in Whom all power ~ "「その友であるホーリー・スピリットの中には、地上における、そして天の王国におけるあらゆるパワーが宿っているのである」。幻想世界にも実相世界にも通じる、真の奇跡を起こし得るパワーを、ホーリー・スピリットは有している。たとえば、幻想の罪の意識を、実相の愛に質転換する奇跡を起こすパワーなどである。



The one illusion that you think is friend obscures His grace and majesty from you, and keeps His friendship and forgiveness from your welcoming embrace.
  • obscure [əbskjúər] : 「〜を曖昧にする、覆い隠す、〜を暗くする」
  • grace [gréis] :「恩恵、恩寵、神の愛、優雅、優美」
  • majesty [mǽdʒesti] : 「尊厳、王者の威厳、威厳」
  • keep A from doing : 「Aに〜させない」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • welcome [wélkəm] : 「温かく迎え入れる、歓迎する、〜を喜んで受け入れる」
  • embrace [embréis] : 「受諾、採用、承認、容認、抱擁」
❖ "The one illusion that ~ "「あなたが友だと思っている、一つの幻想は、ホーリー・スピリットの恩恵や威厳を、あなたの目から覆い隠している」。幻想の罪の意識によって、あなたは、ホーリー・スピリットの慈悲やその偉大さが見えないのだ。"and keeps His friendship ~ "意訳する、「そして、ホーリー・スピリットの友情や赦しをあなたが歓迎して受け入れることを、阻害しているのである」。あなたは、威圧的なエゴを支配者と位置づけて、友であるホーリー・スピリットを受け入れることを拒んでいる。エゴもまた、一つの幻想なのだ。したがって、エゴに捕らわれたあなたの目は、真実を見ることが出来ないのである。



Without Him you are friendless. Seek not another friend to take His place. There is no other friend.
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
  • take one's place : 「〜の代わりをする、〜と交代する、地位を占める」
❖ "Without Him ~ "「ホーリー・スピリットなしでは、あなたに友はいない」。ホーリー・スピリットを友に出来ないようでは、同胞を真実の友とすることも不可能だ。"Seek not another friend ~ "「ホーリー・スピリットの代わりを探して、他の友を求めてはいけない」。ホーリー・スピリットを友とする代わりに、エゴを友とするようなことがあってはならない。"There is no other ~ "「(ホーリー・スピリット以外に、)友はいないのだから」。



What God appointed has no substitute, for what illusion can replace the truth?
  • appoint [əpɔ́int] : 「〜を任命する、選任する、指名する」
  • substitute [sʌ́bstətjùːt] : 「代用品、代替、代理人、代わりのもの」
  • replace [ripléis] : 「〜を取り換える、取って代る、後任となる 」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "What God appointed ~ "「神が指命した者に、その代理となる者はいない」。神はホーリー・スピリットに、神の子を補佐する役目を任命した。その、神の子の補佐役になれる代理人はいない。エゴには、ホーリー・スピリットの代理は務まらないのだ。"for what illusion ~ "「なぜなら、いかなる幻想が、真実にとって代われるだろうか」。幻想のエゴが、実相のホーリー・スピリットに取って代わることなど、原理的に不可能なのだ。



3. Who dwells with shadows is alone indeed, and loneliness is not the Will of God.
  • dwell [dwél] : 「住む、居住する、存在する」
  • shadow [ʃǽdou] : 「影、暗がり、人影、陰」
  • alone [əlóun] : 「独りで、ただ〜だけで、唯一の」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも」
  • loneliness [lóunlinəs] : 「孤独、寂しさ、独りぼっち」
  • will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
❖ "Who dwells with ~ "「影とともに暮らす者は、確かに孤独である」。影に過ぎない幻想と共に生きる者は、確かに孤独である。"and loneliness is ~ "「そして、孤独は、神の意思することではない」。神の子が、ホーリー・スピリットを友とし、そして、真実の同胞を友として生きることを、神は意思しているのだ。



Would you allow one shadow to usurp the throne that God appointed for your Friend, if you but realized its emptiness has left yours empty and unoccupied?
  • allow [əláu] : 「〜を許す、許可する、許容する」
  • usurp [juːsə́ːrp] : 「奪う」
  • throne [θróun] : 「王座、王位、国王、王権、王威」
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
  • emptiness [émptinis] : 「空なこと、空虚、むなしさ、無意味」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「ある状態のままにしておく」
  • empty [émpti] : 「空の、空いている、誰もいない」
  • unoccupied [ʌnάkjupàid] : 「占有されていない、使用中でない、空いている」
❖ "Would you allow one ~ "「もし〜であるなら、あなたは、神があなたの友であるホーリー・スピリットに与えた王権を、一つの影が奪うことを許すだろうか」。神は、神の代理権(王権)をホーリー・スピリットに与えたのだが、幻想がその代理権を奪うことを、つまり、エゴがその神の代理権を奪うことを、あなたは許すだろうか。"if you but realized ~ "「もし、あなたが、ホーリー・スピリットの王権が空になったなら、あなたの王権も空にされ、使うことも出来なくなると知っているなら、」あなたは、神があなたの友であるホーリー・スピリットに与えた王権を、一つの影が奪うことを許すだろうか。ホーリー・スピリットの神の代理権が奪われて空になってしまったら、あなたの心に住むホーリー・スピリットはあなたの元を離れてしまうことになり、あなたの王権、つまり、神の子として、神から継承したあらゆる権利が、ホーリー・スピリットとともに奪われて空になってしまうのである。そんなことを、あなたは許すであろうか。そんな結果を招くことを知りながら、幻想に勝手なまねをさせておくだろうか。



Make no illusion friend, for if you do, it can but take the place of Him Whom God has called your Friend.
  • take the place of : 「〜の代わりをする、〜に取って代わる」
❖ "Make no illusion ~ "「どんな幻想も、友としてはいけない」。"for if you do, it ~ "「なぜなら、もし、そんなことをしたなら、幻想は、神があなたの友と呼んだホーリー・スピリットに取って代わる可能性があるからだ」。幻想のエゴを友と考えようものなら、神があなたのために友として遣わしたホーリー・スピリットの地位(王権、神の代理権)を、エゴが奪ってしまうことになる。あなたは、幻想のエゴに支配されてしまうのだ。



And it is He Who is your only Friend in truth. He brings you gifts that are not of this world, and only He to Whom they have been given can make sure that you receive them.
  • in truth : 「実のところ、実際には」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント」
  • make sure that : 「〜ということを確実にする、きっと〜となるようにする」
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する」
❖ "And it is He Who is ~ "強調構文、「ホーリー・スピリットこそが、真実、あなたの唯一の友なのだ」。"He brings you ~ "「ホーリー・スピリットは、この世界のものではない贈り物をあなたにもたらしてくれるのであり、」この幻想世界には存在しない、実相世界の真実、たとえば、愛であり平和であり美、慈しみ、喜び、等々の贈り物を、ホーリー・スピリットはあなたに与えてくれるのである。"and only He to ~ "意訳する、「贈り物を託されたホーリー・スピリットだけが、確実にあなたがそれを受け取ることを保証してくれるのだ」。つまり、神がホーリー・スピリットに、神の子に与える贈り物を託したのだ。贈り物を託されたホーリー・スピリットだけが、確実に、あなたに神の贈り物を届けることが出来るのである。



He will place them on your throne, when you make room for Him on His.
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける」
  • make room for : 「〜のためのスペースをあける、〜に席を譲る」
❖ "He will place them ~ "「あなたが、ホーリー・スピリットの王権の上に、(それを置く)スペースを作ったとき、ホーリー・スピリットは、あなたの王権の上に、神の贈り物を置くのである」。少々込み入っているのだが、あなたが、ホーリー・スピリットの神の代理権を受け入れたなら、ホーリー・スピリットは神から託された神の贈り物を、神の子として当然受け取れる権利として、神の子であるあなたに授けることが出来るのである。この段落で、"throne"という言葉を、あえて「王座」と訳さずに「王権」と解釈したのは、ホーリー・スピリットの"throne"は神の代理権、神の子の"throne"は神の属性のすべてを継承する権利、と解釈したからである。実相世界では、神と神の子とホーリー・スピリットは三位一体であるから、神の持つ権利、パワー、意思、属性は、神の座である王座も含めてすべて、神の子の、そして、ホーリー・スピリットのものなのである。
 
 
 


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