●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-26.VII.11:1 ~ T-26.VII.12:6

11. What is the Will of God? He wills His Son have everything. And this He guaranteed when He created him as everything.
  • will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
  • will [wíl] : 「〜を望む、意図する、命ずる、決意する」
  • guarantee [ɡæ̀rəntíː] : 「保証する、請け合う、約束する」
  • create [kriéit] : 「〜を創造する、〜を創り出す」
❖ "What is the Will ~ "「神の意思とは何か」。"He wills His Son ~ "「神は、神の子がすべてをもつことを意思している」。"And this He guaranteed ~ "「神が神の子を、すべてのものとして創造したとき、神はこのことを保証したのだ」。"when He created him as everything"「神が神の子を、すべてのものとして創造したとき」とは、神が神の子に神の属性のすべてを継承して、神の子を創造したとき、という意味合い。だから、神の子は創造された瞬間から、神と同じすべての属性を有しているはずなのだ。その事実を、神の子は忘れている。



It is impossible that anything be lost, if what you have is what you are.
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • lost [lɔ́st] : 「lose の過去・過去分詞形」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
❖ "It is impossible that ~ "「もし、あなたが持っているものが、本当のあなた自身であるなら、何ものも失われ得ないのだ」。神の属性をもった、実相的な神の子が、あなた自身の本当の姿であるなら、あなたは、神の属性の何ものも失うことはない。実相的真実は、失われることはないからだ。



This is the miracle by which creation became your function, sharing it with God.
  • creation [kriéiʃən] : 「創造、創作、創作物、作品」
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
❖ "This is the miracle ~ "「これは、奇跡であり、その奇跡によって、創造性があなたの役割となり、創造性を神と分かち合っていることになるのだ」。神の子が神の属性のすべてをもっており、失うことが決してないということは、奇跡的な、素晴らしいことであって、その神の属性は神の子に、真実の創造を促しているのだ。神の子は、神と共に、実相世界の真実を創造し生み出していくのである。



It is not understood apart from Him, and therefore has no meaning in this world.
  • understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understand の過去・過去分詞形」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として、〜はさておき」
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
❖ "It is not understood ~ "「創造性は、神を離れて理解することは出来ないし、」"and therefore has ~ "「それゆえ、この世界では何の意味もない」。真の創造性は、神の存在する実相世界においてのみ理解可能なことであって、真実の創造は、この幻想世界にあっては意味をもたない。実相的な実在が、幻想という枠組みの中に入るわけがない、という意味合い。



Here does the Son of God ask not too much, but far too little.
  • ask [ǽsk] : 「〜を求める、〜を頼む、依頼する」
  • far too : 「あまりにも〜な」
❖ "Here does the Son of God ~ "「この幻想世界においては、神の子は、多くを要求しないどころか、要求があまりにも少な過ぎる」。この幻想世界において、神の子は、真実をあまりにも求めなさ過ぎる。真実の創造を、あまりにも追求しなさ過ぎる。真実も創造もそっちのけで、ただただ夢の中に埋没しているだけだ。



He would sacrifice his own identity with everything, to find a little treasure of his own.
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「〜を犠牲にする、〜をささげる」
  • identity [aidéntəti] : 「同一性、自我同一性、独自性、固有性」
  • treasure [tréʒər] : 「宝、富、宝物、財産」
❖ "He would sacrifice ~ "「神の子は、自分自身のほんの少しの宝物を探し出すためなら、あらゆるものと同一である自分自身を犠牲にするだろう」。神の子がこの幻想世界で、取るに足らぬ宝物、たとえば金であり地位であり権力を手に入れるためには、神の子は、神の属性のすべてを有しているという自己を犠牲にすることさえ厭(いと)わない。金のためなら、地位のためなら、権力のためなら、真実の愛も真実の喜びも真実の平和も犠牲にしてしまうのだ。真実を犠牲にして幻想を手に入れようとするのである。



And this he cannot do without a sense of isolation, loss and loneliness.
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • sense [séns] : 「感覚、知覚、良識、分別、道理」
  • isolation [àisəléiʃən] : 「孤立、分離、隔離、孤独、孤立感」
  • loss [lɔ́s] : 「失うこと、紛失、損失、喪失」
  • loneliness [lóunlinəs] : 「孤独感、寂しさ、独りぼっち」
❖ "And this he cannot ~ "「こんなことは、分離感や喪失感や孤立感なしでは、神の子の出来ることではない」。神の子がこの幻想世界で分離分裂し、神の属性を失ってしまったという喪失感、他者と一体になれない分離感、一人生きねばならない孤立感、等々が神の子を苦しめているのだ。その心の闇をごまかすために、ますます幻想にのめり込んで、実相的な価値などまったくない金や地位や権力という麻薬に手を染めていくのである。



This is the treasure he has sought to find. And he could only be afraid of it.
  • sought [sɔ́ːt] : 「seek の過去・過去分詞形」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
  • be afraid [əfréid] of : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
❖ "This is the treasure ~ "「こんなものが、神の子の探し求めている宝物なのだ」。"And he could only ~ "「そして、(その結果、) 神の子は宝物を恐れることになるのである」。金や地位や権力を失いはしないか、誰かによって奪われはしないかと、日々、戦々恐々として生きなくてはならなくなる。それを失ってしまったら、自分は無に帰してしまうと信じているのだ。そして、恐れが、ますます麻薬を求めていくのである。恐れを麻痺させるためだ。



Is fear a treasure? Can uncertainty be what you want? Or is it a mistake about your will, and what you really are?
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • uncertainty [ʌnsə́ːrtnti] : 「確信のなさ、不確かさ、不確実さ、不確実性」
  • mistake [mistéik] : 「誤り、判断上の間違い、ミス、過ち」
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
❖ "Is fear a treasure?"「一体、恐れが宝物だと言えるだろうか」。"Can uncertainty ~ "「不確実性が、あなたの望むものになり得ようか」。不確実性の中で、変化流動して崩壊に向かう金や地位や権力が、あなたの望むものなのか。"Or is it a mistake ~ "「あるいは、そんな宝物を求めることは、あなたの意思についての、そして、本当のあなたは何なのかということについての、誤りではないのか」。実相的な自分自身を幻想的な自分と取り違えるという、知覚の誤りなのだ。



12. Let us consider what the error is, so it can be corrected, not protected.
  • consider [kənsídər] : 「よく考える、熟考する」
  • error [érər] : 「誤り、間違い、ミス、誤字、誤用、過失」
  • correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す」
  • protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
❖ "Let us consider ~ "「誤りとは何なのか、よく考えてみよう」。"so it can be ~ "「そうすれば、誤りは正せるし、守らなくてもすむ」。ここの"protected"は、防御するという意味合いではなく、保持し続ける、といった意味合い。幻想の誤りを、後生大事にいつまでも心の中に保持続けるということだ。



Sin is belief attack can be projected outside the mind where the belief arose.
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • project [prədʒékt] : 「〜を投影する、発射する、投げ出すs」
  • outside [áutsáid] : 「〜の外に、〜の外側に」
  • arose [əróuz] : 「arise の過去形」
  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる」
❖ "Sin is belief attack ~ "「罪とは、攻撃性は心の外側に投射され得るものだと信じるところに生まれる」。"where the belief ~ "「心がその信念を生み出しているのだ」。攻撃性は、あなたの心が生み出す悪感情である。しかし、あなたはその感情をあなたの心の中だけで処理しきれないのだ。そこで、攻撃性を心の外部に投射して、誰かを悪者に仕立てて攻撃しようとするのである。他者に罪があると断言して、罪あるものは攻撃しても正当だとあなたは信じる。あるいは、攻撃性を自分自身に向けて、罪ある自分は自分で攻撃しても正当であると信じるのである。しかし、自分を攻撃することが怖いので、他者に攻撃心を向ける。攻撃性を投射し、悪者を外部に求めるのだ。したがって、心が生み出す悪感情の攻撃性と、罪を心の外に見つけ出すことは、表裏一体なのである。



Here is the firm conviction that ideas can leave their source made real and meaningful.
  • firm [fə́ːrm] : 「堅い、堅固な、頑丈な、断固とした」
  • conviction [kənvíkʃən] : 「信念、確信」
  • leave [líːv] : 「〜から離れる、〜を残す」
  • source [sɔ́ːrs] : 「もと、源、起点、原因」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
  • meaningful [míːniŋfəl] : 「意味のある、意味深長な、重要な」
❖ "Here is the firm conviction ~ "「ここでは、想念は、想念の源を離れ得るという固い確信が現実的で意味があるとされるのだ」。心が想念を生み出す源なのだが、その想念は心を離れて外部に投射されて、想念の勝手な世界が外部に描き出せるという確信がある。簡単に言えば、心は幻想することも、妄想を抱くことも、錯覚することも出来、それを心の外部に投射して、そこにリアルで意味のあり気な幻想世界、妄想世界、錯覚世界を作り出してしまうのである。それが可能だと固く信じているがために、今、あなたは、投射された幻想世界に生きているのだ。



And from this error does the world of sin and sacrifice arise.
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、いけにえ」
  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
❖ "And from this error ~ "「この誤りから、罪と犠牲の世界が立ち現れているのである」。心が想念を外部に投射出来るという誤った考えから、それが現実化して、この幻想世界が立ち現れたのだ。思いは必ず、現実化するのである。



This world is an attempt to prove your innocence, while cherishing attack.
  • attempt [ətémpt] : 「試み、企て」
  • prove [prúːv] : 「証明する、〜となる、〜であると分かる」
  • innocence [ínəsəns] : 「無罪、潔白、無邪気、無垢、純潔」
  • while [hwáil] : 「〜なのに、〜ではあるものの、〜だが」
  • cherish [tʃériʃ] : 「〜を大事にする、大切にする」
❖ "This world is an attempt ~ "「この世界は、攻撃性を大切にしておきながら、あなたの無辜性を証明しようとする試みである」。他者に罪を幻想し、罪ある他者は攻撃するに限ると信じておきながら、罪のない自分は正当であると主張する、そういった世界がこの幻想世界である。他者に罪を見出すとは、本当は、自分の罪を認めたことになるのである。



Its failure lies in that you still feel guilty, though without understanding why.
  • failure [féiljər] : 「失敗、不成功、破綻」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • still [stíl] : 「まだ、今でもまだ、いまだに、今もなお」
  • feel [fíːl] : 「感じがする、感じる」
  • guilty [gílti] : 「犯罪的な、罪を犯した、罪の意識がある、後ろめたい」
  • though [ðóu] : 「〜にもかかわらず、たとえ〜でも」
❖ "Its failure lies in that ~ "「この誤りは、あなたがいまだに罪の意識を感じているということの中に存在する」。"though without ~ "「たとえ、その理由が分からなくても」。あなたは、罪があるのは他者であって、罪ある者は攻撃して然るべきだと主張し、罪のない自分は正当だと断言するが、そのあなたの心の中には、罪の意識が確かに眠っている。あなたは、どうあがいても、罪の意識から解放されていないのだ。その罪の意識が何処から来るものなのか、あなたは知らないのだが。この罪の意識こそ、遠い昔、神を裏切って神から分離したという、神の子の罪の意識なのである。つまり、神に対する原罪意識なのだ。



Effects are seen as separate from their source, and seem to be beyond you to control or to prevent. What is thus kept apart can never join.
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こう)に、〜を越えて、〜を過ぎて」
  • control [kəntróul] : 「支配する、抑える、制御する」
  • prevent [privént] : 「防ぐ、妨げる、防止する、阻止する、止める」
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
  • keep [kíːp] : 「〜の状態にしておく、保つ、〜にしておく」
  • apart [əpάːrt] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
  • join [dʒɔ́in] : 「交わる、一緒になる、結合する」
❖ "Effects are seen as ~ "「結果は、その源から分離したものと見られる」。結果は原因から離れて、独自に存在しているかに見られる。心が原因となって生まれ、外部に投射された結果が、心を離れて独立に存在しているように見えるのである。"and seem to be ~ "「そして、その結果は、あなたの制御や抑制を越えてしまっているように見られるのだ」。あなたの心が生んだ結果ではあるが、心を離れてしまったために、あなたの心の制御を受けないのだ。"What is thus kept apart ~ "「このように、分離させられたものは、決して結合することはない」。幻想世界において、心から分離させられ、独立に存在しているかに見られる結果というものは、二度と結合したりしない。結合しないという原則が、分離を象徴するこの幻想世界そのものだからだ。もちろん、実相世界では、このようなことは起きない。心が原因となって生み出されたものは心から分離することなく存在し、むしろ、原因も結果もなく、渾然として一体なのである。したがって、あなたの心が愛や喜びを創造し生み出すと言うよりも、創造され生み出された愛や喜びがあなたの心そのものである、と言った方が正確なのだ。原因と結果が融合し、一元となるのだ。実相世界は、一元論世界である。
 
 
 


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