●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-11.V.15:1 ~ T-11.V.16:9

15. The ego makes no attempt to understand this, and it is clearly not understandable, but the ego does make every attempt to demonstrate it, and this it does constantly.

  • attempt [ətém(p)t] : 「試み、企て」
  • make an attempt to : 「〜しようと試みる」
  • understandable [ʌ̀ndərstǽndəbl] : 「理解できる、分かる、無理からぬ」
  • demonstrate [démənstrèit] : 「実際にやってみせる、実演する、実証する、立証する」
  • constantly [kɑ́nst(ə)ntli] : 「絶えず、しきりに、絶え間なく、常に」
❖ "The ego makes no ~ "「エゴはこれを理解しようと試みることはない」。これとは、エゴの循環論法に従えば"Error is real and truth is error"「誤りこそが現実で、真実は誤りにほかならない」という結論に陥ってしまうこと。それがおかしいことにエゴは気付かないのだ。"and it is clearly not ~ "「それは(エゴにとって)明らかに理解不能である」。"but the ego does make every ~ "「しかしエゴは、それ(自分の結論が正しいこと)を実証しようとあらゆる試みする」。"and this it does ~ "「そして、エゴは常にそんなことをやっているのである」。そんなこととは、証明不能のことを証明しようとしていること。自分の論の正しいことを実証しようとばかりしているのである。



Analyzing to attack meaning, the ego succeeds in overlooking it and is left with a series of fragmented perceptions which it unifies on behalf of itself.
  • Analyze [ǽnəlàiz] : 「分析する、解析する、細かく検討する」
  • succeed [səksíːd] : 「成功する」
  • succeed in : 「〜に成功する」
  • overlook [òuvə(r)lúk] : 「見過ごす、大目に見る、許す」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置き忘れる、放置する、 〜を任せる」
  • be left with : 「もち続ける、押し付けられる」
  • series [sí(ə)ri(ː)z] : 「連続、シリーズ、一組」
  • a series of : 「一連の〜、ひと続きの〜」
  • fragment [frǽgmənt] : 「砕く、砕ける、寸断する」
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • unify [júːnəfài] : 「統一する、一体化する、単一化する」
  • behalf [bihǽf] : 「支持、味方、利益」
  • on behalf of : 「〜のために、〜の利益になるように」
❖ "Analyzing to attack ~ "分詞構文、付帯状況、「意味(あるもの)を攻撃するために、(知覚したものを)分析しながら、」"the ego succeeds in ~ "「エゴは、その意味あるものをまんまと見過ごす」。"and is left with a series of ~ "「そして、一連の断片化された知覚を手にして取り残される」。"which it unifies on behalf ~ "「そしてエゴは、その破片を自分に都合がいいようにくっつけ合わせるのである」。



This, then, becomes the universe it perceives. And it is this universe which, in turn, becomes its demonstration of its own reality.
  • universe [júːnəvə̀ː(r)s] : 「宇宙、銀河、全世界」
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • in turn : 「順に、順々に、入れ替わりに、立ち代わって」
  • demonstration [dèmənstréi∫n] : 「実演、実証、証明」
  • reality [ri(ː)ǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
❖ "This, then, becomes ~ "「そして、これが、エゴの知覚する世界となる」。これとは、エゴが知覚したものの断片を、エゴが都合のいいようにくっつけ合わせたもの。"And it is this universe ~ "「そして、それが、エゴ自身の現実を実証するものとなる宇宙である」。まさにこの世界が、エゴの思考システムが実演する世界なのである。幻想世界、そのものである。虚偽が真実の顔をして跋扈(ばっこ)し、非実在が実在の顔で居座っている。



16. Do not underestimate the appeal of the ego's demonstrations to those who would listen.
  • underestimate [ʌ̀ndə(r)éstəmèit] : 「過小評価する、低く見積もる、見くびる、甘く見る」
  • appeal [əpíːl] : 「魅力、懇願」
  • demonstration [dèmənstréi∫n] : 「実演、実証、証明」
  • listen [lísn] : 「耳を傾ける、傾聴する、聴く、聞く」
❖ "Do not underestimate ~ "「耳を傾ける者にエゴが実証して見せる魅力を過小評価してはいけない」。エゴの思考システムはまやかしであるが、そのまやかしが、ある者には魅力である。たとえば金、権力は非常に魅力的ではないか。他者を攻撃する強い力もすこぶる魅力的である。



Selective perception chooses its witnesses carefully, and its witnesses are consistent.
  • Selective [siléktiv] : 「選択の、選択できる、選択的な、抜粋の」
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • choose [t∫úːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、証拠、証言」
  • carefully [kéə(r)f(ə)li] : 「注意深く、丁寧に、慎重に、入念に」
  • consistent [kənsíst(ə)nt] : 「一貫性のある、首尾一貫した、矛盾しない」
❖ "Selective perception ~ "「選択的知覚は注意深くその証言を選び取る」。"and its witnesses ~ "「そして、その証言は一貫している」。"Selective perception"「選択的知覚」とは、エゴが知覚したものを一旦ばらばらに分断し、エゴの都合に合致するものだけを選び出して再びくっつけ合わせること。その過程で、エゴに都合がいいもの、すなわちエゴの正当性を証言してくれるものを選ぶのである。結果、その証言は当然ながら一貫したものとなる。



The case for insanity is strong to the insane. For reasoning ends at its beginning, and no thought system transcends its source.
  • case [kéis] : 「件、事件、事例、場合、真実、真相、事実」
  • insanity [insǽnəti] : 「狂気、精神病、精神異常」
  • insane [inséin] : 「正気でない、精神障害の、非常識な」
  • reasoning [ríːzəniŋ] : 「論法、推理、推論、論理的思考」
  • beginning [bigíniŋ] : 「初め、開始、始まり」
  • transcend [trænsénd] : 「超える、〜を超越する、しのぐ」
❖ "The case for insanity ~ "「狂気に都合のいい事実は、正気でない者にとっては強い(味方だ)」。"For reasoning ends ~ "「なぜなら、論法は、その初めで終わっているからだ」。難しい箇所ではある。ここれ語られているのはエゴの論法のことで、循環論法である。循環論法は結論を仮定として出発するものであるから、論法の始まりにはすでに結論が出ていて終わっているのだ。たとえば、次のような論法はいかがであろう。過ちのない状態はない。したがって、過ちは実在であって、過ちがないものこそ非実在である。よって、過ちこそ真実である。この論法の始まり、つまり、過ちがない状態はない、と宣言する時点で、もはや結論が出ているのである。その地点で論は終わっている。エゴは狂気を正当化する証言を、知覚の断片から見つけ出し、狂気に都合のいいように論を組み立てる。循環論法を使って次のように論ずるであろう。心に狂気の無いものはいない。狂気は実在である。したがって、正気は存在しない。よって、正気は虚偽である。狂気こそが真実である。"and no thought system ~ "「そして、いかなる思考システムも、そのソースを超越することは出来ない」。ここも難解である。法律を考えればいいだろう。数ある法は巨大な法システムを形成しているが、そのシステムの中のどんな法も、法のソースである憲法を超越することはできない。すべての法が憲法を源として派生したものだからである。同様に、エゴの思考システムのあらゆる法は、第一原因であるエゴ自身を超越することはできないのだ。



Yet reasoning without meaning cannot demonstrate anything, and those who are convinced by it must be deluded.
  • demonstrate [démənstrèit] : 「論証する、実証する、立証する、証明する」
  • convince [kənvíns] : 「確信させる、納得させる、説得する」
  • delude [dilúːd] : 「信じ込ませる,だます、欺く」
❖ "Yet reasoning without ~ "「意味のない論法は何も証明することができない」。"and those who are ~ "「意味のない論法によって確信させられた人達は騙されているに違いない」。



Can the ego teach truly when it overlooks truth? Can it perceive what it has denied?
  • truly [trúːli] : 「事実のとおりに、正確に、本当に、真に」
  • overlook [òuvə(r)lúk] : 「見過ごす、大目に見る、許す」
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
❖ "Can the ego teach ~ "「真実を見過ごしているのに、エゴは正しく教えることが出来るであろうか」。エゴは過ちばかりを見ようとするので、真実を見落としてしまう。見落とすというより、わざと見ないで過ごそうとするのである。それは真実の否定である。"Can it perceive what ~ "「エゴが否定したものを、エゴは知覚できるであろうか」。真実を否定したのだから、真実を知覚することも出来ない。



The ego looks straight at the Father and does not see him, for it has denied his Son.
  • look straight [stréit] at : 「〜を真っすぐ見詰める、〜を正視する、〜に視線を据える」
  • see [síː] : 「理解する」
❖ "The ego looks straight at ~ "「エゴは父なる神の方向にまっすぐ視線を向けたとしても、神であると理解できない」。"for it has denied ~ "「なぜなら、エゴは神の子を否定してしまったからだ」。神の子を否定するとは、あなたが神の子であることを否定する、ということ。"deny"「否定する」という言葉には「与えない」という意味もあるので、"it has denied his Son"は、エゴは神を否定し、結果、神の子であるあなたに神を与えないで隠そうとする、といったニュアンスがあるかもしれない。
 
 
 

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