●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-13.VI.1:1 ~ T-13.VI.2:5

 

VI. Finding the Present
現在を見つけること
 
 
 
1. To perceive truly is to be aware of all reality through the awareness of your own.
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • truly [trúːli] : 「全く、本当に、真に」
  • be aware of : 「〜を承知している、〜に気付いている、〜を知っている」
  • reality [ri(ː)ǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜を介して」
  • awareness [əwéə(r)nəs] : 「認識、自覚、意識性」
❖ "To perceive truly is ~ "「本当に知覚するとは、あなた自身を認識することを通して、すべての実在に気付くことである」。幻想世界の諸現象を感覚器官を通して知覚することは、真の知覚とは言えない。あなた自身が無辜(むこ)なる神の子であると認識することを通して実相の世界に目覚め、その実在の実相を知ることこそ、真の知覚である。そのとき知覚は大きく質転換を果たし、叡智(般若)へと変身する。



But for this no illusions can rise to meet your sight, for reality leaves no room for any error.
  • illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • rise [ráiz] : 「立ち上がる、起立する」
  • meet [míːt] : 「〜に会う、〜と会合する、〜と接触する」
  • sight [sáit] : 「視界、景色、視覚、視力」
  • leave [líːv] : 「〜を残す」
  • leave no room : 「余地を与えない」
  • error [érə(r)] : 「誤り、間違い、ミス」
❖ "But for this no illusions ~ "「しかし、このためには、いささかの幻想も、立ち上がって、あなたの目にとまるようではならない」。"to meet your sight"ここは不定詞、結果、「その結果、あなたの視界に出会う」という意味で、「あなたの目にとまる」と訳してみた。" for reality leaves ~ "「なぜなら、実相は、どんな過ちに対してもまったく(存在の)余地を与えないからだ」。実相世界に幻想の一かけらも侵入することは不可能だ。実相世界は一元論の世界であり、真実は存在できるが対立概念の虚偽は存在できないのである。したがって、幻想は決して実相世界い入り込むことはできないのだ。



This means that you perceive a brother only as you see him now. His past has no reality in the present, so you cannot see it.
  • mean [míːn] : 「〜を意味する」
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • past [pǽst] : 「過去、昔」
  • present [préznt] : 「現在、今」
❖ "This means that you ~ "「このことはthat以下を意味している」。"that you perceive ~ "「あなたは同胞を、今現在彼を見ているように、知覚する」のだということを意味している。"His past has no reality ~ "「同胞の過去は、現在という時の中で何の現実性ももたない」。"so you cannot ~ "「だから、あなたはそれを見ることは出来ない」。つまり、同胞の過去ばかりを見たのでは、同胞の現実性を見出すことは出来ない、ということ。



Your past reactions to him are also not there, and if it is to them that you react, you see but an image of him that you made and cherish instead of him.
  • reaction [ri(ː)ǽk∫n] : 「反応、態度、受け止め方」
  • react [ri(ː)ǽkt] : 「反応する、反応を示す、対処する」
  • image [ímidʒ] : 「イメージ、画像、像、映像」
  • cherish [t∫éri∫] : 「〜を大事にする、大切にする」
  • instead of : 「〜の代わりに」
❖ "Your past reactions ~ "「同胞に対するあなたの過去の反応もまた、そこ(現在)にはない」。"and if it is to ~ "ここは"it is ~ that ~ "の強調構文、「もし、あなたが反応する対象が過去の反応であるなら、」つまり、同胞に対するあなたの過去の反応に、現在も反応するようでは、" you see but an image ~ "「あなたは、彼自身の代わりに、あなたが作った彼のイメージを見ていることになる」。あなたがでっち上げた同胞の過去の幻想を見てばかりいては、現在の彼の真の姿は見えてこない。



In your questioning of illusions, ask yourself if it is really sane to perceive what was as now.
  • question [kwést∫n] : 「〜を疑問に思う、〜に疑問を呈する」
  • if : 「〜かどうか」
  • sane [séin] : 「正気の、分別ある、良識のある」
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を理解する」
❖ "In your questioning ~ "「幻想に対して疑問を呈する中で、」"ask yourself if ~ "「かつてあったことを今のこととして知覚することは、はたして本当に正気なものなのかどうか、あなた自身に問いかけてみなさい」。"what was"は「過去にそうであったこと」。



If you remember the past as you look upon your brother, you will be unable to perceive the reality that is now.
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
  • be unable [ʌnéibl] to : 「〜することができない」
❖ "If you remember ~ "「もし、あなたがあなたの同胞を見るとき、あなたが過去を思い出してしまうようでは、」"you will be unable to ~ "「あなたは、今ある現実を知覚することは出来ないであろう」。



2. You consider it "natural" to use your past experience as the reference point from which to judge the present. Yet this is unnatural because it is delusional.
  • consider [kənsídə(r)] : 「〜と考える、〜と考慮する」
  • natural [nǽt∫(ə)r(ə)l] : 「自然の、普通の」
  • experience [ikspí(ə)riəns] : 「経験、体験」
  • reference [réf(ə)r(ə)ns] : 「参照、参考、照会」
  • reference point : 「基準点、標点、参考点」
  • unnatural : 「不自然な、自然に反する」
  • delusional [dilúːʒənəl] : 「妄想の」
❖ "You consider it ~ "「あなたは、現在を判断するための基準点としてあなたの過去の経験を使用することを『自然』であると考えている」。ここの"it"は"to use your ~ "のこと。"Yet this is unnatural ~ "「しかし、これは不自然である」。"because it is ~ "「なぜなら、それは妄想であるからだ」。幻想世界で今知覚するものでさえ、それは単なる夢に過ぎないのであるから、幻想世界の過去の経験など、妄想と言わざるを得ない。あたかも夜見る夢の中で、過去の夢を見ているようなものだ。夢の中の過去の夢など、妄想といわなくて何と言おうか。



When you have learned to look on everyone with no reference at all to the past, either his or yours as you perceived it, you will be able to learn from what you see now.
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を知る、分かる、悟る、学ぶ」
  • either [íːðə(r)] : 「どちらの〜でも、どちらの〜も」
  • be able to : 「〜することができる、〜し得る」
❖ "When you have learned ~ "「あなたが、まったく過去を参照することなく、すべての人達を見ることを学んだとき、」"either his or yours ~ "ここは挿入文、「あなたが知覚するとき、それが同胞のものでもあなたのものでも、どちらであっても、」つまり、あなたの同胞を見ることでも、あなた自身を見るときでも、過去を参照することなく見ることを学んだなら、"you will be able to ~ "「あなたは、あなたが今見ているものから学ぶことが出来るであろう」。過去を参照するようでは過去にとらわれるが、過去を無視して今をしっかり見つめれば、あなたは今現在から多くを学ぶことが出来る。



For the past can cast no shadow to darken the present, unless you are afraid of light.
  • cast [kǽst] : 「 〜を投げる、投げ掛ける」
  • cast a shadow : 「影を落とす、暗影を投じる」
  • darken [dάːrkən] : 「〜を暗くする」
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
  • be afraid of : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
❖ "For the past can cast ~ "「なぜなら、過去は、現在を暗くするためにいかなる影も投じ得ないからだ」。"unless you are ~ "「あなたが光を恐れない限りにおいて」。



And only if you are would you choose to bring darkness with you, and by holding it in your mind, see it as a dark cloud that shrouds your brothers and conceals their reality from your sight.
  • choose [t∫úːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • hold [hóuld] : 「心に抱く、〜を手に持つ、保持する」
  • shroud [∫ráud] : 「覆う、包む」
  • conceal [kənsíːl] : 「隠す、隠匿する、秘密にする」
❖ "And only if you are ~ "ここは"And only if you are afraid of light"のことで、「そして、もしあなたが光を恐れているなら、」"would you choose ~ "「あなたは、闇をあなたもたらすことを選ぶであろうし、」"and by holding it ~ "「闇をあなたの心に保持することで、」"see it as a dark cloud ~ "ここは"you would see it as a dark cloud ~ "のこと、「あなたはその闇を、あなたの同胞を覆い、彼らの実在性をあなたの視界から隠す暗い雲と見なすであろう」。ACIMでは、光は実相世界を象徴するものであり、闇は幻想世界の象徴である。もっとも、実相世界を象徴する光を単なる比喩として理解するか、現実に存在する光ととらえるか、人によって差はあると思う。これだけは経験してみないと判断は出来まい。ACIMは、実相の世界に目覚め始めるとき、光のエピソードと称して、様々な光現象が訪れることを示唆している。それを楽しみとして待つことも、これまたACIMを学ぶ楽しみではないか。
 
 
 

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