●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-13.VIII.8:1 ~ T-13.VIII.9:5

8. When you have seen your brothers as yourself you will be released to knowledge, having learned to free yourself through him who knows of freedom.

  • release [rilíːs] : 「解放する、自由にする、放つ、離す」
  • knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、心得、認識、知恵、知見」
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を学ぶ、習う、〜を知る、分かる、悟る」
  • free [fríː] : 「〜を自由にする、解放する」
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
❖ "When you have seen ~ "「あなたが、あなたの同胞達をあなた自身として見ることが出来たとき、あなたは叡智へと解放されるであろう」。"having learned to free ~ "分詞構文、理由、「自由を知っているホーリー・スピリットを通して、あなた自身を自由にすることを学んだからである」。ここの"him"をホーリー・スピリットと解釈した。キリストと考えてもいいだろう。自他一如を体感できたとき、あなたは実相世界の叡智へと解放される。それを導いてくれるのがホーリー・スピリットである。



Unite with me under the holy banner of his teaching, and as we grow in strength the power of God's Son will move in us, and we will leave no one untouched and no one left alone.
  • Unite [junáit] : 「結合する、一体となる、一体化する」
  • unite with : 「〜と一緒になる、〜と結合する、〜と合体する」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • banner [bǽnə(r)] : 「国旗、軍旗、旗」
  • grow [gróu] : 「成長する、育つ、大きくなる」
  • strength [stréŋ(k)θ] : 「力、強さ、体力、強み、長所」
  • move [múːv] : 「移動する、動く、引っ越す、移転する」
  • move in : 「〜に引っ越してくる、〜に入居する」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする、ほっておく、〜を見捨てる」
  • untouched : 「触れられていない、手つかずの、そのままの」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • alone [əlóun] : 「独りで、単に」
❖ "Unite with me under ~ "「ホーリー・スピリットの教えの聖なる旗印の下、私(イエス)と一体となりなさい」。"and as we grow ~ "「そうすれば、私たちの力が増大するにしたがい、神の子のパワーが私たちの中に入り込んで来るであろう」。"and we will leave ~ "「そして、私たちは誰も放っておくことはなく、誰一人として、たった独りで取り残されることはない」。ここは理屈で解釈を追うのではなく、ACIMのもつ言葉の強さを素直に感じよう。声に出して読んでみるといい。ACIMは朗読がよく似合う。ACIMは理論書ではないのだから。



And suddenly time will be over, and we will all unite in the eternity of God the Father.
  • suddenly [sʌ́dnli] : 「突然に、急に、すぐに、いきなり」
  • over [óuvə(r)] : 「終わって、終了して、完了して」
  • eternity [itə́ː(r)nəti] : 「永遠、無限」
❖ "And suddenly time ~ "「そして、突然、時間が終了するであろう」。"and we will all unite ~ "「そして、私たちは、父なる神の永遠の中で、みんなが一緒になるのである」。ホーリー・スピリットの導きによって、すべの同胞が自他一如に気づき、神の元に集結して再統一するのである。そのとき、幻想世界の時間は消滅する。実相世界に入ったからだ。そして、神の永遠の中に入り込むのである。



The holy light you saw outside yourself, in every miracle you offered to your brothers, will be returned to you.
  • saw [sɔ́ː] : 「see の過去形」
  • outside [áutsáid] : 「〜の外に、〜の外側に」
  • return [ritə́ː(r)n] : 「〜を返す、戻す、返却する、返品する」
❖ "The holy light you saw ~ "「あなたがあなたの同胞に奇蹟を差し出した時はいつでも、あなたの外部に見ることが出来た光は、あなたへと戻って来るであろう」。ここの光は幻想世界の物理的電磁波としての光ではない。実相の息吹と言おうか、実相の愛と言おうか、実相を実相たらしめている光である。あなたが奇蹟を行うとき、それは実相世界との接点を持つことであって、あなたの存在に実相の光が差し込んで来た証拠である。しかし、今、実相世界に回帰したあなたは、その光が実は自分のものであったことに気がつくのである。あなた自身が光であると、叡智をもって知るのである。神の子は、そのとき、光の子となる。



And knowing that the light is in you, your creations will be there with you, as you are in your Father.
  • creation [kriéi∫n] : 「創造、創作、創作物、作品」
❖ "And knowing that ~ "分詞構文、理由、「そして、光があなたの中にあると知ることになるので、」"your creations will ~ "「あなたが創造したものはあなたとともにそこに存在するであろう」。"as you are in ~ "「ちょうど、あなたが父なる神の中に存在するように」。あなたは今や光の子である。あなたはあなたの心の中に真の光を感じる。その光は、実相世界に真に存在する実在である。愛であり、喜びであり、平和であり、わき上がる創造性、至上のいたわり、等々である。それこそが、神から継承したパワーによってあなたが創造したものである。神があなたを創造したときも、神は光の中であなたを生み出したのだと思っていい。あるいは、光から生み出したと言った方がより適切であろうか。



9. As miracles in this world join you to your brothers, so do your creations establish your fatherhood in Heaven.
  • join [dʒɔ́in] : 「つなぎ合わせる、結び付ける、結合する」
  • establish [istǽbli∫] : 「確立する、達成する、樹立する」
  • fatherhood : 「父であること、父権、父としての責任」
  • Heaven [hévn] : 「天国、神、天」
❖ "As miracles in this world ~ "「この(幻想の)世界における奇蹟が、あなたをあなたの同胞に結びつけてくれるように、」"so do your creations establish ~ "「天の王国において、あなたが創造したものは、あなたの父なる身分を確立してくれる」。さて、どういう意味であろうか? ここでは関連性、関係性を語っていると思われる。この世界において、奇蹟が、ばらばらであって神の子達を結びつけ、実相世界における一なる心への再統一を促し、そこに同胞同士の確かな関係性、関連性が樹立されるように、あなたが創造したもの、つまり、人を愛したり、人と喜びを分かち合ったり、人を慈しんだり、美や芸術を創造したり、真理を探究したりすることすべてが、決してあなたの手元を離れて、つまり、あなたから分離独立して、存在するものではなく、あたかもあなたを親と思ってあなたを愛してくれるかのように、あなたと共に密接に存在するのである。そこに親と子の関係性、関連性が生まれる。そして、神があなたを創造したときに神の属性をすべて継承したように、あなたも、あなたが創造したものにあなたの属性のすべてを継承するのである。そういう関係性、関連性が成立することこそ、実相世界での聖なる存在形態であると思っていい。仏教的な言い方をすれば、龍樹の空観、「無自性」に近いものであろうか? つまり、何の縁起、因縁もなく、自ら存在すること(自性)は出来ないという思想である。ACIMの世界は、すべては聖なる関連性の中でこそ存在し、究極、一なるものへと収斂するのである。



You are the witness to the Fatherhood of God, and he has given you the power to create the witnesses to your fatherhood in Heaven.
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、証拠、証言」
❖ "You are the witness to ~ "「あなたは神の父性の証人である」。あなたが自分自身を神の子として認識することで、神が父であることを、つまり、神があなたを創造し、その属性のすべてを継承してくれたことを、身をもって示す、ということ。"and he has given you the power ~ "「そして、神は、天の王国におけるあなたの父性を証言する証人を創造するパワーをあなたに与えたのである」。神の子であるあなたが、今度は、天の王国であなたの子を創造する。あなたが父になるのである。つまり、実相の世界であなたは新たな生命を創造し、命を育む。光の命と言ってもいいかもしれない。それが、命が拡張するという意味であろう。愛が命となり、喜びが命を得、すべてが光を発して拡張していくのだ。



The miracle that God created is perfect, as are the miracles that you established in his name.
  • perfect [pə́ː(r)fikt] : 「完ぺきな、完全な」
  • in one's name : 「独立して、自分の名前で、〜の名において」
❖ "The miracle that God ~ "「神の創造する奇蹟は完璧である」。"as are the miracles that ~ "「神の名においてあなた確立する奇蹟もまた、そうである」。あなたも、神のパワーを借りて創造する奇蹟は完璧である。そうでないとしたら、神が完璧でないことになってしまうではないか。



They need no healing, nor do you, when you accept them.
  • nor [nɔː(r)] : 「そしてまた〜ない、〜もまた〜でない」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
❖ "They need no ~ "「それらはヒーリングの必要はない」。"nor do you, when ~ "「あなたがそれらを受け入れるとき、あなたもヒーリングの必要はなくなるのだ」。ここの"They"は、あなたが創造した奇蹟、奇蹟で生まれ出たもの、と考えていいのではないだろうか。神の名において創造したものであるから、それらは完璧であるはずだ。その完全性をあなたが受け入れるなら、つまり、神の完璧性を信じて受け入れるなら、もはやあなたはヒーリングの必要はないし、創造された奇蹟の存在もヒーリングの必要はない。あなたは幻想世界を脱して実相の世界で創造しているのだから。実相世界には奇蹟はない。必要ないからだ。
 
 
 

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