●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-19.IV.2:1 ~ T-19.IV.3:10

2. All this will you do. Yet the peace that already lies deeply within must first expand, and flow across the obstacles you placed before it.

  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • deeply [díːpli] : 「深く、強烈に、徹底的に」
  • within [wiðín] : 「内部で、内側は」
  • expand [ikspǽnd] : 「大きくなる、拡大する、広がる、膨らむ」
  • flow [flóu] : 「流れる、自由に動く」
  • across [əkrɑ́s] : 「〜を横切って、〜を横断して、〜を越えて、〜を渡って」
  • obstacle [ɑ́bstəkl] : 「障害物、妨害物、邪魔」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける」
  • before [bifɔ́ː(r)] : 「〜の前に、〜に先立って、〜を前にして、面前で」
❖ "All this will ~ "「こうしたことをすべて、あなたはすることになる」。こうしたこととは、幻想世界を彷徨(さまよ)い、疲れ果てた同胞を、あなたの神聖な関係性という寺院に招き入れて、休息を与え、ヒーリングすること。"Yet the peace that ~ "「しかし、心の内部深くにすでに存在する平和が、第一に拡張し、あなたが平和の前に設けた障害物を越えて、その平和が流れ出さなくてならない」。他者に憩いを与えるには、まず自分が、自分の心の中に隠された平和を表に出さなくてはならない。なぜなら、あなたは自ら、平和や愛を率直に受け入れることを拒むような障害物を心に設けたからだ。その障害物を越えなくてはならない。



This will you do, for nothing undertaken with the Holy Spirit remains unfinished.
  • undertake [ʌ̀ndə(r)téik] : 「引き受ける、請け負う、負う、企てる、始める」
  • remain [riméin] [SVOC] : 「依然として〜のままである」
  • unfinished : 「終わっていない、未完成の、不完全な」
❖ "This will you ~ "「このことも、あなたは成し遂げるだろう」。"for nothing undertaken ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットと共に請け負った仕事は、成されずに終わったことはないからだ」。あなたの心の障害物を取り去ることも、疲れた同胞を受け入れて憩いを与えることも、あなた一人だけの仕事ではなく、ホーリー・スピリットが手助けしてくれるものなのだ。しかも、ホーリー・スピリットが関わる仕事は、すべて、決して未完に終わることはない。



You can indeed be sure of nothing you see outside you, but of this you can be sure: The Holy Spirit asks that you offer him a resting place where you will rest in him.
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも」
  • be sure of : 「〜に自信がある、〜を確信している」
  • outside [áutsáid] : 「〜の外に、〜の外側に」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • resting place : 「休憩所」
❖ "You can indeed be ~ "「あなたは、あなたの外側に見えるものに対して、実際、何一つ信頼が置けない」。"but of this you can ~ "「しかし、次の事だけは、信頼していい」。"The Holy Spirit asks ~ "「ホーリー・スピリットは、that以下をあなたに頼んでいるのである」。その事実は、信頼していい。"that you offer him ~ "「あなたがホーリー・スピリットの中で安らげるような憩いの場を、ホーリー・スピリットに提供してくれるように」ホーリー・スピリットがあなたに頼んでいることは、信頼していい事実である。誰がどこで憩うのか、判然としないかもしれない。あなたはホーリー・スピリットの中で憩い、そのあなたはホーリー・スピリットに憩う場所を提供し、同時に、同胞のための憩いの場を与える。ここも、自他一如を考えれば、いい。あなたは同胞に憩いの場所を提供し、同時にあなたも憩うのである。ホーリー・スピリットもあなたに憩いの場所を与え、平和の中で憩うのだ。本当の安らぎというものは、伝播し、拡張するものだからである。分かち合えるものなのだ。



He answered you, and entered your relationship. Would you not now return his graciousness, and enter into a relationship with him?
  • answer [ǽnsə(r)] : 「〜に答える、答えて言う」
  • enter [éntə(r)] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • return [ritə́ː(r)n] : 「〜を返す、戻す、返却する、〜に答える」
  • graciousness [ɡréiʃəsnis] : 「上品さ、丁寧さ、丁重さ、親切さ、優しさ」
❖ "He answered ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたに答えて、あなたの(同胞との)関係性の中に入ってきた」。ホーリー・スピリットは、あなたと同胞の関係性に対して神聖な目的を与え、その目的を叶えるべく力を貸してくれたのである。"Would you not now return ~ "「ホーリー・スピリットの優しさに対してお返しをし、ホーリー・スピリットとの関係性に入っていきたいとは思わないだろうか」。



For it is he who offered your relationship the gift of holiness, without which it would have been forever impossible to appreciate your brother.
  • gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント、与えること」
  • holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • appreciate [əpríː∫ièit] : 「〜を正しく評価する、〜を正しく認識する」
❖ "For it is he who offered ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットこそが、あなたの関係性に神聖な贈り物を与えてくれたのであり、」"without which it would ~ "「それなしでは、あなたの同胞を正しく認識することは永遠に不可能であっただろうからだ」。あなたと同胞との特別な関係性に対して、ホーリー・スピリットが、その関係性を神聖なものとして、あなたと同胞が共に実相世界に目覚めるという目標を与えた。それなくして、あなたは、同胞のパートナーがあなたと自他一如であり、ともに神聖な神の子であるという認識には到達することは出来なかっただろう。



3. The gratitude you owe to him he asks but that you receive for him. And when you look with gentle graciousness upon your brother, you are beholding him.
  • gratitude [grǽtət(j)ùːd] : 「感謝、感謝の気持ち、報恩の念」
  • owe [óu] : 「〜に借りがある、〜のおかげである、恩がある」
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する、入手する」
  • for : 「〜の代わりに」
  • gentle [dʒéntl] : 「優しい、穏やかな」
  • graciousness [ɡréiʃəsnis] : 「上品さ、丁寧さ、丁重さ、親切さ、優しさ」
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
❖ "The gratitude you ~ "「あなたがホーリー・スピリットに感じている感謝の気持ちは、あなたがホーリー・スピリットに代わってそれを受け取るようにと頼んでいる」。あなたはホーリー・スピリットに感謝している。あなたの同胞もホーリー・スピリットに感謝しているが、その感謝の気持ちをあなたがホーリー・スピリットに代わって受け取って、ますます、二人の神聖な関係性の絆を深めていきなさい、という意味合いだろう。ここも自他一如であり、誰が誰に感謝しているのかということが、厳密に述べられているわけではない。もちろん、当然ながら、ホーリー・スピリットはホーリー・スピリットで、あなたやあなたの同胞に感謝しているのである。"And when you look ~ "「そして、あなたが、穏やかな優しさをもって同胞に目を向けることが出来たとき、あなたはホーリー・スピリットを見たことになるのだ」。同胞の中に、ホーリー・スピリットを見るのである。神聖さの中に、神聖なホーリー・スピリットが見えるのであり、神聖な心がそれを見るのである。



For you are looking where he is , and not apart from him. You cannot see the Holy Spirit, but you can see your brothers truly.
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として、〜はさておき」
  • truly [trúːli] : 「全く、本当に、真に」
❖ "For you are ~ "「なぜなら、あなたは、ホーリー・スピリットのいる場所を見ているのであり、ホーリー・スピリットからかけ離れた場所を見ているわけではないからだ」。心の最も純粋で神聖な部分にホーリー・スピリットは住んでいる。それはあなたの心の中にあり、同胞の心の中にある。今、あなたは同胞の心の中を見ているのだ。"You cannot see ~ "「あなたは、ホーリー・スピリットを(目で)見ることは出来ないが、」"but you can see your ~ "「あなたは、同胞を正しく見ることが出来る」。それが、ホーリー・スピリットを心で見ていることなのだ。ホーリー・スピリットは完全な想念、抽象の存在であるから、具象として目に見えるものだと思わない方がいい。もちろん、あなたの心が、ホーリー・スピリットを具象的に想像して思い浮かべることは可能であるが、それがホーリー・スピリットの本当の姿だと決めてかからない方がいいだろう。



And the light in them will show you all that you need to see.
  • light [láit] : 「光、光源、ライト、明かり」
  • show [∫óu] : 「見せる、示す、表す、表示する、明らかにする」
  • need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする」
❖ "And the light in ~ "「そして、同胞達の心の中の光が、あなたに、あなたが見る必要のあるものをすべて、見せてくれるのである」。あなたが、同胞の心の中の神聖なホーリー・スピリットを見ることが出来るようになったとき、あなたは実相世界の光を目撃するだろう。その光が、実相世界をあなたの目前に浮かび上がらせてくれるのである。この光景も、具象的なものだと考えない方がいい。それは、平和であり、喜びであり、無限の愛であり、慈しみ、美、歓喜、静謐、等々だと思った方がいいだろう。それが見える、とはおかしな表現だと思われるかも知れないが、この世界の肉体的な感覚器官では、それは見えないものであろうが、実相世界の正しい感覚を通して見れば、愛や喜びや平和は実際に見えてくるものなのだろう。そう了解しておこう。「見る」「見える」という言葉に、あまりこだわらない方がいいだろう。「わかる」ことが、第一なのだから。



When the peace in you has been extended to encompass everyone, the Holy Spirit's function here will be accomplished. What need is there for seeing, then?
  • extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
  • encompass [enkʌ́mpəs] : 「〜を包み込む、包囲する、取り囲む」
  • function [fʌ́ŋ(k)∫n] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
  • accomplish [əkɑ́mpli∫] : 「成し遂げる、果たす、成就する、達成する」
❖ "When the peace ~ "「あなたの心の中の平和が、すべての同胞を包み込むために拡張していったとき、」"the Holy Spirit's function ~ "「ホーリー・スピリットの役割は達成されたことになるだろう」。あなたの心の、実相的平和が、同胞全体を包み込んだとき、神の子を実相世界に目覚めさせるというホーリー・スピリットの使命は果たされることになる。"What need is there ~ "「そうなったら、いったい何を見る必要があろうか」。ここまで来ると、ここで使われている"see"「見る」という単語の意味合いは、"get"「得る」に近いものだと気が付く。あるいは、"know"「知る」に近い。



When God has taken the last step himself, the Holy Spirit will gather all the thanks and gratitude that you have offered him, and lay them gently before his Creator in the name of his most holy Son.
  • taken [téikn] : 「take の過去分詞形」
  • last step : 「最終段階」
  • gather [gǽðə(r)] : 「集める、拾い集める、かき集める、寄せ集める」
  • thank [θǽŋk] : 「感謝、謝意、謝辞」
  • gratitude [grǽtət(j)ùːd] : 「感謝、感謝の気持ち、報恩の念 」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く」
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
  • in the name of : 「〜の名において、〜の名を借りて」
❖ "When God has taken ~ "「神が自ら最後のステップをとるとき、」つまり、実相に目覚めた神の子が、天の王国へ入城するための最後の架け橋を、神の助けを借りて渡るとき、"the Holy Spirit will ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたがホーリー・スピリットに差し出した感謝の気持ちのすべてを集めて、」"and lay them gently before ~ "「最も神聖な神の子の名において、創造主である神の前に、その感謝の気持ちをそっと置くのである」。「最も神聖な神の子の名において」とは、この感謝の気持ちこそ、神が最も愛した神の子の、偽らざる気持ちです、という思いをもめて、といったニュアンスだろう。



And the Father will accept them in his name. What need is there of seeing, in the presence of his gratitude?
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • in one's name : 「〜の名において」
  • presence [prézns] : 「存在すること、存在」
  • in the presence of : 「〜の存在下で、〜がある所で」
❖ "And the Father will ~ "「そして、父なる神は、神の名において、あなたの感謝の気持ちを受け入れるのである」。「神の名において」とは、神もまた、神の子に対する至上の愛をもって、というニュアンス。"What need is there ~ "「(その他に、) 見る必要のあるものなどあろうか」。"in the presence of ~ "「神の感謝がそこにあるというのに」。神の元に回帰した神の子に対して、神もまた感謝するのである。なぜなら、神と神の子は分離出来るものではなく、本来一体なのである。神の子が、その自由意思をもって神の元へ回帰し、神との一体を実現するのだ。神と神の子とホーリー・スピリットの三者が、文字通り一体となり、三位一体が完成するのである。神の完成とはそういうことである。
 
 
 

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