●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-19.IV.B.12:1 ~ T-19.IV.B.13:8

12. It is impossible to seek for pleasure through the body and not find pain.

  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • seek [síːk] for : 「〜を探し求める」
  • pleasure [pléʒə(r)] : 「喜び、楽しみ、快楽、楽しいこと」
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
❖ "It is impossible to ~ "ここは"It ~ to ~ "の構文、「肉体的な快楽を求め、痛みを見つけずに終わることなど、不可能である」。幻想の快楽を手に入れても、実相の心を満たすことは出来ない。肉体的な快楽の追求は心の痛みに終わる。



It is essential that this relationship be understood, for it is one the ego sees as proof of sin. It is not really punitive at all.
  • essential [isén∫l] : 「絶対必要な、絶対不可欠な、必須の」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • understood [ʌ̀ndə(r)stúd] : 「understand の過去・過去分詞形」
  • proof [prúːf] : 「証拠、立証、証明、証し、裏付け」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、過失、罪業」
  • really [ríː(ə)li] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
  • punitive [pjúːnətiv] : 「懲罰的な、過酷な、刑罰の」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
❖ "It is essential that ~ "ここは"It ~ that ~ "の構文、「(肉体的快楽の追求と痛みの)この関係が理解されることは、絶対に必要である」。"for it is one ~ "「なぜなら、それは、エゴが、(肉体の)罪の証拠と見なす一つだからだ」。肉体が快楽を求めても、決して快楽だけにとどまらず、痛みとして終わるのは、肉体に罪がある証拠だ、とエゴは言うわけだ。痛みは、いわば、肉体の罪に対する罰、ということになる。"It is not really ~ "「しかし、本当は、肉体は罰に値するものではまったくないのだ」。エゴの主張は誤りである。肉体は罪にも罰にも無関係である。



It is but the inevitable result of equating yourself with the body, which is the invitation to pain.
  • inevitable [inévətəbl] : 「避けられない、当然の、必然的な、必然の」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き、効果、成果」
  • equate [ikwéit] : 「〜を同等と見なす、〜と同一視する」
  • equate A with B : 「AをBと同等と見なす、同等として扱う」
  • invitation [ìnvitéi∫n] : 「招き、招待」
❖ "It is but the inevitable ~ "「肉体的快楽の追求が痛みに終わることは、あなた自身を肉体であると見なすことの、必然的な結果である」。幻想の肉体を実在と見なすことの結果である。"which is the invitation ~ "「それは、痛みを自ら招き入れているようなものである」。幻想世界は変化流動する世界であり、すべては時間と共に崩壊に向かう。肉体も例外ではない。その肉体の快楽も、当然ながら変化流動し、崩壊に向かう。肉体的快楽の追求が痛みとして終わるのは、原理的に必然なのだ。したがって、肉体的快楽を追求し出した段階で、それは痛みを招き入れる行為だとわかるのである。ところで、肉体的快楽とは、性的、肉欲的快楽にとどまるものではない。必要を越した食欲も、肉体的美醜を過度に追求することも、果ては、異常なまでの健康志向や長寿志向もその類に属するだろう。ただし、誤解してはならないのは、ACIMは快楽を否定し、禁欲主義を推奨しているのではない。幻想の肉体と自己を同一化し、幻想の快楽追求に終始することを戒めているだけだ。



For it invites fear to enter and become your purpose.
  • invite [inváit] : 「招待する、招く、案内する」
  • enter [éntə(r)] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "For it invites fear ~ "「なぜなら、肉体的快楽追求は、恐れが心に入って、あなたの目的になるようにと、招き入れているからだ」。変化流動し、必然的に崩壊に向かうものに対して、恐れは自動的に生じる。肉体的快楽追求は痛みとして終わるので、恐れを生じるし、肉体的快楽追求は、あたかも痛みに対する恐れを目的にしているようなものだ。



The attraction of guilt must enter with it, and whatever fear directs the body to do is therefore painful.
  • attraction [ətrǽk∫n] : 「引き付けるもの、引力、魅力、誘引」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • whatever [(h)wʌtévə(r)] : 「〜するのは何でも」
  • direct [dərékt] : 「命令する、指図する」
  • therefore [ðéə(r)fɔ̀ː(r)] : 「それ故に、そのために、従って」
  • painful [péinfl] : 「痛い、苦しい、痛みを伴う、有痛性の、苦痛の」
❖ "The attraction of guilt ~ "「罪へ引きつけられる気持ちも、恐れと共に入ってくるはずだ」。肉体的快楽追求は痛みを生じる。その痛みに対する恐れも生じる。同時に、エゴは、その原因は、肉体には元来罪があるからだと主張する。あなたは、エゴの言うことを信じて、罪を引き入れてしまうのだ。罪への魅力と書いてはいるが、罪が好きでたまらないという意味合いではなく、あたかも重力に捉えられた物体のように、否応無し(いやおうなし)に引きつけられてしまうというニュアンスである。"and whatever fear ~ "「したがって、恐れが肉体に命ずることは何でも、痛みに満ちたものとなるのである」。たとえば、罪から逃れようとして、その罪を他者に投射し、他者を攻撃せよと恐れは命ずる。だが、他者を攻撃し、そして反撃されることは、心の平和とは裏腹の、心の痛みではないのか。攻撃に至らなくても、罪を投射することで他者を排他し、自分は孤立していくだろう。孤立は心の痛みをもたらさないだろうか。



It will share the pain of all illusions, and the illusion of pleasure will be the same as pain.
  • share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
  • illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • pleasure [pléʒə(r)] : 「喜び、楽しみ、快楽、楽しいこと」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
❖ "It will share the pain ~ "「肉体的快楽追求は、すべての幻想の痛みを分かち持つことになろう」。幻想的快楽追求は肉体的快楽追求にとどまらない。物欲も然りである。物欲の最たるものが金銭欲であろう。金が欲しくてたまらないという、金銭的快楽追求もまた、崩壊へ向かい、痛みを結果することになる。結局、幻想的快楽追求はすべての幻想の痛みを合わせ持つことになるのだ。"and the illusion of pleasure ~ "「そして、幻想的快楽は、痛みと同等なものになってしまうのだ」。



13. Is not this inevitable? Under fear's orders the body will pursue guilt, serving its master whose attraction to guilt maintains the whole illusion of its existence.
  • inevitable [inévətəbl] : 「避けられない、当然の、必然的な、必然の」
  • order [ɔ́ː(r)də(r)] : 「指令、命令」
  • pursue [pə(r)s(j)úː] : 「〜を追跡する、〜を追いかける」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • serve [sə́ː(r)v] : 「〜に仕える、〜のために働く」
  • master [mǽstə(r)] : 「主人、家長、教師、親方、指導者、導師」
  • attraction [ətrǽk∫n] : 「引き付けるもの、引力、魅力、誘引」
  • maintain [meintéin] : 「〜を保持する、維持する、保つ、堅持する」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
  • illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • existence [igzístns] : 「存在、生存、現存、実存、実在」
❖ "Is not this ~ "「これは、避けられないことではないのか」。幻想的快楽が痛みと同等なものになってしまうのは、避けれないことだ。"Under fear's orders ~ "「恐れの命令下で、肉体は罪を追求する」。恐れが痛みを生じ、痛みの原因は罪があるからだと主張するエゴを信じて、罪を追求するのだ。自分の罪はもちろん、他者にそれを投射して、他者を罪ある者に見立ててしまうのである。"serving its master whose ~ "分詞構文、付帯状況、「肉体の支配者であるエゴに仕えながら」。"whose attraction to guilt ~ "「そのエゴの、罪に感じる魅力は、肉体の存在全体を支えているのだ」。エゴは、肉体は罪があると主張し、罪が実在する以上、肉体も実在すると主張するわけだ。あたかも、罪によって肉体の実在を証明しているかのようなものだ。



This, then, is the attraction of pain. Ruled by this perception the body becomes the servant of pain, seeking it dutifully and obeying the idea that pain is pleasure.
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
  • rule [rúːl] : 「統治する、支配する、牛耳る、指導する」
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • servant [sə́ː(r)v(ə)nt] : 「使用人、家来、召使い、奉仕者」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
  • dutifully [djúːtifəli] : 「うやうやしく、律義に、忠実に、従順に」
  • obey [oubéi] : 「〜に従う、服従する」
❖ "This, then, is ~ "「したがって、この罪への魅力は、痛みへの魅力である」。"Ruled by this perception ~ "分詞構文、先頭に"Being"を補えばいい、理由、「こんな知覚に支配されているので、」"the body becomes ~ "「肉体は、痛みのしもべとなってしまうのである」。"seeking it dutifully ~ "分詞構文、単純接続、「そして、従順に痛みを探し、痛みこそが快楽であるとする考えに従うのである」。肉体は痛みのしもべとなり、心はエゴの奴隷となってしまうわけだ。



It is this idea that underlies all of the ego's heavy investment in the body.
  • underlie [ʌ̀ndə(r)lái] : 「〜の基礎にある、下に横たわる、根底にある」
  • heavy [hévi] : 「重い、激しい、大きい、太い」
  • investment [invés(t)mənt] : 「投資、投下資本、出資、投資金」
❖ "It is this idea that ~ "「これが、エゴが肉体に入れ込んで投資することのすべての根底にある考えである」。結局、エゴは肉体を愛して肉体に入れ込んでいるのではない。肉体を憎んでいるのだ。エゴにとって肉体は罪ある忌まわしい存在であるが、それが痛みを感じてくれる以上、利用価値はある。神の子が、痛みを覚える肉体をもっている限り、神の子は肉体が幻想に過ぎないことに気付きはしないし、肉体の存在によって、神の子の分離は維持出来るからだ。



And it is this insane relationship that it keeps hidden, and yet feeds upon.
  • insane [inséin] : 「正気でない、精神障害の、非常識な」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連 」
  • keep [kíːp] : 「〜の状態にしておく、〜にしておく」
  • hidden [hídn] : 「隠された、秘密の」
  • feed [fíːd] : 「〜に食物を与える、飼う、養う、煽る、大きくさせる、増大させる」
❖ "And it is this insane ~ "「そして、これが、エゴが隠そうとし、また、太らせようとしている、狂った関係性なのだ」。罪と恐れと痛みと肉体の、狂った関係性である。もちろん、それを陰で操っているのがエゴである。



To you it teaches that the body's pleasure is happiness. Yet to itself it whispers, "It is death. "
  • happiness [hǽpinəs] : 「幸福、喜び、幸せ」
  • whisper [(h)wíspə(r)] : 「ささやく」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、死者」
❖ "To you it teaches that ~ "「あなたに向かってエゴは、肉体的快楽こそ幸福なのだと教える」。"Yet to itself ~ "「しかしエゴは、エゴ自身に向かっては、『肉体的快楽は死である』とつぶやくのだ」。エゴの観察は、珍しく、正しい。エゴは、心の中では、狂った関係性の真実の姿を知っているのだ。
 
 
 

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