●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-24.III.8:1 ~ T-24.IV.1:7

8. The slaves of specialness will yet be free. Such is the Will of God and of His Son.

  • slave [sléiv] : 「奴隷、捕らわれている人」
  • specialness [spéʃəl] : 「特別であること、特別性」
  • free [fríː] : 「捕らわれていない、自由な」
  • will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
❖ "The slaves of specialness ~ "「特別性の奴隷といえども、なお、解放されるだろう」。"Such is the Will ~ "「それが、神の意思であり、神の子の意思であるからだ」。特別性という幻想に捕らわれた身であっても、その幻想から解放される可能性は十分に残っている。諦めてはいけない。



Would God condemn Himself to hell and to damnation? And do you will that this be done unto your savior?
  • condemn [kəndém] A to B : 「AにBを宣告する」
  • hell [hél] : 「地獄、ひどい体験、修羅場、生き地獄」
  • damnation [dæmnéiʃən] : 「地獄に落とすこと、破滅、天罰」
  • done [dʌ́n] : 「do の過去分詞」
  • savior [séiviər] : 「救助者、救い手、救済者、救い主」
❖ "Would God condemn ~ "「神が神自身に、地獄行きや破滅を宣告したり出来るだろうか」。"And do you will ~ "ここの"be"は"should be"、「同じことが、あなたの救い主(である同胞)に対して行われるべきだと、あなたは意思するだろうか」。特別性という幻想に捕らわれた同胞に、地獄行きという死の判決を、あなたは宣告するだろうか。本当は出来ないはずだ。同胞への宣告は、自分自身への宣告になるからである。ところが、実際は、あなたは自分自身の特別性を守るために、死の宣告を同胞に与えているのだ。



God calls to you from him to join His Will to save you both from hell.
  • join [dʒɔ́in] : 「参加する、交わる、一緒になる、結合する」
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
❖ "God calls to you ~ "「地獄から、あなたも救い主である同胞も、両者共に救い出そうという神の意思に加わるようにと、その同胞を通じて、神はあなたに呼びかけている」。あなた一人だけが、あるいは同胞一人だけが救われても意味がない。両者が共に救われなくてはならないのだ。なぜなら、神の子は単一であり、あなたと同胞は自他一如だからである。だから、神は、あなたも同胞も共に救い出そうと意思する。その神の慈悲を感じて、あなた自身も神の意思に共鳴したらどうだろうか、という意味合い。



Look on the print of nails upon his hands that he holds out for your forgiveness.
  • print [prínt] : 「跡、影響、印象」
  • nail [néil] : 「くぎ、つめ」
  • hold out : 「差し出す、提供する、提出する」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
❖ "Look on the print of ~ "「救い主が、あなたの救いのために差し出す手の、釘の跡を見てみなさい」。ここに来て、救い主である同胞は、実は、イエス・キリストであることに気付く。しかし、イエスという個人に限定していると考えるよりは、むしろ、イエス・キリストが、救い主である同胞を象徴していると捉える方がいいだろう。つまり、イエスは神の子の代表だと考えればいいのだ。



God asks your mercy on His Son and on Himself. Deny Them not.
  • mercy [mə́ːrsi] : 「慈悲、情け、寛大さ、慈悲い深い心、優しい心根」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、〜に…を与えない」
❖ "God asks your mercy ~ "「神は、神の子の上に、そして神自身の上に、あなたの慈悲を注いで欲しいと、頼んでいるのだ」。"Deny Them ~ "「慈悲を与えずにおいてはいけない」。あなたが神に慈悲を授けるとは、奇異に聞こえるかも知れないが、実相的には、神と神の子は同体であるから、神が神の子に慈悲を授けることとその逆は、実は等しいことなのだ。実相世界では、与えることと得ることは等しいことを思い出して欲しい。したがって、ここは、表現をあえて変えて、あなたが、神の慈悲を素直に受け入れなさい、という意味合いだと捉えればいいだろう。あなたが神の慈悲を受け入れることは、神があなたの慈悲を受け入れることと同じなのである。



They ask of you but that your will be done. They seek your love that you may love yourself.
  • ask of : 「〜に要求する」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
❖ "They ask of you but ~ "「神と神の子は、ただ、あなたの意思が成されるようにと、あなたに求めているのだ」。"They"、神と神の子と書いたが、神とイエス・キリストの二人と考えてもいいだろう。いずれ、あなたの慈悲ある意思を、二人は望んでいるのだ。"They seek your love ~ "ここの"that"は"so that"のこと、「〜するために」、「あなたが、あなた自身を愛せるように、彼らはあなたの愛を追い求めるのである」。あなたは特別性を追い求めているが、実相的存在たちは、あなたに愛を求める。あなたに愛を発見出来たとき、あなたは実相的愛に目覚めて、幻想の特別性を捨てることになるだろう。あなたは、神とキリストの慈悲を知ることになるのだ。



Love not your specialness instead of Them. The print of nails is on your hands as well.
  • instead of : 「〜の代わりに」
  • as well : 「同じに、同様にうまく」
❖ "Love not your ~ "「彼らの代わりに、あなたの特別性を愛してはいけない」。実相的存在の代わりに、幻想を愛してはいけない。"The print of nails ~ "「釘の跡は、あなたの手にも、残っているのだ」。つまり、あなた自身がキリストであらねばならないのである。なぜなら、それが真実だからだ。



Forgive your Father it was not His Will that you be crucified.
  • crucify [krúːsifài] : 「〜を十字架に張り付けにする、虐待する」
❖ "Forgive your Father"「あなたの父なる神を赦しなさい」。"it was not His Will ~ "ここの"be"は"should be"のこと、「あなたが十字架に架けられねばならなかったのは、神の意思ではなかったのだから」。ここでは、あなたとイエス・キリストが重なり合っている。同じ神の子として、救いを求めて肉体を十字架上で失ったイエスを、それが幻想であったのだと受け入れて、神の名において、赦してあげなさい。





IV. Specialness versus Sinlessness
特別性 対 無辜性 


1. Specialness is a lack of trust in anyone except yourself. Faith is invested in yourself alone.
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
  • trust [trʌ́st] : 「信頼、信用」
  • except [iksépt] : 「〜を除いて、〜以外に」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条」
  • invest [invést] : 「〜を投資する、出資する」
  • alone [əlóun] : 「一人に、単独で」
❖ "Specialness is a lack of ~ "「特別性とは、あなた自身を除いて、他の誰かを信頼するということに欠けた状態なのだ」。"Faith is invested ~ "「信じる気持ちが、ただあなた自身にだけ向けられているのである」。こんな状態では、愛も慈悲も育つわけがない。



Everything else becomes your enemy; feared and attacked, deadly and dangerous, hated and worthy only of destruction.
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国」
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
  • deadly [dédli] : 「致命的な、痛烈な、破壊的な、執念深い、憎悪に満ちた」
  • dangerous [déindʒərəs] : 「危険な、物騒な」
  • hate [héit] : 「〜を憎む、〜をひどく嫌う」
  • worthy [wə́ːrði] : 「〜に値する、〜するに足りる」
  • destruction [distrʌ́kʃən] : 「破壊、破滅、破棄」
❖ "Everything else ~ "「他の者はすべて、あなたの敵になってしまうのである」。"feared and ~ "「恐れられ、攻撃され、」"deadly and ~ "「破壊的で危険であり、」"hated and worthy ~ "「憎まれ、そして、破壊だけに値するとされる」。特別性を信じ、それだけを追求する者は、他者の目から見れば、このように見えるのだ。なぜなら、愛も慈悲もない者は、獣(けだもの)と同然ではないか。



Whatever gentleness it offers is but deception, but its hate is real.
  • whatever [hwʌtévər] : 「どんな〜が〜でも」
  • gentleness [dʒéntlnis] : 「優しさ、穏やかさ」
  • offer [ɔ́ːfər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • deception [disépʃən] : 「欺くこと、だまし、詐欺、偽装、幻想」
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の、偽物でない」
❖ "Whatever gentleness ~ "「特別性の差し出す優しさはどれも、嘘である」。特別性に、本当の優しさはない。"but its hate ~ "「しかし、特別性の差し出す憎しみは、それは本物だ」。



In danger of destruction it must kill, and you are drawn to it to kill it first. And such is guilt's attraction.
  • danger [déindʒər] : 「危険、危機、危難」
  • destruction [distrʌ́kʃən] : 「破壊、破滅、破棄」
  • kill [kíl] : 「殺す、あやめる、殺生を行う、殺人を犯す」
  • be drawn to : 「〜に引かれる、〜に魅力を感じる、〜に惹きつけられる」
  • first [fə́ːrst] : 「一番目に、一等で、一位で、最初に」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • attraction [ətrǽkʃən] : 「引き付けるもの、引力、魅力、誘引」
❖ "In danger of ~ "「破壊の危険性の中で、特別性は(他者を)殺さなくてはならない」。他者から攻撃される危険性の中で、特別性はその他者を攻撃し、殺し、勝たねばならない。幻想世界が弱肉強食の戦場であることを思い出そう。"and you are drawn ~ "「あなたは特別性に引き寄せられ、最初に殺してしまうのだ」。まさに、殺しの魅力に抗しきれなくなるのである。特別性を守るために、つまり、生き延びるために、真っ先に攻撃し殺すことが生き甲斐となるのだ。生きる意味になるのである。"And such is ~ "「罪の魅力とは、そういうものである」。



Here is death enthroned as savior; crucifixion is now redemption, and salvation can only mean destruction of the world, except yourself.
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
  • enthrone [enθróun] : 「王位に就かせる、司教に就かせる」
  • savior [séiviər] : 「救助者、救い手、救済者、救い主」
  • crucifixion [krùːsəfíkʃən] : 「十字架刑、磔刑、はりつけ」
  • redemption [ridémpʃən] : 「贖い、贖罪、救済、解放、償い、救出 」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • except [iksépt] : 「〜を除いて、〜以外に」
❖ "Here is death enthroned ~ "「そこでは、死が、救い主の顔をして王位に就く」。死こそが救いだと信じられるのだ。"crucifixion is now ~ "「今や、磔刑が解放となる」。十字架上で死ぬことが、贖罪とされる。"and salvation can only ~ "「そして、救いは、あなたを除いた世界の破壊を意味するだけになってしまうのである」。混沌の世界が破壊され尽くしたとき、それが世界の浄化であり救いだと信じられるのだ。しかし、あなた一人だけは破壊されずにいたいと望むのである。これが、特別性の描く理想図である。
 
 
 

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