●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-24.Intro.1:1 ~ T-24.Intro.2:10

 
 
A Course in Miracles
  
Text - Chapter 24
 
 

The Goal of Specialness
特別性の目的
 
 

Introduction
 
1. Forget not that the motivation for this course is the attainment and the keeping of the state of peace.
  • forget [fərɡét] : 「~を忘れる、見落とす」
  • motivation [mòutəvéiʃən] : 「動機、動機付け、刺激、意欲」
  • course [kɔ́ːrs] : 「課程、講座、科目、コース、進路」
  • attainment [ətéinmənt] : 「獲得、到達、実現」
  • keeping [kíːpiŋ] : 「保管、保持、保存、保護、扶養、祝賀」
  • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
❖ "Forget not that ~ "「that以下を忘れてはいけない」。"that the motivation ~ "「このACIMのモティベーションが、平和な状態を手に入れ保持することであることを」忘れてはいけない。もちろん、ここの"peace"「平和」は、幻想世界(この世)の平和ではなく、実相世界の純粋で神聖な真の平和のこと。



Given this state the mind is quiet, and the condition in which God is remembered is attained.
  • given [gívn] : 「~と仮定すると、~を考えると、~を前提として」
  • quiet [kwáiət] : 「静かな、静粛な、平穏な、穏やかな、平和な」
  • condition [kəndíʃən] : 「事情、条件、前提、状態、状況」
  • remember [rimémbər] : 「~を覚えている、~を思い出す」
  • attain [ətéin] : 「手に入れる、獲得する、達成する、実現する」
❖ "Given this ~ "「この平和という状態にあれば、心は穏やかであるし、」"and the condition ~ "「神が思い出されるという条件も手に入るのである」。心が静まり、平穏になれば、神から分離した後に忘れていた、神と共に暮らした天の王国の記憶が蘇ってくる。いわゆる、記憶の復活である。



It is not necessary to tell Him what to do. He will not fail. Where He can enter, there He is already.
  • necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
  • fail [féil] : 「失敗する、しくじる、破産する」
  • enter [énter] : 「~に入る、~に参加する、~に立ち入る」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに、もう」
❖ "It is not necessary ~ "「何をすべきか、神に訊く必要はない」。"He will not ~ "「神は誤ることはことはない」。"Where He can ~ "「神が入っていけるところには、神はすでにいるのだ」。神はすべてを包摂する(all-encompassing)存在であり、神の目の行き届かないところはない。神の目の行き届くところに、神はいる。したがって、神はあなたを常に見ているし、あなたの問い掛けの何たるかもすべて知っている。しかも、その答えに、誤ることはないのだ。



And can it be He cannot enter where He wills to be? Peace will be yours because it is His Will.
  • will [wíl] : 「~を望む、意図する、命ずる、決意する」
  • yours [júərz] : 「あなたのもの」
  • will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
❖ "And can it be ~ "「神が、そこにいたいと意思した所に入ることが出来ないなど、あり得るだろうか」。神が意思したことに、不可能はないのだ。実は、ここが重要である。いかに神が万能であろうとも、神が意思しなくては、神の業は実現しないのである。"Peace will be ~ "「平和はあなたのものとなろう」。"because it is ~ "「なぜなら、それは、神の意思だからである」。神は、あなたが、実相的な純粋で神聖な心の平和を得ることを、確実に意思している。だから、それは、確実に実現するのだ。



Can you believe a shadow can hold back the Will that holds the universe secure?
  • believe [bilíːv] : 信じる、真に受ける、確信する、信頼する
  • shadow [ʃǽdou] : 「影、暗がり、人影、陰」
  • hold back : 「制御する、阻止する、隠す、押しとどめる」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • universe [júːnəvə̀ːrs] : 「宇宙、銀河、万物、森羅万象、全世界」
  • secure [sikjúər] : 「安全な、、確実な、信頼できる、不安のない、安定した」
❖ "Can you believe ~ "「あなたは、影なるものが、世界の安全を保持している神の意思を阻止出来ると信じることが出来るだろうか」。"shadow"「影なるもの」とは、「幻想」と考えていいだろう。また、"universe"「世界」は、実相世界である。実相世界は、神の意思によって平和と安全が確保されている。その神の意思に逆らって、実相世界の安全を脅かす幻想を実相世界に侵入させ、神の意思を阻止することなど可能だと信じられるだろうか、という意味。まず第一、幻想が実相世界に侵入することは不可能である。第二に、神は幻想をまったく認識しないのだ。神は、虚偽なる幻想を知らない。したがって、神にとって、幻想は完璧に存在しない。神は夢を見ないのだ。



God does not wait upon illusions to let Him be Himself. No more His Son. They are.
  • wait upon : 「~に仕える」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • no more : 「もはや~しない」
❖ "God does not ~ "「神は神自身であるために、幻想に仕えることはない」。神が、幻想に支配されて、幻想の姿に自己同一化することはあり得ない。"No more ~ "「神の子も、幻想に仕えることはない(はずだ)」。"They are"「神も神の子も、そうであるのだ」。しかし、神の子は、神から分離した後、幻想の世界を心の外部に投射して作り出してしまったのだ。さらに、自己を乖離し、肉体をもった幻想の姿に自己同一化したのである。



And what illusion that idly seems to drift between Them has the power to defeat what is Their Will?
  • idly [áidli] : 「無駄に、無益に、むなしく、何もしないで、怠けて、無為に」
  • drift [dríft] : 「漂う、漂流する、放浪する」
  • between [bitwíːn] : 「〜の間で」
  • defeat [difíːt] : 「負かす、倒す、破る、打倒する、打ち倒す」
❖ "And what illusion that ~ "「神と神の子の間に、無益に漂っている幻想の、一体どんな幻想が、神と神の子の意思なるものを打倒するパワーをもっているだろうか」。影に過ぎない幻想が、神や神の子の実相的意思を打ち砕く力などないのだ。夜見る夢の中に出てきた巨大で恐ろしいモンスターでさえ、目覚めたあなたに襲いかかることの出来ない道理と同じである。



2. To learn this course requires willingness to question every value that you hold.
  • learn [lə́ːrn] : 「~を学ぶ、~を知る、分かる」
  • require [rikwáiər] : 「~を必要とする、求める、要求する、命じる」
  • willingness [wíliŋnis] : 「意欲、いとわずにすること、やる気」
  • question [kwéstʃən] : 「~を疑問に思う、~を疑問視する、~に疑問を呈する」
  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価、重要性」
❖ "To learn this course ~ "「このACIMを学ぶことは、あなたが保持しているあらゆる価値観に対して、喜んで疑問を呈する、その気持ちを求めているのだ」。簡単に言えば、ACIMは、あなたの価値観の革命を要求しているのである。あなたの価値革命であり、自己革命である。革命である以上、あなたはACIMを学んで、無傷ではいられない。しかし、その傷は、再生への恵豊かな傷だと思わなくてはならない。



Not one can be kept hidden and obscure but it will jeopardize your learning.
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
  • keep [kíːp] : 「~の状態にしておく、~にしておく」
  • hidden [hídn] : 「隠された、秘密の」
  • obscure [əbskjúər] : 「ぼんやりした、曖昧な、不明瞭な」
  • jeopardize [dʒépərdàiz] : 「危うくする、危険にさらす、脅かす」
❖ "Not one can be kept ~ "「何ものも、隠したり曖昧なままにしておくことは出来ない」。隠し立てしたり、曖昧にせずに、あなたの価値観のすべてを検証する必要がある。"but it will jeopardize ~ "「さもないと、それは、あなたの(ACIM)の学びを危ういものにしてしまうのだ」。つまり、ACIMに対しては、どんなまやかしも、ごまかしも通用しないのだ。なぜなら、真実を学ぶときには、ごまかしやまやかしを排除しなくてはならないからだ。たとえ、それによって傷を負っても、あなたはごまかしてはならない。



No belief is neutral. Every one has the power to dictate each decision you make.
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • neutral [njúːtrəl] : 「中立の、無色の、中間色の、当たり障りのない」
  • dictate [díkteit] : 「~を命令する、指示する、~に影響する、~を決定する」
  • decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意、決心、決議、裁決」
❖ "No belief is ~ "「どんな信念も、無色透明ということはない」。信じることは、何かの色に染まることだ。それが、白か黒か、それはあなたの選択なのである。"Every one has the power ~ "「誰でも、決定をするときに、それに影響を与えるパワーを有している」。白に染めるか、黒に染めるか、誰でも、決定に影響を与えるパワーを持ち合わせている。簡単に言えば、あなたが何を信じているかによって、あなたは、決定に影響を与える自由を持っているのだ。したがって、自ら信じ決定する自由は、パワーなのである。



For a decision is a conclusion based on everything that you believe.
  • conclusion [kənklúːʒən] : 「結論、決定、結末、結果、終わり、終局」
  • based [béist] on : 「~に拠点のある、~をベースにした、〜を基礎にした」
❖ "For a decision is ~ "「なぜなら、決定とは、あなたが信じているあらゆるものをベースとした結果なのだから」。あなたは、信じる自由をもっており、信じたことが、あなたにあなた独自の決定をもたらすのだ。



It is the outcome of belief, and follows it as surely as does suffering follow guilt and freedom sinlessness.
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」
  • follow [fάlou] : 「~に続く、~の次に来る、~の後について行く」
  • surely [ʃúərli] : 「疑いなく、しっかりと、確かに、確実に、必ず」
  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難、苦悩」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
  • sinlessness [sʌ́nlisnis] : 「罪のないこと、潔白性、無辜(むこ)性」
❖ "It is the outcome ~ "「決定は、信じたことの結果である」。"and follows it ~ "「そして、苦しみが罪の意識に続き、自由が無辜性に続くのが確実であるように、決定は信じる気持ちに続くのである」。何を言いたいのかというと、決定する意思と信じる気持ちは、一見無関係のように見えるが、そこには因果律が働いているということ。あるいは、信念と決定は二分に出来ない同一性がある、という意味合い。



There is no substitute for peace. What God creates has no alternative. The truth arises from what He knows.
  • substitute [sʌ́bstətjùːt] : 「代わりのもの、代用品、代替」
  • create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
  • alternative [ɔːltə́ːrnətiv] : 「代わりとなるもの、別の手段、選択肢」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • arise [əráiz] from : 「~から生じる、〜から発生する、~に起因する」
❖ "There is no substitute ~ "「平和には、それに代わるものはない」。平和は、何かで置き換えることは出来ないのだ。"What God creates ~ "「神の創造したものには、代わりとなるものはない」。つまり、神の創造した真実に、置き換えはない。真実を、真実らしい虚偽で置き換えても無駄である。"The truth arises ~ "「真実は、神の知っているものから生じるのである」。神は全知であり、つまり、すべてを知っている。その叡智(knowledge)から、すべての真実は創造される。したがって、次のようにも言える。神は幻想を知らない。神の叡智に幻想はない。だから、神は幻想世界を創造したのではないし、虚偽を創造することもない。



And your decisions come from your beliefs as certainly as all creation rose in His Mind because of what He knows.
  • come from : 「~から来る、~に由来する、源を~に発する」
  • certainly [sə́ːrtnli] : 「確実に、確かに、必ず」
  • creation [kriéiʃən] : 「創作物、作品、創造、創作」
  • rose [róuz] : 「rise の過去形」
  • rise [ráiz] : 「立ち上がる、起立する、発生する、起こる」
  • because of : 「~のために、~のせいで」
❖ "And your decisions ~ "「あなたの決定は、〜が確かであるように、あなたの信じる気持ちから生まれたのだ」。"as certainly as all ~ "「創造されたものすべては、神の知る叡智ゆえに、神の心から生まれたのであるが、それが確実であるように、」あなたの決定は、あなたの信じる気持ちから生まれたのだ。ということは、あなたは信じる気持ちをもって、決定なるものを創造したのだ。その信じる気持ちが真実であるなら、あなたは真実の決定を創造したであろうし、虚偽を信じていたなら、あなたは虚偽なる決定を創造したことになる。
 
 
 

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