31. Miracles should inspire gratitude, not awe. You should thank God for what you really are.
- should [ʃúd] : 「〜すべきである、〜のはずである」
- inspire [inspáiər] : 「引き出す、呼び起こす」
- gratitude [grǽtətjùːd]: 「感謝、感謝の気持ち、報恩の念」
- awe [ɔ́ː] : 「畏敬、畏敬の念、畏怖」
- thank [θǽŋk] : 「〜に感謝する」
- really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに」
❖ "Miracles should ~ "「奇跡は、畏怖ではなく、感謝の気持ちを呼び起こさずにはいない」。奇跡を起こしてくれた神、あるいはホーリー・スピリットに対して、畏怖ではなく感謝の気持ちが湧いてくるはずだ。神はもはや、神の子の罪に対して罰を与える恐怖の神ではなくなったのだ。"You should thank ~ "「あなたは、本当のあなたを与えてくれたことを神に感謝すべきである」。"what you really are"は、「本当のあなたは何であるかということ、本当のあなた自身、本当のあなたの姿」ということ。この形はよく出てくるので覚えておくように。たとえば、""what you want"は「あなたの欲しいもの」となる。で、本当のあなた自身とは、神が創造した神の子、ということ。神の属性のすべてを継承した神の子であることを、神に感謝すべきだ。神のパワーを与えられたから、奇跡を起こすことが出来たのだ。
The children of God are holy and the miracle honors their holiness, which can be hidden but never lost.
- children [tʃíldrən] : 「子どもたち」
- holy [hóuli]: 「神聖な」
- honor [ɑ́nər]: 「〜に敬意を払う、尊敬する、褒めたたえる」
- holiness [hóulinis] : 「神聖、高潔 」
- hidden [hídn]: 「hideの過去分詞形、隠された、秘密の 」
- hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
- lost [lɔ́st] : 「loseの過去・過去分詞形」
- lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
❖ "The children of God ~ "「神の子たちは神聖であり、奇跡は神の子たちの神聖さを褒め称える」。"which can be hidden ~ "「その神聖さは、隠されることはあっても、失われることはない」。神の子は神によって創造されたものだから、神聖である。神の子は、神の属性のすべてを継承しているから奇跡が可能であるわけで、ここでは奇跡を人格して、神の神聖さを喜んでいる、称賛している、と表現している。もっとも、あなたは神の子であり、神の属性のすべてを継承しているから神聖なのだが、その事実を完全に忘れている。しかし、それは忘れているだけであって、失われたわけではない。思い出せばいいのだ。
32. I inspire all miracles, which are really intercessions. They intercede for your holiness and make your perceptions holy.
- inspire [inspáiər] : 「〜の原因となる、〜を引き起こす」
- really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
- intercession [ìntərséʃən] : 「仲裁、仲介、斡旋」
- intercede [ìntərsíːd] : 「仲裁する、仲を取り持つ、取り成す」
- make [méik] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
❖ " I inspire ~ "「私は、奇跡を引き起こす」。ここの"I"「私」は、イエス・キリスト。イエスは純粋なスピリットなので、ここではホーリー・スピリットそのものと考えていい。奇跡はあなたが起こすものだが、あなた一人で起こすものではない。常に、ホーリー・スピリットの手助けがある。奇跡は、ホーリー・スピリットが起こしてくれると考えてもいいのだ。"which are really ~ "「奇跡は、実際、仲介役である」。"They intercede for your ~ "「奇跡は、あなたの神聖さを仲介し、あなたの知覚を神聖なものにしてくれる」。「神聖さを仲介する」とは、ここでは、「神聖さを取り戻してくれる」といった意味合いに捉えればいいだろう。奇跡によってあなたが真実に目覚めれば、自分が神の子として神聖であることを思い出す。幻想に惑わされていた知覚は修正され、神聖な知覚に再生される。
くどくなるが、なぜ"intercession"とか"intercede"という言葉を使ったのだろう? 実は、これにはわけがある。聖書には放蕩息子の話しが載っている。それを踏まえれば、神の子は神の家から家出をした放蕩息子である。神なしで生きていけると思っていた。しかし、それが誤りだと知ったとき、奇跡は神の子と神の仲を取り持ってくれる。家出をしたと思っていたが、しかし神の子は一歩も神から離れていなかったと気が付く。神から離れていなかった自分は今も神聖なのだと知るのだ。つまり、神から分離した神の子が神の元へ回帰する仲立ちをするのが奇跡である。真実への回帰を仲介してくれるのが奇跡なのだ。
By placing you beyond the physical laws they raise you into the sphere of celestial order. In this order you are perfect.
- place [pléis] : 「〜を置く、設置する」
- beyond [bijάnd] : 「〜の域を越えて、〜を超越して」
- physical [fízikəl] : 「物質の、物質的な、身体の、肉体の、身体的な」
- law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規」
- physical law : 「自然界の法則、物理法則」
- raise [réiz] : 「上げる、引き上げる、上昇させる」
- sphere [sfíər] : 「天、天空、球体、領域」
- celestial [səléstʃəl] : 「天の、天体の、天国の」
- order [ɔ́ːrdər] : 「秩序、順序、階級、階級、地位、等級」
- perfect [pə́ːrfikt] : 「完全な、完璧な」
❖ "By placing you ~ "「奇跡は、あなたを物理法則を超越した場所に置くことで、あなたを天空のレベルへと持ち上げてくれる」。"In this order ~ "「このレベルでは、あなたは完全である」。"beyond the physical laws"「物理法則を超越して」とは、時空間の存在するこの幻想世界を超越して、という意味合い。物理法則で制限された日常の経験を超越して、奇跡はあなたを天の王国へと昇らせる。つまり、実相世界のレベルに持ち上げてくれるのだ。"order"を「レベル、階級」と解釈した。なお、ACIMで"sphere" とか"celestial" という言葉が使われるのは珍しい。普通は" Heaven "が使われる。"perfect"とは、あなたは神の子として完全、完璧だということ。神同様に、欠けるところは何もない。そもそも、実相世界、天の王国には、欠如とか不足という概念はない。
33. Miracles honor you because you are lovable. They dispel illusions about yourself and perceive the light in you.
- honor [άnər] : 「尊敬する、称える」
- lovable [lʌ́vəbl] : 「愛らしい、かわいい」
- dispel [dispél] : 「〜を追い払う、払いのける、払拭する」
- illusion [ilúːʒən] : 「錯覚、錯視、幻想」
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
- light [láit] : 「光、ライト、明かり」
❖ "Miracles honor ~ "「奇跡は、あなたがあまりにも愛らしいので、あなたを讃える」。奇跡が人格化されて、ここではホーリー・スピリットと同体の扱いをされている。本文は、奇跡と同体のホーリー・スピリットは、神の子であるあなたをこよなく愛しているので、神の子としてのあなたを讃え、神の創造を讃えている、という意味合いになる。"They dispel illusions about ~ "「奇跡は、あなた自身の幻想を払いのけ、あなたの心の中の光を知覚する」。奇跡によって真実に目覚めれば、あなたが神に対して罪を犯した人間であるという幻想は払拭され、神の子として、その心は真実という光に満たされていることに気が付く。
実相世界は一元論の世界であり、真実の存在はすべて同一化される。奇跡という真実はホーリー・スピリットという真実に一元化されても不思議ではない。愛や喜びも一元化され、奇跡やホーリー・スピリットと同体であると見なしてもいい。ホーリー・スピリットはキリストと同体であり、神の子も、実はキリストやホーリー・スピリットと同体である。こうして、究極的には、真実のすべては神という一点に収斂(しゅうれん)する。"God is"「神あり」という一点にすべては収斂するのである。神と神の子とホーリー・スピリットの三位(さんみ)が融合し、一体化されるのは当然であって、ACIMの三位一体(さんみいったい)とは、そういうことである。
They thus atone for your errors by freeing you from your nightmares.
- atone [ətóun] : 「償う、あがなう」
- error [érər] : 「誤り、間違い」
- free [fríː] : 「〜を自由にする、解放する」
- nightmare [náitmὲər] : 「悪夢」
❖ "They thus atone ~ "「こうして、奇跡は、あなたをあなたの悪夢から解放することで、あなたの過ちを贖(あがな)っている」。奇跡によって真実の見極めが出来るようになれば、あなたは、あなたの無意識下にある罪の意識(悪夢)が幻想であると認識出来るようなる。あなたは、罪の意識という幻想を認識し、幻想として受け入れ受け流し、赦すことで罪の意識を消滅させる。こうして、奇跡は誤った罪の意識を贖うのだ。つまり、誤った罪を滅ぼす、罪滅ぼし、贖罪、ということになる。
By releasing your mind from the imprisonment of your illusions, they restore your sanity.
- release [rilíːs] : 「 〜を解放する、自由にする」
- imprisonment [impríznmənt] : 「投獄、禁固、監禁」
- illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
- restore [ristɔ́ːr] : 「: 〜を元の状態に戻す、元に戻す、回復させる、修復する」
- sanity [sǽnəti] : 「正気、健全さ」
❖ "By releasing your ~ "「あなたの心を、幻想という牢獄から解放することで、奇跡は、あなたの正気さを取り戻してくれる」。あなたの心の大半はエゴに支配されており、いわば、エゴという牢獄に捕われている。エゴは、あなたに幻想を見続けるようにと命じている。つまり、あなたはエゴの捕虜であり、幻想の囚人である。奇跡は、その牢獄からあなたの心を解放する。あなたの心の中の最も純粋で神聖な部分にホーリー・スピリットが住んでおり、ここだけが幻想に犯されてはいない。あなたの心の正気な部分である。奇跡は、その心の正気さに気付かせてくれるのだ。
34. Miracles restore the mind to its fullness. By atoning for lack they establish perfect protection.
- fullness [fúlnis] : 「充満、充足、十分、いっぱい、たっぷり」
- lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
- establish [istǽbliʃ] : 「確立する、設置する、設立する、 固定する」
- perfect [pə́ːrfikt] : 「完全な、完璧な」
- protection [prətékʃən] : 「保護、守ること、擁護、予防、防御、防備」
❖ "Miracles restore ~ "「奇跡は、あなたの心を完全な豊かさへと修復する」。"fullness"は、"lack"の逆であり、"perfect"と同義である。あなたの心が正気さを取り戻し、実相として再生されたとき、あなたの心は欠けるもののない、完全な充足の状態となる。真実のすべて、愛と喜びと平和と静寂で満たされるのである。"By atoning for ~ "「あなたの欠落を贖(あがな)うことで、奇跡は、完全な防御を確立する」。あなたの心に不足があるということは幻想である。神の子として、あなたは完全である。欠落は幻想なのだ。奇跡は、その欠落を赦し、解放する。つまり、欠落を贖罪するのだ。こうして、奇跡は、あなたの心が、欠落、不足、ひいては罪という幻想から完全に守られていることを保証する。あなたの心が幻想によって犯されることはないと、その防衛力を確立してくれるのだ。
The spirit's strength leaves no room for intrusions.
- spirit [spírət] : 「霊、魂、霊魂、精霊、精神」
- strength [stréŋkθ] : 「力、強さ」
- leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする」
- room [rúːm] : 「機会、余地、可能性」
- intrusion [intrúːʒən] : 「 侵入、割り込み、入り込むこと」
❖ "The spirit's strength ~ "「スピリットのもつ力は、侵入の余地を残さない」。奇跡によって正気さを取り戻した心は、ホーリー・スピリットの住む実相的な心である。その正しい心をスピリットという。スピリットは、幻想の侵入を許さない。エゴの侵入を許さないのだ。スピリットの、幻想に対する防衛力は大きい。
なお、エゴに支配された心が採用する思考システムがエゴの思考システムであり、スピリットが採用する思考システムがホーリー・スピリットの思考システムである。スピリットとホーリー・スピリットの思考システムは一体である。そして、エゴの思考システムと一体なのが幻想である。
35. Miracles are expressions of love, but they may not always have observable effects.
- expression [ikspréʃən] : 「表現、表示、表情」
- not always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも〜だとは限らない」
- observable [əbzə́ːrvəbl] : 「可観測の、観測される、目に見える」
- effect [ifékt] : 「効果、結果、影響」
❖ "Miracles are expressions ~ "「奇跡は愛の表現ではあるが、奇跡は、常に目に見える結果を伴うとは限らない」。奇跡は、真実、愛、喜び、幸せを表現してくれるが、それが常に、感覚器官で知覚出来る形を伴うわけではない。形を伴った幻想世界に現れる結果ではないから、形を伴うわけではないのだ。結果は常に、心のレベルに現れる。
36. Miracles are examples of right thinking, aligning your perceptions with truth as God created it.
- example [igzǽmpl] : 「例、実例、見本、標本、例題」
- right [ráit] : 「正しい、正当な」
- thinking [θíŋkiŋ] : 「考えること、思考」
- align [əláin] with ~ : 「〜と協調する、協調させる」
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
- truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理」
- create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
❖ "Miracles are examples ~ "「奇跡は、正しい考えの見本である」。実相的な真実を心に思えば、その正しい思いは現実化し、それが奇跡となって表現される。"aligning your ~ "「そして、あなたの知覚を、神がそれを創造したままに、真実と協調させてくれる」。幻想世界に住むあなたの知覚は、幻想を実在と捉える誤った知覚である。神は、そんな欠陥のある知覚を、神の子のために創造したりしなかった。奇跡によって真実に目覚めれば、あなたの知覚は、真実を真実として、虚偽を虚偽として、実相を実相として、幻想を幻想として、正しく認識出来るようになる。つまり、神が創造したままに、正しい知覚に修正されるのだ。知覚が正しく調整されるから、正しい思考が可能になるのである。
37. A miracle is a correction introduced into false thinking by me.
- correction [kərékʃən] : 「訂正、矯正、修正、是正」
- introduce [ìntrədjúːs] : 「取り入れる、取り込む、紹介する」
- false [fɔ́ːls] : 「うその、虚偽の、本物でない、偽の」
- thinking [θíŋkiŋ] : 「考えること、思考、考え、意見」
❖ "A miracle is ~ "「奇跡は、私(イエス)によって、誤った思考に適用される修正である」。ACIMを語るイエスは純粋なスピリットであり、ホーリー・スピリットと同体と考えていい。幻想世界の視点に立った、誤った思考に対して、それを正し、実相的な思考に修正する仕事が、ホーリー・スピリットの役割であり、奇跡がそれを可能にする。幻想的な思考から実相的な思考へと修正する作業を、あなたは、ホーリー・スピリットの手助けを受けながら、奇跡として実現出来るのだ。
It acts as a catalyst, breaking up erroneous perception and reorganizing it properly.
- act [ǽkt] : 「 行動する、振る舞う、役割を果たす」
- catalyst [kǽtəlist] : 「触媒、きっかけ」
- break [bréik] up : 「壊す、解体する」
- erroneous [əróuniəs] : 「間違った、誤りのある 」
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
- reorganize [riɔ́ːrɡənàiz] : 「 〜を再編成する、再建する、立て直す」
- properly [prάpərli] : 「適切に、正確に、正しく」
❖ "It acts as ~ "「(イエスが導入する)奇跡は、触媒として作用する」。"breaking up erroneous ~ "「つまり、誤った知覚を解体し、その知覚を適切に再構築するのである」。幻想を実在だと錯覚する誤った知覚を解体し、真実を真実として、幻想を幻想として正しく知覚出来るように再構築するのである。あたかも知覚に化学変化をもたらすようなもので、奇跡は知覚の化学変化を促す触媒のような働きをする。
This places you under the Atonement principle, where perception is healed.
- place [pléis] : 「〜を置く、設置する」
- under [ʌ́ndər] : 「下に、下の方に」
- atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い、補償」
- principle [prínsəpl] : 「原理、公理、原則」
- heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
❖ "This places you ~ "「これが、あなたを贖罪の原理の下に置く」。奇跡による知覚の解体と再構築が、あなたの罪の意識を消滅させてくれる。"Atonement principle"「贖罪の原理」とは、罪の意識を幻想と認識し、それを受け入れ受け流して赦し、罪の意識を消滅させること。贖罪の原理は、イエス・キリストの磔刑とは無縁である。"where perception ~ "「そしてその場で、知覚はヒーリングされるのだ」。罪の意識が消滅することで、あなたは完全な無辜(むこ)なる神の子として再生され、知覚もまた、無辜なる知覚としてヒーリングされる。知覚はヴィジョンに、そして叡智(knowledge)に生まれ変わるのだ。
Until this has occurred, knowledge of the Divine Order is impossible.
- until [ʌntíl] : 「〜までは〜しない、〜になってやっと〜する」
- occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる」
- knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、認識、知恵」
- divine [diváin] : 「神聖な、神の、神から授かった、天与の」
- order [ɔ́ːrdər] : 「自然の理法、秩序、道理」
- divine order : 「神の秩序、神聖な理法」
- impossible [impάsəbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
❖ "Until this has ~ "「これが起きるまでは、」知覚がヒーリングされるまでは、"knowledge of ~ "「神聖な神の理法である叡智(を獲得すること)は不可能である」。"knowledge"「叡智」とは、この世界レベルの知恵のことではない。実相世界における、全的、直覚的な把握のことで、仏教用語の『般若(はんにゃ)』に非常に近い概念である。涅槃(ねはん)によって得られる仏の法であり、永遠の智慧(ちえ)のことだ。したがってそれは、"Divine Order"「神聖な神の理法」なのである。
38. The Holy Spirit is the mechanism of miracles. He recognizes both God's creations and your illusions.
- Holy Spirit : 「聖霊」
- mechanism [mékənìzm] : 「構造、装置、仕掛け、機械装置」
- recognize [rékəgnàiz] : 「 〜を認める、認識する、認知する」
- both [bóuθ] A and B : 「AもBも、ABいずれも」
- creation [kriéiʃən] : 「創作物、作品、創造、創作」
- illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
❖ "The Holy Spirit is ~ "「ホーリー・スピリットは、奇跡の仕掛け人である」。ホーリー・スピリットは、あなたが奇跡を起こすように仕向ける仕掛け人である。"The Holy Spirit"という単語が初めて登場した。大文字で記されているので実在のもの。つまり幻想の所産ではない。日本語で「精霊」と訳してしまうと真意を失う。キリスト教の概念に引きずられてしまうからだ。この精読では、ホーリー・スピリットと、そのままの形で記すことにする。"He recognizes ~ "「ホーリー・スピリットは、神の創造したものも、あなたの幻想も、共に認識している」。ホーリー・スピリットは、神の創造した実相(真実)も、あなたが偽創造した幻想も、共に認識出来るのである。これが、ホーリー・スピリットの属性の一番大切な部分。神は幻想と一切の関わりを持たない。神は、神の子の偽創造したこの幻想世界を一切感知しないのだ。では、神は夢見る神の子を見捨てたのか? いや、違う。神は、神の子の元へ、媒介者としてホーリー・スピリットを遣わした。神の子を幻想から救うために、幻想世界をよく知っているホーリー・スピリットを神の使者として神の子に送ったのだ。あなたの心の最も純粋で神聖な部分にホーリー・スピリットは住んでいて、あなたを実相へと導いてくれる。また、そこには神の祭壇があて、ここが神へのチャンネルになっており、神とのコミュニケーションを可能にしている。
He separates the true from the false by his ability to perceive totally rather than selectively.
- separate [sépərèit] : 「分ける、分離する、隔てる、引き離す、切り離す」
- true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
- false [fɔ́ːls] : 「正しくない、誤った」
- ability [əbíləti] : 「能力、才能」
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
- totally [tóutəli] : 「全体的に、全体として、すっかり」
- rather [rǽðər] than : 「〜よりはむしろ、かえって」
- selectively [siléktivli] : 「選択的に、抜粋して」
❖ "He separates the true ~ "「ホーリー・スピリットは、選択的というよりは全的に知覚する能力を用いて、誤ったものから正しいものを切り離してしまう」。ここの"ability to perceive totally rather than selectively"「選択的というよりは全的に知覚する能力」とは、まさに叡智(knowledge)のことである。全的、直覚的な把握をする般若(はんにゃ)である。ホーリー・スピリットは叡智をもって、真実(the true)と虚偽(the false)を峻別するのだ。誤解してはいけないのは、ホーリー・スピリットは善悪判断、真偽判断、比較評価、等々を行うのではない。これを行うのはこの世の知恵であって、叡智(knowledge)は判断や評価を超越する。叡智は、実相なるものと幻想なるものを、瞬時にして、全的に直覚的に見極め、幻想を消滅させてしまうのだ。
文法的には、"the true"は「the + (形容詞)」の形で、「〜なもの、〜な人」、つまり、「真実なるもの」となる。"the false"も同様に、「虚偽なるもの」となる。また、"ability to perceive"の"to perceive"は不定詞の形容詞的用法で、「知覚する能力」となる。たとえば、"water to drink"は「飲むための水」、つまり「飲み水、飲料水」となる。
39. The miracle dissolves error because the Holy Spirit identifies error as false or unreal.
- dissolve [dizɑ́lv] : 「溶かす、溶解させる、解散する、分解する」
- error [érər] : 「誤り、間違い」
- identify [aidéntəfài] : 「確認する、識別する、特定する、同一視する」
- identify [aidéntəfài] A as B : 「AをB であると認める、同定する、見なす]
- unreal [ʌnríəl] : 「実在しない、非現実的な、実存しない、虚偽の」
❖ "The miracle dissolves ~ "「ホーリー・スピリットが誤りを虚偽として、あるいは非実在として同定するので、奇跡は過ちを溶解させてしまう」。前文で、「叡智は、実相なるものと幻想なるものを、瞬時にして、全的に直覚的に見極め、幻想を消滅させてしまう」と書いたが、より具体的に、ホーリー・スピリットが叡智をもって幻想なる過ちを実相的な虚偽として、つまり、存在し得ないものとして同定するので、奇跡は、その過ちを消滅させてしまうのだ。
This is the same as saying that by perceiving light, darkness automatically disappears.
- same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
- be the same as :「〜と同じである、〜も同然である 」
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
- light [láit] : 「光、ライト、明かり」
- darkness [dάːrknis] : 「暗がり、暗闇」
- automatically [ɔ̀ːtəmǽtikəli] :「無意識に、思わず、自動的に」
- disappear [dìsəpíər] : 「見えなくなる、姿を消す 、存在しなくなる、消滅する」
❖ "This is the same ~ "「これは、that以下と言うことと同じである」。"that by perceiving ~ "「光を知覚することで、闇が自然に消えていく」と言うことと同じである。もちろん、光が実相で真実。闇が幻想で過ち。
40. The miracle acknowledges everyone as your brother and mine. It is a way of perceiving the universal mark of God.
- acknowledge [əknɑ́lidʒ] : 「認める、承認する、同意する、認識する、受け入れる」
- mine [máin] : 「私のもの」
- way of ~ : 「〜の方法、やり方、手段」
- universal [jùːnəvə́ːrsl] : 「普遍的な、世界共通の、一般的な」
- mark [mάːrk] : 「印、記号、標章」
❖ "The miracle acknowledges ~ "「奇跡は、誰もが、あなたの同胞であり、私の同胞であると認識している」。奇跡は、あなたも他者も、そしてイエスも、すべて神の子であると認識している。神の子として、兄弟であり、同胞なのだ。"It is a way of ~ "「それは、普遍的な神の印を知覚する方法である」。奇跡によって他者が同胞であると認識することは、誰もが神の創造であるという印を普遍的にもっていると知覚する方法なのだ。"universal"「普遍的な」ととは、神が創造した誰もがもっている、という意味。"mark of God"「神の印」とは、神が創造したという承認表のようなもので、いわば『メード・イン・ゴッド』という意味合い。神は単一の神の子を創造したのである。したがって、あなたと他者は分離しているように見えるが、それは幻想で、あなたと他者は同一である。あなたと同胞は、自他一如(じたいちにょ)なのだ。奇跡は、それを認識させてくれる。