4. Ultimately, every member of the family of God must return. The miracle calls him to return because it blesses and honors him, even though he may be absent in spirit.
- ultimately [ʌ́ltəmətli] : 「結局のところ、最後に、ついに」
- return [ritə́ːrn] : 「 戻る、帰る、返還する」
- call [kɔ́ːl] : 「〜に命じる、呼びかける」
- bless [blés] : 「授ける、祝福する、〜に感謝する」
- honor [ɑ́nər] : 「〜に敬意を払う、尊敬する、崇拝する」
- even though : 「〜であるけれども、〜であるにしても、〜にもかかわらず」
- absent [ǽbsənt] : 「不在の、欠席して、放心状態の、ぼんやりした」
- spirit [spírit] : 「霊、魂、霊魂、精霊、精神、気分、気迫」
❖ "Ultimately, every member ~ "「最終的に、神の家族はすべて、(神の元へ)回帰しなくてはならない」。神の家族とは、もちろん、神と神の子すべて、そして、神から幻想世界に遣わされたホーリー・スピリット、キリストも含まれる。ただし、ここでは、神の子に限定して考えてよい。神の子は神から分離し、この幻想世界を偽創造してそこに住んでいる夢を見ているのだが、最終的には、その悪夢から目覚めて、神の元へ回帰しなくてはならない。"The miracle calls him ~ "「奇跡は、神の子を祝福し尊敬しているので、たとえ神の子がスピリットの中にいなくても、奇跡は、神の子に回帰するように呼びかけている」。奇跡は人格をもたないが、ここではあえて擬人化して述べている。たとえ神の子がまだ幻想から目覚めず、心がスピリットとして純化されていなくても、つまり、自分の霊性に気付いていなくても、奇跡は、神の子が神に創造された神聖な存在であると知っているので、神の子を祝福し尊敬し、神の元へ回帰するようにと呼びかけている。
"God is not mocked" is not a warning but a reassurance. God would be mocked if any of his creations lacked holiness.
- mock [mɑ́k] : 「だます、欺く」
- warning [wɔ́ːrniŋ] : 「警告、注意、戒め、警戒」
- reassurance [riəʃúərəns] : 「安心、安心させること、元気づけ」
- creation [kriéiʃən]: 「創造、創作、創作物、作品」
- lack [lǽk] : 「〜を欠く、〜が欠けている、十分にない」
- holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
❖ "God is not mocked ~ "「『神は欺(あざむ)かれない』とは、警告でなく、安心を与えるためである」。"God would be ~ "「もし、神の創造した神の子の誰かが神聖さを欠いていたなら、神は欺かれるだろう」。仮定法過去であり、現在の事実に反することを述べている。仮に、神の創造した神の子が神聖さを欠いていたなら、創造した神自体が神聖さを欠いていることになり、不完全な神であるから欺かれ得るだろう。しかし、事実はそうではない。神は完全であり、したがって、完全な神に創造された神の子は完璧に神聖なのだ、ということ。したがって、聖書の言葉の『神は欺かれない』ということが意味しているのは、神の子は完璧に神聖であるということを保証しているのであって、だから警告ではなく安心を与えるものなのだ。
なお、"God is not mocked" は新約聖書のガラテヤ人への手紙6章7節からの引用である。参考までに、ここに載せておく。
[Galatians 6:7 from King James Version]
Be not deceived; God is not mocked: for whatsoever a man sows, that shall he also reap.
思い違いをしてはいけません。神は、人から侮られることはありません。人は、自分の蒔いたものを、また刈り取ることになるのです。(新共同訳)
The creation is whole, and the mark of wholeness is holiness. Miracles are affirmations of Sonship, which is a state of completion and abundance.
- whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
- mark [mɑ́ːrk] : 「印、記号、標章」
- wholeness [hóulnis] : 「全部そろっていること、一体となっていること」
- holiness [hóulinis] : 「神聖、高潔」
- affirmation [æ̀fərméiʃən] : 「確約、断言、肯定、確認」
- state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
- completion [kəmplíːʃən] : 「 完成、完了、終了、完全さ」
- abundance [əbʌ́ndəns] : 「多量、豊富、多数」
❖ "The creation is whole ~ "「神が創造したものは完全であり、完全性の印は神聖さである」。"Miracles are affirmations ~ "「奇跡は、神の子の宣言であり、それは、完成と豊饒の状態であるとの宣言である」。奇跡によって神の子が幻想から目覚めれば、神の子は神によって創造された独り子であることを知る。神によって創造された以上、神の子は完全であり、全的であり、それが神聖さの表れだと知るのだ。奇跡は、それを宣言することである。神の子が完全で、完璧で、完成された存在であり、神の属性をすべて継承して豊饒であることを証言することなのだ。
5. Whatever is true is eternal, and cannot change or be changed. Spirit is therefore unalterable because it is already perfect, but the mind can elect what it chooses to serve.
- whatever [hwʌtévər] : 「〜するのは何でも、どんなものが〜でも」
- true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
- eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の」
- unalterable [ʌnɔ́ːltərəbl] : 「不変の」
- already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに」
- perfect [pə́ːrfikt] : 「申し分がない、完全な、完璧な」
- elect [ilékt] : 「〜を選ぶ、選挙する」
- choose [tʃúːz] : 「 〜を選ぶ、〜を選択する」
- serve [sə́ːrv] : 「〜に役立つ、果たす、〜に仕える」
❖ "Whatever is true is ~ "「真実なものは永遠であり、変わることも変えることも出来ない」。真実だけが存在する実相世界は永遠不変の世界である。真実は永遠不変なのだ。"Spirit is therefore ~ "「したがって、スピリットはすでに完璧なので、スピリットは不変である」。心が真実として昇華したものがスピリットであり、スピリットは真実なので永遠不変である。"but the mind can ~ "「しかし、心は、何に仕えるか選択することが出来る」。しかし、あなたの心はまだ深い眠りについていて、エゴに仕えることもホーリー・スピリットに仕えることも、選択出来る状態にある。しかし、むしろ今のあなたの心はエゴに支配され、あなたの心はエゴに仕えていると考えた方がいい。あなたはエゴを偶像として崇(あが)めているのだ。
The only limit put on its choice is that it cannot serve two masters.
- limit [límit] : 「限度、制限、境界、限界」
- put [pút] : 「置く、ある状態に〜を置く」
- choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
- master [mǽstər] : 「主人、マスター」
❖ "The only limit ~ "「心が選択するときに課せられる制限とは、心は二人の主人に仕えることは出来ないということだ」。あなたは、エゴを主人として選択するか、ホーリー・スピリットを主人として選択するか、二者択一である。それが、選択に課せられた制限である。
If it elects to do so, the mind can become the medium by which spirit creates along the line of its own creation.
- become [bikʌ́m] : 「〜になる」
- medium [míːdiəm] : 「媒体、媒介物、媒質、手段」
- create [kriéit] : 「創造する、作り出す」
- along [əlɔ́ːŋ] : 「〜に沿って、〜に従って」
- line [láin] : 「線、直線、路線、方向、方針」
- along the lines of : 「〜に沿って、〜に似たやり方で、〜に従って」
- creation [kriéiʃən]: 「創造、創作、創作物、作品」
❖ "If it elects to ~ "「もし心が、そうすることを選択したなら、」心がホーリー・スピリットを主人として選択したなら、"the mind can become ~ "「心は、スピリットが自身の創造のラインにそって創造する媒体となることが出来る」。ここのスピリットは、ホーリー・スピリットと考えてやれば理解しやすい。心の中の最も純粋で神聖な部分にホーリー・スピリットが住んでおり、その実相的に正しい心がスピリットだからである。"along the line ~ "この部分であるが、ホーリー・スピリットは神の使者であるから、ホーリー・スピリット自身の創造のマニュアルにしたがって創造しても大丈夫なのだ。したがって、本文は、あなたの心がホーリー・スピリットを主人として選択したなら、ホーリー・スピリットが独自の創造計画に従って創造することが出来、つまり、あなたを実相へ目覚めさせるという奇跡の創造が出来、そのとき、あなたの心はホーリー・スピリットを補佐する媒体となることが出来る、という意味合いである。
ここでは、God > Hory Spirit > spirt > Mind > mind という序列を頭に入れておくといいだろう。Hory Spirtは、分裂したmindを修正統合して一つのOne Mindに昇格させ、神の元へ回帰させる。そのとき、MindはspirtになってGodの祝福を存分に受けることが出来るのである。
If it does not freely elect to do so, it retains its creative potential but places itself under tyrannous rather than Authoritative control.
- freely [fríːli] :「自由に、こだわりなく、率直に」
- retain [ritéin] : 「〜を保有する、保つ、保持する」
- creative [kriéitiv] : 「創造力のある、創造的な、独創的な」
- potential [pəténʃəl] : 「可能性、見込み、潜在性、潜在力」
- place [pléis] : 「〜を置く、設置する」
- under [ʌ́ndər] : 「下に、下の方に」
- tyrannous [tírənəs] : 「暴君的な、専制的な」
- rather than : 「〜よりはむしろ、かえって 」
- authoritative [əθɔ́ːrətèitiv] : 「権威ある、信頼できる、正式な」
- control [kəntróul] : 「支配、統制、管理、制限」
❖ "If it does not freely ~ "「もし心が、そうすることを自由に選ばなかったら、」つまり、自由意思によってホーリー・スピリットを主人として選択しなかったら、エゴを主人として選ぶ以外になく、"it retains its creative ~ "「心は創造的潜在力を保持したまま、」心は実相的創造性を可能性として失わないにしても、「心は、心自体を、権威ある統制の下に置く代わりに、暴君的な管理の下に置くことになる」。"Authoritative control"「権威ある統制」とは、もちろん、神によって権威付けられたホーリー・スピリットの統制、管理、指導のこと。"tyrannous control"「暴君的な管理」とは、もちろん、エゴによる専制的な支配である。
As a result it imprisons, because such are the dictates of tyrants. To change your mind means to place it at the disposal of true Authority.
- as a result [rizʌ́lt] : 「結果として 」
- imprison [imprízn] : 「監禁する、拘置する、投獄する」
- dictate [díkteit] : 「命令」
- tyrant [táiərənt] : 「暴君、圧制者、専制君主」
- change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
- mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
- disposal [dispóuzl] : 「処分、除去、支配権、 配置、配列」
- at the disposal of : 「〜の自由になって、勝手に使えて」
- authority [əθɔ́ːrəti] : 「権威、威信、権力」
❖ "As a result it ~ "意訳する、「結果として、心は自身の創造的可能性を幽閉してしまう」。"because such ~ "「なぜなら、暴君がそう命令するからだ」。エゴは真実が一番怖い。なぜなら、エゴは幻想に過ぎないからだ。真実によってエゴの幻想性が暴(あばか)れれば、エゴは消滅してしまうのである。そこでエゴは、心が真実に目覚めて創造性を発揮することを禁ずるのだ。"To change your mind ~ "意訳する、「あなたの心を変えるとは、権威あるものがあなたの心を自由に扱えるように、心をそこに置くことなのだ」。エゴに支配された心を解放して、ホーリー・スピリットを主人として選択し直すこと、それが、心を変えるという意味である。エゴの思考システムを捨てて、ホーリー・スピリットの思考システムを選び取ることである。
蛇足になるが、初めの文"it imprisons"には目的語がなく、何が何を監禁するのか曖昧である。itを暴君に、心を目的語にして解釈してもいいだろう。そうすると、「結果として、暴君(エゴ)は心を監禁する」、「なぜなら暴君の命令とはそういうものだから」といった意味合いになる。