2. Holiness can never be really hidden in darkness, but you can deceive yourself about it.
- holiness [hóulinis] : 「神聖、高潔」
- really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
- hidden [hídn] : 「hide の過去分詞形、隠された、秘密の」
- hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
- darkness [dάːrknis] : 「暗がり、暗闇」
- deceive [disíːv] : 「欺く、惑わす、だます、裏切る」
❖ "Holiness can never ~ "「神聖さは、暗闇によって実相的に隠されてしまうことは決してない」。あなたが神聖な神の子であるという実相的な真実は、幻想の闇が隠してしまえることではない。"but you can deceive ~ "「しかし、このことに関して、あなたはあなた自身を騙すことが出来る」。ところが、あなたは、幻想を現実だと信じているから、自分の神聖さがわからない。あなたは、神とは無縁の、進化した猿に過ぎないと思って、自分を騙しているのだ。
This deception makes you fearful because you realize in your heart it is a deception, and you exert enormous efforts to establish its reality.
- deception [disépʃən] : 「だますこと、うそ、ごまかし」
- make [méik] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
- fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い、ものすごい」
- realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
- heart [hάːrt] : 「心、胸の内、気持ち」
- exert [iɡzə́ːrt] : 「行使する、振るう、発揮する、働かせる」
- enormous [inɔ́ːrməs] : 「巨大な、膨大な、莫大な」
- effort [éfərt] : 「努力、尽力、骨折り」
- establish [istǽbliʃ] : 「確立する、制定する、成立させる」
- reality [riǽləti] : 「現実性、実在性、現実のこと」
❖ "This deception ~ "「このごまかしが、あなたを恐れさせる」。"because you realize ~ "「なぜなら、あなたは心の中で、それがごまかしだとわかっているからだ」。あなはた心のどこかで、自分は神聖な神の子であるとわかっているから、自分が猿だという思いを恐れる。自分が意味のない存在だと恐れるのだ。"and you exert enormous ~ "「そして、あなたは、ごまかしが現実であるということを確立するために、膨大な努力を惜しまない」。神聖でも何でもない、意味のない自分という存在を現実として受け止めようと、無駄な努力をする。幻想を実在だと信じようとするのだ。
The miracle sets reality where it belongs. Reality belongs only to spirit, and the miracle acknowledges only truth.
- set [sét] : 「配置する、設定する」
- belong [bilɔ́ːŋ] : 「属する、所属する」
- spirit [spírit] : 「霊、魂、霊魂、精霊、精神、気分、気迫」
- acknowledge [æknάlidʒ] : 「認める、承認する、認識する、受け入れる」
- truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "The miracle sets ~ "「奇跡は、真実をそのあるべき場所に配置する」。"Reality belongs only ~ "「真実は、スピリットだけに属するのであって、奇跡は真実のみを認識する」。奇跡は真実を現実化すること、実現化することである。決して、幻想に幻想を積み重ねることではない。その真実は幻想世界にはない。真実は、幻想に無縁の実相世界に、スピリットの世界に所属するものなのだ。したがって、奇跡は真実だけを知っている。
It thus dispels illusions about yourself, and puts you in communion with yourself and God.
- thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
- dispel [dispél] : 「〜を追い払う、払いのける、払拭する」
- illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
- put [pút] : 「置く、ある状態に〜を置く」
- communion [kəmjúːnjən] : 「霊的な交わり、親交、共有、交流」
❖ "It thus dispels illusions ~ "「こうして、奇跡は、あなたに関する幻想を払拭する」。奇跡は、あなたが単なる肉体をもった猿に過ぎないという幻想を払拭し、神聖な神の子であるという真実を具現化、現実化する。肉体を払拭し、スピリットを復活させるのである。"and puts you in ~ "「そして、あなた自身と神との霊的な交わりの中に、あなたを導き入れるのだ」。あなたが神聖な神の子であるという真実に気が付けば、あなたはホーリー・スピリットを通して神との接触が出来る。神との霊的な(スピリチュアルな)交信が可能となるのだ。奇跡はあなたを、そういう霊的な(スピリチュアルな)レベルに連れて行ってくれるのである。
The miracle joins in the Atonement by placing the mind in the service of the Holy Spirit.
- join in : 「 〜に加わる、〜に参加する」
- atonement [ətóunmənt] : 「償い、贖罪」
- place [pléis] : 「〜を置く、設置する」
- service [sə́ːrvis] : 「役に立つこと、奉仕、世話、貢献、尽力」
❖ "The miracle joins in ~ "「奇跡は、心をホーリー・スピリットの役割の中に置くことで、贖罪の仲間入りをする」。ホーリー・スピリットの役割は、神の子を幻想から実相へ目覚めさせることである。虚偽から真実へと目覚めさせるのである。あなたの心が、そのホーリー・スピリットの仕事に参加して、ホーリー・スピリットの導きに従うなら、奇跡は、あなたの罪の意識を払拭し、贖罪を可能にしてくれる。つまり、神聖ならざる罪などいうものは幻想に過ぎず、あなたは無辜(むこ)なる神聖な神の子であると気付かせてくれるのだ。罪を認識し、受け入れ受け流し赦すとき、幻想に過ぎない罪は消滅する。罪は滅ばされるのだ。つまり、罪滅ぼしであり、贖罪の実現である。それが、奇跡が贖罪の仲間入りをする、という意味である。
This establishes the proper function of the mind and corrects its errors, which are merely lacks of love.
- establish [istǽbliʃ] : 「確立する、設立する、制定する、成立させる」
- proper [prάpər] : 「妥当な、適当な、ふさわしい、相応の」
- function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、作用、働き、効用、職務、役割」
- correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す」
- error [érər] : 「誤り、間違い」
- merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
- lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落 」
❖ "This establishes the proper ~ "「これが、心のもつ適切な機能を確立し、心の誤りを正してくれる」。"which are merely ~ "「その誤りとは、単に、愛の欠如である」。あなたの心は、奇跡を実現出来るパワーをもっている。神が神の子を創造するとき、神のもつ属性のすべてを神の子に継承した。心のもつパワーは神譲(ゆず)りの力なのだ。その心のパワーが、奇跡を通して、あなたの心に蘇(よみが)ってくるのだ。本文は、奇跡が、心が正常に活動するように調整して、過ちを直せるようにする、ということである。その過ちのそもそもの原因は、神の子が神から分離して幻想世界に埋没したことにある。したがって、幻想のそもそもの原因は、神の愛を拒絶したこと、つまり、愛の欠如にある。愛をなくした心が、ありもしない幻想を求めるのだ。そこに、誤りや過ちの原因がある。
実相世界は一元論世界であり、愛や喜びや慈しみ、美、平和、等々は、すべて真実という一点に収斂(しゅうれん)する。区別も差異もない。したがって、誤りが愛の欠如であると言うのも、誤りが真実の欠如と言うのも、実は同一なのだ。過ちは、神の欠如であると言うもの、また同一である。
Your mind can be possessed by illusions, but spirit is eternally free.
- possess [pəzés] : 「〜を所有する、保有する、持つ、〜に取り付く」
- eternally [itə́ːrnəli] : 「永久に、絶えず、変わることなく、永遠に」
- free [fríː] : 「自由な、捕われていない、独立した」
❖ "Your mind can ~ "「あなたの心が幻想に取り憑かれる可能性はある」。"but spirit is ~ "「しかし、スピリットは永遠に自由だ」。したがって、あなたの目指すべき目標は、幻想に取り憑かれた心を純化し、心をスピリットに昇華させることである。あなたの心がホーリー・スピリットの導きで奇跡を起こすことが出来たとき、罪の意識は贖罪され、幻想は消滅して、心はスピリットに変身する。と言うよりは、心の本来の姿に戻るのだ。復活とは、そういう意味である。
If a mind perceives without love, it perceives an empty shell and is unaware of the spirit within.
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
- without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たずに」
- empty [émpti] : 「空の、空いている、空っぽの」
- empty shell : 「抜け殻、中身のない殻」
- be unaware of : 「〜に気付いていない、〜を知らない」
- within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側に」
❖ しかし、"If a mind perceives ~ "「もし心が、愛をもたずに知覚するなら、」"it perceives an empty ~ "「心は空っぽの貝殻を知覚する(ようなもので)、その内側にスピリットを知ることはない」。ここも、『愛』を『真実』に読み替えてみると理解しやすい。神の愛、神の真実をもたずして心が知覚するなら、心自体は空っぽの貝殻同然である。そこには幻想しか詰まっていなからだ。スピリットのかけらすら、知覚出来ないだろう。
But the Atonement restores spirit to its proper place. The mind that serves spirit is invulnerable.
- restoplace [pléis] : 「場所、個所」
- restore [ristɔ́ːr] : 「回復させる、修復する、復活させる」
- invulnerable [invʌ́lnərəbl] : 「傷つくことのない、不死身の」
❖ "But the Atonement ~ "「しかし、贖罪は、適切な場所に、スピリットを復活させる」。奇跡の贖罪によって幻想が払拭されると、心には真実が見えてくる。ヴィジョンで見ることが出来るようになる。心にスピリットが戻ってくるのだ。"proper place"「適切な場所」とは、もちろん、あなたの心の中である。"The mind that serves ~ "「スピリットに仕える心は、傷つくことはない」。幻想という闇の中を彷徨(さまよ)っていたあなたには見えなかったスピリットではあるが、スピリットが死んでいたわけではない。スピリットは実相世界の真実であって永遠不変、死ぬことはない。傷つくこともない。あなたの知覚には、ただ、見えなかっただけなのだ。したがって、本文の『復活』とは、生き返るという意味ではなく、むしろ『思い出す』という意味合いである。
3. Darkness is lack of light as sin is lack of love. It has no unique properties of its own.
- darkness [dάːrknis] : 「暗がり、暗闇」
- lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落 」
- light [láit] : 「光、光源、ライト、明かり」
- sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
- unique [juːníːk] : 「独特の、独自の、他とは異なる」
- property [prɑ́pərti] : 「 財産、資産、 特性、性質」
❖ "Darkness is lack ~ "「罪が愛の欠如であるように、闇は光の欠如である」。"It has no unique ~ "「闇は、それ自体の独自の性質を持ってはいない」。したがって、闇は幻想であり、光は実相である。光は存在するが、闇は存在しないのだ。光が存在しないこと、それを闇と呼んでいるだけである。これが、仏教で言うところの『無明』である。
It is an example of the "scarcity" belief, from which only error can proceed.
- example [iɡzǽmpl] : 「例、実例、実施例、用例」
- scarcity [skέərsəti] : 「不足、欠乏」
- belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
- proceed [prəsíːd] : 「発する、進む、進行する、先へ出る、及ぶ」
❖ "It is an example of ~ "意訳する、「それは、『欠如』が実在すると信じる良い例である」。"from which only ~ "「そんな信念からは、誤りが生まれるだけだ」。欠如とはないことであり、無なのだ。無だから、幻想なのである。そんな無であり幻想の欠如が実在している信じ込むところに、誤った思いが生じてくる。
仏教では『知足』という言葉がある。足(た)るを知る、ということだが、むしろ、不足や欠如は存在しないと知ることである。そもそも、あるとかないとか言う次元は、二元論である。有と無の二つの対立概念のせめぎ合いが存在していると信じているレベルである。それが誤りなのだ。したがって、知足とは、『有無の次元を超越せよ』ということである。
Truth is always abundant. Those who perceive and acknowledge that they have everything have no needs of any kind.
- always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、以前からずっと、常にいつでも」
- abundant [əbʌ́ndənt] : 「豊富な、富んだ、たくさんの、豊かな」
- those who : 「〜する人々」
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
- acknowledge [æknάlidʒ] : 「認める、承認する、同意する、受け入れる」
- need [níːd] : 「必要、必要性」
- of any kind : 「いかなる種類の」
❖ "Truth is always ~ "「真実は、常に豊富である」。真実だけが有であって、真実には無という概念は存在しないということ。"Those who perceive ~ "「すべてをもっていると知覚し、それを知った者は、いかなる種類の必要性も感じない」。真実で満たされた者は、すべてをもっていると知っているから、必要なものなど何もない。知足に至った者は、必要性を感じないのだ。なぜなら、必要は不足から生じるからだ。
The purpose of the Atonement is to restore everything to you; or rather, to restore it to your awareness.
- purposes [pə́ːrpəs] : 「目的、目標、狙い、意図」
- restore [ristɔ́ːr] : 「〜を元の状態に戻す、元に戻す、回復させる、修復する」
- rather [rǽðər] : 「それどころか、もっと正確に言えば、正しくは」
- awareness [əwéərnəs] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性 」
❖ "The purpose of ~ "「贖罪の目的は、あなたにとって、すべてを修復することである」。"or rather, to ~ "「むしろ、あなたの意識性に対して、すべてを修復するのである」。ここの"everything"「すべて」とは、この世界にあるものすべて、という意味ではない。実相的に実在するすべて、つまり、真実のすべて、という意味である。罪の意識を消滅させる贖罪という奇跡によって、幻想が払拭され、あなたの目に真実のすべてが見えてくるのだ。それが、贖罪の目的である。だから、あなたの意識のレベルで、つまり、心のレベルで、真実のすべてが修復されるのである。決して、物質レベル、幻想レベルで、すべてが修復されるという意味ではない。
You were given everything when you were created, just as everyone was.
- given [ɡívən] : 「giveの過去分詞形」
- create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
❖ "You were given ~ "「あなたは、あなたが創造されたときに、すべてを与えられた」。"just as everyone ~ "「ちょうど、みんなが与えられたように」。神が神の子を創造したとき、神の属性のすべてを神の子に継承した。神の属性とは、一言で言えば、真実の総体である。したがって、神の子であるあなたは、すべての真実を神から与えられたのだ。もちろん、自他一如である他者すべてが、神の属性、真実のすべてを継承した。ところが、神の子が神から分離して、この幻想世界を偽創造したとき、神の子は神の属性、真実のすべてを放棄し、忘れたのだ。忘れて、幻想に埋没した。深い夢の中を彷徨(さまよ)い歩いているのだ。しかし、贖罪によって幻想から実相へと目覚めれば、つまり、夢から覚めれば、あなたは自分が神の子として神の属性のすべてをもっていることを思い出す。真実のすべてをもっていると、意識の修正が出来るだ。