5. Fear is always a sign of strain, arising whenever what you want conflicts with what you do.
- fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
- always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、以前からずっと、常にいつでも」
- sign [sáin] : 「表れ、兆し、兆候、印」
- strain [stréin] : 「緊張、歪み、変形、精神的緊張」
- arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる」
- whenever [hwènévər] : 「〜するときはいつでも、〜したときはすぐ」
- conflict [kənflíkt] : 「衝突する、争う、抵触する、対立する」
❖ "Fear is always ~ "「恐れは、常に精神的緊張の表われである」。"arising whenever ~ "分詞構文、単純接続、「そして恐れは、あなたの望むことがあなたのすることと矛盾する時にいつでも表われる」。心の意思と行動とが協調しないとき、恐れが生まれる。
This situation arises in two ways: First, you can choose to do conflicting things, either simultaneously or successively.
- situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態、立場、事情」
- way [wéi] : 「方法、やり方、手段、方途、様式」
- choose [tʃúːz] : 「 〜を選ぶ、〜を選択する」
- choose to do : 「〜することに決める」
- either [íːðər] A or B : 「AかそれともB」
- simultaneously [sàiməltéiniəsli] : 「同時に、いっせいに」
- successively [səksésivli] : 「引き続いて」
❖ "This situation ~ "「この状況は、二通りの起き方で生じる」。"First, you can ~ "「第一に、あなたは矛盾する事柄をすると決めることが出来る」。"either simultaneously ~ "「同時にやるか、連続してやるかは別として」。たとえば、腹いっぱい食べたいが痩せたくもある、という場合である。2つの願いを同時に実行する時は食べる量を制限する。2つの願いを連続する場合は、今日は腹いっぱい食べて、明日はほとんど食べない、という形になるわけだ。いずれにしても、太るのではないかという恐れを抱きながら食べることになる。この恐れが高じると、摂食障害に発展することもあるわけだ。
This produces conflicted behavior, which is intolerable to you because the part of the mind that wants to do something else is outraged.
- produce [prədjúːs] : 「〜を作り出す、生産する、産む」
- behavior [bihéivjər] : 「行動、態度、挙動、振る舞い、言動、素行」
- intolerable [intɑ́lərəbl] : 「耐えられない、我慢できない」
- part [pάːrt] : 「一部、部分」
- outraged [áutrèidʒid] : 「怒った、激怒した、憤慨した」
❖ "This produces conflicted ~ "「これは矛盾する行動を生み出す」。"which is intolerable ~ "「それはあなたにとって耐えられない」。たとえば、猛烈に食べるという行動と極端に食事を制限するという矛盾した行動が生じる。"because the part ~ "「なぜなら、何か別のことをしたいと思う心の部分が怒り出すからだ」。食べれば、痩せたいと思う心の一部が怒り出し、食べないと、食べたいと思う心の一部が怒り出す。
Second, you can behave as you think you should, but without entirely wanting to do so. This produces consistent behavior, but entails great strain.
- behave [bihéiv] : 「振る舞う、行動をする」
- without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たずに」
- entirely [entáiərli] : 「全く、完全に、全体に、ひたすら、もっぱら」
- consistent [kənsístənt] : 「一貫性のある、首尾一貫した、矛盾しない」
- entail [entéil] : 「〜を伴う、必要とする、引き起こす」
- great [ɡréit] : 「大きい、巨大な、主要な、偉大な、卓越した」
❖ "Second, you can ~ "「第二に、あなたは、そうすべきだと思って振る舞うことも出来る」。義務感を抱いて行動することもある。"but without entirely ~ "「しかし、やりたいと心から思ってのことではないが」。今していることは自分の任務なんだと自分に言い聞かせて無理にやるわけである。しかし、心からそれを望んでいるわけではない。たとえば、隣人を愛せと言われて、さほど好きでもない隣人を愛そうとするとき、あなたの心はコンフリクトを起こす。"This produces consistent ~ "「これは一貫性のある振る舞いを生み出す」。"but entails ~ "「しかし、大きな緊張を伴うことになる」。確かに、義務や任務は自分の行動を強制的に制御するから一貫性のある振る舞いを生み出す。あなたは、善人として、隣人を愛す行動をとり続けるだろう。しかし、義務感を抱いている限り、ストレスはどんどん溜まってくる。
In both cases, the mind and the behavior are out of accord, resulting in a situation in which you are doing what you do not wholly want to do.
- in both cases : 「どちらの場合も」
- out of accord : 「不調和で、調和しない、合わない」
- result [rizʌ́lt] in : 「〜に終わる、〜に帰着する、〜に結実する」
- situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態、立場、事情」
- wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として、全体的に、すっかり」
❖ "In both cases ~ "「どちらのケースでも、心と振る舞いは調和しない」。"resulting in ~ "分詞構文、結果、「それは、心からやりたいと思わないことをしている状況に結実する」。具体的には次の文。
This arouses a sense of coercion that usually produces rage, and projection is likely to follow.
- arouse [əráuz] : 「誘発する、喚起する」
- sense [séns] : 「感覚、知覚、感触、感じ」
- coercion [kouə́ːrʃən] : 「強制、無理強い、抑圧、支配」
- usually [júːʒuəli] : 「普段は、通常、通例、いつもは、大抵」
- produce [prədjúːs] : 「〜を作り出す、生産する、産む」
- rage [réidʒ] : 「激怒、憤激、激しさ、逆上、激しい怒り」
- projection [prədʒékʃən] : 「投影、射影、投射、映写」
- be likely to : 「〜しそうである」
- follow [fάlou] : 「〜に続く、〜の次に来る」
❖ "This arouses a sense ~ "「これは、普通、激しい怒りを生み出す抑圧感を誘発する」。"and projection ~ "「そして、投射がそれに続くこととなる」。激しい怒りと抑圧感から逃れるために、その悪感情を他者の上に投射する。つまり、たとえばあなたはあえて敵を作り、その敵に怒りをぶつけるのである。苦しい状況があなたに抑圧感を与えている思い込むのである。事の規模が小さいときは、あなたは『八つ当たり』という行為で処理する。事の規模が大きくなると、あなたは他者を理不尽に『虐待』する。
Whenever there is fear, it is because you have not made up your mind. Your mind is therefore split, and your behavior inevitably becomes erratic.
- whenever [hwènévər] : 「〜するときはいつでも、〜したときはすぐ」
- fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
- make up one's mind : 「決心する」
- therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
- split [splít] : 「〜を割る、〜を分割する、裂く」
- inevitably [inévətəbli] : 「必然的に、必ず、不可避的に」
- become [bikʌ́m] : 「〜になる」
- erratic [irǽtik] : 「不安定な、異常な、常軌を逸した」
❖ "Whenever there is ~" 「恐れがある時はいつでも、あなたがまだ決心をしていないからである」。『これは自分が心からやりたいことであって、そうする選択を強く意思している』と、きちんとした覚悟を決めていないから、怒りが生じ、それを投射し、恐れが生じる。その結果、"Your mind is ~ "「そうして、あなたの心は引き裂かれ、あなたの行動は必然的に常軌を逸したものとなる」。あなたの心はコンフリクトを起こしてしまうのだ。気持ちと心がバラバラになり、意思と行いが調和を失う。常軌を逸した暴力的な行動に走ってしまう。恐れが、あなたの狂った行動に拍車をかける。
Correcting at the behavioral level can shift the error from the first to the second type, but will not obliterate the fear.
- correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す」
- behavioral [bihéivjərəl] : 「行動の」
- level [lévəl] : 「地位、階級、段階、レベル、高さ、高度、深さ」
- shift [ʃíft] : 「変える、移す、換える、代える」
- obliterate [əblítərèit] : 「〜を消し去る、〜を取り除く、完全に破壊する」
❖ "Correcting at ~ "「行動のレベルにおける修正は、誤りを第一のタイプのものから第二のタイプのものへシフトさせれることが出来るが、」"but will not obliterate ~ "「しかし、恐れを壊滅させることは出来ない」。第一のタイプは、言ってみれば妥協タイプで、第二のタイプは義務タイプ。先の例で、食べることを優先させるか痩せることを優先させるか、妥協タイプはちょっと食べたりちょっと摂食したりするし、義務タイプは痩せることは義務なのだと言い聞かせて無理な摂食をする。しかし、どちらのタイプにしても、恐れを完全に払拭してしまうことは出来ない。行動のレベルでいくら改善しても、心のレベルの修正には繋がらないのだ。まず第一に、心のレベルの修正を行わなくてはいけない。それがうまく行けば、行動のレベルにおける改善は、結果的に自然についてくる。