3. Both miracles and fear come from thoughts. If you are not free to choose one, you would also not be free to choose the other.
- both A and B : 「AもBも、ABいずれも」
- fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
- thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考、思索、思想」
- choose [tʃúːz] : 「 〜を選ぶ、〜を選択する」
❖ "Both miracles and ~ "「奇跡も恐れも、ともに思考から生まれる」。"If you are not ~ "「もし、あなたがその一つを選ぶ自由がないなら、もう一方を選ぶ自由もないことになる」。要するに、あなたは、そのどちらも選ぶことが出来る、ということ。選択はあなたの自由意志に任されている。恐れを生み出す思考を選択することも、奇跡を生み出す思考を選択することも、あなたは自由に出来る。神は、あなたの自由意志を第一に重んずる。強制することは決してない。たとえ神の意志に反した選択をしても、決して罰することもない。
By choosing the miracle you have rejected fear, if only temporarily. You have been fearful of everyone and everything.
- reject [ridʒékt] : 「排斥する 、拒絶する、拒否する、拒む」
- temporarily [tèmpərérəli] : 「一時的に、仮に、当座のところ」
- fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、おびえている、心配そうな」
- be fearful of : 「〜を恐れて」
❖ "By choosing ~ "「奇跡を選ぶことによって、たとえほんのつかの間であっても、あなたは恐れを拒んだことになる」。恐れは夢の中の出来事であり、奇跡によって夢から覚めることが出来れば、恐れは消える。あなたが奇跡を選んだなら、それだけでも、恐れを拒んだことになる。"You have been ~ "ここの完了形は継続、「あなたはすべての人、すべての事を恐れてきた」。しかし、あなたは夢から覚めるという奇跡を選んでこなかったので、すべてに対して恐れを抱いて生きてきた。
You are afraid of God, of me and of yourself. You have misperceived or miscreated Us, and believe in what you have made.
- afraid [əfréid] : 「恐れて、心配して、怖がって」
- be afraid of : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
- misperceive [mispərsíːv] : 「誤った知覚をする、誤解する」
- miscreate [miskriéit] : 「 〜を誤って作る、誤創造する」
❖ "You are afraid of ~ "「あなたは神を恐れ、私(イエス)を恐れ、あなた自身を恐れている」。"You have misperceived ~ "「あなたは私たちを誤って知覚したか、あるいは誤って創造してしまったのだ」。"and believe in ~ "「そして、あなたが作り上げたものを信じている」。夢(幻想)の中で恐れを抱いて生きるあなたは、夢から目覚めて真実を見るのが怖い。真実の神も、イエスも、そして真実の自分を見るのも恐れている。あなたがでっち上げたエゴという偶像を信じて、手放そうとしないのだ。人は、対象を"misperceive"「誤知覚」すれば、それを"believe in"「信じ」てしまい、結果、"miscreate"「誤創造」してしまうのである。
You would not have done this if you were not afraid of your own thoughts.
- done [dʌ́n] : 「doの過去分詞」
❖ "You would not have done ~ "仮定法、「もしあなたが自分自身の思考を恐れていないなら、あなたはこんなことをしなかったであろう」。"this"とは前文の「私たちを誤って知覚あるいは創造し、自分の作ったものを信じる」という行為。
The fearful must miscreate, because they misperceive creation. When you miscreate you are in pain.
- creation [kriéiʃən]: 「創造、創作、創作物、作品」
- pain [péin] : 「痛み、痛覚、苦痛」
- in pain : 「痛くて、痛みに顔をゆがめて、苦し紛れに」
❖ "The fearful must ~ "「恐れる者はかならず誤った創造をする」。"the + (形容詞)"の形で、「〜な人、〜な者」。"because they ~ "「なぜなら、彼らは創造を誤って知覚するからだ」。神が創造したもの、つまり実在する真実を誤って知覚することが原因となって、幻想をでっち上げる、つまり誤創造する。その根本には恐れがある。"When you miscreate ~ "「「あなたが誤って創造する時、あなたは痛みの中にある」。誤って知覚すると、その思いが現実化し、誤った創造につながる。その根本にあるのは恐れであり、恐れを抱けば心は痛みを覚える。
The cause and effect principle now becomes a real expediter, though only temporarily.
- cause [kɔ́ːz] and effect [ifékt] : 「因果、原因と結果」
- principle [prínsəpl] : 「原理、公理、原則、基本的性質」
- the cause and effect principle : 「因果律」
- expediter [ékspədàitər] : 「促進する人、促進係」
- temporarily [tèmpərérəli] : 「一時的に、仮に、当座のところ」
❖ "The cause and ~ "「因果の法則は、ほんの一時的ではあるが、今や現実的な促進するものになっている」。因果の法則が時間を軸として事の進展を促している、という意味合い。誤知覚(misperceive)が原因となり、信じる行為(believe in)が結果となる。今度は、信じる行為(believe in)が原因となり、思いが現実化し誤創造(miscreate)が結果する。自分の思考が誤創造を生み出したことが原因となり、恐れという結果を生む。この世の事の進展を司っているのは因果律だ。
Actually, "Cause" is a term properly belonging to God, and his "effect" is his son.
- actually [ǽktʃuəli] : 「実際は、本当は、実は、実のところ」
- term [tə́ːrm] : 「語、言葉、用語、術語、表現」
- properly [prάpərli] : 「適切に、正確に、正しく、厳密に」
- belong [bilɔ́ːŋ] to : 「〜に属する、〜の所有である」
❖ "Actually, "Cause" is ~ "「実際は、『原因』という言葉は神に属しているというのが適切であり、その『結果』が神の子である」。前述の時間を軸とした因果律はこの幻想世界の法則に過ぎず、本当の因果律は実相世界の神の法である。なぜなら、因果律がこの世の現実を展開しているように見えるが、それは所詮夢に過ぎない現実であり、実在する本当の現実は神の住む実相世界の現実だからだ。実相世界にあって、神は創造の源(source)となって、神の延長上に神の子を創造した。神が『原因』となって、真実を『結果』として拡張する。そこに時間が介在することはない。
This entails a set of Cause and Effect relationships totally different from those you introduce into miscreation.
- entail [entéil] : 「〜を伴う、必要とする、引き起こす」
- a set of : 「一組の、ひとそろいの、一連の、〜一式」
- relationship [riléiʃnʃìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い」
- totally [tóutəli] : 「全く、完全に、全体的に、全体として」
- different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
- introduce [intrədjúːs] : 「導入する、取り入れる、持ち込む」
❖ "This entails a set ~ "「これは、あなたが誤創造へと導いてしまう因果関係とはまったく異なる因果関係を引き起こす」。実相世界における因果関係と、幻想世界における因果関係はまったく異なる。方(かた)や真の創造を生み出し、方や誤った創造を導く。真実を生み出すか、虚偽を生み出すか、その差は大きい。
The fundamental conflict in this world, then, is between creation and miscreation.
- fundamental [fʌ̀ndəméntl] : 「基本の、基礎の、基本的な、根本的な」
- conflict [kɑ́nflikt] : 「争い、紛争、闘争、不一致、衝突、対立」
- between [bitwíːn] A and B: 「AとBとの間に、AないしB」
❖ "The fundamental conflict ~ "「この世界における根本的なコンフリクトは、したがって、創造と誤創造の間で起きる」。もしあなたが、本当に目覚めた神の子として生きているなら、虚偽を誤創造することはないから、葛藤もコンフリクトも衝突も起きない。また、もしあなたが意志をもたないロボットのような機械なら、誤った思考によって誤った創造をすることはない。ところが、あなたは思考する生き物であって、幻想(夢)の中で思考し、その思考が夢の中で現実化する。誤った思考をすれば、誤った創造に結びついてしまうのだ。そこに、衝突や葛藤が生まれる。仏教的な用語を使えば、『苦』が生じる。ロボットは病になることもないし、死ぬこともない。しかし、神の子とロボットの中間に位置して夢を見ているあなたは、誤った思考や歪んだ心によって病や死を具現化してしまう。病や死という誤創造を犯してしまうのだ。これもまた、確かに因果律であるが、それは真の世界の神の拡張性という因果律とは似ても似つかないものなのだ。
All fear is implicit in the second, and all love in the first. The conflict is therefore one between love and fear.
- implicit [implísit] : 「暗黙の、潜在する、陰の、絶対の、絶対的な」
- therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
❖ "All fear is ~ "「すべての恐れは第二の誤創造に潜在し、すべての愛は第一の神の創造に住まう」。前文の"creation and miscreation"を第一と第二に分けて表現している。"The conflict is ~ "「したがって、衝突は愛と恐れの間にある」。恐れは幻想世界の誤創造である。愛は神の創造である。あなたは目覚めて真の世界に回帰しなくてはならない。恐れを抱き、葛藤に苦しみ、孤独にさいなまれているうちは、あなたは夢とうつつの中間地点にぶら下がった吊り人形同然である。操っているのはエゴだ。
4. It has already been said that you believe you cannot control fear because you yourself made it, and your belief in it seems to render it out of your control.
- already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
- control [kəntróul] : 「操作する、制御する、支配する、統制する」
- render [réndər] : 「〜にならしめる、〜にする」
- out of control : 「コントロールできない、制御不能で」
❖ "It has already ~ "「あなたは恐れを制御出来ないと信じていると、すでに述べた」。"because you ~ "「なぜなら、あなたが自分で恐れを作り出したのだからだ」。"and your belief ~ "「そして、そう信じていることが恐れをコントロール出来ないものにしているように見受けられる」。あなたは、恐れは自分が造ったものだからコントロール出来ないと信じており、そう信じる心が、実際に恐れを制御出来ないものにしている。思いは現実化するのであって、これもまた誤創造の一つである。つまり、恐れに対して無力な自分を誤って作り出しているのだ。なお、"render"は"make"と置き換えてみれば意味が通りやすい。
Yet any attempt to resolve the error through attempting the mastery of fear is useless.
- attempt [ətémpt] : 「試み、企て、計画」
- resolve [rizɑ́lv] : 「解消する、除く、解決する」
- error [érər] : 「誤り、間違い」
- through [θrúː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
- attempt [ətémpt] : 「試み、企て」
- mastery [mǽstəri] : 「統制、支配」
- useless [júːsləs] : 「使い物にならない、役に立たない、無用な」
❖ "Yet any attempt ~ "「しかし、恐れを征服する試みを通して誤りを解決しようとする試みは無駄である」。前文と矛盾する発言のように見えるかも知れないがそうではない。恐れに対して無力な自分を作っているのはあなた自身なのだが、その恐れと戦って征服しようなどという試みは逆効果だと言っている。あなたが戦う相手は恐れではなく、恐れを生み出している自分である。自分の心の歪みを正さなくてはならない。
In fact, it asserts the power of fear by the very assumption that it need be mastered. The true resolution rests entirely on mastery through love.
- in fact : 「実は、実のところ」
- assert [əsə́ːrt] : 「〜を断言する、強く主張する」
- assumption [əsʌ́mpʃən] : 「想定、仮定、前提、仮説、条件」
- master [mǽstər] : 「マスターする 、〜を征服する」
- resolution [rèzəlúːʃən] : 「決心、決意、解明、解消、決議」
- rest [rést] : 「ある、休む、静止する、置かれている」
- entirely [entáiərli] : 「全く、完全に、全体に、もっぱら」
❖ "In fact, it asserts ~ "「実際は、そうすることは恐れの力を(認めて)宣言していることになる」。"by the very ~ "「まさに、恐れは征服されなければならないと仮定することで」。恐れを征服せねばならないと思考することで、恐れに力を与えてしまうことになる。これまた、思考は現実化するのだ。恐れを征服しようとすればするほど恐れはどんどん力を増してしまうのだ。恐れはエゴが与えた幻想だと見抜き、本当は恐れなど存在しないと知ることが必要なのである。"The true resolution ~ "「真の解決は、もっぱら愛を通した(恐れの)征圧にある」。恐れの幻想性を見抜くものは真実であり、真実の最高峰に愛は位置する。恐れを消滅させるのは愛なのだ。簡単に言えば、恐れに満たされた自分を意識するのではなく、愛に満たされた自分を意識することである。幻想に翻弄される自分を見るのではなく、真実を見抜く愛に包まれた自分を見るのである。
In the interim, however, the sense of conflict is inevitable, since you have placed yourself in a position where you believe in the power of what does not exist.
- interim [íntərəm] : 「しばらくの間、仮の、一時的な、暫定の」
- in the interim : 「その間に、当座の間、それまでに」
- however [hauévər] : 「けれども、しかしながら、また一方」
- sense [séns] : 「感覚、知覚、感触、感じ」
- inevitable [inévətəbl] : 「防げない、避けられない、免れない、当然の」
- place [pléis] : 「〜を置く、設置する」
- position [pəzíʃən] : 「立場、位置、地位、身分」
- exist [iɡzíst] : 「存在する、生きている、生存する」
❖ "In the interim ~ "「しかし、しばらくの間は、コンフリクトを起こしている感じは避けられない」。"since you have ~ "「なぜなら、あなたはあなた自身を、存在しないものの力を信じるようなポジションに置いてしまったからだ」。存在しないものの力とは、幻想に過ぎない恐れの力のこと。要するに、幻想に埋没し、夢に翻弄されている限り、恐れという亡霊に悩まされ続けるのだ。あなたは、そんな悪夢から目覚める必要がある。愛に目覚める必要があるのだ。