3. When you lack confidence in what someone will do, you are attesting to your belief that he is not in his right mind. This is hardly a miracle-based frame of reference.
- lack [lǽk] : 「〜を欠く、〜が欠けている、十分にない、足りない」
- confidence [kɑ́nfidəns] : 「信頼、信用、信任、確信、自信」
- attest [ətést] : 「証言する、証明する」
- attest to : 「証拠立てる、証言する、証明する、立証する」
- belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
- right [ráit] : 「正しい、正当な、合っている、適切な」
- hardly [hάːrdli] : 「ほとんど〜ない、とても〜ない」
- frame of reference : 「関係枠、基準系、準拠枠、理論構成の枠組み、視点」
❖ "When you lack ~ "「あなたが、誰かが何かをしようとしていることに対して信頼がもてないなら、」"you are attesting to ~ "「あなたは、その彼が正しい心の状態にないと信じていることを証言している(ようなものだ)」。誰かの行動が信頼出来ないでいることは、心の中で、その人の心が正しくないと勝手に思いこんでいることだ、ということ。"This is hardly ~ "「これは奇跡に根ざした判断基準だとは言い難い」。そういう勝手な思いこみをするようでは、心が奇跡に根ざしているとは言い難い。たとえば、誰かが何かをしようとしているときに、あなたが『アイツのことだからまた失敗するに違いない、誤りを犯すに違いない』などと思えば、それは、彼の心が正しい位置にないと宣言しているようなものあり、あなたと彼は自他一如なのだから、あなた自身の心が正しい位置にない証拠なのだ。思いは現実化するので、あなたの不信も現実化して、きっと彼は失敗したりあを犯してしまうだろう。他者を不信の目で見ることは、決して奇跡を根ざした心の見方ではない。
It also has the disastrous effect of denying the power of the miracle. The miracle perceives everything as it is. If nothing but the truth exists, right-minded seeing cannot see anything but perfection.
- disastrous [dizǽstrəs] : 「破滅的な、悲惨な」
- effect [ifékt] : 「結果、影響、効果、効力」
- deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
- as it is : 「そのままに」
- exist [iɡzíst] : 「存在する、生きている、生存する」
- seeing : 「見ること、視覚、視力」
- perfection [pərfékʃən] : 「完全、完璧、完成」
❖ "It also has ~ "「それは、また、奇跡の力を否定するという悲惨な結果を伴う」。「それ」とは前文の「奇跡に根ざした判断基準をもたないこと」。具体的には「他者の行動を信じ切れないこと」、あるいは「他者の心は正しくないと勝手に思いこむこと」。不信の目で見ると、起きるべき奇跡も起きなくなってしまう。奇跡は信じる心が生み出すものだからである。『信じれば 山をも動かす』というわけだ。"The miracle perceives ~ "「奇跡はすべてをあるがままに知覚する」。"If nothing but ~ "「もし、真実だけが存在するなら、」"right-minded seeing ~ "「正しい心をもって見れば、完璧であること以外は見えてこないはずだ」。奇跡に根ざした判断基準からものを見れば、実在する真実(完璧性)だけが見えてきて、肉体の知覚が捉える非実在は幻想と認識される。これがヴィジョンである。ヴィジョンをもって他者を見れば、その他者は完璧な神の子として見えてくるはずだ。不信を抱くことなどない。
I have said that only what God creates or what you create with the same will has any real existence. This, then, is all the innocent can see. They do not suffer from distorted perception.
- create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
- will [wíl] : 「意志、精神力」
- real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
- existence [igzístns] : 「存在、生存、現存、実存、実在」
- innocent [ínəsənt] : 「無実の、潔白な、無害の、率直な、純真な」
- suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる、不快な経験をする」
- distort [distɔ́ːrt] : 「歪める、誤り伝える、歪曲する」
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
❖ "I have said that ~ "「私は、神が創造したものだけが、あるいは、神と同様の意志をもってあなたが創造したものだけが、真に存在すると言ったことがある」。"This, then, is all ~ "「したがって、これは無辜なる者が見ることの出来るすべてである」。"They do not suffer ~ "「無辜なる者はゆがんだ知覚に苦しむことはない」。ここの"the innocent"は、"the + (形容詞)"の形で、名詞化され、「〜な者、〜なこと」という意味になる。無辜なる者とは、心正しい者のこと。無辜なる者は、したがって、ヴィジョンでものを見ることが出来るだ。
4. You are afraid of God's will because you have used your own mind, which He created in the likeness of His Own, to miscreate. The mind can miscreate only when it believes it is not free.
- be afraid of : 「〜を恐れる、〜を怖がる、〜について心配だ」
- in the likeness of : 「〜と偽って、見せかけて」
- miscreate [miskriéit] : 「 〜を誤って作る、作りそこなう」
- believe [bilíːv] : 「信じる、確信する、信頼する」
❖ "You are afraid of ~ "「誤った創造をするためにあなた自身の心を使ってしまったから、あなたは神の意志を恐れている」。"which He created ~ "「その心は神が自身の心とそっくりに創ったのだが」。神は愛の拡張として神の子を創造し、神の子に神の属性のすべてを継承した。したがって、本来、神の子の意思は神の意思と同等である。しかし、神の子は神から分離し、神の意思を神に投げ返してしまった。こうして、神の子は、神の意思とは異る意思をもってこの幻想世界を偽創造した。神の意思を裏切ってしまったという罪の意識をもち、神の報復を恐れるようになったのだ。"The mind can ~ "「心は、心が自由ではないと信じているときに限って、誤った創造をしでかす」。実相的な自由とは、喩(たと)えて言えば、真実の海(実相)を自在に泳ぐ、ということだ。神の子は、その真実の海を自ら捨てた。そこで、神の子は、実相的な自由の代わりに、偽の自由を得ようとして虚偽の海(幻想)を作り出したのである。
An "imprisoned" mind is not free because it is possessed, or held back, by itself. It is therefore limited, and the will is not free to assert itself.
- imprison [imprízn] : 「監禁する、拘置する、投獄する」
- possess [pəzés] : 「〜を所有する、保有する、持つ、〜に取り付く」
- hold back : 「控える、自制する、思いとどまる、逮捕する、阻害する」
- by itself : 「独りでに、自然に、離れて、単独で、自動的に」
- therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
- limit [límit] : 「 限定する、制限する、制限をかける」
- will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
- assert [əsə́ːrt] : 「〜を断言する、強く主張する、〜と言い張る 」
- assert oneself : 「自分の権利を主張する、自己の存在を主張する」
❖ "An "imprisoned" mind ~ "「『囚われ』の心は自由ではない」。"because it is ~ "「なぜなら、その心は自分自身に取り憑かれているから、あるいは、自制させられているからだ」。"It is therefore ~ "「それゆえ、心は制限され、そして、その意志は自分の存在を主張する自由がない」。真実の海(実相)を自在に泳ぐ自由を失った心は、いわば囚われの心である。自分ででっち上げた虚偽の海(幻想)に自らを投獄したようなものだから。自分自身に取り憑かれているとは、幻想の自分が本当の実在だと信じている、ということ。真実に基づく意思は、したがって本当の自由を失い、自らの存在さえ主張出来ない。
To be one is to be of one mind or will. When the will of the Sonship and the Father are One, their perfect accord is Heaven.
- sonship : 「息子であること」
- perfect [pə́ːrfikt] : 「申し分がない、完全な、完璧な」
- accord [əkɔ́ːrd] : 「調和、一致、合意、合致」
❖ "To be one is ~ "「一つになるとは、一つの心あるいは一つの意志になるということである」。"When the will ~ "「神の子と父なる神の意志が一つになったとき、その完璧な調和が天の王国である」。真実の海(実相)を自在に泳ぐ自由をもった心、あるいは真実に基づく意思は、神と神の子の心と意思が一つになったときに初めて現実化する。ACIM最終目的は、すべての神の子が神に回帰し、神と合一することである。その回帰の道案内をしてくれるのがホーリー・スピリットであり、最終的に、神と神の子とホーリー・スピリットの三位(さんみ)が一体となるのである。こうして、不二一元の実相世界が完成し、天の王国となる。