●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-2.VIII.3:1 ~ T-2.VIII.4:8


3. The Last Judgment is generally thought of as a procedure undertaken by God. Actually it will be undertaken by my brothers with my help.

  • generally [dʒénərəli] : 「一般に、通例」
  • thought [θɔ́ːt] : 「thinkの過去・過去分詞形」
  • procedure [prəsíːdʒər] : 「手段、処置、手順、手続き、行動、行為」
  • undertaken [ʌ̀ndərtéikn] : 「undertakeの過去分詞形」
  • undertake [ʌ̀ndərtéik] : 「引き受ける、請け負う、〜に着手する」
  • actually [ǽktʃuəli] : 「実際は、本当は、実は」
❖ "The Last Judgment ~ "「最後の審判は一般的に〜と思われている」。"as a procedure ~ "「神によってなされる手続きである」と思われている。"Actually it will ~ "「実際、最後の審判は〜によってなされるだろう」。"by my brothers ~ "「私の助力を得て私の同胞たちによって」なされるだろう。ホーリー・スピリットとしてのイエスの助力を得て、私たち神の子が最後の審判を行う。"brother"は「兄弟」であるが、「同胞」と解釈していいだろう。



It is a final healing rather than a meting out of punishment, however much you may think that punishment is deserved.
  • final [fáinl] : 「最後の、最終の、決定的な、確定的な」
  • healing [híːliŋ] : 「癒やし、治療、治癒、回復」
  • rather than : 「〜よりはむしろ、かえって」
  • mete [míːt] : 「(罰を)与える」
  • mete out : 「割り当てる、与える、提供する」
  • punishment [pʌ́niʃmənt] : 「罰、刑罰、処罰」
  • deserve [dizə́ːrv] : 「〜を受けるに値する、〜にふさわしい」
❖ "It is a final ~ "「最後の審判は、罰を与えるというよりは最終的なヒーリングである」。" however much ~ "「たとえあなたが、どんなに罰の方がふさわしいと思ったとしても」。ここで初めて最後の審判の具体的な姿が見えてきた。最後の審判はキリスト教徒の間で信じられている神による罰ではなく、イエスの兄弟達によるヒーリングである。神の辞書に『罪』や『罰』などという文字はない。神は『愛』、それだけである。神が罪を裁くなどということは、原理的に不可能なのだ。



Punishment is a concept totally opposed to right-mindedness, and the aim of the Last Judgment is to restore right-mindedness to you.
  • concept [kɑ́nsept] : 「概念、観念、コンセプト、考え方」
  • totally [tóutəli] : 「全体的に、全体として、何から何まで、全く」
  • oppose [əpóuz] : 「〜に反対する、反抗する、対抗する」
  • restore [ristɔ́ːr] : 「元に戻す、回復させる、修復する」
❖ "Punishment is a concept ~ "「罰は、正しき心の状態ということに完全に反した概念である」。"and the aim of ~ "「そして、最後の審判の目的は、あなたにとって正しき心を修復することである」。神の裁きという妄想に毒された心が正しからざる心の状態である。最後の審判を幻想であると見抜いて受け入れ、赦すことで幻想を消滅させる。それがヒーリングであって、心を正しき状態に修復することである。



The Last Judgment might be called a process of right evaluation. It simply means that everyone will finally come to understand what is worthy and what is not. After this, the ability to choose can be directed rationally.
  • evaluation [ivæljuéiʃən] : 「評価、見積もり、値を求めること、評定」
  • simply [símpli] : 「簡単に、分かりやすく、単に、ただ」
  • finally [fáinəli] : 「ついに、最後に、最終的に」
  • worthy [ʌnwə́ːrði] : 「価値のある、値する」
  • ability [əbíləti] : 「能力、才能、できること」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • direct [dərékt] : 「〜を方向づける、指図する」
  • rationally [rǽʃənli] : 「理性的に」
❖ "The Last Judgment ~ "「最後の審判は、正しい評価のプロセスのことと呼んだ方がいいかもしれない」。簡単に言えば、最後の審判は、何が真実で何が虚偽かという判断、評価のこと。"It simply means ~ "「それは単にthat以下を意味するに過ぎない」。"that everyone will ~ "「すべての人が最終的に何が価値があり、何が価値がないか理解するようになる」ことを意味しているに過ぎない。何が真実(実相)であって価値があり、何が虚偽(幻想)であって価値がないか、それを見極めるようになる。"come to do "で「〜するようになる」。"After this, the ability ~ "「この後に、選択能力は理性的に方向づけられるようになる」。ここの選択能力とは、何が価値があり、何が価値がないかを評価選択する能力のこと。あなたは、幻想をとるか実相をとるか、あなたの自由意思で選択しなくてはならない。"rationally"「理性的に」とあるが、頭脳による計算によって、という意味ではなく、ホーリー・スピリットが与えてくれる叡智によって、という意味合い。ACIMが用いる"rationally"「理性的に」を誤解してはいけない。



Until this distinction is made, however, the vacillations between free and imprisoned will cannot but continue.
  • distinction [distíŋkʃən] : 「区別、識別、差別、差異、違い」
  • vacillation [væ̀səléiʃən] : 「動揺」
  • imprison [imprízn] : 「監禁する、拘置する、投獄する」
  • continue [kəntínjuː] : 「続く、継続する」
  • cannot but do : 「せざるを得ない」
❖ "Until this distinction ~ "「この違いがわかるまでは、自由と拘束の間の揺れ動きは続かざるを得ない」。もちろん、この違いとは、価値あるものと価値なきものの違い。真実と虚偽、幻想と実相の違い。幻想と実相の見極めをしっかりし、その幻想から自由にならない限り、エゴによるあなたの投獄はいつまでも存続するのだ。



4. The first step toward freedom involves a sorting out of the false from the true. 
  • toward [təwɔ́ːd] : 「〜の方へ、〜に向かって」
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、自主」
  • involve [invɑ́lv] : 「〜を含む、伴う、必要とする、を巻き込む」
  • sort [sɔ́ːrt] : 「〜を区別する、仕分ける、分類する、を取り除く」
  • false [fɔ́ːls] : 「本物でない、偽りの、偽の」
❖ "The first step ~ "「自由への最初のステップは本物から偽物を区別する仕分け作業を含んでいる」。



This is a process of separation in the constructive sense, and reflects the true meaning of the Apocalypse.
  • process [prάses] : 「製造過程、一連の行為、進行、経過、推移」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「 分離、区別、別居」
  • constructive [kənstrʌ́ktiv] : 「建設的な、前向きの、積極的な」
  • sense [séns] : 「感覚、知覚、感触、感じ」
  • reflect [riflékt] : 「〜を映す、示す、反映する」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
  • Apocalypse [əpɑ́kəlìps] : 「世の終末、啓示、ヨハネの黙示録」
❖ "This is a process ~ "「これは建設的な意味での分離作業である」。分離と言っても、ここでの分離は神からの分離とは違い、建設的な分離だということ。"and reflects ~ "「そして、これは世の終末の本当の意味を反映している」。"Apocalypse"についてであるが、ACIMのText、Workbook、Manualの中でこの言葉が出てくるのは唯一この場所だけである。一般に大文字から始まる"Apocalypse"は「ヨハネの黙示録」を表しているのだが、文脈から考えて「世の終末」ととらえた方がいい。世の終末、すなわち最後の審判。同じことを意味していると考えていい。幻想と実相の分離作業によって、両者の区別が出来るようになり、幻想を幻想として認識して受け入れ赦すことが出来れば、幻想は消滅する。この幻想世界は消滅するのである。これが『最後の審判』であり『世の終末』である。そのとき、もちろん、すべてが闇に消えるのではない。逆に、闇が光で満たされるのだ。実相世界という光の王国が出現するのである。



Everyone will ultimately look upon his own creations and choose to preserve only what is good, just as God himself looked upon what he had created and knew that it was good.
  • ultimately [ʌ́ltəmətli] : 「結局のところ、最後に、ついに」
  • look on : 「〜を見る、〜を観察する」
  • creation [kriéiʃən]: 「創造、創作、創作物、作品」
  • choose [tʃúːz] : 「 〜を選ぶ、〜を選択する」
  • preserve [prizə́ːrv] : 「〜を保つ、保存する、貯蔵する、保護する」
  • create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
❖ "Everyone will ~ "「すべての人は、ついには、自ら創造したものを観察し、良いものだけを保存することを選ぶ」。"just as God himself ~ "「ちょうど、神が自ら創造したものを観察し、それが良いものだと知るように」。あなたがでっち上げたこの幻想世界を観察し、学びのために必要なものだけを選び出すことが出来るようになる。それはちょうど、神が神の子を創造し、神の愛の拡張を「良し」と宣言した状況に似ている。



At this point, the mind can begin to look with love on its own creations because of their worthiness. 
  • at this point : 「この時点で、今この瞬間に、ここで、ここに至って」
  • begin [biɡín] : 「〜を始める、〜するようになる」
  • creation [kriéiʃən]: 「創造、創作、創作物、作品」
  • worthiness : 「 価値、値打ち、相当量、財産」
❖ "At this point ~ "「この時点で、心は自ら創造したものを、愛をもって見ることが出来る」。「愛をもって」とは、真実を見極める心の目をもって、という意味合い。"because of their ~ "「創造したものが価値があるので」。創造したものが真実であれば、心の目はそれを逃さない。愛、喜び、平和、静寂、美、等々を、愛に満ちた心の目は確実に捉える。



At the same time the mind will inevitably disown its miscreations which, without belief, will no longer exist.
  • at the same time : 「同時に、一緒に、加えて、その反面、一方」
  • inevitably [inévətəbli] : 「必然的に、必ず、不可避的に、確かに」
  • disown [disóun] : 「〜に関係がないと言う、〜を自分のものと認めない」
  • miscreation [kriéiʃən] : 「誤った創造」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たずに」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • no longer : 「もはや〜でない」
  • exist [iɡzíst] : 「存在する、生きている、生存する」
❖ "At the same time ~ "「同時に、心は必然的に誤創造したものと縁を切る」。でっち上げた幻想は切って捨てるのだ。"which, without belief, ~ "ここは関係代名詞の制限用法なのだが、意訳して、「信じていないので、もはやそれは存在することさえ出来ない」。幻想は赦されて消滅してしまうのだ。"without belief"ここは、心は誤創造した幻想の実在性を信じていないので、というニュアンス。
 
 
 




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