6. It should especially be noted that God has only one son. If all his creations are his sons, every one must be an integral part of the whole sonship.
- especially [ispéʃəli] : 「 特に、著しく、殊のほか、とりわけ、殊に」
- note [nóut] : 「 〜を書き留める、〜に注意する、〜を気に留める」
- creation [kriéiʃən]: 「創造、創作、創作物、作品」
- integral [íntəgrl] : 「完全にそろった、整数の、積分の」
- part [pάːrt] : 「一部、部分」
- integral part : 「切っても切れない部分、切離せない部分、不可分の一部」
- whole [hóul] : 「すべてを含んだ、欠けたものがない」
- sonship : 「息子であること」
❖ "It should ~ "「that以下は特に注意が必要である」。"that God has ~ "「神には一人の神の子だけがいる」。"If all his creations ~ "「もし、神の創造したものがすべて神の子であるなら、その一つ一つは神の子の総体の、切っても切れない部分であるに違いない」。あなたと他者は分離した存在に見えるだろうが、ともに神の子であるなら、神はたった一人の神の子しか創造しなかったので、あなたと他者は同一存在である。切っても切れない存在であって、神の子としての総体の一部、見掛けの上の一部を構成しているに過ぎない。
The sonship in its oneness transcends the sum of its parts. However, this is obscured as long as any of its parts is missing.
- oneness [wʌ́nnis] : 「単一性、同一性」
- transcend [trænsénd] : 「超える、〜を超越する、しのぐ、〜に勝る」
- sum [sʌ́m] : 「合計、和、計」
- however [hauévər] : 「けれども、しかしながら、また一方」
- obscure [əbskjúər] : 「〜を曖昧にする、見えなくする」
- as long as : 「〜する限り、〜である限りは、〜する以上は」
- missing [mísiŋ] : 「紛失した、欠けている」
❖ "The sonship in ~ "「一体となった神の子は部分の総和をしのぐものとなる」。我々の心は一つ一つの分離し独立した心(mind)に見えるが、実相的には、たった一つの心(Mind)である。多くの心の単なる足し算によって総体的な心が創られているのではない。単なる和を超越するものなのだ。"However, this ~ "「しかし、これは、部分の一部でも失われたら曖昧になってしまう」。たった一つである神の子の心の一部でも欠けてしまえば、もはや完璧な心ではなくなってしまい、曖昧な(不完全な)総体の心、単なる足し算の心になってしまう。
That is why the conflict cannot ultimately be resolved until all the parts of the sonship have returned.
- conflict [kɑ́nflikt] : 「不一致、対立、衝突、争い、紛争、闘争、戦争」
- ultimately [ʌ́ltəmətli] : 「結局のところ、最後に、ついに」
- resolve [rizɑ́lv] : 「解く、晴らす、解消する」
- until [əntíl] : 「〜までは…しない、〜になってやっと」
- return [ritə́ːrn] : 「戻る、帰る、返還する」
❖ "That is why the conflict ~ "「それは、なぜコンフリクトが、すべての神の子一人一人が(神に)回帰しない限り、最後まで解消出来ないかの理由である」。分離分裂した多くの心が神の元に回帰し、たった一つの心に統一されるまでは、あなたの心と他者の心は対立し、衝突し、そのコンフリクトは解消されることはない。分離の必然である。
ところで、なぜあなたの心と他者の心は対立するのか? ACIMの説明では、この世界は幻想であり、あなたが目にする対象は、あなたがあなたの心の思いを外部に投影した像である。つまり、あなたの心の中の葛藤や矛盾を世界に投射して他者を作り出しているのだから、必然的に他者と対立するのである。本当は、あなたがあなた自身と対立しているだけなのだ。簡単に言えば、あなたは夢の中で他者と自分を作り出し、心の矛盾をその他者に投射して演じさせているのだ。
Only then can the meaning of wholeness in the true sense be understood.
- meaning [míːniŋ] : 「意味、目的、意義、価値、効果」
- wholeness [hóulnis] : 「全部そろっていること、完全であること」
- true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
- sense [séns] : 「意味、意義」
- in the true sense : 「言葉の真の意味において、真の意味で」
- understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understandの過去・過去分詞形」
❖ "Only then can ~ "倒置文、「そのときに限って、真の意味での全体性という意味が理解され得る」。神の子の心が本来そうであったように一つになること、それが全体性という意味である。夢の中で分離したかに見える他者と自分の心が、本当は単一の心なのだと認識するとき、全体性という言葉の意味が理解される。
Any part of the sonship can believe in error or incompleteness if he so chooses.
- believe [bilíːv] : 「信じる、確信する、信頼する」
- error [érər] : 「誤り、間違い」
- incompleteness [ìnkəmplíːtnis] : 「不完全さ」
- choose [tʃúːz] : 「 〜を選ぶ、〜を選択する」
❖ "Any part of ~ "「神の子の一部であるものはどんな部分でも、もしそれを選べば、誤りでも不完全性でも信じることが出来る」。分離分裂した神の子の一部である者は、もし望むなら、誤りも不完全さも虚偽も、つまりはあらゆる幻想を信じることが出来る。だから、この世界の実在性を信じ、自分の肉体の実在性、知覚の確実性を盲目的に信じているのだ。だが、神の子の心が一体となって完全性を回復したなら、もはや虚偽も幻想も信じることはない。
However, if he does so, he is believing in the existence of nothingness. The correction of this error is the Atonement.
- however [hauévər] : 「けれども、しかしながら、また一方」
- existence [igzístns] : 「存在、現存、実存、実在」
- nothingness [nʌ́θiŋnis] : 「存在しないこと、無、非実在、無価値」
- correction [kərékʃən] : 「訂正、矯正、修正、是正」
- atonement [ətóunmənt] : 「償い、贖罪」
❖ "However, if he ~ "「しかし、神の子がそれをしてしまったなら、彼は無の存在を信じていることになる」。神の子が誤りや不完全性を信じてしまったなら、無の存在、すなわち幻想の実在性を信じる結果になる。" The correction of ~ "意訳する、「この誤りの修正は、贖罪によるしかない」。幻想を認識し、幻想を受け入れて赦すことで幻想は消滅する。それがACIMの贖罪。誤りもまた、夢の中の出来事なのだと認識し赦すのである。
ここで言う誤りとは、無を信じる誤りであり、修正の障害となっているものは恐れである。その根本原因は無意識の中に潜んでいる罪の意識であり、エゴは投影という煙幕を張り、我々の目から罪を隠している。したがって、我々が解放されるには無意識に巣くう罪の意識を解消しなくてはならない。罪を滅ぼさなくてはならないのだ。罪滅ぼし、すなわち贖罪である。
7. I have already briefly spoken about readiness, but some additional points might be helpful here. Readiness is only the prerequisite for accomplishment.
- already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
- briefly [bríːfli] : 「簡潔に、短く、簡単に、手短に」
- spoken [spóukən] : 「speakの過去分詞形」
- readiness [rédinəs] : 「用意ができていること、準備ができていること」
- additional [ədíʃənl] : 「付加的な、追加の、さらなる」
- point [pɔ́int] : 「要点、核心、真意、特徴、特質」
- helpful [hélpfəl] : 「役立つ、助けになる、有益な、参考になる」
- prerequisite [prirékwəzit] : 「必要条件、必須条件、前提条件」
- accomplishment [əkάmpliʃmənt] : 「成就、偉業、成果、達成、完成」
❖ "I have already ~ "「私(イエス)はすでに、準備が出来ていることに関して手短に話してある」。ここの準備とは、贖罪の準備、修正の準備である。あなたは、その準備は整っている。"but some additional ~ "「しかし、いくつかの付加的ポイント(をここで述べること)は助けとなるであろう」。"Readiness is only ~ "「準備が出来ているということは完成にとっての必要条件に過ぎない」。贖罪、修正の準備が出来ているだけでは十分ではない。それを実行に移さなくては意味がないのだ。理論を知っただけでは道半ば。実践しない限り意味はない。
The two should not be confused. As soon as a state of readiness occurs, there is usually some degree of desire to accomplish, but it is by no means necessarily undivided.
- confuse [kənfjúːz] : 「混乱させる、混同させる、乱す、困惑させる」
- as soon as : 「〜するとすぐに、〜するや否や」
- state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
- occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる、現れる」
- usually [júːʒuəli] : 「普段は、通常、通例、いつもは、大抵」
- degree [digríː] : 「度、程度、度合い、階級」
- desire [dizáiər] : 「欲望、欲求、願望、念願」
- accomplish [əkάmpliʃ] : 「成し遂げる、遂行する、果たす、成就する」
- by no means : 「決して〜ではない」
- necessarily [nèsəsérəli] : 「必ずしも〜でない」
- undivided [ʌndiváidid] : 「分裂していない、集中する、専心」
❖ "The two should ~ "「この二つは混同されるべきではない」。この二つとは、準備が出来ていること(readiness)と完成(accomplishment)の二つ。"As soon as ~ "「準備が出来ている状態が起きるとすぐ、普通は完成へのある程度の願いが生じる」。"but it is by no ~ "「しかし、それは必ずしも(完成に向けて)専心しているとは言えない」。完成への願いは同時に発生するが、まだ心は完成に向けて専心してはいない。ぐらつく可能性も、後戻りする可能性もまだ残されている。
The state does not imply more than a potential for a change of mind. Confidence cannot develop fully until mastery has been accomplished.
- imply [implái] : 「暗に伝える、暗示する、ほのめかす 」
- more than : 「 〜を越える、〜より多い、〜を上回る、〜より大きい」
- potential [pəténʃəl] :「可能性、見込み、潜在性、潜在力」
- change [tʃéindʒ] : 「変化、変更、移行、交換」
- confidence [kάnfədəns] : 「信頼、信用、信任、確かさ、確信、自信」
- develop [divéləp] : 「発展する、成長する、発育する」
- fully [fúli] : 「十分に、完全に、全く、すっかり、全体に」
- mastery [mǽstəri] : 「熟達、精通、統制、支配」
❖ "The state does ~ "「その状態は、心が変わる可能性あるということ以上を暗に示しているわけではない」。完成への願いだけでは、それが変化してしまう可能性を残している。"Confidence cannot ~ "「確信は、征圧が達成されるまでは十分に発達し得ない」。願いが確信に変わるには、誤りを正すときの恐れを征圧することが必要である。征圧(mastery)に関しては、T-2.VII.4:2 ~ T-2.VII.4:4を振り返っておく必要がある。そこでは、愛を通しての恐れの征圧が語られている。
We have already attempted to correct the fundamental error that fear can be mastered, and have emphasized that the only real mastery is through love.
- already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
- attempt [ətémpt] : 「〜を試してみる、〜を企てる」
- correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す」
- fundamental [fʌ̀ndəméntl] : 「基本となる、基礎の、基本的な」
- fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
- master [mǽstər] : 「〜を征服する、〜を修得する」
- emphasize [émfəsàiz] : 「〜を強調する、重視する、力説する」
- real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
- through [θrúː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
❖ "We have already ~ "「私たちはすでに、恐れが征圧されるために、基本的な誤りを正す試みをしてきた」。ここのthatは接続詞で、"so that"の"so"が省略されたもの、「〜するために、その結果」。"fundamental error"に関してはT-2.IV.2:6を参照のこと。"and have emphasized that ~ "「また、私たちは、唯一真の征圧は愛を通してのものであると強調した」。
Readiness is only the beginning of confidence. You may think this implies that an enormous amount of time is necessary between readiness and mastery, but let me remind you that time and space are under my control.
- beginning [biɡíniŋ] : 「初め、開始、始まり、発端」
- confidence [kάnfədəns] : 「信頼、信用、信任、確かさ、確信、自信」
- imply [implái] : 「暗に伝える、暗示する、ほのめかす」
- enormous [inɔ́ːrməs] : 「巨大な、膨大な、莫大な」
- amount [əmáunt] : 「量」
- necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
- between [bitwíːn] A and B: 「AとBとの間に、AないしB」
- remind [rimáind] : 「〜に思い出させる、〜に気付かせる、指摘する」
- under [ʌ́ndər] : 「下に、下の方に、従って、従属して」
- control [kəntróul] : 「支配、統制、管理、制限」
❖ "Readiness is only ~ "「準備が出来ていることは、確信に至る、ほんの手始めに過ぎない」。"You may think ~ "「このことはthat以下を暗に示していると思われるかもしれない」。"that an enormous ~ "「準備が出来ていることと恐れの征圧の間には途方もない時間が必要であると、」あなたは思っているかもしれない。"but let me ~ "「しかし、時間と空間は私(イエス)のコントロール下にあるのだと思い出してほしい」。直訳すると、「私をしてあなたに思い出させるようにさせよ」ということだから、「思い出してほしい」ということ。時間と空間は幻想の世界における錯覚である。途方もない時間も、純粋なスピリットであるイエスにとっては自在にコントロール出来るものである。イエスは、時間をいかようにも圧縮出来るのだ。だから、準備と完成の間に多くの時間がかかりそうに思えるだろうが、その時間コントロールはイエスに、あるいはホーリー・スピリットに任せておけばいい。あなたが真実を求めれば、それは必ず与えられるのだ。