●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-5.III.10:1 ~ T-5.III.11:10

10. The Holy Spirit is the perfect Teacher. He uses only what your mind already understands to teach you that you do not understand it. 
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「完璧な、完全な」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
❖ "The Holy Spirit is ~ "「ホーリー・スピリットは完璧な教師である」。"He uses only ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたがすでに理解していることだけを使う」。"to teach you ~ "不定詞、副詞的用法、「〜するために」、「あなたに、あなたが(本当は)それを理解していないことを教えるために」あなたがすでに理解していることを使う。たとえば、あなたは目の前に展開するこの世界が実在の世界だと理解しているが、ホーリー・スピリットは、実はその世界は幻想の世界であって、真実の世界は別のものだと教えてくれる。また、あなたの心の中でささやいている声は自分の意思を反映している声だと理解しているが、ホーリー・スピリットは、実はそれはエゴの声であって、真実の自分の声は別のものだと教えてくれる。



The Holy Spirit can deal with a reluctant learner without going counter to his mind, because part of it is still for God. 
  • deal with : 「〜を扱う、〜を取り扱う」
  • reluctant [rilʌ́ktənt] : 「気乗りしない、気が進まない」
  • learner [lə́ːrnər] : 「学習者、初学者」
  • go counter [káuntər] to : 「〜に背く、〜に逆らう」
❖ "The Holy Spirit can ~ "「ホーリー・スピリットは、気乗りのしない学習者を、彼の心に逆らうことなく、うまく取り扱うことが出来る」。"because part of ~ "「なぜなら、彼の心の一部は、まだ神を求める方向に向いているからだ」。



Despite the ego's attempts to conceal this part, it is still much stronger than the ego, although the ego does not recognize it. 
  • despite [dispáit] : 「〜にもかかわらず」
  • attempt [ətémpt] : 「試み、企て」
  • conceal [kənsíːl] : 「隠す、隠匿する、秘密にする」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「認める、受け入れる」
❖ "Despite the ego's ~ "「(神を求める心の)この部分をエゴが隠そうとする試みにもかかわらず、それはなおエゴよりもずっと強い」。ただし、"although the ego ~ "「エゴはそれを認めようとはしないのだが」。エゴはホーリー・スピリットの存在を認めない。しかし、エゴはホーリー・スピリットの存在を隠しきれない。



The Holy Spirit recognizes it perfectly because it is his Own dwelling place; the place in the mind where he is at home. 
  • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
  • dwell [dwél] : 「住む、居住する」
  • at home : 「くつろいで、慣れて、気楽に」
❖ "The Holy Spirit ~ "「神を求める心の一部をホーリー・スピリットは完璧に認識している」。"because it is ~ "「なぜなら、その心の部分こそ、ホーリー・スピリットの住まう場所であるからだ」。"the place in ~ "「そこは、ホーリー・スピリットがくつろげる心の中の場所である」。あなたの心の最も純粋で神聖な部分にホーリー・スピリットは宿っている。そこには神の祭壇があって、そこが神との唯一のチャンネルになっている。



You are at home there, too, because it is a place of peace, and peace is of God. You who are part of God are not at home except in his peace. If peace is eternal, you are at home only in eternity.
  • except [iksépt] : 「〜を除いて、〜以外に」
  • part of : 「〜の不可欠な要素である」
  • eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の」
  • eternity [itə́ːrnəti] : 「永遠、無限」
❖ "You are at ~ "「その場所で、あなたもまたくつろぐ」。"because it is ~ "「なぜなら、そこは平和の場所であり、平和は神のものであるからだ」。"You who are ~ "「神にとって不可欠なあなたは、神の平和の内にある以外に、くつろぐことは出来ない」。"If peace is ~ "「平和が永遠であるなら、あなたは永遠の中でのみくつろぐことになる」。神の住む実相世界、天の王国こそが、神の子であるあなたの故郷、終(つい)の棲家である。くつろぐことの出来る我が家だ。



11. The ego made the world as it perceives it, but the Holy Spirit, the reinterpreter of what the ego made, sees the world as a teaching device for bringing you home. 
  • reinterpreter [riintə́ːrpritər] : 「再解釈する者」
  • device [diváis] : 「機器、装置、道具」
❖ "The ego made ~ "「エゴは世界を知覚するままに造った」。エゴは、あなたが目にすることの出来る幻想世界を偽創造した。"but the Holy Spirit ~ "「エゴが作ったものの再解釈者であるホーリー・スピリットは、世界を〜として見ている」。"as a teaching ~ "「あなたを故郷に連れ戻すための、教えの道具として」世界を見ている。"home"はもちろん、神の下(もと)。知覚を修正するために、正しい知覚を直接教えるのではなく、誤った知覚を認識させながら、それを修正していく。時間に関しても、時間を学びの補助装置として利用する。実相への目覚めは緩やかであるべきだとACIMが言うように、幻想の肉体や知覚や時間を学びの補助装置として利用しながら、徐々にあなたを真実に向かわせる。



The Holy Spirit must perceive time, and reinterpret it into the timeless. He must work through opposites, because he must work with and for a mind that is in opposition. 
  • reinterpret [riintə́ːrprət] : 「〜を再解釈する」
  • opposite [ɑ́pəzit] : 「反対、正反対のもの」
  • opposition [ὰpəzíʃən] : 「反対、敵対」
❖ "The Holy Spirit must ~ "「ホーリー・スピリットは時間というものを知覚し、それを無時間として再解釈する」。"He must work ~ "「ホーリー・スピリットは背反するものを通して働きかけなくてはならない」。"because he must ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットは、抵抗する心のために、抵抗する心と共に働きかけなくてはならないからだ」。たとえば、時間が存在しないことをホーリー・スピリットがあなたに教えるとき、時間の存在を信じているあなたの心をよく理解した上で、無時間性に抵抗するあなたの心をときほぐしながら、時間は存在しないという真理へとあなたを導いてくれる。神が幻想と一切の関わりをもたないのに対して、ホーリー・スピリットは幻想と実相の両方を行き来しつつ、幻想を学びの補助装置として利用してあなたを実相へ目覚めさせるのである。



Correct and learn, and be open to learning. You have not made truth, but truth can still set you free. Look as the Holy Spirit looks, and understand as he understands. 
  • correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、覚える、習う」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理」
❖ "Correct and learn ~ "「正し、学び、そして、学ぶことに心を開きなさい」。"You have not ~ "「あなたは真実を作ったわけではないが、しかし、真実はなおあなたを自由にすることが出来る」。"Look as the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットが見るように見なさい」。"and understand ~ "「そして、ホーリー・スピリットが理解するように理解しなさい」。



His understanding looks back to God in remembrance of me. He is in communion with God always, and he is part of you. 
  • look back : 「振り返って見る」
  • remembrance [rimémbrəns] : 「記憶、思い出」
  • in remembrance of : 「〜の記念に、〜を思い出して」
  • in communion with : 「〜と一体である」
  • be part of : 「〜の不可欠な要素である」
❖ "His understanding looks ~ "「ホーリー・スピリットの理解は、私を思い出しながら神を振り返る」。あなたがホーリー・スピリットの理解を自分の理解とするとき、イエスがそうしたことを思い出しながら、神の住む実相世界へと心の向きを変えていく。"He is in communion ~ "「ホーリー・スピリットは常に神と心を交わし一体である」。と同時に、"and he is ~ "「ホーリー・スピリットはあなたにとって不可欠な一部分である」。あなたがホーリー・スピリットの教えと愛を受け入れて、あなたの心とホーリー・スピリットの心が一体となるとき、あなたと神の分離は解かれる。



He is your Guide to salvation, because he holds the remembrance of things past and to come, and brings them to the present. 
salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い」
remembrance [rimémbrəns] : 「記憶、思い出、回想」
past [pǽst] : 「過ぎ去った、過去の」
to come : 「未来の」
present [préznt] : 「今、現在」
❖ "He is your ~ "「ホーリー・スピリットは救いへのガイド役である」。"because he holds ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットは過去や未来のことを記憶にとどめており、それを現在へと運んでくるからである」。ホーリー・スピリットは、あなたの行状のすべてを記録として保持している。それを踏まえて、今という時において、救いのための最善の道をガイドしてくれる。
 ホーリー・スピリットは過去や未来のことを記憶にとどめており、とあるが、ACIMの原典であるUrtextには"Record"という言葉が複数箇所に登場する。いわゆる"Akashic Records(アカシックレコード)"的なものであるが、コース学習用のHLC版やFIP版では、"Record"という単語はすべて切り捨てられた。



He holds this gladness gently in your mind, asking only that you increase it in his Name by sharing it to increase His joy in you.
  • gladness [glǽdnis] : 「喜ばしさ、喜び」
  • gently [dʒéntli] : 「静かに、優しく、穏やかに」
  • increase [inkríːs] : 「〜を増やす、増大させる」
  • in one's name : 「独立して、自分の名前で」
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う」
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜、喜びの種」
❖ "He holds this ~ "「ホーリー・スピリットはこの喜びをあなたの心の中に優しく保持してくれる」。ホーリー・スピリットにとって、あなたが実相へと救われることは喜びである。あなたの心の中で、その一瞬を待ちわびている。"asking only that ~ "分詞構文、単純接続、「そして、ホーリー・スピリットはthat以下だけをあなたに求めている」。"that you increase ~ "「ホーリー・スピリットの喜びをあなたの中で増大させるために、ホーリー・スピリットの名において喜びを分かち合うことで、あなたが喜びを増大させること」を求めている。詩的表現をしているので意味が分かりづらいが、要するに、あなたが救われて、ホーリー・スピリットと喜びを分かち合おう、ということ。分かち合えば、喜びは倍増する。ホーリー・スピリットの名においてとは、神の使者としてのホーリー・スピリットを全面的に受け入れて、といった意味合い。
 
 
 



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